何度ダウンしてもバンナに向かっていった鈴川だが、トーナメント1回戦で敗退!猪木は自粛ムードを元気で吹っ飛ばす
IGFプロレスリング
東北地方太平洋沖地震復興イベント
GENOME15〜苦しみの中から立ち上がれ!
日時:4月28日(木) 開始:19:00
会場:東京ドームシティホール
観衆:2988人(超満員札止め)
28日、東京ドームシティホール(旧JCBホール)で東北地方太平洋沖地震復興イベントとして行われたIGF『GENOME15〜苦しみの中から立ち上がれ!』。前回の2・5『GENOME14』からスタートした"2億円ベルト"を争うIGFチャンピオンシップトーナメントだが、今大会では本来は『GENOME14』でのキンボ・スライス戦が1回戦になる予定だった鈴川真一が、キンボ戦が流れてしまったため"K-1の番長"ジェロム・レ・バンナ相手に1回戦を仕切り直すことに。
マーク・コールマン、モンターニャ・シウバ、ボブ・サップとプロレスデビュー以来3連勝中の鈴川だが、K-1の中でもハードパンチャーで知られるバンナ相手に、得意のマーダービンタで真っ向勝負を挑む構えだが、ルールがなかなか決まらずにいた。
試合前、和田良覚レフェリーからK-1ルールを主張するバンナと、通常のIGFルールを主張する話し合いは平行線を辿り、試合直前になってバンナは14オンスのグローブを着用し、鈴川は素手、ピンフォールなしでギブアップ、KO、TKOのみで決着がつく"異種格闘技戦"で行われることが発表された。
まさしく異種格闘技戦のパイオニアであるアントニオ猪木が率いる団体らしい展開。K-1のときとまったく同じスタイル、雰囲気でバンナが入場すると、八百長問題で大相撲を辞めた元関取たちがリングサイドで見守る中、気合い十分の表情で鈴川が入場。練馬ザ・ファッカーを従え、闘魂タオルを首にかけて登場した鈴川がリング上でTシャツを脱ぎ捨てると、背中には大きく「闘魂」の二文字が描かれていた。
闘魂を背負ってバンナと対峙した鈴川はいきなりハイキックを飛ばすが、バンナは余裕の表情でガード。鈴川は得意のマーダービンタを積極的に飛ばしていくが、バンナもジャブで応戦。鈴川はタックルを狙うが、バンナは以前から総合のトレーニングもしており、見事にタックルを切ってみせる。鈴川のソバットをかわしたバンナは、マーダービンタをブロックすると、左フックを叩き込んでダウンを奪う!
カウント8で立ち上がった鈴川に対し、逆にバンナがタックルテークダウンを奪うが、鈴川はロープエスケープ。ストレートからのフックで鈴川に鼻血を出させたバンナは、ボディへ突き刺さるようなミドルキックで2度目のダウンを奪うが、鈴川は立ち上がる。差し合いからロープに押し込む鈴川だが、突き放したバンナはボディブローからフック。さすがに下がった鈴川にチャンスと見たバンナはパンチでラッシュ!
3度目のダウンを喫した鈴川だが、立ち上がるとなおもバンナに向かって行く。しかし迎撃するように右フックの連打から左フックで4度目のダウンを奪ったバンナ。しかし脅威の打たれ強さを発揮して立ち上がった鈴川は、バンナのパンチをもらいながらも必死に組み付こうとするがねじ伏せられて5度目のダウン。朦朧としながらも立ち上がり、最後まで諦めず突進した鈴川だが、そこにバンナの右フックがカウンターで鈴川のアゴにヒット! 前のめりにダウンした鈴川を見て、和田レフェリーはバンナのKO勝ちを宣告した。
相撲出身の打たれ強さとハートの強さを見せた鈴川だが、ついにデビュー4戦目にして初黒星。IGFチャンピオンシップトーナメントもまさかの1回戦負けとなった。リングでは猪木会長から「大丈夫か? 悔しい思いをいっぱいしろ」と声をかけられた鈴川に、場内からは大鈴川コールが飛んだ。勝ったバンナも鈴川のハートを絶賛すると、「プロレスは八百長だという噂があるが、これは本物の闘いだと今日の試合で証明出来たんじゃないかと思う」と語り、2回戦ではジョシュ・バーネット戦を熱望した。
かなりインターバルを空けてからコメントを出した鈴川だが、「勉強になりましたけど、次の課題としては何かを伝えられるようなファイターになれるようにと、つくづく思いましたね」とだけコメントするのが精一杯。代わりに練マザのD.Oが「(鈴川の)闘魂が傷だらけな日本にパワー与えたってことだけは間違いねぇって話!」と言い放った。
先日、東日本大震災の被災地を訪問した猪木は、今大会に被災者の方を招待。休憩時間明けにリングに上がった猪木は「先日、被災地に訪問したときに元気を持ってきましたという挨拶から始まったのですが、逆にそこにいる人たちのほうが元気で。東京は自粛ばかりで、逆に今日は被災地の方に元気を持ってきてもらいました」と挨拶。
「女子学生のスカートの丈と猪木の元気は下がることを知らない! というわけで思いは見えないけれど、思いがけは誰にも見える」と某CMで聞いたことのある台詞を言って会場を沸かせた猪木は、腰が悪いということで用意されたイスに座ったのだが、その瞬間イスがバターンと崩れて猪木転倒! だが、これはアクシデントではなく、どうやら猪木流お約束。「俺もこんなことやりたくねぇんですけど、恒例になってしまったので」と苦笑いした猪木は、下ネタを交えながらアントンジョークを披露したあと、「津波は去ったけど、藤波はいる。藤波、出て来い!」と言って、この日デビュー40周年特別試合第2弾として、約19年半ぶりにビッグバン・ベイダーと一騎打ちを行った藤波辰爾を呼び込む。
さらに「村はなくなったけど、木村はいるぜ。健悟出て来い!」と言って、先日の品川区議会議員選挙に当選した木村健悟を呼び込むと、最後に「いま一番心配なのは原発の事故ですよね。このモンスターはどんな力で抑え付けることも出来ない。最後はチョーノウリョク(超能力)しかねぇな。蝶野正洋出て来い!」と、IGFのエグゼクティブ・プロデューサーを務める蝶野正洋を呼び込んだ。
愛弟子である3人をリング上に並ばせた猪木は、「みんなは歌がうまいからね」と言いながら袋から巨大なペロペロキャンディーを取り出して渡していく。それを見た観客から「キャンディーズ!」という声が飛ぶと、猪木はご満悦の表情で「よく分かった!」と言ってから恒例となっている『道』をサックス演奏に乗せて歌い上げ、最後はと「自粛は止めて、明日から元気と勇気で日本を元気に! 思い切り声を出して、思い切り拳を上げてください。いくぞー! 1、2、3、ダー!」で中締めをしてみせた。
さらに猪木は大会終了後、鈴川の健闘を「いい経験になったと思う。まぁ頑張ったと思いますと」と評価すると、「とにかく格闘技を元気にしようというのがIGFのテーマなんでね。まぁ出来ればこの夏ぐらいに"格闘技のお祭り"でもやれればなって、ちょっと思いついたんでね。やっぱり異種格闘技っていうのは、一番面白味が違う分野(同士)でぶつかるからね」と、日本を元気にするために格闘技祭の開催を示唆するような発言も飛び出した。
蝶野とのデビュー戦以降も、武藤敬司やベイダーといったビッグネームと対戦してきた橋本大地が、父・橋本真也がかつて尊敬し、また一時は憎むときもあった猪木の団体に上がる時が来た! まずは蝶野EPがリングに上がり、「今月の頭、猪木さんと一緒に被災地に周って来ました。猪木さんの背中を付き人時代から見てきましたが、今回の行動、判断力、そして影響力、すべてがスーパースターだなと思いました。闘魂というのがこのリングのテーマです。そしてまた1人、若い選手がこのリングに入ってきました。元闘魂三銃士・橋本真也の息子、橋本大地君。闘魂というテーマを探して、この道に入ってきました。若い力が日本を盛り上げてくれると思います」と挨拶すると、橋本真也さんとは仲が良かった田中秀和リングアナに呼び込まれて大地が『爆勝宣言』に乗って入場!
対するは藤原喜明&藤原組出身の稔の師弟タッグ。いきなり大地vs.藤原の顔合わせで試合が始まると、大地は積極的にローキックを打っていき、なかなか藤原に掴ませない。それでもバックを取った大地の腕をアームロックで捻り上げ、さらにコーナーに押し込んでいって張り手を見舞った藤原。大地も蹴りと掌底を飛ばしていくが、のど輪でロープまで押し込んだ藤原は張り手から強烈な頭突きをお見舞い。ここで稔にタッチすると、稔は挨拶代わりにドロップキックから強烈なサッカーボールキック。だが、大地もブレーンバスターを狙った稔を逆に投げてみせる。
しかし藤原&稔のダブルヘッドバットを食らい、稔の逆片エビ固めに捕らえられたところに藤原にストンピングを落とされピンチに立たされた大地。控えの大谷晋二郎が観客に「大地」コールを促すと、ようやく稔にカウンターのハイキックを叩き込み、ミドルキックの連打→ニールキックという破壊王ムーブを見せる。タッチを受けた大谷は顔面ウォッシュ、串刺しフロントキック、ジャンピングキックと叩き込んで再び大地にタッチ。
すると大地はシャイニング・ウィザードからのSTFを披露! まさしく1人闘魂三銃士! 大地の蹴り足をキャッチしてドラゴンスクリューで投げた稔が藤原にタッチすると、大地は一気に掌底で藤原に襲いかかる。何とか掌底をかいくぐってワキ固めを極めた藤原だが、大地は前転して脱出。なおもガムシャラに掌底を打っていった大地だったが、藤原はエグい角度のワキ固めに捕らえ、今度こそギブアップを奪った。
大地と初めて手を合わせた藤原は「ちょっとナメてた。クソッ! (大地は)スネが固いんだよ。最後は必死になっちまった」と高評価。現世界ジュニアヘビー級王者の稔も「リングで向かい合った時に発する雰囲気とか、オーラとか、デビュー10戦もやってないのに凄まじいものがありますから、いい雰囲気持っているなと思います。まぁ何年経つか分からないですけど、確実に彼の時代は来るでしょうね」と大地の将来性を絶賛した。
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
▼第1試合 タッグマッチ 15分1本勝負
タカ・クノウ/●澤宗紀(バトラーツ)
12分51秒 チキンウイングアームロック
○鈴木秀樹/定アキラ
▼第2試合 震災復興特別試合 Mask of Super Stars 20分1本勝負
初代タイガーマスク(リアルジャパン)/●ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)
9分55秒 エビ固めを切り返えしてのエビ固め
○ザ・グレート・サスケ(みとのくプロレス)/マスクド・ゲノムJr.
▼第3試合 藤波辰爾デビュー40周年特別試合・第二弾 DRAGONvs.BIGBANG 10分1本勝負
△藤波辰爾(ドラディション)
時間切れ引き分け
△ビッグバン・ベイダー
▼第4試合 タッグマッチ 20分1本勝負
○藤原喜明(藤原組)/稔(フリー)
13分57秒 ワキ固め
大谷晋二郎(ZERO1)/●橋本大地(ZERO1)
▼第5試合 IGFキックボクシングルールマッチ 3分3ラウンド
●ボブ・サップ
1R1分19秒 KO(セコンドのタオル投入)
○角谷正義
▼第6試合 IGF×ZERO1 30分1本勝負
澤田敦士
3分49秒 ノーコンテスト
崔領二(ZERO1)
▼第7試合 IGFチャンピオンシップトーナメント1回戦 45分1本勝負
○ボビー・ラシュリー
4分59秒 スピアー→片エビ固め
●キース・ハンソン
※ラシュリーがトーナメント2回戦に進出
▼第8試合 IGFチャンピオンシップトーナメント1回戦(異種格闘技戦ルール) 45分1本勝負
●鈴川真一
5分39秒 KO
○ジェロム・レ・バンナ
※バンナがトーナメント2回戦に進出
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