橋本大地が蝶野相手に堂々デビュー!またもビッグマッチで敗れた大谷だが、目を真っ赤にしながらも胸を張って「大成功!」と叫ぶ

110306_Zero1-1.jpgプロレスリングZERO1
ゼロワン10周年記念大会『プロレス』
日時:3月6日(日) 開始:15:00
会場:両国国技館
観衆:非公開

 6日、両国国技館で行われたプロレスリングZERO1の10周年記念大会、その名も『プロレス』。旗揚げ戦の地である両国に帰ってきたZERO1だが、『プロレス』という大会名通りバラエティに富んだカードがラインナップされた。
 何と言っても注目だったのが、ZERO-ONEの創始者である"破壊王"橋本真也の長男である橋本大地のデビュー戦。その相手を務めたのは橋本さんとは闘魂三銃士の盟友だった蝶野正洋。さらにPPVの特別ゲストとして武藤敬司も放送席からこの一戦を見守った。

 武藤が『HOLD OUT』、蝶野が『CRASH』に乗って入場すると、沖田リングアナの「破壊なくして創造なし、橋本大地入場!」という絶叫と共に大「ハッシモト」コールの中、真っ白なハチマキを巻いた大地がビッグマッチバージョンの『爆勝宣言』で入場。まさしく曲だけでも闘魂三銃士が復活した。大地はハーフタイツにレガースという今風のコスチュームだが、その黒地に赤いラインが入ったデザインは、まさしく橋本真也のパンタロンと同じ。
 まずはロックアップから試合が始まると、蝶野はヘッドロックに捕らえていく。早くも大地の悲鳴が館内に響くが、ハンマーロックはハンマーロックで切り返してみせた大地。さらに手四つの力比べをブリッジで堪えて押し戻した大地は、前蹴りで蝶野をロープに押し込むと、離れ際に張り手をお見舞い! さらに父親そっくりのフォームでミドルキックを打っていった大地は、蝶野をコーナーに追い詰め、ブレイクを命じるレフェリーを押しのけてストンピングを浴びせていく!
 だが、老かいな蝶野はサミングからのニールキックで大地を場外に追いやると、自らも場外に出てパイルドライバー。強烈な洗礼を浴びた大地は頭を抑えながら何とかリングに戻るが、蝶野は再びパイルドライバーで叩き付ける。そしてヤクザキックを放っていくが、これをミドルキックで迎撃した大地はソバットからニールキック。さらに胴絞めスリーパーに捕らえていく。ロープに逃れた蝶野は走り込んできた大地にカウンターのヤクザキックを叩き込むが、大地も突進してきた蝶野にカウンターのニールキック。
 さらに続けてニールキック2連発を叩き込んだ大地だが、蝶野はカウント1で返すとヤクザキックからシャイニング・ヤクザキック。倒れた大地を見下ろした蝶野はSTFを狙うが、大地は必死にロープを掴み。だが、額をくっつけて大地を威圧した蝶野はヘッドバットでダウンさせると、一気にSTFを決めてギブアップを奪った。

110306_Zero1-2.jpg 試合後、蝶野は大地に向かって「オイ、橋本大地! 立てよ、オラ! よく頑張ったよ。今日からスタートだよ。お前、親父の大きな山を超えなきゃいけないんだよ。それから親父と共に闘った同志、超えなきゃいけない山はいっぱいあるよ。超えたいだろ? 超えてから自分の山を作れよ!」と檄を飛ばすと、早速近くにある1つの山として放送席に座っている武藤を呼び込む。
 リングに上がった武藤と握手を交わした大地に蝶野が「親父に言ってやれ、オラ!」とマイクを渡すと、「僕の父親が聞いているか分かりませんが、やっと僕、ここまで来ました。僕を支えて下さった皆さん、本当にありがとうございました」と語った。これを聞いた武藤は「大地、デビューおめでとう! 次、いっちゃうか? 大地、次、俺とだ!」と大地との対戦をアピールした。
 インタビュースペースで3人並んでインタビューに応じると、大地は「無我夢中だった自分がいるって分かるのと、顔と首が痛いっていうのが分かる」とデビュー戦の率直な感想を語った。とりあえず自分が一番自信おある蹴りを思い切り蝶野にぶつけることは出来たという大地について、蝶野は「肝っ玉が据わってる。試合中、このぐらいのキャリアで初めての選手って、組んだら息が上がるの分かるんですけどね。最初に息が上がってるの確かめようと思ったら全然そういうのないし、親父なんかより全然肝が据わってる。度胸がある」と絶賛。
 一方、武藤は煽りVで橋本家の映像を見てしまったことで試合にイマイチ集中出来なかったようだが、「親父(=真也さん)は二度と行かない特設リングみたいなところでデビューして、大地は両国からデビューして。ある意味これ試練だからさ、両国からデビューっていうのは。これは運命だから。彼はこの運命を生き抜いてほしいですね」と大物ルーキーとして大舞台でデビューした大地には、その運命を生き抜いて欲しいとハッパをかけた。
 そしてリング上で表明した大地との対戦に関して「プロレスっていうのは流れですからね。まだZERO1とは何も交渉してないし、全然話はない中で(次は俺と)言っちまった以上、プロレスっていうの流れだからな」と、いかにも武藤らしく大地と対戦する流れになったことを強調。その上で「正直、蝶野より厳しいぞ、俺。コンディションだってすごいんだぞ!」と威嚇した。
 大谷社長も「大地が控室に戻ってきてしてやったことは、ただ1つ。何も言わず、お疲れさんと抱きしめてやりました。練習では1回も見せなかった表情見せやがって、あの野郎。過保護と何言われようと、素晴らしかったと思います! 大地を囲い込むようなことをするつもりないからね。大地がこのプロレス界、日本プロレス界の宝、光であるならば、大地が行って意味のある場所、大地で意味のある相手であれば、僕はどんどん経験積ませたいなという気持ちはあります」と語り、武藤戦に対しても前向きな発言。さらにこの日、リングに上がって5・5『ブシロードレスリング』でプロレスデビューすることを、改めてプロレスファンに報告したK-1 MAX日本王者の長島☆自演乙☆雄一郎も「橋本大地選手、いい試合でしたね。感動しました。実は自分も5月5日にプロレスデビューします。1人じゃ盛り上がらないと思いますので、ルーキー同士でこのプロレス界を盛り上げましょうよ」と大地にエールを贈った。

110306_Zero1-3.jpg 日高郁人が宿命のライバル伊藤崇文に勝ち、大地が合格点のデビュー戦を行い、田中将斗が新日本プロレスからの刺客である永田裕志を倒し、崔領二が難攻不落の関本大介を下して世界ヘビー級王座をZERO1のリングに奪還という流れを受けて、メインで"プロレス界の帝王"高山善廣と相対した大谷晋二郎。
 ビッグマッチではことごとく勝っていない大谷だが、万感の表情で会場を見渡しながら入場。巨大な高山に向かってチョップを打っていく大谷だが、高山はビッグブーツやニーリフトを大谷に叩き込む。しかし大谷はニールキックで反撃すると、顔面ウォッシュ2連発から串刺しドロップキック。さらにバックを取るが、踏ん張った高山はキチンシンクからのバックドロップで反撃。さらにランニングローからスリーパーで絞め上げていくが、大谷は場内の大「大谷」コールに合わせて拳を突き出す。
 だが、高山はランニングニーからエベレストジャーマン。辛くもカウント2で返した大谷は高山のランニングニーを袈裟斬りチョップで迎撃すると、水面蹴りから走り込んでの袈裟斬りチョップを叩き込む。そこから高山の巨体を投げ捨てジャーマン3連発でブン投げると、強烈なヘッドバットを叩き込む。これで高山は額が割れて流血! それでもニーリフトやナックルを返していく高山に対し、大谷もナックルで応戦するが、高山はバックドロップで投げると、ニーリフトを叩き込んで棒立ちになった大谷をエベレストジャーマンで投げていき3カウントを奪った。
 またもビッグマッチで勝てなかった大谷だが、大の字に倒れた大谷の腕を持って引き起こした高山は、観客に「大谷」コールを促すと握手を求める。悔しさいっぱいの表情で握手に応じた大谷は「勝ちたかった。勝ちたくて、勝ちたくて、堪りませんでした。田中が勝ち、領二が勝ち、日高も勝ち、ZERO1選手がみんな頑張って勝ったのに、肝心なところでいつもの僕が負けてしまう。しかしっ! 何度やられてもこれだけは何度でも言わせてもらうぞ。大谷晋二郎というプロレスラーは何度潰されても、何度だって立ち上がる! ありがとうございます。試合に負けた僕ですが、胸を張ってあたなたちに聞きたいことがあります。今日集まってくれた皆様、プロレスは大好きですか? プロレスは最高ですか? ZERO1は最高ですか? 皆さん、今日ZERO1のプロレスを見て元気になりましたか? ありがとうございます」というと思わず男泣き!

110306_Zero1-4.jpg だが、大谷は「10年間、頑張り続けていっぱい流した悔し涙が、今日嬉し涙に変わりました。皆さんもそれぞれの人生、諦めずに頑張ってください!」と言うと、ZERO1の選手たちをリング上に招き入れる。さらに車イスに座りながらリングサイドで観戦していた星川尚浩にもリングに上がるように言う。
 星川は周りに支えられながら、ゆっくりだが着実にリングに上がっていく。その様子を見つめていた大谷は、星川がリング内に入ると「星、お前の帰ってくるリングはずっとここにあるからな」と声を掛けた。そして大谷が自分に言い聞かせるかのように「最後は元気よく締めたいと思います。大丈夫、星は元気なんだ! 湿っぽくない!」と言うと、星川も自ら立ち上がると言う。それを聞いた大谷が星川に肩を貸し、最後は大谷からマイクを託された大地の音頭で「いくぞー、スリー、ツー、ワン、ゼロワーン!」の雄叫びで10周年記念の両国大会を締めくくった。
 インタビュースペースに到着した大谷は、思わず涙が溢れてきたが、それでも「あー! 何の言葉も思い浮かばねぇんだ、クッソ! 泣いてねぇぞ、声も枯れ果てて......泣いてねぇからな! 色んなもん背負ってんだ! 重てぇもの! 重てぇものをいっぱい背負ってんだ、大谷晋二郎は! でも言っておくぞ! めちゃくちゃ重てぇけどな、めちゃくちゃ暖けぇもん背負ってんだ! 負けたって、また立ちあがりゃいいんだ! どれだけ悔し涙流したってな、頑張り続けりゃいつかは嬉し涙に変わるんだ! 俺は......僕はそれをプロレスを通して教えたいです。世の中の子供に、そして大人の皆さんにも、プロレスを通して伝えたいと思います。本当であれば今日、高山に勝って胸張って伝えたかったけど、負けたって胸張って伝えてやるんだ。プロレスはそういうもんだろう。誰が嫌い、どこが嫌、ちっちぇえこと言ってんじゃねぇよ! いいか? プロレスはな今の世の中に対してデッカイ使命背負ってんだ! 誰に笑われようがな、俺は言い続けるからな。プロレスで、プロレスに触れた人間すべてを元気にしてやるからな!」と実に大谷らしく熱く叫んだ。
 必死に涙を堪えてコメントしようとする大谷だが、その目は真っ赤。すると大谷は「俺はな、涙流すことを恥ずかしいなんて、これっぽっちも思わねぇからな。橋本さんに教わったんだ。プロレスラーだったら、その時の感情をすべてをさらけ出せって。橋本真也さんに教わったんだよ。それで10年やってきたんだ! それに答えてくれた人が集まってくれたんだろ? あー、たまらない!」と吐露した。
 2・17後楽園大会の試合後、下馬評で「厳しいんじゃないか」という声が多かった両国大会に関して「絶対に大成功と言って終わりたい」と語っていた大谷だが、最後にそのことを聞かれた大谷は「本当は勝負に負けた男がこんなこと言うことじゃないかもしれないけど、胸張って言うぞ! 2011年3月6日、ZERO1 10周年記念両国国技館大会『プロレス』大成功だー!」と、胸を張って堂々大成功を宣言。その言葉通り、観客もほぼ満員状態だったし、盛り上がりも凄かった。そして大谷は最後に『プロレス』という4文字をバックに背負いながらこうも言った「本当にありがとうございました。これからもプロレスをよろしくお願いします!」と。
 
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第0試合 タッグマッチ 10分1本勝負
富豪2夢路(フリー)/○不動力也(フリー)
8分24秒 ダイビング・ギロチンドロップ→体固め
炭谷信介(ハッスルMAN'Sワールド)/●小幡優作(フリー)

▼第1試合 NWA世界Jrヘビー級選手権 60分1本勝負
[王 者]○クレイグ・クラシック
11分47秒 逆さ押さえ込み
[挑戦者]●澤宗紀(バトラーツ)
※第108代王者が6度目の防衛に成功

▼第2試合 10人タッグマッチ 30分1本勝負
フジタ"Jr"ハヤト(みちのくプロレス)/高西翔太/○柿沼謙太/ダイアモンド・コネリー/ニック・プリモ
11分2秒 ジャーマンスープレックスホールド
越中詩郎(フリー)/植田使徒/横山佳和/ズッファ/●ブッファ

▼第3試合 NWAインターナショナルライトタッグ選手権 60分1本勝負
[王者組]菅原拓也(フリー)/○怪人・ハブ男(沖縄プロレス)
15分26秒 猛毒波布空爆→体固め
[挑戦者組]藤田ミノル(東京愚連隊)/●藤田峰雄(フリー)
※第9代王者が3度目の防衛に成功

▼第4試合 インターナショナルJrヘビー級選手権 60分1本勝負
[王 者]○日高郁人
11分18秒 野良犬ハイキック→体固め
[挑戦者]●伊藤崇文(パンクラスism)
※第9代王者が6度目の防衛に成功

▼第5試合 NWAインターコンチネンタルタッグ選手権 60分1本勝負
[王者組]佐藤耕平/○KAMIKAZE
14分12秒 ムーンサルトプレス→体固め
[挑戦者組]澤田敦士(IGF)/●スティーブ・コリノ
※第25代王者が初防衛に成功

▼第6試合 破壊王子・橋本大地デビュー戦 30分1本勝負
●橋本大地
13分38秒 STF
○蝶野正洋(アリストトリスト)

▼第7試合 シングルマッチ ゼロワン対新日本 60分1本勝負
○田中将斗
18分22秒 スライディングD→片エビ固め
●永田裕志(新日本プロレス)

▼第8試合 世界ヘビー級選手権 60分1本勝負
[王 者]●関本大介(大日本プロレス)
14分50秒 那智の滝→体固め
[挑戦者]○崔領二
※第9代王者が4度目の防衛に失敗。崔が第10代王者となる

▼第9試合 シングルマッチ 60分1本勝負
●大谷晋二郎
16分16秒 ジャーマンスープレックスホールド
○高山善廣(高山堂)

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