近藤との前哨戦でジュニスタを復活させた稔が完勝!強くなるために鈴木戦を志願したKAIと闘い終えた鈴木は「面白かった」

110306_AJP-1.jpg全日本プロレス
HOLD OUT TOUR 2011
日時:3月6日(日) 開始:12:00
会場:後楽園ホール
観衆:1900人

 6日、後楽園ホールで行われた全日本プロレス『HOLD OUT TOUR 2011』開幕戦。最終戦の3・21両国大会に向けて前哨戦が数多く組まれているが、メインはジュニアヘビー級が務めた。両国大会で稔の保持する世界ジュニア王座に近藤修司が挑戦することが決まっているが、今大会では近藤はカズ・ハヤシとのチーム246を久しぶりに復活させる一方、稔は新日本プロレスの金本浩二を招聘して伝説のジュニア☆スターズ、略してジュニスタを復活させた!

 金本が以前使っていた曲『ジャンクション 〜旋風〜』で入場してきたジュニスタ。序盤からカズに対して連係攻撃を決めていくジュニスタ。近藤がカットに入って来るが、ダブルドロップキックで迎撃。しかしカズも稔の蹴り足を捕まえてドラゴンスクリュー。これで左ヒザを傷めた稔に対し、チーム246は左ヒザを集中攻撃。しかしカズのスピンキックをかわして延髄蹴りを叩き込んだ稔は金本にタッチ。カズに顔面ウォッシュをお見舞いした金本だが、カズも張り手を返していく。
 金本は飛びヒザ蹴りを返してカズをコーナーに乗せると、コーナー上でエルボー合戦。そして雪崩式フロントスープレックスで投げていった金本だが、カズもワンツーエルボーで反撃すると、四つん這いに倒れた金本を下から蹴り上げてからハンドスプリング・レッグラリアット。さらにファイナルカットからパワープラントを狙うが、金本はアンクルホールドに切り返す。
 近藤がカットに入ろうとするが、稔が飛び付きヒザ十字でそれを許さない。それでも何とかロープに逃れたカズは金本と張り手合戦。カズのニールキックを食らっても倒れない金本はハイキックを返し、ここで両軍タッチ。稔のドロップキックを自爆させた近藤は、金本にブルドッキングヘッドロックを決めながら稔にネックブリーカー。さらに稔をランサルセで叩き付けると、一発逆転を狙った稔のミノルスペシャルを渕正信直伝の新兵器・逆片エビ固めで切り返す!
 カットに入ってきた金本にも逆片エビ固めを決めた近藤は、さらにザ☆オリジナルで叩き付ける。だが、稔も近藤のキングコング・ラリアットをかわして三角絞めで捕らえる。これをバスターで逃れた近藤だが、金本が入ってきてバックドロップ。カズもフロントスープレックスで投げていった金本は近藤をコーナーに乗せていき、稔が飛び付く。近藤は逆に雪崩式オクラホマスタンピートを狙うが、稔が脱出すると金本がハイキック。さらに稔が近藤を叩き落とすと、金本がムーンサルトプレスを投下。続いて稔がFIREBALLスプラッシュを投下するがカウントは2。
 稔はなおも近藤の顔面にソバットやハイキックを叩き込むが、近藤もラリアットでハイキックを叩き落とし、ショートレンジラリアット。そこにカズがダイビング・ボディプレスを落としてからネックスクリュー。さらに近藤と合体攻撃を決めていくが、稔はカズに対してミノルスペシャルを狙う。これを巻き投げ固めで切り返したカズだったが、カウント2で返した稔は電光石火のミノルスペシャルを決めてギブアップを奪った。

110306_AJP-2.jpg 世界タッグ王座奪還に燃える太陽ケアだが、パートナーの曙が無期限欠場に入ってしまったこともあり、元全日本プロレスの大森隆男を新パートナーに迎えて"王道タッグ"を結成。ノンタイトルながらいきなり世界タッグ王者コンビのKONO&ジョー・ドーリングと開幕戦で激突することになったが、何とレフェリーを務めるのはブードゥーの総帥・TARU。
 するとTARUはこの日、いつもと同じように前説に乱入したのだが、「今日はクリーンな試合が見られる全日本プロレス。選手1人1人の力が見られます。よろしくお願いします」と丁寧に挨拶すると、深々と一礼して引き揚げていった。自身が試合に出場した第4試合でもいつものようにTARU水をまき散らすこともなく、リングサイドの観客やレフェリー、リングアナ、挙げ句の果てには対戦相手の武藤敬司とも握手を交わしたTARU。不気味なほどクリーンをアピールしたTARUが、リングサイドで観戦していた宮根誠司さんと抱き合うと、宮根さんも中日ドラゴンズのジャンパーの下に着ていたブードゥーTシャツをアピール。
 いざ試合が始まってもパートナーのMAZADAとレネ・デュプリにもクリーンファイトを強要。反則攻撃を注意するのはもちろん、控えの選手にはキチンとタッチロープを握るよう指示をする。思わずMAZADAも「どうしたんですか、TARUさん!」と戸惑う中、結局武藤&船木&AKIRAの同期トリオが必殺フルコースを繰り出して勝利した。
 そして肝心の第5試合。髪の毛を結び、白いポロシャツに黒いズボンという爽やかなレフェリーウェアに身を包んだTARUは、非常に厳格なレフェリングで試合を裁いてみせた。しかし試合が8分を経過した辺りでKONOが、ケアをサイドバスターで叩き付けてからランニングニーを叩き込んでカバー。ケアの足はロープにかかり、ケア自身もカウント2でキックアウトしたのだが、TARUレフェリーはそのまま3カウントを叩いてしまった!
 だが、本部席に座っていた内田取締役がケアのロープエスケープを確認しており、試合続行をアナウンス。大森がTARUレフェリーに「ちゃんとレフェリーやれよ!」と抗議すると、ついにTARUは髪を解き、ドーリングがスパインバスターから大森をカバーするなり、高速カウント! 一瞬にして悪徳レフェリーに変貌したTARUは当然ケア&大森がカバーした場合はスローカウント。さらにKONOのパイルドライバーを大森がアックス・ギロチン・ドライバーで切り返した際には、シューズのヒモを結び直してカウントすら取らない有り様!
 ついにTARU自身もドーリングに加勢し始めたのだが、大森がダブルラリアットで吹っ飛ばす。その間にケアはKONOを波乗りスープレックスで投げてからTKO34thで叩き付けていくと、サブレフェリーのボンバーレフェリーがKO状態だったTARUの手を掴んで強引に3カウントを叩かせた。勝ったケア&大森は3・21両国大会での世界タッグ挑戦を猛アピールした。

110306_AJP-3.jpg ジュニア王座を争う輪の中に入ることが出来ず、先シリーズに「強くなるため」に鈴木にシングル対決を熱望したKAIが、ようやくそのチャンスを掴んだ。リング上から気合いの入った表情で入場してくる鈴木を睨み付けていったKAIだが、鈴木は余裕の笑み。まずはKAIが腕十字を狙っていくと、鈴木は「来いよ、コラ!」と挑発していき、逆にヘッドロックからアキレス腱固めを極めていく。
 張り手を見舞っていったKAIだが、鈴木はサッカーボールキックの連打でKAIを場外に追いやると、鉄柵に叩き付けてからフロントキック。歯を食いしばりながらリングに戻ったKAIだが、鈴木はエグい角度のキャメルクラッチから張り手、エルボー、ニーリフト、ミドルキックと厳しい攻撃でKAIを追い込んでいく。さらにアームロック、逆片エビ固め、アキレス腱固めでKAIを悶絶させた鈴木だが、KAIもやや不用意に出した鈴木のフロントキックをかわすと延髄蹴り。
 そこから串刺しダブルニー、ダイビング・フットスタンプで反撃すると、低空ドロップキックやスリーパーで鈴木を追い込んでからミサイルキックで場外に叩き落とすとトペを発射。だが、リングに戻った鈴木はロープに飛んだKAIに追走式キチンシンク。フェイントを入れながらKAIを蹴っていく鈴木に対し、KAIは首固めで丸め込もうとするが、回転させることすら許さない鈴木が顔面にニーリフト! しかしゴッチ式パイルドライバーを何とかリバースで切り返したKAIは、ジャーマンからスプラッシュ・プランチャを落とし、LATで叩き付けると、もう一度スプラッシュ・プランチャへ。
 だが、これをかわした鈴木はもう一度ゴッチ式パイルの体勢に。これをKAIクラッチで切り返したKAIは、トラースキックから首固め。キックアウトした鈴木はまたもスリーパーに捕らえると、ゴッチ式パイルを狙うと見せけてから逆落としで叩き付けると、グイッとスリーパーで絞め上げて勝利を奪った。見下ろす鈴木にしがみつきながら立ち上がったKAIに観客からは惜しみない拍手が贈られたが、鈴木もインタビュースペースで「面白え。面白い! いいな若い者は、バンバン打っていいな。だいたい目を背けるもんな。それがどこぞのチャンピオンであっても。痛いから、怖いからな。(KAIが)ビビってんのもよく分かるよ。泣きそうな顔してるもん。でも、感想は面白かった。またかかってこいよ、ぶっ飛ばしてやるから。ぶっ飛ばし甲斐のある奴だな」とKAIを絶賛。
 その上で3・20両国大会で対戦する新日本プロレスの獣神サンダー・ライガー&永田裕志に関しては「船木はセンチメンタルの気持ちでやるようだけど、なにアイツ寝ぼけたこと言ってんだよ! 俺は全日本の人間じゃない。全日本プロレスの所属選手じゃないが、ヨソの団体の奴が来るんだったら、それこそ『跨ぐなよ』ぐらい言ったほうがいいよな! なにが新日本プロレスだ、ふざけんなよ。人の遊び場に勝手に入ってくんじゃねーよ」とパートナーの船木とは対照的にバリバリの対抗戦モードに入っていた。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 タッグマッチ30分1本勝負
渕正信/○宮本和志(和志組)
6分47秒 垂直落下式ブレーンバスター→片エビ固め
大和ヒロシ/●BUSHI

▼第2試合 タッグマッチ30分1本勝負
○真田聖也/征矢学
9分14秒 ジャックナイフ式エビ固め
ショーン・スピアーズ/●ジェイク・オレイリー

▼第3試合 シングルマッチ30分1本勝負
○鈴木みのる(パンクラスMISSION)
14分30秒 裸絞め
●KAI

▼第4試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
武藤敬司/船木誠勝/○AKIRA(フリー)
10分26秒 ムササビプレス→片エビ固め
TARU(VM)/レネ・デュプリ(VM)/●MAZADA(VM)

▼第5試合 タッグマッチ30分1本勝負
○太陽ケア/大森隆男(フリー)
13分16秒 TKO34th→片エビ固め
●KONO(VM)/ジョー・ドーリング(VM)

▼第6試合 タッグマッチ30分1本勝負
諏訪魔/●浜亮太
19分45秒 横回転エビ固め
○KENSO/ゾディアック

▼第7試合 タッグマッチ ~チーム246vs.ジュニアスターズ~60分1本勝負
●カズ・ハヤシ/近藤修司
23分35秒 ミノルスペシャル
金本浩二(新日本プロレス)/○稔(フリー)

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