女子プロレスの新団体スターダムが旗揚げ!メインに抜擢された美闘は世IV虎を蹴り倒す!奈苗とゆずポンはまたも激しいシバキ合いに!

110123_Sterdom-1.jpgスターダム
スターダム旗揚げ戦〜Birth of nova新星誕生!〜
日時:1月23日(日) 開始:12:30
場所:新木場1stRING
観衆:466人(超満員札止め)

 23日、新木場1stRINGで行われた新団体スターダムの『スターダム旗揚げ戦〜Birth of nova新星誕生!〜』。昨年3月にプロレスを引退した風香だが、その風香に憧れてプロレスラーを目指す女の子が次々に集結。そこで風香がゼネラル・マネージャー(以下GM)を務め、パッション・レッドの高橋奈苗と夏樹☆たいよう、グラレスラーの愛川ゆず季、女子格闘家の長野美香も合流して立ち上げたのがスターダムという団体だ。

 立ち見までギッシリの超満員札止めとなった新木場1stRING。まずは安室奈美恵がアルバム『PLAY』のジャケットで着用していた警帽にYシャツ&ネクタイ姿で登場した風香GMが、『風香祭』の頃から行っていたダンスパフォーマンスを披露。最後はキム・ヨナばりに銃を撃つポーズで決めると、出場選手が次々に登場しひと言ずつ意気込みを語る。華々しく旗揚げ戦のスタートを切ったスターダムだが、対戦カードこそ事前に発表になっていたが、試合順は当日発表。すると、いきなり昨年の10・31『ゆずポン祭』でプロレスデビューした"ゆずポン"こと愛川ゆず季が、デビュー戦の相手にして2010年女子プロレス大賞を受賞した高橋奈苗とタッグマッチで再戦をする試合が、第1試合で行われた。
 黄色の新コスチュームで登場した愛川は、新天地で打倒奈苗を掲げた夏樹☆たいようとタッグを結成。対する奈苗はメキシコから単身留学中の愛リスとタッグ。愛川&夏樹はタッグマッチ初体験の愛川を夏樹がうまくリードして積極的に合体攻撃を繰り出していく。しかし「いい加減にしろ!」と愛川に張り手を叩き込んだ奈苗は、カナディアンバックブリーカーから愛川をコーナーに逆さ吊りにすると、愛リスとトレイン攻撃。さらにクロスフェースに捕らえるが、カットに入った夏樹は喧嘩腰で奈苗を蹴っていき一色触発のムード。
 愛リスはまだぎこちないながらもルチャらしい動きで夏樹に対抗。しかしスピード、技の精度で上回る夏樹はイグチボムを狙う。何とか脱出した愛リスがドロップキックで吹っ飛ばすが、夏樹はアイルビーバック。そこに奈苗が入ってくるが、夏樹は張り手からのイグチボムで叩き付ける。奈苗も雪崩式ブレーンバスターを返すが、奈苗がコーナーに登ったところで愛川が足を抑える。すかさず駆け上がっていった夏樹は雪崩式アームドラッグからダイビング・フットスタンプを投下。
 奈苗も夏樹のスペルラナをインプラントで切り返すが、モモラッチでカウント3寸前まで追い詰めた夏樹に続き、愛川がYKレッドを叩き込み、夏樹との合体ブレーンバスターを狙う。逆に2人まとめて投げ飛ばした奈苗だが、愛川&夏樹はサンドイッチロー。さらに愛川がデビュー戦に続き、またもフィッシャーマンズ・スープレックスで投げていくと、奈苗は自らの頬を張って気合いを入れ直し、蹴り足をキャッチしてのナナラッカを狙う。何とか愛川が回避するが、奈苗は後頭部ラリアットから冷蔵庫爆弾を投下!
 カウント2でカットした夏樹は、ミサイルキックから奈苗をイグチボムの体勢で担ぎ上げる。そこに愛川がYKレッドを叩き込み、そのまま夏樹はシットダウン! さらに愛川がNOSAWA論外直伝の超高校級ラ・マヒストラで丸め込むが、愛リスがカウント2でカット。20分が経過し、愛リスは夏樹を場外に追いやるとトペを発射。その間、奈苗と愛川は壮絶な張り手合戦を展開。打ち勝った奈苗は朦朧とする愛川をバックドロップ・ホールドで叩き付けて3カウント奪った。試合後、なおも愛川を踏みつける奈苗を突き飛ばして睨み付けた夏樹。どうやら近いうちにパッション・レッド対決が実現しそうな気配だ。
 大会終了後、左目が腫れ上がり、胸元をミミズ腫れで真っ赤にしながらもインタビューに応じた愛川は「冷蔵庫爆弾を食らった時点でもうフラフラだったけど、気力だけであとは闘いました。人生でこんな変な顔になったのは初めてなので、どうしたらいいか分からないです(苦笑)」と笑顔で語ったが、「ラ・マヒストラルで決まるかと思ったんですけど、カットされたのでチョー悔しかったです。たぶん技の入りがちょっと遅かったので、ちょっと後悔しています」と最大の勝機を逃した部分について語っていると、思わず悔し涙が浮かんだ。

110123_Sterdom-2.jpg そして大事な旗揚げ戦のメインに抜擢されたのは、極真空手全国2位という実績を持ち、ぶっちぎりでプロテストに合格した美闘陽子と、その美闘に激しいライバル心を抱いている元ヤンキーの17歳・世IV虎(よしこ)の一戦。共にデビュー戦だが、いきなりシングルマッチで対戦。自他ともに認めるエース候補の美闘に対し、「いつもいいとこ取りの美闘をボコボコにする!」と宣戦布告した世IV虎。
 風香の後継者らしくシルバーの風香風コスチュームで登場し、"風香シャドー"も継承した美闘に対し、背中に「世IV虎」と入った黄金のツナギ姿というTHE OUTSIDER顔負けの格好で登場した世IV虎。ヤンキー座りでずっと美闘に"ガンを飛ばして"いた世IV虎は、当然握手も美闘の手を払いのけて拒否。
 いきなりロックアップでロープに押し込み、髪の毛を掴んでいった世IV虎は、手四つの力をブリッジで堪えようとする美闘をバックブリーカーで苦しめる。さらに髪の毛を掴んで投げ飛ばすと、美闘もすかさず同じ技を返していくが、世IV虎は美闘の顔面をトップロープに擦りつけると、何とコブラクローをお見舞い! さらにマウントエルボーの応酬からショルダータックルの連打で美闘を何度もなぎ倒した世IV虎は、ヤンキー座りフォール!
 デビュー戦とは思えぬ肝の据わった攻撃を繰り出す世IV虎に対し、美闘もミサイルキック、串刺しジャンピングニー、ブレーンバスターで反撃。さらにお互いに「クソガキ!」「クソアマ!」と叫びながら張り手を打ち合うと、世IV虎はデュランダルからガッチリとスリーパーで捕獲。胴絞め式に移行するが、美闘は何とかロープに脱出。すると世IV虎はフロントネックロックへ。これも胴絞め式で決まり、勝負あったかと思われたが、辛くも伸ばした足がロープい届く。
 世IV虎は一気に美闘を担ぎ上げようとするが、何とか踏ん張った美闘はハイキック。だが、世IV虎も一本足頭突きで応戦すると、投げ捨て式のネックハンギングボム。そしてコーナー二段目から重量感抜群のダイビング・セントーンを投下! これも何とかカウント2で返した美闘は起死回生のハイキック一閃! さらに170cmの身長から繰り出されるミサイルキックを叩き込む。世IV虎も必死で丸め込んでいくが、どうしても3カウントが奪えない。
 再び抱え上げようとした世IV虎だが、これも踏ん張った美闘は風香直伝のドールF(美闘の場合はドールBとなる)を叩き込み、何とか3カウントを奪った。両者の対決は今後、スターダムの"名勝負数え唄"になっていくかもしれない。そんなメインが終わると、全選手がリング上に。すると風香GMが7月24日に高橋奈苗デビュー15周年記念として、スターダム後楽園ホール大会を開催すると発表! 場内がどよめく中、最後はメインで勝利した美闘が「本当にデビュー戦なのにメインをやらせてもらって嬉しいです。勝てて嬉しいです。では行きます、いまを信じて、明日に輝け、We are スターダム!」と叫び、みんなでSの字ポーズをして旗揚げ戦を締めた。

110123_Sterdom-3.jpg この日は美闘と世IV虎をはじめ、プロテストに合格した全5選手がデビュー戦を行った(まだ8歳の夢は3分間のキッズファイトでプレ・デビュー戦)。若干15歳にしてキックボクシングとシュートボクシングをやっていたためブラジリアンキックを得意とする逸材・星輝ありさは、将来はマスクマンになって誰にも負けない空中殺法の使い手なるという17歳の岩谷麻優と対戦。
 ともにデビュー戦だが、曲に合わせて明るく踊りながら入場してきた星輝に対し、星輝を一番のライバルと意識していることもあり、空中殺法をひとまず封印してバチバチの殴り合いをすると宣言していた岩谷。エルボー合戦から飛び付きDDTを決めてきた星輝に対し、ジャンピング・ネックブリーカー3連発をお見舞いした岩谷は、一気に腕十字の体勢へ。必死でロープに逃れた星輝はバイシクルキックと前蹴りで反撃するが、岩谷は張り手合戦を挑んでいく。
 宣言通りバチバチの殴り合いになると、岩谷は奇声をあげながら気合いの一発を叩き込み、再び腕十字へ。うまく逆片エビ固めで切り返した星輝は、さらにサイドキックからココナッツクラッシュを決める。何とか飛び付いて丸め込んでいった岩谷だが、星輝は「この野郎!」と叫びながらブラジリアンキックを叩き込む。朦朧としながらも意地で立ち上がった岩谷だが、星輝は渾身のブラジリアンキックを叩き込んで3カウントを奪った。

110123_Sterdom-4.jpg また、3度目の挑戦でようやくプロテストに合格した17歳の須佐えりは、女子格闘家ながらスターダムに入団し、本格的にプロレスの活動も始めた長野美香相手にデビュー戦を行った。鋭いタックルからの腕十字を仕掛けていった長野に対し、飛び付いていってのアンクルホールドを決めた須佐だが、長野はアッサリと同じ技で切り返す。
 何とか逆エビ固めを狙う須佐だが、長野がステップオーバーを許さないと、「ウザいんだよ!」とイライラをぶつけるようにエルボー。だが、長野は下からストラングルホールドγで切り返すと、さらにダブルアーム式フェースバスター。須佐も飛び付きDDTを何とか返すが、飛行機投げで投げた長野は丸め込みにきた須佐に対し、余裕でキックアウトした直後にズバリと飛び付き腕十字を決めて勝利。格の違いを見せつけた。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 Birth of Stardom 30分1本勝負
○高橋奈苗/愛リス
21分31秒 バックドロップホールド
夏樹☆たいよう/●愛川ゆず季

▼第2試合 Birth of Stardom 30分1本勝負
○長野美香
3分51秒 飛びつき腕十字固め
●須佐えり【デビュー戦】

▼第3試合 キッズ・ファイト〜夢のプロレス物語〜3分1本勝負
△夢
時間切れ引き分け
△パッション☆ナッキー

▼第4試合 Birth of Stardom 30分1本勝負
●岩谷麻優【デビュー戦】
7分4秒 ブラジリアンキック→片エビ固め
○星輝ありさ【デビュー戦】

▼第5試合 Birth of Stardom 30分1本勝負
○美闘陽子【デビュー戦】
10分31秒 ドールB→エビ固め
●世IV虎【デビュー戦】

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