20回目のイッテンヨンで小島から至宝を奪還した棚橋が、プロレス界のエース宣言!デヴィットvs.飯伏はまさしくドーム級の好勝負に

110104_Njpw-1.jpg新日本プロレス
レッスルキングダムⅤ in 東京ドーム
日時:1月4日(火) 開始:17:00
会場:東京ドーム
観衆:42,000人(満員)

 4日、東京ドームで行われた新日本プロレスの『レッスルキングダムV in 東京ドーム』。新春恒例の新日本"イッテンヨン"ドーム大会も、今年で20回目! 記念すべき大会ということもあり、NOAH、ZERO1、DDTといった国内の団体はもちろん、アメリカのTNA、メキシコのCMLLからもトップファイターが大挙参戦!
 そして豪華メンバーが揃った中、メインを務めるのはIWGPヘビー級王者の小島聡。その小島の保持する王座に挑戦するのが、"100%エース"棚橋弘至。昨年の『G1クライマックス』優勝決定戦で小島に敗れ、G1史上初めて新日本の所属選手以外の優勝を許してしまった棚橋だけに、この大一番でキッチリ借りを返して至宝を奪還したいところ。

 棚橋は序盤からラリアット封じのために小島の右腕を集中攻撃。ストピングやエルボースマッシュも右ヒジを狙っていく。しかし小島も棚橋のストンピングをキャッチするとドラゴンスクリュー。そこから今度は小島が棚橋の右腕を集中攻撃していく。エプロンにエスケープした棚橋だが、場外に降りた小島は背後から棚橋のヒザ裏にラリアット。リングに戻った小島はマシンガン逆水平を打ち込んでいくと「よーし」の声から、串刺しジャンピングエルボーから「行っちゃうぞバカヤロー!」と叫んでからのダイビング・エルボードロップ。
 新日本復帰戦で叫んで以来、封印を解いた小島はエルボー合戦からローリングエルボー。しかし太陽ブローで対抗した棚橋はフライング・フォアアームからローリングセントーン。続くジャーマンは小島がDDTで切り返したが、棚橋も小島のブレーンバスターを着地してフルネルソン。小島はこれをコジコジカッターで切り返すが、棚橋は途中でファイナルカットのようにエルボーを落とす。すかさず右腕をショルダーアームブリーカーで叩き付けた棚橋だが、2発目を今度こそコジコジカッターで切り返した小島は、雪崩式コジコジカッター。
 腕のサポーターを外した小島だが、棚橋はうまく後方回転していくと、そのままフルネルソンに捕らえ、小島が踏ん張ったためダルマ式ジャーマンにチェンジ。立ち上がろうとする小島の背中にハイフライフローを投下した棚橋は、仰向けになった小島にもう一発ハイフライフロー。これをヒザで迎撃した小島は後頭部→正面のラリアットを狙ったが、スリングブレイドで迎撃した棚橋は抱え込み式ファルコンアローからハイフライフロー。だが、これでも決まらず小島は棚橋をエプロンに追いやってラリアット。
 エプロンまで戻って来た棚橋を垂直落下式ブレーンバスターで叩き付けた小島は、雪崩式フランケンを挟んでからラリアットを狙う。しかし腕でブロックした棚橋は、小島の右腕にグラウンド・ドラゴンスクリュー。さらにロープに走ったが、昨年G1決勝のときのように小島がカウンターのラリアットを狙う。1回、2回かわし、G1の悪夢を払拭したかと思われたが、3回目で小島の"左腕"が棚橋を捕らえる! 大きく吹っ飛んだ棚橋に、小島はついに右腕のラリアットを叩き込むが、散々攻められた右腕のダメージでカバーが遅れたためカウントは2!
 小島はショートレンジラリアットを狙ったが、かわした棚橋はその力を利用してドラゴンスープレックス。小島はもう一度ショートレンジラリアットを狙うが、これまたドラゴンスープレックスで切り返した棚橋は、ロープに走る。カウンターのラリアットを狙った小島だが、かわしてからスリングブレイドを決めた棚橋は一気にコーナーへ。しかし小島が立ち上がったため、ダイビング・ボディアタック! そして倒れた小島にダメ押しのハイフライフローを投下して3カウント奪った。

110104_Njpw-2.jpg 昨年のG1決勝での借りを返し、新日本に至宝を奪還した棚橋は「チャンピオンになったぜ〜! 皆さん、今日は最後まで長い時間、観戦ありがとうございました。もう一度、もう一度、これからのプロレス界を俺に任せてください。ありがとう、大丈夫だ。俺はもうすでに未来を掴んでいる。じゃあ最後に......」と言ったところでリングを降りようして観客の棚橋コールを煽ると、リングの中心に戻って「じゃあ、最後に東京ドームの皆さん、愛してま〜〜〜す!」と久しぶりに叫んだ。
 インタビュースペースではこれまで新日本に復帰して以降、厳しい表情を崩さなかった小島は柔和な表情で「ドームのメインで試合をすることは、プロレスラーとしてこんなに最高のことはないと思っているし。感無量ですね。今日は棚橋弘至の愛の深さと意地の深さに負けてしまったと思います。俺のやりたいようにやってきて、やられてしまった。もしかしたら撤退っていうのもあるのかもしれないけど、悔しいけど俺はこの新日本に魅せられてしまった。この5ヵ月間で新日本プロレスのリングに虜になってしまった。だからまだ諦めないでやっていきたいと思うし、俺の居場所が少しでもあるなら、この新日本プロレスでやっていきたいと思います」と新日本への継続参戦を口にした。
 一方の棚橋は中西やライガー、デヴィットらからビールをかけられて祝福されると、「久しぶりだなぁ......1年何ヵ月ぶりかな? 最高の味です」としみじみ語り、「リング上でも言いましたけど、プロレス界は俺に任せてください。俺が引っ張っていきます。俺が切り開いて、プロレスのステージをより高い位置に持っていきます。それが俺が生まれてきた使命です」と新日本のエースを通り越して、日本プロレス界のエース宣言! それだけに小島の新日本継続参戦にも、真壁刀義からのタイトル挑戦表明にも、基本的には全然OKという感じ。
 さらに5月に新日本のアメリカ遠征が決まったこともあり、「もちろん5月まで持っているつもり。アメリカに進出していって、ベルトを巻いている人間を見て、向こうの人は日本のプロレスラーはこういうもんなんだって受け取るだろうから、俺の素晴らしさ、俺がやってきたこと、道場で培ったものを全米に見せますよ。大丈夫です、俺はいつでも世界を見てやってきましたから」と自信満々の表情で語った。

110104_Njpw-3.gif 20回目のイッテンヨンとなった今大会のベストバウトは、プリンス・デヴィットの持つIWGPジュニア王座に、現IWGPジュニアタッグ王者にして、デヴィットには昨年のベスト・オブ・スーパージュニア(以下BOSJ)決勝で敗れているDDTの飯伏幸太が挑戦した一戦だろう。
 まさしくドームという広い空間に相応しく、それでいて飯伏の試合中のケガによって消化不良気味に終わってしまった昨年のBOSJの完全版を見るような好勝負となった。いきなり煽りVからDDTのテーマソングといってもいいMISIAの『INTO THE LIGHT』をBGMにして改めて"DDTの飯伏幸太という素晴らしいレスラー"を紹介。2010年のプロレス大賞ベストバウト賞を受賞した昨年の10・11ゴールデンラヴァーズvs.Apollo55の試合映像のあと、「最高の舞台で最高の相手と最高の試合をしよう」のナレーション。最後は飯伏にとって"最後の仲間"であるDDTの選手がズラリとリング上に並び、一番後ろからスーツ姿の高木大社長がしたり顔で両手の中指を突き立てるという秀逸さ!
 いきなりスピーディーなロープワークから飯伏がドロップキックでデヴィットを場外に追いやり、三角跳びケブラーダを狙ったが、素早くリングに戻ったデヴィットはエプロンに着地した飯伏にドロップキックを叩き込んで場外に叩き落とすと、逆にノータッチトペコンを狙ってロープにダッシュ。しかし飯伏も素早くリングに駆け上がり、スワンダイブ式ミサイルキックで迎撃!
 その後、ローキックを連打していった飯伏だが、ドロップキックで再び場外に追いやったデヴィットは今度こそノータッチトペコンを発射。飯伏もデヴィットの串刺し攻撃を迎撃してコーナーに登っていったが、下から蹴り上げたデヴィットはコーナーに登っていって雪崩式ブレーンバスター。だが、飯伏もカウンターのウラカンホイップでデヴィットを場外に追いやると、三角跳びケブラーダを発射! さらにリングに戻り、ミサイルキックからキックと掌打のコンビネーションを叩き込むと、その場飛びツイスタープレス→ムーンサルトムーンサルトを連続発射!
 デヴィットも飯伏の串刺し攻撃を迎撃してコーナーに登っていくが、飯伏はロンダート・オーバーヘッドキックを叩き込むと、トップコーナーの上に立って雪崩式フランケン。そしてBOSJ決勝でケガをしたファイアーバード・スプラッシュを今度は完璧に決めたが、カウントは2! 飯伏のハイキック、デヴィットののスクリューキックをお互いにかわしていったが、デヴィットはオーバーヘッドキックを叩き込む。しかしバックに回って後方回転した飯伏は抱え込み式バックドロップでブン投げる。
 そこから必殺のフェニックス・スプラッシュを放っていくが、デヴィットがかわして自爆! すかさず立ち上がろうとする飯伏の後頭部にダイビング・フットスタンプを落としたデヴィットは、倒れた飯伏にもう一発ダイビング・フットスタンプ。さらにデヴィットはブラディ・サンデーを狙うが、警戒していた飯伏が踏ん張ると、リバース・ブラディ・サンデーにチェンジ! そして飯伏をコーナーに乗せたが、飯伏はエプロンに着地してオーバーヘッドキック。そしてコーナーに飛び乗っていったが、瞬時に飯伏を捕まえたデヴィットは雪崩式ブラディ・サンデーで叩き付けていき3カウントを奪った。
 試合後、ケニー・オメガと田口隆祐もリングに上がり、タッグでの再戦をアピール。インタビュースペースでデヴィットは「今日はたくさんの人々の前でいい試合が出来た。非常にハッピーです! 自分の考えとしては、プロレスはひとつのものとして、ジュニアの枠、新世代の枠に捕らわれることなく、ひとつのものとして良いモノを作っていきたい」とご機嫌。
 一方の飯伏は「毎回やる度に進化出来るので、やっていてすごく楽しいんですけど、今日はベルトが懸かっていたので勝つつもりでいったんですけど、結果的には負けてしまった。だけど自分の出来る限りのことは出来たかなと思います。試合は楽しめましたけど、楽しむのが最低条件なんで。楽しんだ上で、最高の試合をして勝つっていうのが一番なんですけど、結果的には負けてしまった」と内容には納得しているが、やはりこの負けてタイトルを獲れなかったことはかなり悔しい様子。さらにドームという広い空間でプロレスをしてしまった飯伏は、「ドームより大きな会場はないんですか? じゃあ、いいです。もっと広場で。広場でやりたいですね。富士山はいいですね」と、最後はいかにも飯伏らしく"富士山プロレス"に興味を抱いた。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第0-1試合 ワールド・プロレスリング インタープロモーショナルマッチ 20分1本勝負
○井上亘/タイガーマスク/タマ・トンガ(フリー)/本間朋晃
7分33秒 スピアー・オブ・ジャスティス→片エビ固め
高橋裕二郎/石井智宏(リキプロ)/●外道/邪道

▼第0-2試合 ワールド・プロレスリング インビテーションマッチ 20分1本勝負
金本浩二/○田口隆祐
8分04秒 急所蹴りガエシーノ
ケニー・オメガ(DDT)/●タイチ

▼第1試合 IWGPタッグ選手権試合 3WAYマッチ 60分1本勝負
[王者組]ジャイアント・バーナード/○"ザ・マシンガン"カール・アンダーソン
8分36秒 ガンスタン→片エビ固め
[挑戦者組]ジェームス・ストーム(TNA)/●ロバート・ルード(TNA)
もう1組は[挑戦者組]中西学/ストロングマン(CMLL)
※第57代王者・バッド・インテンションズが2度目の防衛に成功

▼第2試合 ROAD TO FANTASTICAMANIA 30分1本勝負
○ラ・ソンブラ(CMLL)/マスカラ・ドラダ(CMLL)
7分42秒 トルニュージョ→エビ固め
獣神サンダー・ライガー/●エクトール・ガルサ(CMLL)

▼第3試合 DEEP SLEEP TO LOSE 無制限1本勝負
○天山広吉
11分13秒 アナコンダクロス
●飯塚高史
※試合の決着は絞め技などにより相手を失神させた場合のみとする。フォール、ギブアップ、リングアウト決着はなし。反則は通常ルールと同じ

▼第4試合 NJPW-TNA Greatest Showcase ハードコアマッチルール 30分1本勝負
○ロブ・ヴァン・ダム(TNA)
11分28秒 ファイブスターフロッグスプラッシュ→片エビ固め
●矢野通
※あらゆる凶器の使用を認める。場外カウントはなしとする

▼第5試合 NO JUSTICE, NO LIFE 30分1本勝負
○永田裕志
16分15秒 バックドロップホールド
●鈴木みのる(パンクラスMISSION)

▼第6試合 IWGP Jr.ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○プリンス・デヴィット
16分22秒 雪崩式ブラディサンデー→エビ固め
[挑戦者]●飯伏幸太(DDT)
※第60代王者デヴィットが4度目の防衛に成功

▼第7試合 NJPW vs NOAH Battle Combustion I 30分1本勝負
後藤洋央紀/●岡田かずちか
12分08秒 エベレストジャーマン
杉浦貴(NOAH)/○高山善廣(高山堂)

▼第8試合 TNA世界ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]○ジェフ・ハーディー(TNA)
11分04秒 スワントーンボム→片エビ固め
[挑戦者]●内藤哲也
※王者ジェフが王座防衛に成功

▼第9試合 NJPW vs NOAH Battle Combustion II 30分1本勝負
○中邑真輔
14分17秒 ボマイェ→片エビ固め
●潮崎豪(NOAH)

▼第10試合 The Absolute Exhaust 30分1本勝負
○真壁刀義
12分46秒 キングコングニードロップ→片エビ固め
●田中将斗(ZERO1)

▼第11試合 IWGPヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]●小島聡(フリー)
21分57秒 ハイフライフロー→片エビ固め
[挑戦者]○棚橋弘至
※第55代王者・小島が2度目の防衛に失敗。棚橋が第56代王者となる

このページの先頭へ
コラム女子プロレス団体『FEATURES』
スターダム世IV虎の番長日記
はるか悠里の格闘アイドル育成計画
スターダム須佐えりの初勝利への道
月別アーカイブ
団体