人生設計の中であり得なかった3年間のプロレスラー生活を終え、しもうま和美が惜しまれながら引退!藤本がアイスの至宝を奪還!

101226_IceRibbon-1.jpgアイスリボン
RIBBON MANIA 2010
日時:12月26日(日) 開始:18:00
会場:後楽園ホール
観衆:889人

 26日、後楽園ホールで行われたアイスリボン『RIBBON MANIA 2010』。昨年後楽園ホールに初進出したアイスリボンだが、今年は一気に後楽園大会を3回も開催。その3回目となる今大会のメインで、しもうま和美が引退試合を行った。元々ほかの仕事との両立だったり、結婚する直前に決めたプロレス入りだったこともあって活動期間を3年間と決めていたしまうまは、同じパッションレッドの高橋奈苗&夏樹☆たいようとタッグを組み、さくらえみ&星ハム子&帯広さやかと対戦した。

 特別リングアナの希月あおいに呼び込まれてしもうまがパッショントレインで入場してくると、リング上のさくらは早くも涙を堪えている様子。対するしもうまはいつもッド利元気いっぱいにファイト。ハム子とはガンガンやり合い、さくらはバシバシと逆水平チョップを打ち込むと、ゴールデンパンチバージョンのさくらえみ70キロをお見舞い。夏樹と奈苗も得意技を繰り出しながらも、要所要所でしもうまを絶妙にアシスト。
 さくらも奈苗と対峙すると、サッカーボールキックを連打していき、さらに張り手の打ち合いに。バックドロップを奈苗が踏ん張ると、さくらはダブルチョップから珍しくアストロシザースを披露! だが、奈苗もバックドロップを返すとナナラッカの体勢に。ハム子が救出に入ると、逆にさくらがタイガードライバー。しかしコーナーに登ったさくらをしもうまが食い止めると、奈苗が追いかけていって雪崩式ブレーンバスター。さらに夏樹のダイビング・フットスタンプを挟んで、奈苗が冷蔵庫爆弾を投下してからのナナラッカ。
 絶体絶命のピンチを辛くも逃れたさくらは、奈苗と夏樹をまとめて引き倒すと、しもうまにはトラースキックからのダブルチョップ。そして念仏をしてからのムーンサルトプレスを投下。しもうまがチンクラッシャーを返すと、奈苗がジャンピングキック。これでさくらは耳から出血! そしてしもうまはコーナーに登っていくが、追いかけていったさくらは雪崩式フランケン。そこに奈苗が入って来てしもうまと情熱ハーフスラムを決めると、しもうまは2階からの和美を投下!
 足をあげて迎撃したさくらはしもうまをコーナーに乗せるが、しもうまは雪崩式ハーフスラムバスターで切り返す。再び奈苗が入って来るがさくらが奈苗を羽交い締めにして盾にする。だが、しもうまは"俺ごと刈れ"ばりに2人まとめてランニングエルボーでなぎ倒す。ハム子が入ってきてエルボーの相打ちやラリアットの打ち合いになると、しもうまは女の執念で抑え込む。ハム子がカウント2で返すと、ここで帯広が自ら強引にハム子とタッチをし、チョップから帯広パックで丸め込む。奈苗と夏樹がカットに入ると、さくらとハム子も入ってきたが、しもうまは帯広に2階からの和美を投下!
 間一髪でさくらがカウント2でカットすると、帯広がしもうまにスタルヒンチョップ! さらにさくらがドロップキックを叩き込むと、帯広は何としもうまの股の間に入り、そのまましもうまの両足を持って後方に倒れ込み、最後はジャックナイフ式エビ固めに体勢で抑え込んで3カウント!
 思いもよらず、帯広に敗れてしまったしもうまだが、引退セレモニーではハム子が選手を代表して手紙を読み上げる。そしてアイスの選手たちが入ってきて、1人ずつしもうまの身体に刻み込むように技を叩き込むと、最後はさくらが二階からのニャンニャンプレスを投下し、みんなでしまうまをフォールして3カウント。「終わっちゃいました。でも......いまここではやっぱり感謝しかないなぁと思っています。プロレスラーとしては今日が最後です。もう1回和美コールをどうぞ」と観客に「和美」コールを煽ったしもうま。
 大和美コールのあと、10カウントゴングが鳴らされると、最後はさくらが泣きながら「しまうま和美は惜しまれるのか? みんなしもうま和美が大好きだー!」と絶叫してしもうまを送り出した。泣くことなく笑顔でバックステージに戻って来たしもうまは「プロレスラーになるって、自分の人生設計の中ではあり得なかったので、予想外な人生においてのプロレスラーの3年間って本当に濃かったと思うし、本当にプロレスに出会ってよかったと思う」と語った。

101226_IceRibbon-2.jpg 今年2度目の後楽園大会(9・23)でみなみ飛香から奪取したコマンド・ボリショイのICE×60王座に、12・23蕨大会で第14代インターナショナルリボンタッグ王者となった藤本つかさが挑戦。「2010年は藤本つかさの年にします! まだ諦めていません」と語った藤本は、開始早々ドロップキックやミサイルキックを次々に発射。しかし腕固めにいった藤本の足をすくったボリショイは逆片エビ固めへ。さらにマットに両ヒザをついたまま変型アルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げたボリショイは、さらに変型のキャメルクラッチでも絞め上げる。
 ペースを奪われそうになった藤本だが、コルバタからの619を叩き込むと、得意のビーナスシュートの体勢に。だが、コーナーに飛び乗った藤本の足にボリショイは619を叩き込んでカット。それでもジャンピングキックを返した藤本は今度こそビーナスシュートを叩き込んだが、続くツカドーラはボリショイが投げ捨てジャーマンで切り返す。藤本はもう一度ツカドーラを試みるが、今度は裏アキレス腱固めに切り返したボリショイ。何とか脱出した藤本だが、ボリショイはなおもニーロックで藤本の足を攻撃。
 散々藤本の足を痛めつけたボリショイは掌打からジャーマンで投げていくが、カウントは2。足が痛む藤本はボリショイの張り手を食らってダウン。それでも何とか丸め込み技に切り返していった藤本だが、ボリショイはキックアウトすると「終わりだ!」と叫んでから掌打、そしてタイガースープレックスへ。何とかカウント2で返した藤本に、ボリショイはセンセイ固めIIを仕掛けていくが、完全に極められる前に藤本は下から丸め込んでいき、逆転の3カウントを奪ってみせた!
 アイスの至宝であるICE×60のベルトを奪還した藤本は、リボンタッグ、トライアングルリボンと合わせて三冠となると、「これだけは言わせてください。2010年は藤本つかさの年、そし2011年はアイスリボンの年だ〜!」と絶叫。バックステージでも嬉しそうにベルトを抱きしめた藤本は「何を言われようと最後までリングにいたのは自分ですし、最後3つ肩をついたのはボリショイさん。この結果は、何があっても覆されないと思ってます。ボリショイさんはハム子とかちいから全部センセイ固めという技で取っていて、自分はボリショイさんのDVDとかをすごく見ていたんですけど、センセイ固めだけは本当に気をつけようと思っていました。なので、研究の成果かなって思います」と語った。

101226_IceRibbon-3.jpg その藤本のタッグパートナーである志田光。映画『スリーカウント』で共演したのをキッカケにして志田にとっては、田村欣子はどうしても意識してしまう人。大晦日に引退することが決まっている田村とのシングルマッチを実現させるため、志田は12・23蕨大会でさくらからフォール勝ちを獲って、リボンタッグ王座を奪取した。そしてついに実現した田村との一騎打ち。真っ白の袴姿に、リボンタッグのベルトを肩に掛けて入場してきた志田の表情は気合い十分。
 田村は志田が差し出した握手に応じることなく背を向ける。すると志田は背後からジャンピングニーで奇襲攻撃。いきなり串刺しニーを連発して腕十字を仕掛けていったが、田村は脱出。志田はミサイルキックを連発していったが、田村は貫禄たっぷりにニーリフト、エルボーを見舞っていく。志田は飛び付き十字を狙うが、クラッチが切れた瞬間にロープに逃れた田村はエースクラッシャーからダブルリストアームサルト。その後も何度もダブルリストアームサルトを狙ってくる田村に対してニーリフトを叩き込んだ志田。
 しかし田村はコンプリート・ショットを3連発で決める。どうしても流れが掴めない志田はニーリフトからコーナーに登っていくが、場外に突き落とした田村はホールの壁に叩き付けると、倒れた志田をイスに座りながら踏みつける。だが、何とか食らいついていった志田はリングに戻ろうとする田村を捕まえると、ロープに貼り付けてニーリフト。さらに上半身だけを場外に出すと、場外からニーリフトで突き上げる!
 リングに戻った志田は必殺のスリーカウントを狙ったが、田村はネックブリーカーで切り返すとGUSTで叩き付ける。そしてコーナーに登っていった田村だが、追いかけていった志田はコーナー上でアームロック。さらにトップコーナーから雪崩式ブレーンバスターで投げると、そのまま腕十字へ。ロープに逃れた田村に対し、一気に攻め込もうとした志田だが、志田のブレーンバスターをパトリオットバスターで切り返した田村は左右のエルボーを連打してコーナーに追い詰めるとスピンキック。さらにランニングエルボー。
 15分が経過し、腕のサポーターを外してランニングエルボーを打っていった田村だが、うまくかわした志田はワキ固め。ロープに逃れた田村は雪崩式ダブルリストアームサルトでブン投げるが、すぐに起き上がった志田は渾身のスリーカウントを叩き込んでカウント3寸前まで追い詰める。だが、カウンターのエルボーを叩き込んだ田村は、拳を握るとハンガリーで叩き付けていき、粘りに粘った志田から3カウントを取った。
 号泣する志田を抱きしめ、健闘を称えた田村様。泣き崩れながらも田村に一礼した志田は、バックステージで「あ~もう、痛かった。田村さんがすごい優しいから、いつも試合の後は頑張った、すごい成長したと声をかけてくれて。でも今日もやっぱり、そういう風に声をかけてもらって。自分ではどれだけ田村さんを乗り越えることが出来たのか分からないし、爪痕を残せたのか、田村さんの心に残るプロレスラーになれてるのかも分からない。でもこれで映画に区切りをつけて、映画のためにプロレス界に入ったプロレスラーじゃなくて、本当にただのプロレスラーとして、これからもっともっと強くなっていきたいと思います。あんなふうになりたいと思いました」と語った。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 フレッシュオープニングファイト タッグマッチ20分1本勝負
○みなみ飛香/つくし
6分50秒 ブロックバスターホールド
●りほ/くるみ

▼第2試合 バミューダートライアングル トライアングルリボン15分1本勝負
○男色ディーノ(DDT)
5分47秒 ダブルSTF
●松本都
●都宮ちい

▼第3試合 格闘ビーナス タッグマッチ20分1本勝負
●市井舞/ジェシカ・ラブ(FCF)
8分39秒 スク-ルボーイ
○紫雷未央(トリプルテイルズ)/紫雷イオ(トリプルテイルズ)

▼第4試合 「真琴物語」 20分1本勝負
○TAJIRI(SMASH)
12分42秒 ラクダ固め
●真琴

▼第5試合 ICE×60選手権試合 20分1本勝負
[王 者]●コマンド・ボリショイ(JWP)
9分37秒 センセイ固めⅡを切り返す→エビ固め
[挑戦者]○藤本つかさ
※第10代王者4度目の防衛に失敗。藤本が第11代王者に

▼第6試合 NWA認定女子パシフィック&NEO認定シングルタッグ王者選手権試合
 30分1本勝負
[王 者]○田村欣子(NEO)
17分20秒 ハンガリー→片エビ固め
[挑戦者]●志田光
※第22代王者12度目の防衛に成功

▼第7試合 しもうま和美引退試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
高橋奈苗(パッションレッド)/夏樹☆たいよう(パッションレッド)/●しもうま和美(パッションレッド)
22分32秒 エビ固め
さくらえみ/星ハム子/○帯広さやか(19時女子)

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