最後まで王子らしく「レスラー人生最良の1日だった」とアンソニーが爽やかに引退!土井&Gamma征伐のため、吉野とCIMAが限定合体へ

101205_DragonGate-1.jpgDRAGON GATE
アンソニー・W・森引退興行
日時:12月2日(木) 開始:18:30
会場:後楽園ホール
観衆:2350人(超満員札止め)

 2日、後楽園ホールで行われたドラゴンゲート『アンソニー・W・森引退興行』。"王子"として人気を博していたアンソニー・W・森が、突如11・5後楽園大会で「ちょうど今年の春で10周年だったんですけど、本当にドラゴンゲートのみんなのお陰と、応援してくれる皆さんのお陰でとってもいい10年でした。だからこのあとの10年、15年、20年はいい年にしたいと思って、これからはリングを降りて裏方として10年、15年、20年と素晴らしい時を過ごせたらいいなと思ったから決断しました」と引退を表明。
 CIMAや望月成晃やベテラン勢も、吉野正人やB×Bハルクら同期やユニットで一緒だった後輩たちもアンソニーには思い入れがあり、最終的に引退試合のカードはアンソニーが吉野、ハルク、PAC、横須賀、K-ness.、シーサーとタッグを組み、CIMA、キッド、堀口、斎了、望月、フジイ、アラケンと対戦する14人タッグに決定。しかもアンソニー以外の選手はこの日2試合目となった。

 試合前にはスクリーンにT2Pでのデビュー戦(vs.吉野)から闘龍門JAPANで展開された斎了とのラブストーリー、さらにロイヤルブラザーズ、イタリアン・コネクション、Pos.HEARTS、戸澤塾、Typhoonといったユニットでの活躍や、2009年ドラゲー初の両国大会で行ったサイバー・コングとの敗者髪切りマッチの模様などが映し出される。
 さらに対戦相手のベテラン軍は"ハリウッド"ストーカー市川を先頭にしたトレインを作り、『闘龍門JAPAN』時代のオープニングテーマに乗って入場。そしてアンソニー組が入場し、菊池リングアナがアンソニーの名前をコールすると大量の白とピンクの紙テープが投げ込まれた。そして試合はかつてラブストーリーが話題を呼んだアンソニーと斎了の対決でスタート。すでに目が真っ赤の斎了だが、じっくりとしたチェーンレスリングを展開。一旦両者が離れて斎了がタッチしようとすると、CIMAが「もうええんか?」と確認。まだ思い残したことがあった斎了は再びアンソニーと相対すると、アームドラッグの応酬からアンソニーに「来い!」と叫んで懐かしい愛のタイタニックポーズを披露!
 そこに敢えて空気を読まないドン・フジイが入ってきてアンソニーを攻撃。観客からはブーイングが起こるが、フジイは容赦しない。しかしハルクとスペル・シーサーが入ってきて、Pos.HEARTSによるトリプルドロップキックをお見舞い! さらに吉野も入ってきて「アンソニー、イタコネの連係行くぞ!」と言って合体フェースバスター。だが、ベテラン軍も望月や堀口元気、新井健一郎らがそれぞれの思いをぶつけるようにアンソニーを攻撃。
 だが、場内の「王子」コールに後押しされたアンソニーはほとんどの選手を場外に追いやると、ダイビング・ローズを発射。ついでにセコンドについていたスト市もダイビング・ローズを放つが、これは全選手にかわされてしまった。さらにアンソニーはCIMAに「行きますよ!」を狙うが、CIMAは「お前、ホンマに行く気か? どうしても1人で辞めるっていうなら俺のことを張ってから行け!」とアンソニーに詰め寄る。するとアンソニーは躊躇することなくCIMAに張り手をお見舞いしてから行きますよ!
 望月に対しては久しぶりにエスカルゴまで繰り出し、キッドに対してはエレガントーンを投下。だが、試合は終わらず斎了とキッドが二階からの雪崩式フランケンをお見舞い。さらにアラケンの飛び出し注意からフジイがのど輪落としで叩き付けるがカウントは2。そして堀口が襲いかかっていくが、ここからベテラン軍の攻撃が偶然にも(?)ことごとく堀口に誤爆! 朦朧としながらもバックスライド・フロム・ヘブンを狙った堀口だが、アンソニーがエレガント・マジックで切り返して3カウント!

101205_DragonGate-2.jpg 自らピンフォール勝ちをして有終の美を飾ったアンソニー。試合後の引退セレモニーでは各マスコミから記念パネルが贈ら、最後にアンソニーが挨拶をしようとすると、そこに花束を持った土井成樹と菅原拓也が登場。土井がエプロンからぶっきらぼうに花束を投げつけると、かつてヘンリーIII世・菅原としてアンソニーとロイヤル・ブラザーズを結成していた菅原は「森、お疲れ様でした」と言いつつも、花束を受け取ろうとしたアンソニーを花束で殴打していく。
 そして引き揚げようとした菅原だが、アンソニーがて「おい、ヘンリー!」と声をかけると、振り向くことはしないものの入場ゲートの前で立ち止まった菅原。その背中に向かってアンソニーが「花束、どうもありがとう!」と声をかけると、菅原は振り返ることなく右腕をあげて控室へと消えていった。これにてロイヤル・ブラザーズも完結。
 そしてアンソニーは改めて「後楽園の皆さん、今日は僕の本当に個人的なことで、このような試合をやらせていただいて、ありがとうございました。なんだかんだ言っても最後の試合は、出来るだけたくさんの仲間と試合をしたいと思っていたので、ダブルヘッダーの皆さん、本当にありがとうございました。最後にアンソニーを10年間、温かく見守ってくれたファンの皆さん、ありがとうございました。そしてさようなら!」と最後まで王子らしく爽やかに別れの挨拶。
 10カウントゴングのあと、菊池リングアナが最後のコールをすると、リング上は再び大量の白とピンクの紙テープで埋め尽くされ、アンソニーは深々と一礼。そして目を真っ赤にさせた選手たちがアンソニーを胴上げして送り出した。

101205_DragonGate-3.jpg 大会終了後、大勢残ったファン1人1人にサインを書いていったアンソニーは、笑顔でインタビュースペースに現れると「本当に自分の思い出作りで試合させてもらったような感じなんで。すごい楽しかった部分と、ちょっとお金払ってきてくれた人に申し訳ないなという気持ちが......そんな感じですね」と謙虚なコメント。
 そしてリングへの未練を聞かれたアンソニーは「元々なかったですし、本当に今日、最高の引退試合になったというよりは、レスラー人生最良の1日だったんじゃないかなと思うんで。一番いいところで辞めたんで」と完全燃焼した様子。むしろ自分のことよりも、この日のためにコスチューム職人の横須賀享が久しぶりに作ってくれたという腕のサポーターをカメラマンに向かってアピールしたアンソニーは、リング上での一番の思い出を尋ねられると「タイトルマッチとかそういうのは置いておいてって話なんですけど、たぶんまったく注目されてない部分では、大阪プロレスさんとの対抗戦のときに第1試合で(苫小牧)卓也と(マーク)ハスキンスと組んで試合させていただいたときに(=今年の6・18、京セラドームスカイホール大会)、なんかデビューしたての若い子と、まぁドラゴンゲートにいつも来てくれてるガイジン選手をまとめるような形だったと思うんですね。あの時期にそんなとこにマッチメークしてくれたことに、ボク的にはなんか嬉しかったです」と、何ともアンソニーらしいコメントを残した。

101205_DragonGate-4.jpg なお、そのほかの試合のほうでは、12・26福岡大会で吉野の持つドリームゲート王座への挑戦を、吉野くじではなく強引に決めさせた土井がツインゲート王座を獲ったGamma、トライアングルゲート王者の菅原とトリオを組み、吉野&クネスカと対戦。
 相変わらずGammaが執拗にK-ness.をつけ狙う中、ブリッツェンから土井との合体攻撃を狙ったGammaをK-ness.が光の輪でクルクルと回してからガッチリと抑え込んで3カウント。11・23大阪大会でツインゲート王座を獲られた借りを返したK-ness.が「大阪ではベルト獲られたけど、お前なんか冷静になればいつでもフォール取れるんだよ!」と言うと、Gammaは「お前が何と言おうと、ツインゲート王者は俺と土井ちゃんなんだよ」と言い返し、土井は「この試合はただの消化試合や。お前が勝ったことなんかあと1時間もしたらみんな忘れているぞ。俺は1年前の福岡で初めてドリームゲートを獲ったんや。それに比べ吉野、お前は1年前の福岡で丸坊主になったよな。これでもうどっちが勝ちか分かったよな?」とすでに福岡大会では吉野に勝ったも同然という発言。
 これを聞いた吉野は「バカの1つ覚えみたいに福岡、福岡言いやがって! ここは東京やぞ! それはそうと年内もう1回後楽園あるよな。お前はツインゲート王者だよな。もう1回言うぞ、年内もう1回後楽園あるよな。何が言いたいかもう分かるよな。俺をツインゲートに挑戦させろ!」と、土井&Gammaが持つツインゲート王座への挑戦を表明。会場のファンのその言葉を後押しすると、土井は乗り気じゃなかったが、Gammaが「ツインゲートに挑戦させてやってもいいけど、パートナーはどうするんだよ! ただしクネスカはダメだぞ!」と詰め寄る。
 すると吉野は「Gamma、いい質問だ。完璧主義者の俺が何も考えずにこんな発言するわけないやろ。今度の俺のパートナーはハルクでない、PACでもない、俺と土井がやり合うとして、Gamma、お前の相手はコイツしかおらんやろ! お前が一番よーく知っている男や!」と言い出す。そこに現れたのはGammaとついこの間まで大阪06としてタッグを組んでいたCIMA!
 ニヤリと笑ってリングに上がったCIMAは「大阪ではいい経験させてもらったわ。吉野、俺はいまのお前に乗るで。オイ、Gamma! 覚悟は出来てるだろうな?」と裏切り者のGamma制裁に立ち上がった。この展開を見ていた八木本部長も「面白そうじゃねぇか!」とノリノリの様子で12・21後楽園大会で土井&Gammavs.吉野&CIMAのツインゲート戦を行うことを発表! ただしWARRIORSの仲間には何も相談せずにスタンドプレーで吉野とのタッグ結成を決めたというCIMAは、今回の狙いはあくまでも土井&Gammaからツインゲート王座を引っぺがすことであるため、勝利をしてツインゲート王座を奪取して時点でベルト返上することを、吉野とタッグ結成をする条件としてあげた。
 吉野もツインゲートはクネスカに獲ってもらいたいという思いがあるため、その条件を了承。これでブラッド・ジェネレーション時代以来、約4年ぶりの吉野&CIMAタッグが決定! 最後にCIMAは「吉野、確かにお前に負けたかもしれないけど、俺はまだまだ暴れるからな。とにかく21日は100%ベルトを獲りにいくぞ」と捨て台詞を残してリングを降りた。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 6人タッグマッチ20分1本勝負
●超神龍/琴香/苫小牧卓也
3分49秒 ヨシタニック
CIMA/ドラゴン・キッド/○スペル・シーサー

▼第2試合 シングルマッチ20分1本勝負
●谷嵜なおき
7分18秒 外道クラッチ
○ドン・フジイ

▼第3試合 タッグマッチ30分1本勝負
○神田裕之/Kzy
6分2秒 ジャーマンスープレックス・ホールド
望月成晃/●新井健一郎

▼第4試合 タッグマッチ30分1本勝負
○堀口元気/斎藤了
13分38秒 バックスライド・フロム・ヘブン
サイバー・コング/●KAGETORA

▼第5試合 タッグマッチ45分1本勝負
●鷹木信悟/YAMATO
15分32秒 脳天へのカかと落し→片エビ固め
○B×Bハルク/PAC

▼第6試合 6人タッグマッチ60分1本勝負
土井成樹/●Gamma/菅原拓也
15分43秒 光の輪
吉野正人/横須賀享/○K-ness.

▼第7試合 アンソニー・W・森引退試合 時間無制限勝負
○アンソニー・W・森/吉野正人/B×Bハルク/PAC/横須賀享/K-ness./スペル・シーサー
14分37秒 エレガントマジック
CIMA/ドラゴン・キッド/●堀口元気/斎藤了/望月成晃/ドン・フジイ/新井健一郎

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