国内引退まであと半年の東郷がKO-D無差別級王座を奪取し、「みんなの壁になる」と宣言!高木は天龍相手にDDT所属ラストマッチ

101128_DDT-1.jpgDDTプロレスリング
God Bless DDT 2010
日時:11月28日(日) 開始:12:00
会場:後楽園ホール
観衆:1525人(超満員札止め)

 28日、後楽園ホールで行われたDDTプロレスリング『God Bless DDT 2010』。DDT総選挙第2位の勢いそのままに、10・24後楽園大会で飯伏幸太から勝利を収めた佐藤光留は11・14大阪府立体育会館第二競技場大会で、HARASHIMAの持つKO-D無差別級王座に挑戦。佐藤は関本大介や男色ディーノを下してきたHARASHIMAを破り、パンクラスMISSIONの所属選手にしてDDTの頂点であるKO-D無差別級王座奪取に成功した。
 そして今大会では来年6月をもって、日本でのプロレス活動を引退するディック東郷の挑戦を受ける。前哨戦となった11・17新木場大会でフォール負けを喫した佐藤だが、試合後「日曜(11・14)にディック東郷はいらないと言いました。それは撤回します。いらないんじゃなくて、28日に俺がこの手でディック東郷を消します!」と宣言。東郷に引導を渡すことが出来るか!?

 リングインした佐藤は東郷を睨み付けながらベルトを掲げてみせる。そして握手を交わして試合開始となったが、ハンマーロックを決める東郷に対し、佐藤は下から三角絞めで捕獲。場外にエスケープした東郷だが、追いかけていった佐藤は東郷の左ヒザをエプロンへのニークラッシャーで叩き付けると、リングに戻ってからも東郷の左ヒザを集中攻撃。だが、東郷もビクトル投げからのヒザ十字を狙った佐藤を押し潰してエビ固めでフォールするなど、巧さを発揮。
 さらにラリアットで佐藤を場外に叩き落とした東郷は、足を引きずりながらもエプロンからトペコンを発射。さらにエプロンに佐藤を乗せてギロチンドロップ。文字通り佐藤の首を狙っていった東郷だが、リングに戻りカウンターのニールキックを返した佐藤は、飛びヒザ蹴りから三角絞めへ。そしてセルゲイ・ハリトーノフばりに三角マウントになってナックルを叩き込んでいった佐藤は、反則を取られてブレイクを命じられたあともナックルパート。
 東郷はカウンターのナックルからクロスフェースで捕獲したが、ロープに逃れた佐藤は不意を突いてのグーパンチ! これで東郷は前のめりにダウン! カウント9でどうにか立ち上がった東郷は、老かいなテクニックで佐藤を場外に出すと、エプロンの佐藤にロープ越しのブレーンバスターを狙う。佐藤はぶら下がり式のアキレス腱固めで切り返し、さらに逆に場外へのブレーンバスターを狙うが、ショルダーをぶつけてきた佐藤の頭を脇に抱えた東郷はDDT。
 しかし佐藤も東郷の蹴り足をキャッチすると、シャチホコ式の逆片エビ固めへ。ロープに逃れた東郷がペディグリーを決めれば、返す刀で佐藤も投げ捨てジャーマン。20分が経過し、クロスフェースを狙った東郷を腕十字で切り返した佐藤だが、うまく腕を抜いた東郷はクロスフェースへ。背中を大きく反らせながらもロープに逃れた佐藤に対し、東郷は必殺のペディグリーからのダイビング・セントーン!
 だが、佐藤は大阪大会でHARASHIMAのスワンダイブ式蒼魔刀を切り返したのと同じように、セントーンを投下した東郷を腕十字で切り返すと、そのまま流れるようにアンクルホールドへ! 必死でロープに逃げようとする東郷をバックドロップで投げた佐藤はハイキック、投げ捨てジャーマン、そしてアンクルからのアキレス腱固め、さらにヒールホールドへと移行。東郷がロープに手を伸ばすと、佐藤は体を反対側に捻ってロープを遠ざける。ニヤリと笑いながら舌を出し、なおもヒールホールドを絞め上げるその姿は、まるで師匠の鈴木みのるが乗り移ったかのよう。
 しかし、それでもロープに逃れてみせた東郷はダッシュしてのトラースキックを叩き込むと、佐藤を場外に連れ出してペディグリー。そして素早くリングに戻った東郷は、場外で大の字になっている佐藤にリング上からシルバーブレットを投下! 大きなダメージを負った佐藤をリングに戻してカバーするが、カウントは2。ならばと東郷はダメ押しとなるペディグリーからのダイビング・セントーンを決めて3カウントを奪った。
 総選挙2位の勢いで突っ走ってきた佐藤を下し、ベルトを奪取した東郷が「引退まで残り短いけど、俺がDDTにいる間はみんなの壁になってやるよ! このベルトに挑戦したい奴はいずれも名乗りを上げろ!」と言うと、真っ先にリングに飛び込んできたのは東郷の愛弟子であるアントーニオ本多。アントンが万感の表情で「自分はディック東郷vs.アントニーオ本多、KO-D無差別級選手権試合をやるために生まれてきました。自分が東郷さんに挑戦して、史上最高のレスラーの1人であるあなた、そのあなたを超えて史上最高のレスラーの1人になる。それが俺の人生です!」と言うと、東郷もアントンの挑戦を承諾。12・26後楽園大会で、KO-D無差別級王座を賭けた師弟対決が行われることが決定した。

101128_DDT-2.jpg 12月からユニオンプロレスに移籍する高木三四郎は、今大会がDDT所属選手としてのラストマッチ。そこで本人の希望により天龍源一郎&折原昌夫との対戦が決定。高木は矢郷良明のほかにヤングドラマ杯で惜しくも決勝進出を逃した入江茂弘をパートナーに抜擢。一方の天龍組には自ら志願したHARASHIMAが加わった。
 天龍組に奇襲攻撃を仕掛けていった高木組だが、天龍は高木に逆水平チョップをお見舞い。だが、高木はエルボー合戦を挑んできたHARASHIMAに対して「こんなものか!」と挑発していく。HARASHIMAがフロントキックで高木をダウンさせると、続いて天龍が逆水平チョップとグーパンチを叩き込む。タッチを受けた矢郷がHARASHIMAをドロップ・デッド・トワイスからのK.K.Kで追い込むと、天龍がタッチを受け、天龍vs.矢郷という龍虎対決が実現!
 パワーボムを狙う天龍に対し、高木が入ってきてヒザへの低空ドロップキックでカット。天龍はヒザに爆弾を抱えているため、入江が入ってきてヒザへのハンマーからヒザ固めを決めていく。堪らず折原がカットに入ったが、入江はなおも足4の字固めを決めていく。さらに高木は(一応)本人公認となったゆずポンキックを天龍に決めるという大胆なことをやらかすが、お仕置きとばかりに折原は急所蹴りからスピア。さらにスパイダージャーマンからのムーンサルトプレス。
 それでも高木はHARASHIMAと折原を2人まとめて担ぎ上げると、ブロックバスターで叩き付けていく。入江もHARASHIMAに対して垂直に突き刺さるブロックバスターで続き、テディベアで大金星を狙ったが、カウントは2。ならばと矢郷が殺人コブラを決めていくが、これもカットされてしまう。すると折原が入江にコンプリート・ショットを決め、そこにHARASHIMAが蒼魔刀を叩き込んで3カウント。
 試合後、DDTラストマッチを終えた高木は、健闘した入江にTKG48の会員番号36番(渡辺満里奈的ポジション)を与え、ユニオン所属初戦となる12・3新木場大会でタッグを組み、石川修司&諸橋晴也と対戦すると発表した。なお、メイン終了後に東郷から花束をもらう→裏切りのペディグリーを食らうという"お約束"を受けた高木は、「自分がDDTをいなくなっちゃうんで、誰も矢郷さんのお守りをする人がいません。なので唐突ですが、矢郷さんは今日でDDTは最後ってことで。だって矢郷さんの夢は(SMASHの)JCBホールで到達したじゃないですか!」と言い出し、戸惑う矢郷さんを若手たちの作った騎馬に乗せて送り出してしまった......。
 一方、久しぶりのDDT登場となった折原は「もっとガッチリと三四郎と試合がしたかったが、僕が以前いたDDTは後楽園でやるのが大一番! ヘタしたらそれで終わりだった。それが後楽園で試合をするのが当たり前になったDDT、面白いじゃないですか! これからドンドン来ますよ」と語り、天龍は「平成のプロレスを味わせてもらったよ」と感想を述べると、HARASHIMAに"ちょっと早いクリスマスプレゼント"としてアドバイスを送った。

101128_DDT-3.jpg マッスル坂井、高木三四郎に続き、年内いっぱいでプロレス活動を一旦休止するためDDTを去る大鷲透。これまでDDTのバラエティー班長として活躍してきた大鷲だけに、今大会では「発つ鳥あとを濁さない次期バラエティー班長決定戦」を行うことになった。
 試合形式が発表されていたなかったこの試合には、大鷲のほかにDJニラ、男色ディーノ、飯伏幸太、タノムサク鳥羽、星誕期、中澤マイケル、松永智充が出場。まずは大鷲とニラがリングに上がり、試合開始のゴングが鳴ったのだが、ここでニラが「DDTの観客の期待に応えすぎて、大鷲さんはもはや廃人寸前だ。そこで俺たち2人でDDTのモグラどもを査定してやる!」と言い出し、ほかの選手たちがバラエティー班長に相応しいか査定試合を行うことに。
 するとまずはディーノが大鷲コスプレをして登場。大鷲の如くビッグブーツで大鷲とニラを吹っ飛ばすと、さらに鳥羽、誕期、飯伏といった順にどんどんクオリティを下げつつも大鷲コスプレをした状態で登場。そこにマイケル&松永のシットハート♥ファウンデーションが登場し、松永が松永が「いつまでシャバいことやってんだよ! お前らバラエティーっていうものを分かっていない。いまからキング・オブ・バラエティーの中澤様がちょっと面白いバラエティーを見せてやる!」と告げるが、マイケルはお寒い下ネタで会場をドン引きさせ「帰れ」コールや「出禁」コールを浴びせられる始末。
 試合が再開され、飯伏がほかの選手たちを場外に追いやり、三角跳びケブラーダを発射させようとした瞬間、マイケルが「整いました!」と絶叫。これで飯伏もコーナー上でピタリと動きを止めたのだが、マイケルが「いまの飯伏幸太とかけて、坂上二郎さんと解きます。どちらも飛びます、飛びます」と、またお寒いことを言うと、飯伏はコーナーから飛び降り回転して勢いをつけてからマイケルにロケットパンチをお見舞い!
 ニラは何とか誕期を寝かせて、大鷲にダイビング・ボディプレスで有終の美を飾ってもらおうとするが、結局ニラがブレーンバスターで投げられ、寝かされたところに大鷲がダイビング・ボディプレスを投下して3カウント。バラエティー班長を決める試合で、去っていく大鷲が勝ってしまうというズンドコぶりに大鷲は、「どっかから突っ込んでいいかサッパリわからねぇよ! バラエティー班長決めようとしたのに、うっかり勝ってしまった。バラエティー班長決めないと、安心して出て行けないじゃねぇかよ!」と訴える。
 そこで大鷲がいまの試合を見て、独断と偏見で班長を任命しようとするが、鶴見亜門GMがGMストップ! 鶴見GMは「バラエティー班長は大鷲さんしかいませんよ!」と言うと、観客やほかの選手たちと一緒に「大鷲の前に大鷲なし、大鷲の後に大鷲なし」を唱和。大鷲が恥ずかしそうにしていると、またしてもマイケルが「整いました!」と入ってきて「バラエティー班における大鷲透と解きまして......かけまして、結婚指輪と解きます。その心はどちらも失敗が効きません!」と言うと、場内が暗転して強制終了となってしまった。
 大鷲はインタビュースペースで「バラエティー班長の座を空けて待っててくれるってことなのか、よく分からないけども、そんな暖かい選手の気持ちと会場の皆さんの気持ちは大変ありがたいんですが、そのポジションはもういらないんで、どこかヨソの方よろしくお願いします。次にDDTに帰ってくることがあったら、普通の、真っ当なレスラー人生を歩みたいと思います」と苦笑いで語った。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 KO−Dタッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]○アントーニオ本多/佐々木大輔(フリー)
15分52秒 回転エビ固め
[挑戦者組]GENTARO(FREEDOMS)/●ヤス・ウラノ
※第33代王者組が初防衛に成功

▼第2試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
MIKAMI/○KUDO/吉野達彦(ガッツワールド)
8分53秒 ダイビング・ダブルニードロップ→片エビ固め
安部行洋/美月凛音/●平田一喜

▼第3試合 次期バラエティー班長選出試合 30分1本勝負
○大鷲透(フリー)
11分10秒 ダイビング・ボディプレス→体固め
DJニラ(フリー)
※他参加選手は男色ディーノ、飯伏幸太、タノムサク鳥羽、星誕期、中澤マイケル、松永智充

▼第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
高木三四郎/矢郷良明(フリー)/●入江茂弘(チームでら)
12分58秒 蒼魔刀→体固め
天龍源一郎(天龍プロジェクト)/折原昌夫(メビウス)/○HARASHIMA

▼第5試合 ヤングドラマ杯決勝戦 時間無制限1本勝負
○高尾蒼馬
15分10秒 ダイビング・ギロチンドロップ→片エビ固め
●石井慧介
※高尾がヤングドラマ杯2010優勝

▼第6試合 KO−D無差別級選手権試合 時間無制限1本勝負
[王 者]●佐藤光留(パンクラスMISSION)
27分55秒 ダイビング・セントーン→片エビ固め
[挑戦者]○ディック東郷
※第33代王者が初防衛に失敗。東郷が第34代王者へ

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