"年末の風物詩"最強タッグが開幕!三冠王者vs.世界タッグ王者の対決は、ケアが諏訪魔に完勝し三冠挑戦をアピール!

101120_AJP-1.jpg全日本プロレス
2010世界最強タッグ決定リーグ戦
日時:11月20日(土) 開始:18:30
会場:後楽園ホール
観衆:1700人

 20日、後楽園ホールで行われた全日本プロレス『2010世界最強タッグ決定リーグ戦』開幕戦。年末恒例の最強タッグが今年も開幕! 今年、ヒザの大手術を行った武藤敬司は残念ながら最強タッグに出場とならなかったが、開幕戦から現三冠ヘビー級王者の諏訪魔と、元三冠ヘビー級王者の浜亮太のコンビが、現世界タッグ王者コンビの太陽ケア&曙と激突した。

 試合前の煽りVで諏訪魔は最強タッグは4年連続準優勝に終わっているため、今年こそは優勝したいと語ると同時に、「三冠挑戦者を探していきたい」とも語っていた。これに素早く反応したのが太陽ケア。諏訪魔がリングインするなり諏訪魔に近付いていって激しく挑発。思わず曙が割って入り、苦笑いしながらケアを下げるほど。
 ところが試合が始まると浜が曙をコーナーに押し込み、離れ際にチョップをお見舞い。これで曙に火が付き、浜にタックルをぶちかましてから「来い!」と挑発。浜が突進していくと、曙はうまくかわしてからショルダータックルでぶち当たっていって浜をなぎ倒し、倒れたところに全体重を乗せて踏みつける。そこから浜の右足を集中攻撃していくハワイアンコンビ。立ち上がることもままならない浜だったが、曙に対して左右のハンマーを叩き込み。
 すると曙は強烈な張り手をお返し。朦朧としながらもバックブローを返した浜だが、曙はもう一発張り手を叩き込むと、コーナースプラッシュからフラッシング・エルボー。しかしボディプレスをかわした浜は、倒れた曙に低空ドロップキックを見舞って諏訪魔にタッチ。ジャンピングショルダーやラリアットを見舞っても倒れない曙に対し、諏訪魔はショートレンジラリアットの連打からダッシュして渾身のラリアットを叩き込み、ようやくなぎ倒す。
 しかしケアが入って来ると、ハリケーン・スパイク、SUNケアキックで一気に攻め込んでいき、コーナーに追い込んで馬乗りナックル。だが、背後から浜がケアを捕まえてバックドロップで投げていくと、諏訪魔&浜はトレイン攻撃からダブルの串刺しタックル→合体ブレーンバスター→サンドイッチ・ラリアット。さらに諏訪魔のキャプチュードを挟んでから、最強タッグ用に開発した諏訪魔のアンクルホールド+浜のDDTの合体技まで決め、諏訪魔はトドメのジャーマンで投げるが、曙が何とかカット!
 ならばと諏訪魔はラストライドを狙うが、これはうまくケアが脱出。両者は激しくエルボー、フロントキック、ラリアットをお互いに打ち合うと、ケアがバックドロップで投げ、諏訪魔が投げ捨てジャーマンで投げる。そこからケアは波乗りスープレックスでブン投げ、続けてTKOで叩き付けると、諏訪魔ばりに両手を広げてラストライドの予告をすると、そのままラストライドの体勢で担ぎ上げてからジャンプしてシットダウン式ラストライド! これで現三冠王者の諏訪魔から完璧な3カウントを奪い、世界タッグ王者が白星スタートを飾った。
 試合後、大の字に倒れた諏訪魔を浜が気遣っていると、その浜を蹴っ飛ばしてなおも挑発するケア。インタビュースペースで浜は「強いのか何だか知らねぇが、何だ、最後のは! それがチャンピオンのやり方か?」と激怒するが、一方の諏訪魔は最後のジャンピング・ラストライドのダメージが大きく腰を押さえたまま「何かケアは三冠のベルトを意識してやってきてるかもしれねぇが、俺はまだリーグ戦初戦だから。このリーグ戦で優勝することに集中するよ。1つ1つの技に気持ちを込めていたっていうのは感じたし、ラストライドっていうのはここまでのものかって、初めて体感したよ。あ〜、頭もイテェよ! 腰がダメだ。あ〜全身来た!」と言いながらも、苦痛で顔を歪ませた。

101120_AJP-2.jpg 昨年の最強タッグを制したのは武藤&船木誠勝だが、その1年前には考えられなかった船木&鈴木みのるのタッグが、今年の最強タッグにエントリー。注目の初戦は西村修&ジョー・マレンコと"カール・ゴッチ門下生"対決。
 序盤で鈴木が西村をヘッドシザースに捕らえると、当然西村は倒立での脱出を試みるが、鈴木はそれを許さない。1度目はすぐに押し倒し、2度目の挑戦ではすぐさま腕十字に切り返した鈴木。しかし珍しく欧州式エビ固めを披露した鈴木は、西村の逆さ押さえ込みにも素早く脱出してニヤリ。続いてマレンコはグラウンド勝負を挑んでいった船木をアキレス腱固めに捕らえるが、船木もマレンコの腕の間に自分の腕をねじ込んで防御。序盤からゴッチ門下生同士らしい攻防が展開される。
 すると船木&鈴木は西村をターゲットに定め、船木が西村とカチ上げ式のエルボースマッシュ合戦からローキックを連打していけば、鈴木はレッグスプリットからのスタンディング式ヒールホールド。さらにロープ際で船木がアキレス腱固めに捕らえると、リング下から鈴木がスリーパーで合体していく。
 西村も鈴木を足4の字固めに捕らえていくが、鈴木は「来いよ、オラ!」と挑発しながら反転して形勢逆転。だが、西村も元の体勢に戻して鈴木を悶絶させる。それでも鈴木は西村のつま先に噛みつき、さらにカウンターでキチンシンク。続いて船木がロー、ミドルとガンガン蹴ってからツームストンパイルからの三角絞めへ。かなり西村が長い時間捕まってしまったが、マレンコは一切カットに入らない。マレンコの期待に応えるかのように蹴り足をキャッチしてのドラゴンスクリューを決めた西村はようやくタッチ。
 ノーザンライト・スープレックスからのアームロックを決めたマレンコだが、ロープに脱出した船木はソバットを見舞って鈴木にタッチ。鈴木はスリーパーを狙うが、マレンコはこれをワキ固めに切り返す。しかし鈴木は再びスリーパーで切り返してグイグイ絞め上げると、一気にゴッチ式パイルドライバーの体勢に。これをカットした西村に対し、鈴木は"もう1人のゴッチ門下生"である師匠・藤原喜明ばりの一本足頭突きで応戦し、西村のコブラツイストも卍固めで切り返す。
 そして船木が西村をクロスヒールホールド、さらにヒザ十字固めで仕留めようとするが、西村はことごとくロープに脱出。25分が経過し、船木はフィニッシュを鈴木に託してタッチ。西村はいきなり首固めで丸め込んでいくが、鈴木はカウント3寸前でキックアウト。フラフラになりながらもエルボースマッシュを打っていった西村は回転足折り固めを決めるが、これもカウントは2! ここで西村はマレンコにタッチ。するとマレンコも回転足折り固めを決めるが、鈴木はスリーパーで切り返す。だが、マレンコもスリーパーを決められながらも鈴木の足をレッグロックに捕らえ、鈴木を悶絶させる。
 最後の最後までお互いに決めようとしたが、無情にも30分時間切れを告げるゴング。試合後『カクトウギのテーマ』が流れる中、「ゴッチさんが見ている」と言いたかったのか天を指差した西村が握手を求めると、船木はすぐに応じた。そして鈴木も熟考した末に西村、さらにマレンコともガッチリ握手を交わした。

101120_AJP-3.jpg 第1試合開始前には今月の8日に亡くなったジョー樋口さんの追悼セレモニーが行われた。『GHCのテーマ』が鳴り響く中、ジョーさんの弟子でもある和田京平レフェリーが遺影を持ち、馬場全日本でジョーさんと一緒だった渕正信、太陽ケア、さらに全日本〜ノアでも一緒だった菊地毅と本田多聞がリングに上がり、ほかの選手がリングの周りに集合。
 ジョーさんの経歴が紹介され、10カウントゴングが鳴らされたあと、「レフェリー、ジョー樋口〜」とコールされると、観客からは一斉に「ジョー!」の大合唱。最後は『NTVスポーツテーマ』が鳴り響いた。
 なお、上記2試合以外の最強タッグ公式戦では現アジアタッグ王者の真田聖也&征矢学と対戦したブードゥー・マーダーズのKENSO&KONOは、レフェリーのブラインドをついた反則攻撃を織り交ぜながら直線型のesをうまく翻弄。最後はKENSOがプランチャの連発で真田を場外に釘付けにしている間に、KONOがジャイアント・ニードロップを落として3カウント。アジアタッグ王者のesは黒星スタートとなってしまった。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
カズ・ハヤシ/近藤修司/●BUSHI
9分22秒 オズスペシャル→片エビ固め
○ダーク・オズ/ダーク・クエルボ/MAZADA(VM)

▼第2試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
渕正信/菊地毅(フリー)/○本田多聞(フリー)
8分51秒 デッドエンド→エビ固め
TARU(VM)/稔(VM)/●ブードゥーマスク(VM)

▼第3試合 シングルマッチ30分1本勝負
○武藤敬司
10分00秒 シャイニング・ウィザード→体固め
●大和ヒロシ

▼第4試合 2010世界最強タッグ決定リーグ戦公式戦30分1本勝負
真田聖也/●征矢学【1敗=0点】
15分21秒 ジャイアント・ニードロップ→片エビ固め
KENSO(VM)/○KONO(VM)【1勝=2点】

▼第5試合 2010世界最強タッグ決定リーグ戦公式戦30分1本勝負
西村修/△ジョー・マレンコ【1分=1点】
時間切れ引き分け
船木誠勝/△鈴木みのる(パンクラスMISSION)【1分=1点】

▼第6試合 2010世界最強タッグ決定リーグ戦公式戦30分1本勝負
●諏訪魔/浜亮太【1敗=0点】
16分42秒 ジャンピング・ラストライド→エビ固め
○太陽ケア/曙(フリー)【1勝=2点】

このページの先頭へ
コラム女子プロレス団体『FEATURES』
スターダム世IV虎の番長日記
はるか悠里の格闘アイドル育成計画
スターダム須佐えりの初勝利への道
月別アーカイブ
団体