天山がどん底から1年3カ月ぶりに復帰!ファンの大声援を受けて男泣きした天山だが、次なる標的に小島聡を指名!

101118_NJPW-1.jpg新日本プロレス
NEVER.4
日時:11月18日(木) 開始:19:00
会場:新木場1stRING
観衆:450人(超満員札止め)

 18日、新木場1stRINGで行われた新日本プロレス『NEVER.4』。新日本が新世代育成プロジェクトとして開始した実験的な大会『NEVER』も4回目を迎えたが、今大会では昨年8月以来欠場を続けていた天山広吉が、自ら志願して復帰戦を行った。

 首の頚椎後縦靭帯骨化症により1年3カ月も欠場していた天山は、その間に引退はもちろん何と自殺も考えたという。それほどどん底の状態からようやく復帰出来る状態まで戻したというのに、敢えて復帰の舞台を若手選手や他団体の選手が中心で、新木場という小さな会場で行われている『NEVER』を選んだというのが、いかにも天山らしい。しかも当日発表とされていた復帰戦の相手は、『NEVER.4』に出場する他団体の選手の中で天山が唯一知っているというレスラーだったアントーニオ本多!
 DDTのリングを中心に独特なレスリングスタイルでアントンワールドを作り出すアントンだが、ディック東郷の愛弟子でありなかなかの曲者。だが、さすがにメジャー団体のリングで大物の復帰戦の相手を務めるということで、やや緊張した面持ちで入場してきたアントン。対する天山はロングホーンが付いたマスクもロングガウンも着用せず、トレードマークだった牛のマークすら入っていない黒一色のタイツとシューズ、さらに髪の毛も真っ黒の状態で入場。場内は大天山コールで天山を迎え入れる。
 そして試合が始まると、天山がアントンをショルダータックルでなぎ倒し、いきなり「シュ、シュ」と叫びながら手刀を落としていく。これで一気に場内が沸き上がったが、アントンは場外にエスケープ。場外カウント20ギリギリで戻ると見せかけて、また場外にエスケープして天山を苛つかせる。思わず場外に追いかけていった天山だが、すかさずリングに戻ったアントンは、エプロンで天山を捕まえてトップロープに首を叩き付けていく。
 ここからアントンはヒールモードに入り、イス攻撃やテーピングを使ったチョーク攻撃、さらに天山が爆弾を抱える首を集中攻撃。だが、天山もアントンのキャメルクラッチを手に噛みついて脱出すると、アントンのDDTを堪えてスッポ抜けさせ、ダスティンをボディへのヘッドバットで迎撃。そこからカーフブランディング、ブレーンバスターで反撃に出た天山だが、ダイビング・ヘッドバットはかわされてしまう。

101118_NJPW-2.jpg アントンはナックルパートからのダスティンをお見舞いすると、反撃しようとする天山をカニ挟みで倒し、馬乗りナックルからエルボー。そしてタイツのショルダーを外すと必殺のダイビング・フィストドロップを落とす! 間一髪でこれをかわした天山はナックルパートをお返しするが、アントンもラリアットを相打ちに持ち込んでダッシュ。だが、カウンターのニールキックで迎撃した天山は満を持してモンゴリアンチョップ! 一時期は首の負傷のせいで肩が上がらなかった天山だが、この日は見事に両腕を高く上げ、完璧な形でモンゴリアンチョップを叩き込んでみせた。それだけに観客も大歓声をあげる!
 そして必殺のTTDで叩き付けた天山は、ダメ押しのアナコンダバイスも決める必殺フルコースで見事勝利。1年3カ月ぶりの復帰戦を勝利で飾った天山は、万感の表情で天山コールを浴びると、大の字に倒れたアントンを引き起こして健闘を称え合う。そして思わず手を顔を覆った天山は、四方の客席に一礼してからリングを降りた。
 試合後、大役を務めたアントンは「ここどこだよ! 俺、なんで裸なの? すっごい、嫌な悪夢を見たよ。なんか俺の首に毒蛇が巻きついて、俺が死んじまうような夢を。何だよあの毒蛇! 毒蛇じゃねぇな、あの力! ちっちゃい蛇じゃなかった! ふっとい! ふっとい......そうだ、アレ図鑑で見たことあるよ。アナコンダ......」とかなり記憶が混濁している様子。それでも「覚えてない分、負けの悔しさがなくていいかもな。でも何かすごい太くてしっかりとした優しい人に抱きついた記憶はある。俺の中では天山と闘ってねぇよ。これは始まりにすぎねぇよ。だって、覚えてないから。だから新日本プロレスさん、お客さんこんなに入って1回試合やっちゃったけど、今度は東京ドームで自分と天山さんの試合を組んでください」とちゃっかりお願いしていた。

101118_NJPW-3.jpg 一方、メインのNO LIMITvs.忍&円華終了後に、外の売店に顔を出して改めてファンにお礼を言い、またも大天山コールを浴びた天山は、復活会見を開くことに。たくさんのマスコミに囲まれた天山は、こぼれ落ちそうになる涙を堪えながら「お陰様で......リングに戻って来ることが出来ました。......え〜、この1年3カ月......すごく長い時間でした......。やっとこの日が......来たことが最高に嬉しいです。またよろしくお願いします」と挨拶。そしてリングに上がったときの思いを聞かれると、「もう......やっとこの日が来たっていうか、震えが止まらなかったですね。もう、ちょっとやっぱり失敗は許されないというか、自分でもせっかくもうガムシャラに......やるしかないっていう......」と言って言葉を詰まらせた。
 初対決となったアントンに対しては「すごいガンガン来てくれたし、もちろん自分も倒すつもりでガンガン行きましたけど、ちょっと攻められると首はキツイ部分もありましたけど、でもやっぱりあんなにたくさん応援してくれるお客さんがいて、やられても負けられないっていう気持ちで。絶対に負けたくないっていう気持ちでした。敵ながら本当に感謝しています。自分を潰しにガンガン来てくれたし、遠慮なく来てくれたっていうのを自分も試合をやっていて感じましたし、本当にまた機会があればどっかでやってみたいです」と高評価。
 無事に復帰戦を終えて、「やっぱりここまで来たからには、まだこれがスタートっていう気持ちなので、新しい自分の、天山広吉もう一度、ビッグカムバックをこれから一気に行きたいと思うので、これが一歩だと思っています。どんどんこれから『NEVER』をスタートに、本隊にも戻っていきたいし、これからもう一度天山広吉を花咲かせていきたいと思っているので」と前向きな発言をした天山だが、改めて振り返ると「もう会場入りから試合が近付くにつれてこの1年のあいだの思いがね......いろいろなことを思い出してね......。辛いことばっかりでここまで来て......もうリングに上がれないんじゃないかっていう不安な気持ちになってね......もう自分でも自暴自棄になって......何もかも......どん底だったですけど、最後まで諦めないで来たのが、自分でもやっぱりまだまだ終わらないというか、終わりたくない気持ちがあってやってきました。あんなにたくさんのお客さんが応援してくれて本当に幸せです」と再び涙が......。
 しかしモンゴリアンチョップをはじめ、数々の得意技を出せたことが自信になったという天山は、「とにかくドンドン上を目指してやっていくので。本当に本隊でいま一番やりたい男は、やっぱり小島聡ですね。俺がいないあいだに新日本に戻ってきて、G1とIWGP獲って、いま新日本のトップに立っていますけど、自分の中では本当に腹の中が煮えくり返っています。今日カムバックしたんだからアイツ狙いで......小島の首を狙いに行くしかないと思っているので、会社には『次は小島とやらせてくれ』と言いたいと思っているので、まぁ向こうはチャンピオンですから、そんな簡単にはいかないかもしれないですけど、とにかくまた新日本のリングで復活した以上は、チャンピオン小島を狙っていきたいと思います!」と欠場中に古巣・新日本のリングに復帰し、あっという間にG1とIWGPヘビー級王座を獲ったかつての盟友・小島聡のことが気になって仕方がなかったという。その思いぶつけたいようで、早くも小島との対戦を表明した!
 
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 20分1本勝負
●高橋広夢
7分04秒 ニールキック→片エビ固め
○石井慧介(DDT)

▼第2試合 20分1本勝負
○タマ・トンガ
7分53秒 トンガンツイスト→片エビ固め
●キング・ファレ

▼第3試合 20分1本勝負
○本間朋晃
10分40秒 コケシ→体固め
●小川内潤(SECRET BASE)

▼第4試合 20分1本勝負
○石井智宏(リキプロ)
11分56秒 ラリアット→体固め
●佐々木大輔(フリー)

▼第5試合 30分1本勝負
○天山広吉
13分07秒 アナコンダバイス
●アントーニオ本多(フリー)

▼第6試合 30分1本勝負
○高橋裕二郎/内藤哲也
16分01秒 変型フェースバスター→体固め
●忍(666)/円華(フリー)

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