「MAX存続のためにはここで日本人が優勝しないと」という佐藤の悲壮な決意を打ち砕き、ペトロシアンがMAX史上初の連覇達成!

101108_K1Max-1.jpgK-1 WORLD MAX
K-1 WORLD MAX 2010
-70kg World Championship Tournament FINAL
日時:11月8日(月) 開始:18:00
会場:両国国技館
観衆:9189人

 8日、両国国技館で行われた『K-1 WORLD MAX 2010 -70kg World Championship Tournament FINAL』。-70kg世界トーナメントFINALとなる今大会では決勝戦まで進むと、1日3試合行わなければならない。日本からは今年の日本トーナメントを全試合KOで制した長島☆自演乙☆雄一郎と、オープニングVで「来年MAXのトーナメントが開催されるかどうかも分からない。ここで日本人が優勝しないといけない」と悲壮な決意を口にした佐藤嘉洋が出場。

 毎回ド派手な入場をする自演乙だが、今回はまず協賛スポンサーである5pbとニトロプラスが製作した『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』というゲームキャラクターのコスプレをしたアフィリア・サーガ・イーストのメンバーが、バックダンサーとしてステージ上に登場。その中を自演乙応援ソングを歌っている桃井はるこさんがシュタインズゲートで声優をしているフェイリス・ニャンニャンのキャラクターソング『Nyan☆Nyan☆Galaxy!』に乗って、そのフェイリスのコスプレをした自演乙が入場してきた。
 身体の小さいザンビディスだが、ジリジリとプレッシャーをかけていき、下から自演乙の懐に飛び込まんばかりにパンチを打っていく。自演乙も体勢を低くするが、そのせいでバッティングして左目尻を切ってしまう。さらにザンビディスの圧力に押されて尻餅をつくシーンも。2Rに入るとザンビディスは一気に勝負に出たため、自演乙も打ち合いに応じるが、優勢なのはザンビディス。しかし徐々に自演乙の攻撃もスムーズに出るようになり、ザンビディスの突進がやや収まってくる。
 3Rに入り、あとがない自演乙は真っ向から打ち合いで勝負に出るが、ザンビディスの右フックがテンプルにヒット! その直後、自演乙がダメージで一瞬グラッとなったところにザンビディスが左右のフックを叩き込んでダウン! 鼻血を出した自演乙は悔しそうな表情で何とか立ち上がったが、チャンスと見たザンビディスがもの凄い勢いで左右のフックを振り回してラッシュ。必死にしのぐ自演乙だが、ロープを背負ったところにザンビディスは飛びヒザを叩き込み、さらにパンチでラッシュしたところで、レフェリーは試合をストップし、日本トーナメント覇者は準々決勝で姿を消した。
 前年度世界トーナメント覇者のジョルジオ・ペトロシアンは、初代MAX世界王者のアルバート・クラウス相手に苦戦しながらも勝利。そして準決勝でザンビディスはペトロシアンと対戦したのだが、最強王者相手にプレッシャーをかけながらジリジリと前に出て行く。ペトロシアンはヒザ蹴りで迎撃したり、スウェーでザンビディスの豪腕フックをかわしたりしてみせたのだが、2Rには蹴りを出したペトロシアンをザンビディスのパンチが押し込む格好になり、ザンビディスがスリップダウンした時は場内が大いに沸き上がった。果敢にパンチを振りまわしていったザンビディスだが、最後までペトロシアンを捕らえることは出来なかった。

101108_K1Max-2.jpg 佐藤は準決勝でドラゴと対戦。とにかくドラゴが接近してきたらパンチとヒザで距離を作り、あとは徹底したローキックといういつものパターンに持ち込む佐藤。ドラゴもボディブローで応戦し、3Rには佐藤をコーナー付近まで追い込んでフックを叩き込むと、なおも右フックからのハイキック。クリーンヒットは免れた佐藤だが、ややダメージがある様子。しかしダメージはドラゴの足のほうが明らかに大きく、動きが鈍いドラゴに対して佐藤はヒザ蹴りとローを入れていくが、ドラゴも最後の力を振り絞って右フックを返す。そのまま判定となり、佐藤が3-0で勝利! 佐藤は悲願の決勝進出を決めた。
 そして迎えた決勝。MAXの存続を考えてここで日本人が優勝すべきと唱え、悲願の初優勝を目指す佐藤と、史上初のMAX世界トーナメント連覇を狙うペトロシアン。気合いの入ったいい表情で入場してきた佐藤だが、いざし合いが始まると得意のローがあまり出てこない。どちらかと言うとパンチ主体の佐藤に対し、ペトロシアンはカウンターのストレートを叩き込む。2Rに入ってもやはりなかなかローが出来ない佐藤だが、どうも足を痛めているようにも見える。ついにペトロシアンのストレートを顔面にもらい、鼻から出血した佐藤。
 悲願の優勝まで届きそうで届かない......それでも佐藤は3Rに入っても真っ向から殴り合う。ペトロシアンは佐藤のお株を奪うようなローを叩き込み、軽快な動きの中でパンチを打っていく。佐藤も単発ながらローを何とか出していったが、3R終了のゴング! 判定の結果は3-0でペトロシアン! セコンドに肩車されたペトロシアンは、呆然と立ち尽くす佐藤に近付いていくと、抱き合って健闘を称えた。
 試合後、佐藤は我が子を抱き抱えながら「疲れました。ペトロシアンはいい試合したいなという相手ですね。多分、勝ったり負けたりできる相手だと思うんで」と満足そうな表情で語ったが、やはり「右足が痛いですね」と足を痛めたことを明かした。谷川EPによると、とても試合が出来る状態ではなかったようだが、佐藤自身はそれ以上足のケガについては触れず、「今日で佐藤嘉洋物語の第二章は完結ですね。最高のハッピーエンドにはならなかったですけど、2008年に止まった時計の針は動かせたかなと思います」と前向きな発言。
 なお、かつて永田裕志と新日本プロレス道場で行った合同特訓をキッカケにして開発されたというサンダーデスキックは「1回戦で出せたんですけど、当たらなかったですね。さすが青義軍の技だなと(笑)。左足でフェイントかけての右ハイキックだったんですけど、ミドルぐらいの高さしか上がらなくて(笑)。まぁ僕も青義軍の端くれですから、青義軍らしい技が出せたんじゃないかなと。永田さんもこれでお墨付きもらえるんじゃないですか? (青義軍は)昨日勝ったんですか? スゲー! 僕はK-1MAXの青義軍リーダーなんで、もう勝手に山本優弥と城戸康裕入れてるんですよ、トリオで。その3人でK-1MAX青義軍として、MAXを盛り上げていこうと思っています」と明るく語った。

101108_K1Max-3.jpg 第1試合にはスーパーファイトとして石井慧が登場。とにかくいまは場数を踏んだほうがいい石井は、DREAMルールながらMAXのリングでも試合をすることに。しかし当初はかつて泉浩をKOしたアンズ・"ノトリアス"・ナンセンと対戦するはずだったのだが、ナンセンが大会直前でドクターストップになってしまい、前日になって対戦相手が柴田勝頼に変更になることが発表された。
 しっかり煽りVもナンセンのままかと思わせておいて、しっかり柴田に変わっていたが、石井はなぜかAKB48の『Beginner』に乗って入場。これには観客の反応もイマイチ。まず柴田は殴り合いを挑もうとするが、石井はロープ際に柴田を押し込んでいくと、足を刈ってテークダウン。柴田はどうにか立ち上がって逃れようとするが、バックを取って再びグラウンドに引きずり込んだ石井は、マウントを取ることに成功。しかし柴田も必死に脱出を試みたため、石井はサイドに回ってからニーオンザベリーでパウンド!
 柴田はそれでも両足で石井を下から捕まえようとするが、石井は腕を取っていってアームロックを極めていく。完璧な形で極まり、ここで試合終了。終わってみれば石井の完勝だが、緊急登板だった上に10・24『DEEP50』で試合をしてTKO負けを喫している柴田としては、一番ダメージが少ない状態で試合を終えることが出来た。
 セコンドについていた澤田敦士が石井の勝利を称えるが、観客からは「早く帰れー!」という厳しい野次も飛ぶ。マイクを持った石井は「すぐ帰りますんで、ちょっと待ってください。持ってる、持ってると皆さんに言われてきました。そしてこの試合をして分かりました。確かに持ってました。自分は話をよく"盛る"癖があります」と挨拶。
 インタビュースペースでは「一本勝ちをしてくれよと周りから言われてまして、そういうプレッシャーもあって、またいい緊張感のある試合だったと思いますし、まぁ結構打撃も見れたし、自分の目標とする段階、目標とする人に近づけたかなと思います」と冷静に試合を振り返った石井だったが、その目標とする人物はアメリカでも俳優とする渡辺謙さんだという。さらに入場曲に関しては「自分が初心忘れるべからずという事で、AKBのBeginnerにしました」と解説し、話は年末の話題に移ると、今回の直前に対戦相手が変わったり、谷川EPから髪型を馬鹿にされたことを理由にあげて「非常にガッカリしてます。年末はアメリカの方に呼ばれているので、アメリカで試合です。(団体は)内緒です。やりたい相手がいます。ティト・オーティズとやりたい!」と大晦日の『Dynamite!!』出場に否定的な発言をした。
 谷川EPは石井に関して「(髪型を馬鹿にした件は)謝っておきます(笑)。何か河童みたい......いやいや、謹んでお詫びします。対戦相手も変わり、髪形も否定してしまいましたし、本当に申し訳ない。(Dynamite!!には)出てほしいです。大物とやってもらいたいなと思ってます。(オーティズじゃなくて)もっと大晦日っぽいのでもいいと思いますけどね」と語ったが、はたして......

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼オープニングファイト K-1ルール3分3R 85kg契約
○ファビアーノ・ダ・シルバ(ブラジル/極真会館)
判定3-0
●ヤン・カシューバ(カナダ/バンゲリングベイ・スピリット/unit-K)

▼オープニングファイト K-1ルール3分3R 63kg契約
●大石駿介(日本/OISHIGYM)
2R54秒 KO(右ストレート)
○西山誠人(日本/アクティブJ)

▼WORLD MAX 2010 -70kg リザーブファイト K-1ルール 3分3R(延長1R)
○日菜太(日本/湘南格闘クラブ/ToshinFamily)
判定3-0
●アンドレ・ジダ(ブラジル/ユニバーシダデ・ダ・ルタ)

▼第1試合 スーパーファイト DREAMルール 1R・10分、2R・5分 無差別級
○石井慧(日本/アイダッシュ)
1R3分30秒 アームロック
●柴田勝頼(日本/Laughter7)

▼第2試合 WORLD MAX 2010 -70kg準々決勝 K-1ルール 3分3R(延長1R)
○マイク・ザンビディス(ギリシャ/ZambidisClub)
3R53秒 KO(パンチ連打)
●長島☆自演乙☆雄一郎(日本/魁塾)

▼第3試合 WORLD MAX 2010 -70kg準々決勝 K-1ルール 3分3R(延長1R)
●アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ)
判定0-3
○ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア/サトリ・グラディエートリウム・ネメシス)

▼第4試合 WORLD MAX 2010 -70kg準々決勝 K-1ルール 3分3R(延長1R)
○ドラゴ(アルメニア/チームSHOWTIME)
判定3-0
●モハメド・カマル(モロッコ/ボスジムアムステルダム)

▼第5試合 WORLD MAX 2010 -70kg準々決勝 K-1ルール 3分3R(延長1R)
●ミハウ・グロガフスキー(ポーランド/アカデミア・ウォルキ)
判定0-3
○佐藤嘉洋(日本/名古屋JKファクトリー)

▼第6試合 スーパーファイト K-1ルール 63kg契約 3分3R(延長1R)
○久保優太(日本/DCLAB.GYM)
判定3-0
●HIROYA(日本/TryHardGym)

▼第7試合 WORLD MAX 2010 -70kg準決勝 K-1ルール 3分3R(延長1R)
●マイク・ザンビディス(ギリシャ/ZambidisClub)
判定0-3
○ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア/サトリ・グラディエートリウム・ネメシス)

▼第8試合 WORLD MAX 2010 -70kg準決勝 K-1ルール 3分3R(延長1R)
●ドラゴ(アルメニア/チームSHOWTIME)
判定0-3
○佐藤嘉洋(日本/名古屋JKファクトリー)

▼第9試合 スーパーファイト K-1ルール 70kg契約 3分3R(延長1R)
○山本優弥(日本/青春塾)
2R2分22秒 KO(パンチ連打)
●池本誠知(日本/総合格闘技スタジオSTYLE)

▼第10試合 WORLD MAX 2010 -70kg決勝戦 K-1ルール 3分3R(延長2R)
○ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア/サトリ・グラディエートリウム・ネメシス)
判定3-0
●佐藤嘉洋(日本/名古屋JKファクトリー)

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