KUSHIDAは健闘空しくOVW王座奪取ならず!矢郷が小路に殺人コブラ!さくら戦を希望した朱里は気合いのダンスを披露!

101030_Smash9-1.jpgSMASH
SMASH.9
日時:10月30日(土) 開始:18:00
会場:新宿FACE
観衆:590人(超満員)

 30日、新宿FACEで行われた『SMASH.9』。11・22JCBホールでのビッグマッチ前最後の通常大会だが、メインではアメリカのプロレス団体OVW(Ohio Valley Wrestling)のヘビー級王座に、日本人としては初めてKUSHIDAが挑戦。現OVWヘビー級王者として参戦するのは、かつてWWEでマイキーとして活躍したマイク・モンド。煽りVでは自宅の布団の上で、兄を相手にムーンサルトプレスをはじめとするプロレス技を器用にやってみせる子供の頃のKUSHIDAの姿が映し出され、KUSHIDAはここでOVW王座を奪取してJCBホール大会で防衛戦をやることで、SMASHに恩返しがしたいと語った。

 ゴツイ体格をしながらもスピーディーに突進してくるマイクに対し、アームドラッグを連発していったKUSHIDA。しかしうまくKUSHIDAをエプロンに追いやったマイクはフライングラリアットで場外に叩き落とすと、KUSHIDAの腰をリングの角に叩き付ける。腰を強打したKUSHIDAをリングに戻したマイクはサーフボードストレッチでギリギリと攻め込む。KUSHIDAはうまく反転してみせたが、マイクはすぐさまさらに反転して体勢を元に戻すと、バックドロップで投げていく。そこからまた執拗にサーフボードストレッチ。
 ずいぶんと苦しめられたKUSHIDAだが、どうにか脱出してドロップキックで反撃。だが、マイクはKUSHIDAを担ぎ上げると山折りのような形で叩き付けてから、グラウンドでバックからのベアハッグという独特の攻撃でKUSHIDAの腰を攻撃。悶絶しながらもロープに手を伸ばすKUSHIDAだが、マイクはそのままの体勢で反転してジャーマンの投げ終わりのような形でフォールする。
 KUSHIDAが慌ててキックアウトすると、マイクはまたもバックからのベアハッグでKUSHIDAの腰を執拗に攻撃。ねちっこい攻撃を繰り出してくるマイクに対して、KUSHIDAはマイクのプランチャをかわしておいて逆にプランチャを投下。さらにリングにマイクを戻してコーナーに登っていくが、マイクはそのまま転がって再び場外にエスケープ。ならばとKUSHIDAはエプロンをダッシュしてトペ・コンヒーロを発射!
 機動力で試合を動かしていくKUSHIDAはスワンダイブ式ヒップトスからその場飛びムーンサルト、ローリングエルボーで追い込むが、マイクはKUSHIDAをコーナーに乗せると何と雪崩式フランケンからダイビング・ヘッドバット! 辛くもカウント2で返したKUSHIDAはマイクのブレーンバスターを着地すると卍固めをガッチリと決める! だが、これを腰投げで逃れたマイクはテキサス・クローバー・ホールドをお返し。KUSHIDAはロープに逃れ、丸め込みからのドラゴンスープレックス、ムーンサルトプレスを決めると、必殺のミッドナイトエキスプレスを発射!
 しかし、これをかわして自爆させたマイクはダイビング・ヘッドバット。KUSHIDAも足を出して迎撃したのだが、自爆のダメージが残るKUSHIDAをマイクは再びテキサス・クローバー・ホールドに捕らえる。しかもそこからエビ反りになったところで、KUSHIDAは無念のギブアップ! 夢破れたKUSHIDAが大の字に倒れていると、そこに大原はじめが入ってきて「オイ、KUSHIDA。敷かれたレールから脱線しちまったな! 挫折感をトコトン味わえ、この甘ちゃん野郎が!」と言って殴りかかる。
 だが、かつての盟友であるKUSHIDAを応援するために来場していたユニオンプロレスの木高イサミが竹刀片手に入ってきて、KUSHIDAを救出! 睨み付ける大原に対し、持参したタバコに火を付けて煙を吐いて追い返してみせた。するとTAJIRIがイサミに向かってJCBホール大会参戦をオファー。イサミもそれを承諾すると、最後はKUSHIDAが「ファンの皆さん、そしてTAJIRIさん、期待に応えることが出来なくてスミマセンでした。よく夢は諦めない、そうすれば叶うって言われますけど、僕もそんなに気持ちが強くないほうなので、温かい声援をいただけるとですね......いままでよりもっと加速して夢に近づけると思うんです。きっと明日からSMASHとKUSHIDAは、新しい冒険の第一歩というか、また明日から頑張っていきます! 俺が目指すのは......いや、俺たちが目指すのは世界だぁー!」と叫んで大会を締めくくった。

101030_Smash9-2.jpg DDT高木三四郎大社長からSMASHに贈られた"プレゼント"だった矢郷良明は、小路晃vs.大原はじめの因縁の一戦に"矢郷良明杯争奪"という冠を付けることを提案。矢郷は同じ富山県出身の小路にエールを贈る一方、勝手にJCBホール大会の"公式テーマソング"を制作したので、この日来場してお披露目するという。前回大会に乱入した富山出身の大家健と共に、第1試合からリングサイドを陣取って観戦していた矢郷さん。
 そんな矢郷さんを警戒しつつもリングに上がった小路と大原。気合いの入っている小路はいきなり掌底で大原を場外に吹っ飛ばすと、矢郷さんの目の前で乱闘を繰り広げ、リングに戻した大原をラリアットで吹っ飛ばす。そしてトドメの高角度払い腰を狙ったところで、大原がアームドラッグに切り返し、そのままエビ固めで丸め込んで3カウント!
 まさかの秒殺勝利だった大原に向かって、リングに上がってきた大家が「大原君、素晴らしいね! キミにJCBホール大会公式テーマソングを捧げよう」と言うが、大原は無視して退場。仕方なく敗れた小路に向かって、大家が「耳かっぽじって聴きやがれ!」と吐き捨てると、ギターを持った矢郷さんが歌い出そうとしたのだが、小路は大家を蹴散らし、マイクスタンドを蹴っ飛ばして矢郷さんの歌を阻止!
 さらにスーツ姿でキメた矢郷さんに襲いかかっていったのだが、矢郷はロックボトムで小路を叩き付けると、殺人コブラツイストに捕らえていく。横から大家が散々小路をディスったあと、矢郷がグラウンドコブラで抑え込むと、大家が3カウントを叩いた。そして矢郷は「台風で帰れないのだ! 今日はとんだ邪魔が入って、デリケートな私は歌う気がなくなったのだ。小路晃、1日に2回も負けて情けない奴だ。俺はJCBホールのワールドレジェンドリバイバルに参戦することにしか興味がないのだ!」と言ってのけ、富山......ではなく新宿の街に消えていった。
 TAJIRIプロデューサーはそんな矢郷を「矢郷さんはシビれましたね。あの声、あの佇まい、何かキカイダーの人みたいだな。かっこよかったなぁ〜、矢郷さん。俳優みたいですね、あの人。普段もDDTさんではあんなにカッコイイんですか? え? ロッカーに入れられている? それもまた素敵なんだと思います。ある意味、いまの小路さんにとって最大の強敵だと思いますよ。ああいう矢郷さんみたいなタイプは」と絶賛した。

101030_Smash9-3.jpg 公私ともに仲がいいNEOの野崎渚とタッグを組んだ朱里は、植松寿絵&中川ともかの職人タッグと対戦。JCB大会のカードがまだ決まっていない上、何かと華名に振り回され気味の朱里は、この日も植松のスリーパーや試合巧者ぶりに苦しめられたものの、これまでの鬱憤をぶつけるかのように雄叫びを挙げてジャンピングキックを叩き込む。さらに野崎が入ってきてフロントキックを叩き込み、棒立ちになった植松に最後は朱里が飛びヒザ蹴りを見舞って3カウントを奪った。
 だが、試合後スーツにメガネ姿の華名が登場! ブーイングを浴びながら華名が「朱里ちゃん、JCBでの私たちの試合がどうなっているか、みんな気になっているんちゃうの? こうなってるんやー!」と叫ぶと、スクリーンにはアイスリボンのさくらえみからのビデオメッセージが流れる。
 華名がJCBホール大会参戦の条件として突き付けた高橋奈苗を連れていくことは無理だと語ったさくら。その結果、JCBホール大会では華名vs.朱里のシングルマッチが行われることになったのだが、さくらはなおも「3月にシングルマッチで華名さんに勝ったのに興味ないのかな? JCB、出たいな......」と名残惜しそうにつぶやく。すると、そのVを見た朱里が「いま私は華名とやりたいんじゃなくて、さくらさんとやりたいです。さくらさんが誰かを連れてくるんじゃないかと思います。私はいまいろんな人とやりたいです!」とついに自己主張!
 それを聞いた華名も「アホなりによく言うたと思います」と言って華名&朱里vs.さくら&Xを承諾。さらに華名が引き揚げたあと、朱里は突然「自分はこのチャンスを活かしたいと思います。自分に喝を入れるため、さくらえみさんの曲で踊りたいと思います!」と言い出し、『さくら Go Round』に乗せてキレのあるダンスを披露! 踊り終えた朱里は顔を真っ赤にして照れまくりながら引き揚げていった。
 バックステージに戻ってきた朱里は「いや〜、恥ずかしかった! 心臓が張り裂けそうになってしまった」と言いながらも、「華名と組むのはあんまり何とも言えないですけど、まぁ組んだら組んだで精一杯やるというか、ちゃんとやります! さくら選手はやっぱり女子プロレスの先駆者というか、本当にいろんな選手とやりたいと思っているので、それでさくら選手とやってみたいと思います」と語った。一方、奈苗との因縁対決が流れた華名はさくらが連れてくるパートナーに関して「私はもう何の注文もないですよ。誰がきたっていいですから」と素っ気なく応えた。

 また、JCBホール大会で「対戦したい相手がいる」と言っていたMentalloは、最終査定試合でエル・サムライに勝利し、念願だった対戦相手、新日本プロレスの獣神サンダー・ライガーとの対戦が決定。TAJIRIが新日本に参戦した際、ライガーにMentalloの試合映像を見せたところ、「なかなかいいね」と好印象を持ったライガーは11・22は新日本の試合があるにも関わらず、新日本の大会を休んでSMASHのJCBホール大会参戦を決めたという。さらにスペル・クレイジーの参戦や、JCBホール大会で第1弾が行われる『ワールドレジェンドリバイバル』に、ザ・ブッシュワッカーズのルーク・ウィリアムスが出場することや、FCFのスターバックがTAJIRIとFCFチャンピオンシップを行うことも正式に発表された。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 タッグマッチ 時間無制限1本勝負
●リン・バイロン/児玉ユースケ
8分27秒 覆い被さっての押さえ込み→体固め
○キム・ナンプン/ダニー・ドゥガン

▼第2試合 タッグマッチ 時間無制限1本勝負
○朱里/野崎渚(NEO)
7分21秒 飛びヒザ蹴り→体固め
●植松寿絵(フリー)/中川ともか(エスオベーション)

▼第3試合 矢郷良明杯争奪戦 時間無制限1本勝負
●小路晃
1分21秒 エビ固め
○大原はじめ(FCF)

▼第4試合 シングルマッチ 時間無制限1本勝負
○Mentallo
9分41秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め
●エル・サムライ(フリー)

▼第5試合 タッグマッチ 時間無制限1本勝負
○TAJIRI/AKIRA(フリー)
11分15秒 バズソーキック→片エビ固め
●ディミトリー(フランス)/オーメン(イタリア)

▼田尾6試合 OVWヘビー級選手権 60分1本勝負
[王 者]○マイク・モンド(OVW)
21分2秒 テキサスクローバーホールド
[挑戦者]●KUSHIDA
※王者マイク・モンドが防衛に成功

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