総選挙1位のディーノの夢を打ち砕いたHARASHIMA。その前に立ちはだかったのは、飯伏を欲で倒した佐藤光留!

101024_DDT-1.jpgDDTプロレスリング
DDT Special 2010
日時:10月24日(日) 開始:12:00
会場:後楽園ホール
観衆:1364人(満員)

 24日、後楽園ホールで行われたDDT『DDT Special 2010』。この大会は今年DDTが全ブランドを対象にして開催したDDT48総選挙の結果、上位18人の"選抜メンバー"だけが出場できるというもの。誰よりも総選挙で1位になることに燃えていたものの、惜しくも2位に終わった佐藤光留は、その悔しさを現IWGPジュニアタッグ王者である飯伏幸太とのシングルマッチにぶつける!

 11・14DDT大阪大会でApollo55とIWGPジュニアタッグのリターンマッチを行うことが決まった飯伏に対し、メイド服はおろか、レガースもシューズも履かずに素足で登場した光留は、試合開始直後ロープに飯伏を追い込むと離れ際に強烈な張り手。飯伏は場外に光留を連れ出し容赦ない蹴りを見舞っていくが、光留もリングに戻ると飯伏の蹴りをキャッチしてアキレス腱固めに捕らえたり、素足のミドルキックを飯伏の古傷である左肩に叩き込んでいく。肩を押さえてうずくまる飯伏に対し、躊躇なくストンピングを落とし、チキンウイング・アームロックを極めていった光留だが、飯伏も何とかスリーパーで捕まえると、そのままスリーパー・スープレックス。
 ダウンする光留を飯伏が引き起こそうとすると、光留は下からの腕十字へ。うまく脱出した飯伏は蹴りと張り手のコンビネーションからその場飛びムーンサルト。しかしこれを腕十字でキャッチしてみせた光留。必死にロープの逃れた飯伏だが、光留は「来いよ、オラ!」と挑発しながらエルボー。両者マットに両ヒザをついたままエルボーを打ち合うと、またも光留が一瞬の隙を突いて腕十字へ。
 そこからジャーマンで投げた光留だが、着地してみせた飯伏はダッシュミドル、蹴りのコンビネーション、髪の毛を掴んでのバズソーキック、さらにその場飛びムーンサルト。だが、光留は今度は三角絞めで捕獲。ここでついに"キラー飯伏"が覚醒し、上からナックルを振り下ろして脱出。さらにレフェリーが止めに入っても、倒れた光留の顔面を踏みつける。飯伏はハイキックからドラゴンスープレックスで投げると、さらにバックを取るがビクトル投げからのヒザ十字で切り返した光留は、バックドロップ、ハイキック、強引なジャーマンで投げると、腕十字へ。必死にクラッチする飯伏だが、回転してクラッチを切った光留はロープに伸ばそうとする飯伏の足も抱え込む。
 ここでついにレフェリーが試合をストップし、光留の勝利が告げられると場内は大盛り上がり! 現IWGPジュニアタッグ王者の飯伏から大金星を奪った光留は、ニヤリと笑って悔しがる飯伏を見つめる。光留はインタビュースペースで「打撃じゃ勝てない。ぶっちゃけ、技のキレとか、いろいろな経験を乗り越えてきた立場とかあるし、もちろん人気とかでももしかしたら勝てないのかもしれない。でも欲でしょ、勝負って! 勝ちたい欲でしょ、上に行きたい欲でしょ! 欲があれば何でも捨てれるよ。モノが欲しいのが欲だから。1個欲しいなら1個捨てりゃいんだよ。それがレガース、打撃だったということです。いまの飯伏さんは欲が足りないんじゃない? もう、してやったりじゃないですか。敵増えるかもしれないです。でもいいっすよ! 俺は味方増やすためにプロレスやってんじゃない! 強くなるため、観ている人の背中をそっと押すためにやってんだよ」とまくし立てた。

101024_DDT-2.jpg メインでは総選挙1位だった男色ディーノが、HARASHIMAの持つKO-D無差別級王座に挑戦。10・7総選挙結果発表の場で「ワタシたちの夢は終わらない! 一緒に夢見ようよ! ベルトじゃない価値がワタシにある。少なくてもこの1年は、ワタシが夢を創ります!」と事実上のエース宣言をしたディーノは蒼魔刀対策を万全にしてきたという。さらに試合前に一応非公開となっているのだが、HARASHIMAが誕生日ということでプレゼントを手渡す。見るからに怪しいその箱だが、ディーノは「もし蒼魔刀を決められたら開けてもいい」と提案する。
 男色殺法全開でHARASHIMAを攻め立てるディーノだが、HARASHIMAも痔ろうは完治したと豪語するディーノのケツを蹴り上げていく。蹴られる度に「大丈夫、大丈夫!」と強がったディーノだが、徐々に「痛い!」と弱気になってしまう。それでも掟破りの山折りから蒼魔刀......と思わせてのランニング・ヒップアタックを決めたディーノは、強烈なスリーパーで追い込む。
 これを凌いだHARASHIMAはリバースフランケンからついに蒼魔刀を叩き込み、ついにディーノからのプレゼントを開封。そこに入っていたのは「PUSH」と書かれた謎のボタン。訝しげながらもHARASHIMAがそのボタンを押すと、スクリーンにはディーノからHARASHIMAへの思い出メッセージが流れて出す。出会いからかつてビアガーデンプロレスをしたららぽ〜とでの思い出が語られたあと、「HARASHIMAさんとこうして後楽園ホールのメインで闘える。ありがとう!」という言葉。
 思わずHARASHIMAもスクリーンを見入っていたのだが、「ありがとう」に続く言葉は「蒼魔刀のダメージから回復する時間を作ってくれて!」。するとディーノは男色ドライバー、垂直落下式ブレーンバスター、足を踏んでからのドラゴンスープレックス、もう一発男色ドライバーと一気呵成に攻め込んでいく! だが、それでも3カウントを許さなかったHARASHIMAは3発目の男色ドライバーをシュバインで切り返すと、怒濤のハイキックと山折りで2発目の蒼魔刀を狙うが、ディーノも必死にロープを掴んで立ち上がろうとし、蒼魔刀を打たせない。
 逆に男色クラッチで一発逆転を狙ったディーノだったが、うまく脱出したHARASHIMAは四つん這い状態だったディーノのケツを蹴り上げると、マージャン・スープレックスからの蒼魔刀で3カウント! 総選挙1位、エース宣言をしたディーノを下し、KO-D無差別級王座防衛に成功した。試合後、ディーノが「大丈夫、アタシ知ってるの! いますごい悔しいけど、ここから立ち上がることを知っているの。夢を見るにはちゃんと現実を闘わないといけない。現実を闘ってから夢を見せなくてはいけない。何があっても少なくてもこの1年はアタシが1位よ。だからまだ夢は終わらない!」と声を詰まらせながら精いっぱい強がってみせる。
 するとディーノのセコンドについていた光留がHARASHIMAの前に立ちはだかり、「総選挙1位に実力で勝って、あんたの夢を満たされたか? 俺にはまだまだ夢も欲もあるぞ! これから見る夢は現実だ! 現実の中でお前に夢を見てもらう。ただしその夢は俺がそのKO-Dに挑戦して、そのベルトを俺の腰に巻く悪夢だ!」と飯伏を下した勢いに乗ってHARASHIMAへの挑戦を表明。鶴見亜門GMもこれを認め、両者のタイトルマッチを11・14大阪大会で行うことを決定した。

101024_DDT-3.jpg 大会オープニングでリングに登場し、「2010年、私、大鷲透、このDDTのリングで何1つ残しておりません! 班長というものをやったお陰で、私まともな試合を1つをしておりません! このままでいいのでしょうか?」と訴え、この日組まれていた高木三四郎とのシングルマッチを真面目にやりたいと懇願。その思いを受け止めた鶴見GMは全面サポートすることを約束。その結果、この試合を『DDT熱い男決定戦』と題し、"アツいアイテム"を投入した"アツいランブル"で行うことになった。
 試合が始まると、アツいアイテムとして厚い電話帳や熱いストーブなどが次々に投入されていく。序盤こそ肉体と肉体をぶつけ合った両者だが、温かいコタツが投入されると、高木が大鷲に甚兵衛を着させて、なぜかコタツの中で暖まる両者。ちゃぶ台をひっくり返すようにして激怒した大鷲はのど輪落としで高木をコタツの上に叩き付けるが、そこに三和太や有山いいともら暑苦しいくらい太った男たちが投入されて、大鷲をおしくら饅頭で苦しめる。
 さらにお約束であるアツアツのおでんが投入されると、かつて"土8"で見たおでんの汁を掛け合うという光景が繰り広げられる。そこに最後のアイテムとして"アツい男・火の玉小僧"の菊地毅が投入されると、菊地はエルボーで高木と大鷲を蹴散らし、さらに高木にはゼロ戦キックから火の玉ボムを決めてカバー。
 だが、大鷲がおでんの入った鍋を菊地の上にブチ撒け、熱さでのたうち回る高木をカバーして3カウント! 試合に勝ったものの「おーい! アツいの意味を履き違え過ぎだー!」と絶叫する大鷲に対し、おでんダネを口にくわえたまま話すため、判読不可能な菊地。場内大爆笑の中、高木が「亜門さん! 僕、12月から選手としてユニオンの所属になっちゃうんですよ。それでDDT所属としては11月28日の後楽園で最後になるんですよ! そこで1つ自分のわがままを聞いて下さい。まずは折原昌夫。そして男・天龍源一郎! 試合形式はなんでも構わないです。俺の向こうから彼らがいてくれればそれでいい!」と、DDT所属としてはラストマッチとなる11・28後楽園大会で天龍&折原とのタッグ対決を懇願。鶴見GMも責任を持って天龍たちにオファーすることを約束した。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 シングルマッチ30分1本勝負
●チェリー(総選挙3位/ユニオン)
7分53秒 ツームストン・パイルドライバー→片エビ固め
○ヤス・ウラノ(総選挙13位)

▼第2試合 シングルマッチ30分1本勝負
●ザ・グレート・ヘンタイ(中澤マイケル/総選挙7位)
7分45秒 ダイビング・セントーン→片エビ固め
○ディック東郷(総選挙16位)

▼第3試合 タッグマッチ60分1本勝負
●MIKAMI(総選挙10位)/KUDO(総選挙17位)
10分22秒 勇脚→片エビ固め
石川修司(総選挙9位/ユニオン)/○木高イサミ(総選挙14位/ユニオン)

▼第4試合 シングルマッチ30分1本勝負
●高木三四郎(総選挙6位)
8分54秒 おでんスプラッシュ→片エビ固め
○大鷲透(総選挙12位/フリー)

▼第5試合 タッグマッチ60分1本勝負
アントーニオ本多(総選挙8位/フリー)/○ケニー・オメガ(総選挙15位)
9分34秒 クロイツ・ラス→エビ固め
ヨシヒコ(総選挙11位)/●石井慧介(総選挙18位)

▼第6試合 シングルマッチ60分1本勝負
○佐藤光留(総選挙2位/パンクラスMISSION)
16分18秒 変形腕ひしぎ逆十字固め→レフェリーストップ
●飯伏幸太(総選挙5位)

▼第7試合 KO-D無差別級選手権試合 時間無制限1本勝負
[王 者]○HARASHIMA(総選挙4位)
20分16秒 蒼魔刀→体固め
[挑戦者]●男色ディーノ(総選挙1位)
※第32代王者のHARASHIMAが2度目の防衛に成功

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