今年2度目の後楽園大会でアイスリボン勢は他団体に全敗!しかしりほが仙女に宣戦布告し、アイスの挑戦は止まらない!

100923_Iceribbon-1.jpgアイスリボン
リボンの騎士たち
日時:9月23日(木) 開始:12:00
会場:後楽園ホール
観衆:951人

 23日、後楽園ホールで行われたアイスリボン『リボンの騎士たち』。昨年後楽園に初進出したアイスリボンだが、何と今年は5月に続いて2回目の後楽園大会。華名が専門誌でマニフェストを発表したのが話題になる一方、今年の年末にはNEO、年明けには息吹の活動休止が発表されている。だが、来月にはグラビアアイドルの愛川ゆず季がプロレスデビューし、来年1月には風香がGMを務める新団体スターダムが旗揚げされるというニュースもあり、にわかに盛り上がりつつある女子プロレス界。
 その中でこの勢いを"本物"にしてもっと女子プロレスを盛り上げたいと思っていたさくらえみは、9・19JWPの新宿FACE大会での米山香織とのJWP無差別級戦を"敗者髪切りマッチ"にすることを自ら提案。その結果、超満員の観客を集めることには成功したが、さくらは米山に敗れて丸坊主になるというショッキングな結末を迎えた。

 そんなさくらが自身の団体の後楽園大会で対戦を希望したのが、センダイガールズプロレスの里村明衣子。まださくらがIWAジャパンの練習生だった頃、旗揚げしたのがGAEAジャパン。そのとき見た里村を強く意識したというさくらだが、不思議とここまで両者が交わることはなかった。ようやく迎えた一騎打ちを前にさくらは煽りVの中で「隣に並ぶまで15年かかったな」と感慨深い様子で語った。
 頭からタオルを被って入場したさくら。そしてリング上は観客が投げ込んだ紙テープより、里村の"赤"とさくらの"オレンジ"に染まった。バッとタオルと取って坊主頭を披露したさくら。観客はどよめくと共にさくらコールの大歓声。さくらはファンの後押しを受けながら蹴りを打ってくる里村に対してモンゴリアンチョップで対抗し、「お前も来い!」と挑発。だが、里村は打ち返さない。ならばとバックを取った里村に対して腰をフリフリしてからバックを取り返したさくらだが、里村は一切さくらの世界に付き合わずヒザ十字に移行。
 それでもさくらは2連続でロメロスペシャルを決めたり、里村の髪の毛を掴んで投げ飛ばしたりして、徐々に自分のペースに持っていく。だが、顔面を蹴られた里村はさくらの脳天にチョップを落とすと、エルボー合戦を挑んでいく。そこからミドル、ローとバシバシ蹴っていく里村に対し、さくらはさくらえみ60キロを出していく。さらに卍固め、ダブルアーム式バックブリーカー、リバーススプラッシュと得意技を次々に繰り出していく。
 だが、里村はバックドロップからのヘッドロックでさくらの動きを止める。さくらは何とかバックドロップで切り返そうとするが、里村はそれを許さない。蹴りでさらにさくらを追い込んだ里村は一気にスリーパーで絞め落としにかかるが、さくらコールを受けてさくらはスタンディング式ドラゴンスリーパーで切り返す。さらにパワーボムで叩き付けたさくらは、ムーンサルトプレスに続き二階からのニャンニャンプレスを発射!
 里村がカウント2で返すと、さくらは何と秘密兵器の念仏パワーボムの体勢に! 仙女の社長である新崎人生に必殺技にして、坊主頭のいまだからこそのとっておき技だったが、これだけは受けるわけにはいかないとばかりにリバースで返した里村。ならばとさくらは必殺のラ・マヒストラルを決めるがこれもカウント2。連続でラ・マヒストラルを狙うさくらに対し、蹴りで逃れた里村は強烈なニールキック。20分を経過し、里村がデスバレーを狙ったところでさくらは卍固めに切り返してみせる。これを凌いだ里村はカウンターのニールキックから今度こそデスバレーボムを決めて3カウント!

100923_Iceribbon-2.jpg 勝った里村は悔しがるさくらを上から見下ろす。するとアイスリボン勢がリングに上がり里村を睨み付ける。負けじと仙女勢もリングに上がり、アイス勢と相対する。対抗戦らしい睨み合いの中、さくらが里村に握手を求めようとすると、何とりほが里村に殴りかかっていき、そこから一気に乱闘が始まってしまう!
 そしてマイクを持ったりほは「さくらさん、何負けてるんですか! オイ、里村! 仙台ガールズ! 今日のメンバーに勝ったからってアイスリボンに勝った顔してんじゃねぇよ! 自分たちがこれからのアイスリボンだ!」と言って、みなみ飛香、都宮ちい、つくし、くるみで里村の前に立ちはだかる。さらにりほは「自分たちが絶対お前たちを倒す! それはいつかって、3年後だ! 待ってろよ!」と(3年後に)打倒仙女を宣言! ここで里村がりほにマイクを渡すよう手を差し出すと、りほはその手を握ってガッチリ握手。里村は「さくらさん、いまマイクを貸せって手を出したら握手してきましたよ! スゴイですね! でもそういう子がいるからアイスリボンはお客さんが入るんですね」と感心した様子で語る。
 その上で里村はまず先に里村の後ろにいる仙女の選手たちを倒してから、私のところに来いとりほに言い放つ。これを聞いた上でりほは最後に「今日はアイスリボンです。アイスリボンにはやり方があるので、自分に従ってください。悔しくったって笑顔を忘れない! 今日はありがとうございました!」と自分仕切りでキッチリ締めてみせた。メインの"大将戦"でも敗れてしまい、バッドエンドになってしまったことで、さくらは「負けてしまってごめんなさい! 期待をさせてしまって、皆さんの期待を裏切るのは本当にツライです」と声を詰まらせながらファンに謝ったが、観客からは惜しみない拍手が贈られた。
 結果的に今大会でアイスリボン勢は他団体の選手との試合で全敗を喫したのだが、インタビュースペースでも「お客さんの声援は温かいですけどやっぱり不甲斐ないし、本当に申し訳ないです。でも、身の丈以上にやっていかなければ成長はないし、『負けても笑顔』と言ったりほ、りほ以下のメンバーが前向きなので。ほんと期待させて裏切るのは辛いです。でも最後も言ったんですけど、挑戦をやめることは出来ないです。これからも『アイスリボン、何やってんだ!』って言われるぐらい無茶なことをやっていきたい。その時に良いって言われても、悪いって言われても、絶対皆を巻き込んでアイスリボンにしていきたいです。いい経験になりました」と言って大粒の涙を流した。

100923_Iceribbon-3.jpg アイスリボンvs.仙女の対抗戦はさくらvs.里村の大将戦のほかに、イリミネーションキャプテンフォール10人タッグマッチも行われた。まず仙女側はいきなりキャプテンの花月が出てきたため、アイス側も真琴が出ようとするが、その真琴を制して志田光が先発を買って出る。すると志田と花月は見事なグラウンドの攻防を展開。静かな攻防の中にも対抗戦らしいバチバチとして感情が出ている。
 アイス勢はアイストレインからしもうま和美が強烈なラリアットで悲恋を追い込んでいったが、カウンターのスピアを返した悲恋が強烈な裏投げで叩き付けて3カウントを奪い、まずはしもうまが退場。真琴がDASH・チサコに無気力キックを連発し、夏樹☆たいようと藤本つかさが連係攻撃で繰り出していって、悲恋と水波綾をエプロンまで追い詰める。しかし仙女側も夏樹をうまく同じようにエプロンまで出すことに成功し、夏樹をOTRで失格させようとするが、ここで夏樹は悲恋と水沼をヘッドロックに捕らえ、藤本と志田に「私ごと落とせ!」と指示。
 藤本と志田が同時ドロップキックを叩き込み、夏樹は悲恋と水沼と心中OTRで退場に! これで3vs.3となり、チサコのホルモンスプラッシュをかわした藤本がツカドーラを決めて3カウント。3vs.2となったアイス勢は相手キャプテンの花月を集中攻撃していくが、藤本のビーナスシュートをかわしたところを仙台幸子がジャーマンで投げ、花月が変形腕固めに捕らえて藤本からギブアップを奪う。
 2vs.2となったあと、エプロンに出た幸子に志田がランニングニーを叩き込んでOTRで失格にさせたのだが、志田のミドルキックをかわして真琴に誤爆させた花月が志田を丸め込んで3カウント。これでキャプテン同士の1vs.1となり、真琴はスリーパーで絞め落とそうとしたのだが、は月は辛くもロープに脱出。ダブルアームスープレックスホールドで勝負に出た誠だが、カウント2で返した花月はカウンターのスピアからエアプレンスピンで回していき、そのままブロックバスターで叩き付けて3カウント!
 敗れた真琴は泣きながら退場。アイスは前哨戦に続き、またも仙女に敗れた。メイン終了後、仙女の大将・里村は「新人の育て方に関しては対極。正直、(さくらの)やり方は疑問です。プロレスが出来ない人間はリングに上がるべきじゃない。仙女でも新人を育てて5人しかいないですけど、みんなプロ根性を持ってる。それが基準だと思いますので。(仙女とアイスは)対極で、ウチが持ってないものを持ってます。それが盛り上がればいいですけど、そこで盛り上がるかな、と。それはプロレスラーの器量で、アイスには闘いがちょっと足りないかなって思います」と辛らつなコメントを残した。

100923_Iceribbon-4.jpg 7・25DDT両国大会でりほがグレート小鹿、ミスター6号とのトリオで奪取した6人タッグ三冠統一王座に、葛西純が松本都にも、沼澤邪鬼にも「お前とのタッグが1番だよ」といい顔をしてしまったためチームワークにやや不安があるトリオが挑戦。
 挑戦者組はいきなり場外乱闘に持ち込み、葛西は口に含んだお茶をりほにぶっかけてファンからブーイングを浴び、沼澤は本部席から奪い取った木槌で小鹿を攻撃。だが、都が抑えた小鹿に沼澤が殴りかかっていくと、小鹿がかわしたため都に誤爆! これが2回続いてしまい、都と沼澤の間に険悪なムードが漂い始める。それでも小鹿を捕まえて集中攻撃していった挑戦者組だが、りほと6号が入ってきてダブルのジャンピングニーを叩き込む。
 しかし葛西と沼澤はりほを捕まえると、何と都の得意技であるマンマミーアを出していく。これに怒った都は沼澤を場外に投げ飛ばし、改めて葛西とマンマミーアを試みるが、りほはカウント2で返す。さらにりほか葛西のパールハーバー・スプラッシュを阻止し、都にドロップキックを連打。そこに沼澤がロングの蛍光灯を持って入って来るが、背後から6号がその蛍光灯を奪い取るというナイスアシスト!
 小鹿が葛西と沼澤を場外い連れ出すと、そこに6号がトペを発射! リング上ではりほが都にくるくるリボンを狙うが、これを防御した都はパールハーバー・スプラッシュを狙う。だが、かわして自爆させたりほはそうまとうを叩き込んで都から3カウント。見事に王者組が6人タッグタッグ三冠統一王座の初防衛に成功し、最後は6号が「三冠のベルト守ったぞ〜! いつもの僕のやっていいですか? それではご起立ください。1、2、3、4、5、6号!」のマイクで"中締め"してみせた。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 フレッシュオープニングファイト!15分1本勝負
高橋奈苗(パッションレッド)/○つくし/くるみ
8分31秒 ハルカゼ
安藤あいか/牧場みのり/●星ハム子

▼第2試合 インターナショナルリボンタッグ選手権20分1本勝負
[王者組]木高イサミ(ユニオン)●都宮ちい
8分57秒 腕ひしぎ逆十字固め
[挑戦者組]GENTARO(FREEDOMS)/○市井舞
※第11代王者組が初防衛に失敗。GENTARO&市井舞が第12代王者組へ

▼第3試合 UWA世界6人タッグ、自由が丘広小路会認定6人タッグ、日本海認定世界6人タッグ 三冠統一選手権試合60分1本勝負
[王者組]グレート小鹿(大日本)/○りほ/ミスター6号(スポルティーバ)
12分12秒 そうまとう→エビ固め
[挑戦者]葛西純(FREEDOMS)/"黒天使"沼澤邪鬼(大日本)/●松本都
※初代タッグ三冠統一王者組が初防衛に成功

▼第4試合 ICE×60選手権試合20分1本勝負
[王 者]○コマンドボリショイ(JWP)
10分20秒 ボリショイ式脇固め
[挑戦者]●みなみ飛香
※第10代王者が初防衛に成功

▼第5試合 イリミネーションキャプテンフォール10人タッグマッチ30分1本勝負
○[センダイガールズ](C)花月/水波綾/悲恋/DASH・チサコ/仙台幸子
1-0
●[アイスリボン](C)真琴/夏樹☆たいよう(パッションレッド)/しもうま和美(パッションレッド)/志田光/藤本つかさ
<1人目>
○水波綾
7分16秒 裏投げ→片エビ固め
●しもうま和美(パッションレッド)
<2・3・4人目>
●水波綾/●悲恋
11分17秒 OTR
○志田光/○藤本つかさ/●夏樹☆たいよう
<5人目>
●DASH・チサコ
13分59秒 ツカドーラ
○藤本つかさ
<6人目>
○花月
15分35秒 変形腕固め→レフリーストップ
●藤本つかさ
<7人目>
●仙台幸子
16分54秒 OTR
○志田光
<8人目>
○花月
18分11秒 スモールパッケージホールド
●志田光
<9人目>
○花月
20分0秒 バックフリップ→片エビ固め
●真琴
※キャプテンである真琴がフォールされたためセンダイガールズの勝利

▼ダブルメインイベント1 JWP無差別級選手権試合60分1本勝負
[王 者]○米山香織(JWP)
1分42秒 ロールスルージャーマンスープレックスホールド
[挑戦者]●帯広さやか(19時女子)
※第15代王者が3度目の防衛に成功

▼ダブルメインイベント2 シングルマッチ30分1本勝負
○里村明衣子(センダイガールズ)
20分45秒 デスバレーボム→片エビ固め
●さくらえみ

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