悩める諏訪魔を左ハイでKOした船木が三冠挑戦を猛アピール!最多防衛記録を樹立したカズの世界Jr王座に武藤が挑戦表明!?

100920_AJP-1.jpg全日本プロレス
2010 FLASHING TOUR
日時:9月20日(月) 開始:12:00
会場:後楽園ホール
観衆:1700人

 20日、後楽園ホールで行われた全日本プロレス『2010 FLASHING TOUR』。シリーズ開幕戦となった後楽園大会のメインイベントで、河野真幸とタッグを組みアジアタッグ王者の真田聖也&征矢学と"新世代軍同門対決"を行った三冠ヘビー級王者の諏訪魔。すると試合後、征矢が諏訪魔の向かって「俺たちもう新世代軍はいらないです! 俺はあんたと組むより闘いたいんだ!」と突如宣戦布告! ひと悶着あったあと、結局新世代軍の解散を承諾した諏訪魔だが、納得いかない観客から厳しい野次が飛んだ。
 すると野次にキレた諏訪魔が、観客に向かってマイクを投げつけてしまう。後日、諏訪魔には3カ月間の減給処分が下されたが、今大会では「新世代軍はいらない」と言った張本人である征矢、そして征矢に追随した真田とタッグを組み、船木誠勝、鈴木みのる、西村修の超党派軍と対戦。船木は三冠挑戦を目論んでいるだけに、諏訪魔としては自分がトップであることをアピールするためにも、絶対に負けられない。

 新世代軍は解散となったため、諏訪魔とこの日の前説でタッグチーム名がes(エス)に決まったと発表した真田&征矢が同じコーナーに立つことにやや違和感を感じるが、チームワークとしてもとくにギクシャクした部分は見られなかった。とにかくいまは同じ軍団ではないにしても、超党派軍との世代闘争という共通のテーマに向かって試合をするということか。
 諏訪魔は征矢と真田を制して自ら先発を買って出ると、まずは船木と互角のグラウンドの攻防を展開。だが、試合が進むにつれて真田が超党派軍に捕まってしまう。何とかして征矢が救出しようとするが、鈴木は征矢の逆水平チョップを食らっても高笑いして堪え、逆に珍しく逆水平チョップを返していく。何とか真田が自力で脱出して諏訪魔にタッチすると、諏訪魔は一気に攻め込んでいく。だが、鈴木も諏訪魔のバックドロップをフロントネックロックに切り返す。
 何とか逃れた諏訪魔が征矢にタッチすると、船木が諏訪魔を場外に連れ出して激しい場外戦を展開。その間、リング上ではesが西村に合体攻撃を繰り出していくが、どうもバタバタしてしまい精度に欠ける。すかさずエプロンから鈴木が征矢をスリーパーで捕まえると、そこに西村が延髄蹴り。西村から船木にタッチすると、諏訪魔が入ってきて船木にオクラホマスタンピート。さらに船木のジャンピングキックを腕でブロックして逆に攻め込んでいく。
 そして一気にラストライドの体勢に入るが、船木が三冠挑戦出来るように全面的にサポートすると宣言した鈴木が入ってきてフロントキックでカットすると、「船木、行け!」と指示して征矢を抑え込む。諏訪魔と船木は張り手合戦を展開するが、そこから強烈な張り手を叩き込んで諏訪魔の動きを止めた船木は往復ビンタの連打から戦慄の左ハイキック一閃! これで諏訪魔は前のめりに倒れて動かなくなり、レフェリーが即座に試合をストップした。
 船木は倒れた諏訪魔を尻目にコーナーに登り、腰に手をやってベルト挑戦をアピール。諏訪魔は新世代軍解散を突き付けられた征矢と真田の肩を借りて退場するという屈辱を味合わせられてしまった。試合後、鈴木は「俺からあるのは1つだけ。これからも俺も西村もケアも曙も、みんなで2人が闘うステージを作ってやるから絶対三冠獲れ! 絶対獲ってくれ!」と船木を猛プッシュ。船木は改めて三冠挑戦を表明した上で、王者・諏訪魔に関して「今日も何か迷ってたと思います。正直やっている最中、何回も隙がありましたね。たぶんお客さんと一番闘っている時期だと思うんで、そういうの通り越して精神状態が安定しない限りは、タイトルマッチやっても長期政権は無理だと思います。迷いが見えました。あとはちょっと自分のことを軽く見ている感じはしますね。それだけやっぱり自分の身体に自信があるんだと思いますけど、当たるところに(ハイキックが)当たればどんなに大きい人でも倒れますからね」と分析した。

100920_AJP-2.jpg メインでは太陽ケア&曙の持つ世界タッグ王座に、ブードゥー・マーダーズ(以下VM)のKENSO&レネ・デュプリが挑戦。当初は8・29両国大会でデュプリがランス・ケイドさんとタッグを組んで世界タッグに挑戦する予定だったが、ケイドさんが急逝したため一度は断念。しかし今回、KENSOがVM入りしたことで元WWEタッグ王者コンビを復活させて世界タッグ王座を狙うことになった。
 KENSO&デュプリは試合前に2人揃って四方の客席に一礼と、VMらしからぬ礼儀正しさ。序盤KENSO&デュプリはさすがは元WWEタッグ王者といったインサイドワークで、曙&ケアを翻弄していく。さらにセコンドについていたTARUやMAZADAがイスを用意すると、イスを使った急所攻撃とVMらしく反則攻撃も駆使。
 KENSOは丁寧語で紳士的にレフェリーに向かって相手コーナーをチェックするように指示すると、自身の腰巻きを使って曙にチョーク攻撃。ケアも何とかTKOからの波乗りスープレックスで反撃しようとするが、急所蹴りで逃れたデュプリはKENSOと合体攻撃を決めていく。そしてKENSOがテーブルをリング内に持ち込んでコーナーに立てかけるが、レフェリーがすぐさま注意。そこにケアがスピアを見舞っていってテーブルでKENSOをサンドイッチ!
 さらにケアがホイップしたデュプリをキャッチした曙がそのままアバランシュホールドで叩き付けるボルケーノスプラッシュを決めると、試合の権利があったケアがエビ固めで丸め込んで3カウント! 王者組が逆転勝利で世界タッグ王座初防衛に成功した。しかしTARUは「お前たちの世界タッグ、このVMがずっと狙っていくからよ!」とアピール。さらに次のシリーズから新たなメンバーを連れてきて、VMが"増殖"すると予告した。

100920_AJP-3.jpg この日、ジュニアの絶対王者カズ・ハヤシがついに世界ジュニア王座15度目の防衛戦に挑んだ! 渕正信が持っていた14という防衛記録に並んだカズにとって、この一戦で勝利すれば新記録樹立となるが、その大事な15度目の防衛戦の相手は渕が連れてきた刺客、菊地毅! 煽りVでは何を言っているか分からないマイクアピールの理由を「マウスピースしてるんだからしょうがないよ。分かってよ」と説明する菊地に対し、「本当にワケ分からない。もう宇宙人ですよ」と頭を抱えるカズの姿が映し出される。さらにタイトルマッチ宣言の際も菊地は東京スポーツの柴田記者が読み上げる認定書を覗き込んだりと、早くも最近話題の"菊地劇場"が展開される。
 観客の「菊地」コールにしかめっ面で頷いた菊地は、チェーンレスリングを仕掛けてきたカズをいきなり火の玉ボムで叩き付ける。そして本部席から試合を見舞っていた渕に向かって何やら叫ぶが、何を言っているか分からない......。仕方なくマウスピースを取った菊地は「勝つからね!」と絶叫。さらに「カズさん!」と声援を送る女性ファンには「なんだよぉ!」と言い返し、菊地ワールドを作り上げていったが、ゼロ戦キックを受け止めて倒れなかったカズは思い切り下から菊地の胸元を蹴り上げる!
 さらにハンドスプリング・レッグラリアット、ファイナルカットから一気にパワープラントの体勢に入ったが、菊地は何とか逃れるとヘッドバットの連打で反撃。さらに連続ジャーマンからの火の玉ボムで勝負に出たがカウントは2。もう一発火の玉ボムを狙った菊地を丸め込んでいったカズは、カウント2で返した菊地に対してクルクル回転して目まぐるしく体勢を入れ替えてからのスクールボーイ。これもカウント2で返した菊地だが、カズは間髪入れず巻き投げ固めのように丸め込んで、今度こそ3カウントを奪った。
 菊地は何とも言えない表情(※写真参照)をでカズの腰にベルトを巻いてあげ、トロフィーも柴田記者から奪い取って自らカズに手渡すと、「カズ・ハヤシさんよ、あんたスゲーよ。俺が言うのもおかしいけどしょうがねぇ!」と完敗を認めた。そんな菊地に対し、防衛記録を更新したカズは「今日のタイトルマッチ、すべて持って行かれた最強のチャレンジャーでした」と、試合内容&結果と別の部分で菊地には"完敗"だったことを吐露。
 すると、そこにこの日、付き人のKAIを相手に復帰2戦目を行った武藤が登場。「カズ、おめでとう!」と普通に新記録を達成したカズを祝福するのかと思いきや、握手をしようとするカズに牽制の蹴り! そして「次はよ、次のこのベルトのチャレンジャーはこの俺だっ!」と突如世界ジュニア王座挑戦を表明!
 困惑の表情を浮かべながら「いやいやいや、ぶっちゃけ120(kg)以上あるじゃないですか?」とカズが反論すると、武藤は「そんなことはいいよ。この俺だっ! 以上!」と言って引き上げてしまった。社長の強権を発動して武藤はヘビー級の体重のまま世界ジュニア王座に挑戦するのか? それとも超ダイエットを敢行するつもりなのか?
 ちなみに武藤vs.KAIは前半KAIが執拗なヘッドロックで武藤とじっくりとグラウンド中心のレスリングを展開。一転してKAIは矢のようなトペや、フラッシング・エルボー→フェースクラッシャーという"武藤ムーヴ"を繰り出し、武藤の後継者になり得る逸材であることを証明したが、最後は武藤がシャイニング・ウィザードで貫禄勝利。試合後、観客から敗れたKAIに大歓声が贈られている中、武藤はバックステージで「身体が動かないのも事実だけど、まぁそれなりに伝えたい事は伝えることが出来たかなということと同時に、前もって自分で考えてたことなんだけど、ちょっとしたことを表明するよ」と意味深な発言をしていた。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。

▼第1試合 シングルマッチ30分1本勝負
○河野真幸
5分55秒 飛びつき腕ひしぎ逆十字固め
●中之上靖文

▼第2試合 タッグマッチ30分1本勝負
○近藤修司/大和ヒロシ
9分10秒 キングコングラリアット→片エビ固め
稔(フリー)/●ヘイト

▼第3試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
浜亮太/○NOSAWA論外(東京愚連隊)/BUSHI
8分53秒 超高校級ラ・マヒストラルル
TARU/MAZADA/●ブードゥーマスク

▼第4試合 シングルマッチ30分1本勝負
○武藤敬司
18分29秒 シャイニングウィザード→体固め
●KAI

▼第5試合 世界ジュニアヘビー級選手権試合60分1本勝負
[王 者]○カズ・ハヤシ
9分41秒 エビ固め
[挑戦者]●菊地毅(フリー)
※第28代王者が15度目の防衛に成功

▼第6試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
●諏訪魔/真田聖也/征矢学
21分17秒 左ハイキック→レフェリーストップ
鈴木みのる(パンクラスMISSION)/○船木誠勝/西村修

▼第7試合 世界タッグ選手権60分1本勝負
[王者組]○太陽ケア/曙(フリー)
16分43秒 ボルケーノスプラッシュ→エビ固め
[挑戦者組]KENSO/●レネ・デュプリ
※第57代王者組が初防衛に成功

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