山本小鉄追悼大会のメインでデヴィットが外敵ケニーを下し、新日本の強さを証明!しかしGラヴァーズはタッグ王座挑戦へ
新日本プロレス
G1 CLIMAX SPECIAL〜山本小鉄追悼大会
日時:9月3日(金) 開始:18:30
会場:後楽園ホール
観衆:1950人(超満員)
3日、後楽園ホールで行われた新日本プロレス『G1 CLIMAX SPECIAL』開幕戦。今大会は先月28日に低酸素脳症で死去した"鬼軍曹"山本小鉄さんの追悼大会として行われた。今シリーズは全会場で献花台が設置されることが決まっているが、開幕戦のこの日ホール入り口に設置された献花台にはファンからたくさんの花がささげられた。
小鉄さんの追悼大会のメインは外国人選手同士のシングルマッチ。今年の『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(以下BOSJ)』で優勝し、IWGPジュニア&ジュニアタッグの二冠王として『G1クライマックス』にも出場。ジュニアヘビー級の選手にも関わらず好成績を収めたプリンス・デヴィットに、8・29DDT後楽園大会でデヴィットのパートナーである田口隆祐に勝利したケニー・オメガが挑戦。
BOSJ決勝ではパートナーの飯伏幸太がデヴィットに敗れているだけに、ケニーとしてはここでデヴィットに飯伏の借りを返し、ゴールデンラヴァーズとして次はジュニアタッグに挑戦したいところ。一方のデヴィットは「コテツサンが作った新日本がNo.1であることを証明する」と約束した以上、この日ばかりは負けるわけにはいかない! ケニーは飯伏と中澤マイケルを従えてノリノリの様子で入場。対するデヴィットは腰にはIWGPジュニアのベルトを巻き、手にはIWGPジュニアタッグのベルトを持ち、田口を従えて入場。
いきなりお互いにスピーディーかつトリッキーな動きで観客を沸かせると、スワンダイブ技を狙ったデヴィットをケニーがフロントキックで場外に叩き落とす。するとケニーはノータッチトペコンを発射! 客席まで雪崩れ込んだケニーはマイケルばりに「アツクナッテキタゼー」とアピールしたのだが、振り向いたところにデヴィットがクロスボディ! だが、ケニーも客席からデヴィットをホイップして鉄柵に叩き付ける。
リングに戻ったケニーはカナディアンバックブリーカーを決めていったが、これを逃れたデヴィットはうまくケニーをエプロンに追いやる。ケニーはデヴィットをコーナーに叩き付けていくが、エプロンを走って勢いをつけようとしたところにデヴィットがドロップキックを叩き込んで場外に叩き落とすと、今度はデヴィットがノータッチトペコンをお返し! リングに戻ったデヴィットが一気呵成に攻めていこうとするが、ケニーはカミカゼからのその場飛びシューティングスターを落とすと、STOP!エンズイギリ。デヴィットも返す刀でオーバーヘッドキック。さらにドロップキックで再びエプロンに出していくが、今度はケニーがエプロンでのコタロー・クラッシャー。
リングに戻ったケニーはクロスボディ、低空ドラゴンスープレックスからクロイツ・ラスを狙うが、デヴィットはエビ固めに切り返す。ならばとケニーは飯伏がBOSJ決勝で出してケガをしたファイアーバード・スプラッシュを出すがかわされてしまう。それでもAOISHOUDOUから波動拳を出して今度こそクロイツ・ラスで叩き付けたケニーだが、デヴィットがカウント2で返す。ケニーは雪崩式クロイツ・ラスを狙うが、叩き落としたデヴィットはそのままフットスタンプを落とすと、正調ダイビング・フットスタンプを落としてから、スクリューキックを挟んでの急角度ブラディ・サンデーで叩き付けて3カウント!
見事に外敵を退け、新日本の強さを証明したデヴィットだが、その前に飯伏が立ちふさがる。田口とケニーも横に並び立ち、改めてゴールデンラヴァーズがApollo55に対してIWGPジュニアタッグへの挑戦を表明した。
だが、ゴールデンラヴァーズとApollo55がそれぞれ別々にコメントを出していると、この日邪道が復帰したことで、再始動した邪道&外道が乱入! ゴールデンラヴァーズには「テメーの首叩き折ってやる!」と挑発し、Apolloには「そのタッグベルトを失う準備をしておけ」と言い放った。この結果、9・26神戸ワールド記念ホール大会でApollo55の持つIWGPジュニアタッグ王座に邪道&外道の挑戦が決定。そして、その勝者チームに10・11両国国技館大会でゴールデンラヴァーズが挑戦することが決定した。
デヴィットは「今日はコテツサンの追悼大会ということで、コテツサンにいい試合を見せることが出来た。それだけの素晴らしい試合が出来たと確信しているよ。ニュージャパンは今日勝ったことでNo.1であることを証明出来たと思う。ただし、今日対戦したケニー・オメガ、あとイブシも含めたDDT勢とは以前はもうちょっと力の差があったと思うが、結構近付いてきているよ。今後さらに強敵になるだろうね」とコメント。飯伏は「ケニーがダメだったんで、もちろん次は僕が(デヴィットのIWGPジュニア王座に挑戦したい)。やりたいですけど、とりあえずタッグですね。やります!」とコメントした。
オープニングVTRでは昨年から先月の『G1クライマックス』までの名勝負がダイジェストで流れると、選手たちの練習風景とともに「新日本プロレスの礎。ストロングスタイルは死なない」の文字と共に小鉄さんの写真が映し出された。そして小鉄さんの遺影を持った坂口征二相談役と、小鉄さんのご家族がリングに上がり、選手たちがリングの周りを取り囲むと追悼の10カウントゴングが鳴らされた。
新日本出身ながら現在はフリーの小島聡はこのとき、リングの側まで行かずに入場ゲート付近でリング上を見つめながら10カウントゴングを聞いていたが、自身の試合(vs.本間朋晃)が終わったあと、実況席に置かれた小鉄さんの遺影に深々と一礼した。
坂口相談役は「ここ1週間、信じられないような毎日だったですけどね。こうして会社が、後輩が奥さんと娘さん、お孫さんをお呼びして、こうしてリングの上で多くのファンの皆さんの前でお送りできたというのは、本当によかったと思います。また山本イズムと言いますか、猪木さんとか山本イズムというのを継いで新日本は頑張っていくでしょう」とコメント。小島は「山本小鉄さんにG1の最終日にもお会い出来たけど、またこうやって(試合を)お見せできる機会があったっていうのは幸せだと思う。こういう大会に出られたことも幸せだと思う。これからもプロレス界を見守っていてほしいと思います」とコメント。
ほとんどの選手たちが腕に喪章をつけて試合に挑み、試合と試合の合間にはスクリーンで小鉄さんの追悼VTR(引退式、ヤマハブラザーズ12年ぶりの復活、グレーテストレスラーズ表彰式、J-CUPでの男色ディーノとの番外戦)が流された。そしてメイン終了後には2009年5月6日の中西学IWGPヘビー級王座初戴冠に、実況席で思わず涙する小鉄さんの姿も映し出されたあと、リングアナの「山本〜小鉄〜」のコールがされた。すると超満員の館内は「小鉄」コールが鳴り響き、スクリーンには小鉄さんの笑顔と共に「小鉄さん、長い間お疲れ様でした。」の文字が映し出された。
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
▼第0試合 シングルマッチ15分1本勝負
○三上恭佑
7分10秒 逆エビ固め
●高橋広夢
▼第1試合 6人タッグマッチ20分1本勝負
長州力(リキプロ)/●タイチ/平澤光秀
8分27秒 ジャック・ハマー→体固め
中西学/○タマ・トンガ(フリー)/キング・ファレ
▼第2試合 タッグマッチ20分1本勝負(邪道復帰戦)
●金本浩二/タイガーマスク/田口隆祐
12分50秒 パワーボム→エビ固め
○デイビー・リチャーズ(ROH)/外道/邪道
▼第3試合 タッグマッチ20分1本勝負
ジャイアント・バーナード/○"ザ・マシンガン"カール・アンダーソン
12分50秒 ガン・スタン→片エビ固め
飯塚高史/●石井智宏(リキプロ)
▼第4試合 シングルマッチ20分1本勝負
●本間朋晃
10分27秒 ラリアット→体固め
○小島聡(フリー)
▼第5試合 スペシャルタッグマッチ30分1本勝負
○永田裕志/井上亘
15分03秒 バックドロップホールド
●高橋裕二郎/内藤哲也
▼第6試合 スペシャル6人タッグマッチ30分1本勝負
真壁刀義/棚橋弘至/●後藤洋央紀
15分39秒 ボマイェ→エビ固め
○中邑真輔/矢野通/田中将斗(ZERO1)
▼第7試合 IWGPJr.ヘビー級選手権試合60分1本勝負
[王 者]○プリンス・デヴィット
17分29秒 ブラディサンデー→体固め
[挑戦者]●ケニー・オメガ(DDT)
※第60代王者が2度目の防衛に成功
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