20周年記念のG1クライマックスは中邑、真壁、棚橋が敗れる波乱の幕開け!古巣で復帰した小島は「気持ちいい!」
新日本プロレス
G1 CLIMAX XX ~20th Anniversary~
日時:8月6日(金) 開始:18:30
会場:後楽園ホール
観衆:1900人(超満員)
6日、後楽園ホールで行われた新日本プロレス『G1 CLIMAX XX ~20th Anniversary~』。毎年恒例となっている新日本プロレス実力No.1を決める真夏の祭典だが、今年は20周年記念大会ということで、新日本内の選手のほかにプロレスリング・ノアから潮崎豪、CMLLからストロングマン、そして全日本プロレスを退団した小島聡が出場。この後楽園大会が開幕戦となる。
当初はノアから丸藤正道も出場する予定だったが、残念ながらDDT7・25両国大会で負傷してしまい欠場することに。大会開始前にリングに上がった丸藤は「僕の試合を楽しみにしてくれた人、そうでない人、レスラーの皆さん、関係者に多大なるご迷惑をおかけしたのを深くお詫びします」と挨拶した。その丸藤に代わり、現IWGPジュニアヘビー&ジュニアタッグ王者であるプリンス・デヴィットが出場。いきなり公式戦初戦でストロングマンと対戦したデヴィットは、圧倒的なパワーの違いに苦しみながらもストロングマンロックをサムソンクラッチで切り返して逆転勝利を収めた。
開幕戦のメインは現IWGPヘビー級王者にして前年度覇者である真壁刀義でも、棚橋弘至でもなく、永田裕志vs.中邑真輔の一戦。それだけこの2人の対決なら熱い試合になるという確信があるのだろうが、その期待に応えるように中邑がエルボーの連打で永田をコーナーに追い込むと、永田の顔付きが一変して中邑の胸を突き飛ばし、「来いよ、テメー!」と叫びながら激しいエルボーとローキックを連打。
しかし中邑もニーリフトをガンガン叩き込むと、倒れた永田にさらにニースタンプ。永田も強引にバックドロップで投げると、ミドルキック、サッカーボールキックを叩き込んでから倒れた中邑を踏みつける。さらにエクスプロイダーで投げた永田は強烈なナガタロックIIで絞め上げる。辛くもロープに逃れた中邑はリバースパワースラムで反撃するが、永田はかつて中邑の肩を破壊した雪崩式エクスプロイダー。
だが、バックドロップを体を捻って逃れた中邑は、永田の後頭部にボマイェを叩き込むと、エルボー合戦を挑んでいく。そこから張り手合戦に移行すると、中邑はカウンターのナックルパンチ! すかさずボマイェを狙うが、永田は中邑のヒザに正面から前蹴りを見舞って防御すると、打撃合戦で前に出ようとした中邑に左右のハイキック! そこからバックドロップ・ホールドで投げていって3カウントを奪った。
永田コールに包まれる中、「この闘い、このG1クライマックス、命を懸けて闘い抜く! そして最後は青義が勝つ! よし、行くぞ! 1、2、3、デイッ!」と敬礼ポーズで締めくくると、インタビュースペースでも「調整も、体調も、相手の強さという部分でもスタート切るには最高の相手だったし、予想以上に強かった。そして、お客さんも俺に風を吹かしてしてくれて最高のスタート切れたかな」と満足気な表情。今年1・4東京ドーム大会でシングルマッチが組まれなかった上に銅像になったことにショックを受けたという永田。だが、その後のタッグ戦線で、若い選手をガンガン蹴ったり殴ったりすることで、徐々に本来の自分らしさを取り戻してきたという。G1制覇、そしてもう一度IWGPヘビー級王座戴冠を口にした永田は「ちょっと余計な本音を喋っちゃったかな。でも言わざるを得ない!」と付け加えた。
今年のG1は波乱の開幕戦となった。メインで中邑が敗れたのをはじめ、現IWGPヘビー級王者にして前年度G1覇者の真壁もシングルプレイヤーとしての評価が高く、今回のG1でその真価は発揮されることが期待されていた内藤哲也に敗れたのだ。さらに黒地に蛍光ピンクのラインが入ったコスチュームとロングガウンを新調したきた棚橋弘至(ガウンの背中には「愛」に代わって「1/100YEARS(=100年に1人の逸材)」)までもが、伏兵カール・アンダーソンに敗れてしまった!
新日本応援団の「Go、Go、タナハシヒロシ!」の声援にご機嫌な様子で試合を進めていた棚橋だったが、アンダーソンは序盤棚橋の左ヒザを集中攻撃していくと、要所要所で棚橋の串刺しボディアタックをかわして顔面にジャンピング・ケンカキックを叩き込んだり、場外に落ちそうになった棚橋がアイルビーバックでリング内に戻ろうとしているところにドロップキックを叩き込んでトペコンを発射したりと、巧い具合に棚橋ペースにもっていかせない。
それでも棚橋は一瞬の隙を突いた逆さ押さえ込みから、スリングブレイドを決めていくと、一気にコーナーに登ってハイフライフローを狙う。だが、アンダーソンは下からジャンピング・ケンカキックで蹴り上げてからコーナーに登っていく。そして首をかっ斬るポーズから雪崩式の技を狙ったが、何とかエルボーで叩き落とした棚橋はクロスボディ式のハイフライフローを発射! しかしアンダーソンはドンピシャのタイミングで、これをガン・スタンで切り返して3カウント!
まさかの黒星スタートとなった100年に1人の逸材は「まだ巻き返せるでしょ。初戦だからさ、心配すんな! 誰が欠場しようとも、俺がG1クライマックスを盛り上げてやるから! エースだからな! 責任あるからな!」と自分に言い聞かせるように言い放った。
全日本プロレスを退団し、その去就が注目されていた小島聡は"忘れ物(=G1制覇)"を取りにいくため、古巣・新日本のリングに帰ってきた。左ヒジの手術を行ったため、全日本退団後は試合を行っていなかった小島にとっては、この日のタッグマッチが復帰戦。
勝手知ったるエル・サムライ(いまはお互いフリー)とタッグを組んだ小島は、『STYLUS』ではなく新日本所属時代の曲『RUSH!!』で入場。コスチュームも黒を基調にオレンジがアクセントになっていた全日本時代のものではなく、新日本所属時代を彷彿させるオレンジ、白、黒のコスチュームを新調。
そんな新日本所属時代の雰囲気を漂わせていた小島だが、対戦相手が後藤洋央紀&田口隆祐という小島が新日本所属時代には接点がなかった選手だったのは新鮮だった。とくに田中将斗や杉浦貴といった選手とガンガンやり合った後藤にとって、小島は手が合う選手。後藤がやや荒っぽくカットプレーに入ると、コーナーに下がった後藤に対して小島は「イテェな、バカヤロウ!」と叫びながら殴りかかっていく。
そして小島が田口に古巣では久しぶりとなる行っちゃうぞエルボーを投下すると、田口からタッチを受けた後藤が行っちゃうぞエルボーをお返し。さらに後藤は牛殺しから昇天を狙ったが、小島は踏ん張ってブレーンバスターの体勢に。だが、うまく着地した後藤は水面蹴りから田口とトレイン攻撃。しかし小島はエルボーで迎撃すると、後藤にローリングエルボー。後藤もラリアットを返していくが、小島は2発目をコジコジカッターで切り返す。
小島と後藤はなかなか見応えのある攻防を展開したが、試合は田口がかつての"会長"であるサムライをどどんで叩きつけて勝利。小島vs.後藤の続きは公式戦で。試合後、サムライの健闘を称えた小島は深々と一礼してからリングを降りると、インタビュースペースで「気持ちいい、スゲー気持ちいい! プロレスラーとして帰ってきた。プロレスラーとして、いま生きてきた。生きて帰ってきた、いまこの場に。いまこうやって生きて体が動いてる。プロレスの試合が終わって、いま体が動いてる。こんな幸せなことはないよ」と、充実した表情で語った。試運転を終え、小島がG1公式戦から完全復活する!
※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。
▼第1試合 G1 CLIMAX Bブロック公式戦 30分1本勝負
●井上亘【1敗=0点】
9分19秒 ネックハンギングボム→エビ固め
ジャイアント・バーナード【1勝=2点】
▼第2試合 G1 CLIMAX Aブロック公式戦 30分1本勝負
○中西学【1勝=2点】
7分30秒 大☆中西ジャーマン
●矢野通【1敗=0点】
▼第3試合 G1 CLIMAX Aブロック公式戦 30分1本勝負
○プリンス・デヴィット【1勝=2点】
7分36秒 ストロングマンロックを切り返して→エビ固め
●ストロングマン(CMLL)【1敗=0点】
▼第4試合 タッグマッチ(小島聡復帰戦) 30分1本勝負
小島聡(フリー)/●エル・サムライ(フリー)
13分50秒 どどん→エビ固め
後藤洋央紀/○田口隆祐
▼第5試合 G1 CLIMAX Bブロック公式戦 30分1本勝負
●高橋裕二郎【1敗=0点】
10分36秒 ゴーフラッシャー→片エビ固め
○潮崎豪(プロレスリング・ノア)【1勝=2点】
▼第6試合 G1 CLIMAX Aブロック公式戦 30分1本勝負
●棚橋弘至【1敗=0点】
11分42秒 ガン・スタン→エビ固め
○"ザ・マシンガン"カール・アンダーソン【1勝=2点】
▼第7試合 G1 CLIMAX Aブロック公式戦 30分1本勝負
●真壁刀義【1敗=0点】
14分34秒 高角度前方回転エビ固め
○内藤哲也【1勝=2点】
▼第8試合 G1 CLIMAX Bブロック公式戦 30分1本勝負
○永田裕志【1勝=2点】
17分43秒 バックドロップホールド
●中邑真輔【1敗=0点】
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