いろいろあった女巌流島対決は、ノンタイトル戦ながら30分を超す熱戦に!JWP勢も見つめる中、奈苗がさくらに激勝!

100702_19pro-1.jpg19時女子プロレス
19時女子プロレス・15~おんな巌流島2010
日時:7月2日(金) 開始:19:00
会場:アイスリボン道場
   USTREAM
   (http://www.ustream.tv/channel/19pro)
観衆:2616人

 2日、アイスリボンがバックアップし、USTREAM発の女子プロレスとなる『19時女子プロレス』だが、今回は当初からさくらえみvs.高橋奈苗の一戦が行われることが決定した。すると現JWP無差別級王者である高橋から、この試合にタイトルを賭けたいという申し出があったのだが、タイトルを管理するJWP女子プロレス側から「待った」がかかった。そこで当事者(さくら、高橋、JWP)と中立的立場であるマスコミによる公開討論会という形で話し合いの場が設けられた。2時間近く行われた討論会だったが、その場で結論を出すことが出来ず、翌日リリースによって発表された結論は"ノンタイルマッチ"。
 そういった因縁というか、経緯を踏まえた上で行われた注目の一戦。19時女子の代表である帯広さやかがMCを務め、実況はいつもの通りにGENTARO。そして会場にはゲストとしてJWPのコマンドボリショイ、春山香代子、米山香織の3人も駆け付けた。ボリショイは「今回さくらと高橋が勝手に騒いでやったことですけど最後まで見届けないと」とコメント。

 煽りVの中でさくらは「19時女子初参戦の高橋の相手にいの一番に立候補させていただきました。1個人の欲ではなく、アイスリボンのマッチメイカーとして見た時に、アイスリボンで組むことはないと思ってます。後楽園のメインを経験して、後楽園でやる時はもっとほかの選手に対戦してほしいと思っている。自分が出て行く場所は後楽園ホールより大きい場所と思っていて、それが横浜文体、両国、日本武道館、横アリではなく、後楽園より大きいものは19時女子プロレスなんじゃないかと思って。その間ベルト云々や経緯は割愛して、19時女子プロレスに自分が上がることによって、闘いの価値が上がるのを感じた。目標、同時視聴1000人!」と語ったのだが、GENTAROは「PC持ってる人にしか見えないと言っていたJWPへの挑発にも聞こえた。19時女子でやることのほうが見る総数が多いと。それで世間に届く、訴えかけてるんだと。ある意味挑発だね」とコメント。しかしボリショイは「1000超えたら頷かないといけないのかなと。いまJWPは後楽園800人ぐらいが平均なんですけど、それ以下だと言っているさくらの主張はどうなのかなと」とコメント。

100702_19pro-2.jpg そして、いざ試合は開始早々、場外カウントがなしなのをいいことにさくらが場外戦を仕掛けていくと、お互いに実況席のテーブルに叩きつけ合い、GENTAROが機材を心配するという展開に。何かの恨みをぶつけるかの如く、JWP勢にさくらを叩きつけたり、座布団でお互い叩き合ったりとしてからようやくリングへ。ところがさくらは作戦なのか、天然なのか水を飲んで場外で寝転がり、インターバルを取り始める。
 しかしGENに「寝転がると余計太って見えますね」と言われ、リングに戻るさくら......。グラウンドの展開からエルボー、ビンタ合戦へ。フェースロックに捕らえた奈苗だが、さくらは噛みついて脱出。奈苗はアンクルホールドは足4の字固めでさくらの足を殺しにかかるが、さくらは足をつねっていき、なぜか奈苗もつねり返す。思わず米山の口から「19時女子、見るのも初めてだったが面白い」という発言も飛び出す!
 さくらはロメロスペシャルからダブルアーム式バックブリーカーで反撃開始。奈苗をコーナーに貼り付け、「世界に届け19女子プロレス!」と叫びプレスし、さらにダブルアームを狙うがこれを堪えた奈苗はエルボーとチョップで反撃。15分を経過し、さくらもチョップで応戦していくと、再び場外戦へ。トップコーナーからプランチャを放ったさくらは19発連続チョップを叩き込んでから、カメラ目線で「世界に届け19時女子プロレス!」と再び叫んで決めポーズ。
 場外で奈苗のブレーンバスターを食らいながらも、さくらはエプロンで何とか攻撃していくが、奈苗はなかなか動じない。逆にサイドバスターで叩きつけていった奈苗だが、さくらもグラウンド卍。さらに顔面蹴りからダブルアームを狙うが、奈苗はリバースで切り合えす。ところがさくらはその瞬間、腕十字に捕らえてみせる! 何とかロープに逃れた奈苗は、腕十字で腕を痛めながらも雪崩式ブレーンバスター、バックドロップ、投げ捨てジャーマンと次々に投げ技で決めていき、両者フラフラになりながらも20分が経過。
 執拗にバックドロップを狙ったさくらだが、「離してよ!」と叫びながらエルボーで引き離した奈苗はラリアット。だが、映像が途切れながらもさくらはようやくバックドロップを決めた模様。奈苗も投げ返したようで、映像が復帰したときには両者意地で立ち上がって張り手合戦へ。そこからさくらはフットスタンプ→リバーススプラッシュ→ムーンサルトと体重を利した技を連発。さらにコーナーに昇ったさくらを追いかけていった奈苗だが、さくらは先にマットに着地してパワーボムで叩き付けると、二階からのニャンニャンプレスを投下!
 しかし奈苗からどうしても3カウントが奪えないまま、試合時間は30分を経過。丸め込みに来た奈苗をさくらは三角絞めで捕獲するが、奈苗は何とか脱出。ならばと今度はさくらがリバースウラカンやアストロシザースから丸め込んでいくが、キックアウトした奈苗はラリアット。巌流島対決に相応しいお互いの意地がぶつかり合う打撃合戦から、さくらは必殺のラ・マヒストラルを出していくが、3カウントが奪えない。逆にさくらのアゴをニーリフトで蹴り上げた奈苗は、ナナラッカで叩きつけるがこれもカウント2。しかしさくらが立ち上がれず、奈苗はダメ押しの冷蔵庫爆弾を投下し、ついに3カウントを奪った。

100702_19pro-3.jpg 残念ながら同時視聴は約800人と、さくらが目標に掲げた1000人には若干届かなかったが、ボリショイは「本当に悔しいけど引き込まれましたね」とコメント。勝った高橋は「自分の中でタイトル賭けるるつもりだったので、もし負けることがあったら返上するしかないぐらいの気持ちで。色んな人を巻き込んで、討論会とかあって。代表がいない間に色々あって......あんたがいないからだよ!」と、19時女子の代表である帯広に八つ当たり(?)。さらに「ある意味、自分がさくらえみを利用した。ここ何日間で色んなマスコミで出てたので、JWPの人にも感謝してもらいたい。それは自分がチャンピオンじゃなきゃきっと出来なかった」とJWP勢を牽制。
 これを聞いたボリショイは「さすがJWP無差別級王者の闘いを見せてもらった。これで約束通りに後楽園ホール、米山か春山の勝者が正々堂々と挑戦できるよ。ありがとう。しかし会場にいるお客さんに見てもらいたかった。やっぱりお客さんに見てもらい世界中に見てもらう環境になったら最高だと思う」と、試合内容を認めながらもやはり主張はブレていない。米山と春山も7・18のvs.奈苗&ベルト奪還に火が付いた様子。
 一方、敗れたさくらは感極まった様子で「自分にとってのプロレスは人生と一緒で、スリーカウントを取るというのは難しいんだなと今日は感じました。帯広が留守のあいだに色んなことをして申し訳ないとは思っていなくて、私もアイスリボン始めて色んな人がやってきて、それを広げていくのが大変で、そのとき色んな風が吹いてくる。その時扉を閉めてしまうんじゃなく風に上手く乗って......1000人行かなかったことが悔しくて、まだまだここに19時女子がなかったらシングルで30分以上闘うなんてなかった。本当に闘いに集中できて、思うがままに闘えた。初めての30分以上の試合はまた一歩違う世界が開けたが、ないことになってるのが悔しいし、ここに女子プロレスがあるのにないことになってるのが悔しい。19時女子を確立させてUSTREAM中継だけの団体ですごくいいと思うから、もっと広げていこうよ。ここに女子プロレスはあるんだよ、いるんだよ、広めていこう」と泣きながらコメント。GENから「女子プロレスはここにあったよ」と言われたさくらは「本当にこの場をもらえて嬉しいです。ありがとうございました。でも奈苗とはこれからもやっていかなきゃいけない。でも試合はやりたくないんだよ! 試合はやりたくないけど......やっぱやりたくない。闘っていく、人生を。リングはもういい!」と思いの丈をブチまけると「もう疲れた!」と言って立ち去っていった。
 最後にGENTAROが「今日やった甲斐はあった。色んな人間巻き込んで不快な思いさせたかもしれないが、女子プロ業界の未来的には残したい」と総括。ボリショイは帯広にJWP参戦をオファーした上で、「私はあまり素直に言わないが、思うこと言わせてもらえば今日闘ったさくらと闘いたい。シングルでやったことがないので。やってることは中途半端じゃないと分かった。迷惑はかかってますけど、(米山vs.春山の挑戦者決定戦も)最低でも今日の試合以上はできるだろう。観客動員でも負けないように」と語ったように、今回の件でさくらえみや19時女子にかなりの刺激を受けたようだ。

▼おんな巌流島2010 時間無制限1本勝負
○高橋奈苗(パッションレッド)
33分36秒 冷蔵庫爆弾→片エビ固め
●さくらえみ(アイスリボン)

このページの先頭へ
コラム女子プロレス団体『FEATURES』
スターダム世IV虎の番長日記
はるか悠里の格闘アイドル育成計画
スターダム須佐えりの初勝利への道
月別アーカイブ
団体