飯伏が決勝戦でケガ!それでも最後まで闘い抜いたが、今年のスーパージュニアを制したのは"準優勝男"だったデヴィット!

100613_NJPW-1.jpg新日本プロレス
BEST OF THE SUPER Jr.ⅩII ~STRIKE GOLD~
日時:6月13日(日) 開始:18:30
会場:後楽園ホール
観衆:2005人(超満員札止め)

 13日、後楽園ホールで行われた新日本プロレス『BEST OF THE SUPER Jr.ⅩII 〜STRIKE GOLD〜』最終戦。今年は例年以上に他団体の選手の活躍が目立ち、最後まで誰が勝ち上がってくるか分からなかったスーパージュニア。しかもタイガーマスクがケガで序盤に脱落、さらにフジタ"Jr"ハヤトもケガで中盤から脱落となったことで、不戦勝の白星も大きく星取に影響した。13日間にも渡る激戦を制して決勝戦に上がってきたのは、昨年のスーパージュニアをはじめ、『J-CUP』も『J TAGトーナメント』も準優勝しったプリンス・デヴィットと、スーパージュニア史上初となる他団体の選手の優勝が十分狙えそうなDDTの飯伏幸太!
 すでに飯伏は他団体の選手に厳しい新日本ファンの中でもだいぶ受け入れられているようで、試合前から飯伏に大歓声が飛ぶ。この2人の対戦にハズレはないだけに、超満員の館内も期待感に満ち溢れている。その中、先に場外ダイブを狙ったのは飯伏だったが、飛ばれる前にリングに戻ったデヴィットは逆にドロップキックで飯伏を場外に追いやってノータッチトペコンを発射!
 しかし飯伏もリングに戻るとカウンターのフランケンでデヴィットを場外に追いやり、ダッシュでコーナーに飛び乗ってから、トップロープに飛び移ってケブラーダを発射! さらにもう一度コーナーに飛び乗ると、場外のデヴィットの向けてミサイルキックを発射した。これでペースを握った飯伏は何度も握り拳を作って気合いを入れながら、ムーンサルトムーンサルトを放つが、これはデヴィットがヒザで迎撃。
 するとデヴィットは飯伏をコーナーに乗せて豪快な雪崩式バックドロップでブン投げると、プリンスズ・スロウン。さらに立ち上がろうとする飯伏の後頭部にダイビング・フットスタンプを落とすと、倒れた飯伏のボディにもう一発! だが、飯伏はブラディ・サンデーをバック転で逃れると、オーバーヘッドキックからのドラゴンスープレックス。さらにコーナーのデヴィットにロンダート・オーバーヘッドキックを叩き込むと、公式戦で勝利した際のポイントとなったトップコーナーからの雪崩式フランケンを発射!
 そして飯伏は勝負に出てファイアーバード・スプラッシュを落としていく。完璧な形で決まったように思えたが、飯伏は左肩を押さえて苦悶の表情! セコンドについていたライガーも身を乗り出して心配そうにし、三澤トレーナーがすぐに診断。しかし飯伏は三澤トレーナーを振り払うように、左腕をダランとした状態のまま蹴りと右手の張り手でデヴィットに向かって行く!
 だが、鬼気迫る飯伏のハイキックをかわしてジャンピングキックを叩き込んだデヴィットは、「もう終わりにしよう」とばかりにブラディ・サンデーで叩きつけて3カウント! 試合後も左肩を押さえながら」まだまだ」とばかりに首を振り、悔しそうにうずくまった飯伏だが、デヴィットがそっと近付いて握手を求めると、新日本ファンからも大「飯伏」コールが飛んだ。

100613_NJPW-2.jpg 表彰式のとき、呆然と立ち尽くした飯伏は痛みと悔しさで時折顔を歪ませたが、その度に横にいた獣神サンダー・ライガーが声をかける。一方、念願のスーパージュニア制覇を達成したデヴィットは、新日本ファンに丸藤正道の持つIWGPジュニア王座を奪還すると約束し、最後は「ホントニアリガトウゴザイマス! ガンバリマス!」と日本語で叫んだ。
 インタビュースペースでライガーや金本ら新日本ジュニア以外に、棚橋ら新日本本隊、永田ら青義軍からもビールをかけられて祝福されたデヴィットは、「「子供のときからプロレスが好きで、新日本プロレスは17、8歳の頃から見ていた。ずっと新日本のレスラーになることには憧れていたし、新日本プロレスに入ったことは光栄に思っている。その頃から思っていたことは、17、8歳の時に初めて見たスーパージュニアでいつか優勝したいってこと。そして5年前に新日本プロレスに入り、初めてスーパージュニアに出た時はヒザのケガで途中リタイアしてしまった。次に出た時はまたケガで出れなくなった。失意の時を過ごした事もある。やる気がなくなったこともある。しかし去年1年間頑張って、G1ジュニアタッグの決勝までいった、ZERO1のジュニアリーグで決勝まで行った。丸藤とJ-CUPで決勝で闘った。そこから持ち直してきて、いまスーパージュニアの頂点に立てたことを嬉しく思う。いままで新日本道場でやってきたことが間違いじゃなかった、自分はいまそう思っている」と熱っぽく語った。
 また、試合中にケガをしたことを悔やんでいた飯伏に関しては、「彼は日本に限らず、世界的に見ても有能なレスラーだ。今日はおそらく試合中にケガをしてしまったと思う。彼の無念さや残念さはボクもリングでケガをしたことがあるのでよく分かる。でもレスラーはケガをしても立ち上がっていくものだし、将来的にもう一度闘いたい!」と語った。

100613_NJPW-3.jpg スーパージュニアの決勝トーナメント以外の試合では、リーグ戦に出場したメンバーによるタッグマッチ"BEST OF THE SUPER Jr.スペシャルタッグマッチ"が2試合組まれた。このリーグ戦で得点にはあまり結び付かなかったものの確実に成長していることを見せた吉橋伸雄がライガーとタッグを組み、今年のリーグ戦を大いに盛り上げてくれたデイビー・リチャーズ&ラ・ソンブラのガイジンタッグと対戦。
 ガイジン組は時間差でトペを発射したり、キレのある動きで吉橋を追い詰める。ソンブラは突進してくるライガーの掌底をキャッチすると、そのままロープに飛び乗ってバウンドしてからアームドラッグで投げてみせた。吉橋もフライング・フォアアームや前方回転ネックブリーカーで向かっていくが、ハーフハッチからの腕十字をカットされた吉橋に対し、リチャーズはアラーム・クロックを叩き込むと、垂直落下式ブレーンバスターで投げていき、吉橋がマットに叩きつけられた瞬間に腕十字に捕らえてギブアップを奪った。
 すると試合後、ライガーがマイクを持って「先月、メキシコのベルトを獲りまして、メキシコのほうから防衛に来いと言われていましたが、それよりスーパージュニアで優勝して丸藤からベルトを取り戻すつもりでいました。しかしそれも出来なかったので、心機一転来週メキシコに遠征に行くつもりです。防衛している限り日本には帰ってこないつもりですので、帰ってきたときにはソンブラや丸藤と、このオジサンがバチバチやってやろうと思っていますので応援よろしくお願いします!」と、ネグロ・カサスから奪取したCMLL世界ミドル級王座の防衛戦をするために、無期限でメキシコに行くことを発表。
 さらに吉橋も「自分はデビューしてもうすぐ2年が経つのですが、自分の現状に全然満足いってないです。だから今回、自分をもっと成長させるためにライガーさんと一緒に無期限でメキシコに行くことになりました。今度自分が日本に帰ってきたときは、皆さんの前に新生・吉橋伸雄で来ます! そして必ず自分は新日本プロレスのトップに立ちます!」と、ライガーと共に無期限のメキシコ修行に出ることを宣言した。

※完全詳細はバトル・ニュース携帯サイトをご覧ください。


▼第1試合 20分1本勝負
中西学/●三上恭佑
7分37秒 逆エビ固め
○本間朋晃/平澤光秀

▼第2試合 BEST OF THE SUPER Jr.スペシャルシングルマッチ 20分1本勝負
●KUSHIDA(SMASH)
2分57秒 鬼殺し→片エビ固め
○矢野通

▼第3試合 BEST OF THE SUPER Jr. 準決勝戦 無制限1本勝負
【Aブロック2位】○プリンス・デヴィット
6分56秒 ブラディ・サンデー→エビ固め
【Bブロック1位】●石森太二(NOAH)

▼第4試合 BEST OF THE SUPER Jr. 準決勝戦 無制限1本勝負
【Bブロック2位】●田口隆祐
10分14秒 ファイアバードスプラッシュ→エビ固め
【Aブロック1位】○飯伏幸太(DDT)

▼第5試合 BEST OF THE SUPER Jr.スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
獣神サンダー・ライガー/●吉橋伸雄
10分57秒 腕ひしぎ逆十字固め
○デイビー・リチャーズ(ROH)/ラ・ソンブラ(CMLL)

▼第6試合 BEST OF THE SUPER Jr.スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
金本浩二/●AKIRA(フリー)
8分32秒 クロイツ・ラス
○ケニー・オメガ(DDT)/タマ・トンガ(フリー)

▼第7試合 G・B・H&新日本&青義軍vsCHAOS スペシャル10人タッグマッチ 30分1本勝負
真壁刀義/○棚橋弘至/後藤洋央紀/永田裕志/井上亘
17分29秒 ハイフライフロー→片エビ固め
矢野通/●飯塚高史/石井智宏/高橋裕二郎/内藤哲也

▼第8試合 BEST OF THE SUPER Jr. 決勝戦 無制限1本勝負
○プリンス・デヴィット
14分34秒 ブラディ・サンデー→エビ固め
●飯伏幸太(DDT)
※プリンス・デヴィット選手がBEST OF THE SUPER Jr.ⅩIIを初制覇

このページの先頭へ
コラム女子プロレス団体『FEATURES』
スターダム世IV虎の番長日記
はるか悠里の格闘アイドル育成計画
スターダム須佐えりの初勝利への道
月別アーカイブ
団体