みそぎマッチでボロボロになった坂田と山口代表。審判の日に坂田が出した結論は「絶対にハッスルを潰さん!」

100430_Hustle-1.jpgハッスル
坂田"ハッスル"亘~審判の日~
日時:4月30日(金) 開始:19:00
会場:後楽園ホール
観衆:1322人

 30日、後楽園ホールで行われた新生ハッスル復活への第一歩『坂田"ハッスル"亘〜審判の日〜』。昨年10月10日に両国国技館で行われた『ハッスル・ジハード』を最後に、活動休止していたハッスル。その後、ハッスル最高顧問だったクォンタムジャンプジャパン株式会社の酒井正和社長はTAJIRIやKUSHIDAらと新団体『SMASH』を旗揚げし、川田利明はフリーとしてノアの試合などに出場。天龍源一郎も自主興行『天龍PROJECT』をスタートさせた。
 ハッスラーたちはバラバラになり、誰もがハッスルはこのまま自然消滅すると思っていた中、今年2月にハッスル軍のエースだった坂田亘が突如ハッスルの復活を宣言し、リングネームを坂田"ハッスル"亘に改名することを発表! そしてハッスルエンターテインメントの山口日昇代表と共に、坂田がハッスルを背負っていけるのかをジャッジするために開催されたのが、この『坂田"ハッスル"亘〜審判の日〜』である。
 「坂田にハッスルを背負うなんて無理だ」と主張する中村カントクは、"黒の中村カントク"となり、坂田&山口代表の新生ハッスルをぶっ潰すために外国人選手によるBustle軍を結成。まず坂田に対してナットーマンとして第1試合でロボットマンを相手に試合をし、ハッスルした試合が出来なければ強制帰宅しろと要求。さらに山口代表にはメインでBustle軍相手に1vs.多数のハンディキャップさらし者マッチをしろと言い出した。

 オープニングで坂田と共にリングに上がった山口代表が「こういう事態を招いたのはすべて私の責任です。申し訳ありませんでした」と、改めて『ハッスル』の不祥事を詫びると、そこに黒の中村カントクが登場! 坂田に向かって「こんなところで挨拶してる暇があるのなら、さっさとナットーマンに着替えろ!」と詰め寄ると、そこに「大豆な場面でやってくる!」で始めるあのフレーズと共に、坂田ではないナットーマンが登場!
 どう見てもグレート・サスケが正体のナットーマンは、あくまでも自分はナットーマン・ザ・グレートだと言い張り、坂田に代わって第1試合でロボットマンと対戦するという。中村カントクもグレートがハッスル出来なければ坂田はメインに出さないという条件付きでこれを承諾。
 そしてロボットマンと相対したグレートは、サスケばりに場外を徘徊してドタバタ乱闘を繰り広げた末、ロボットマンにバケツに入った水をぶっかけてショートさせると、最後はラムジャムを決めて勝利。グレートは「これでメインイベント、改めて坂田さん、勝利を期待しています。頑張ってください!」とエールを送り、何とか助っ人の役割を果たした。

100430_Hustle-2.jpg ずっとリングに上がることを拒み続けていた山口代表だが、メインが始めると坂田と共に柔道着姿でリング上へ! しかし黒の中村カントクは「オイ、山口! よくリングに上がってきたじゃねぇか。でも誰も2vs.2とは言ってないんだよな。この試合は4vs.2だ。しかもレフェリーは俺がやってやる!」と理不尽要求。ジョー・メガロドン、ブラック・ジョーカーに加えて、第3試合で大谷晋二郎&越中詩郎と対戦したLOCO&MOCOのハワイアンエキスプレスを加えた4人で坂田&山口と対戦。
 しかも坂田は山口代表をコーナーに下げると、1人で4人のBustle軍を相手にする。パワー、サイズ、すべてのおいて坂田を上回っているBustle軍の4選手は、代わる代わる坂田を痛めつけていき、坂田は終始防戦一方。山口代表は何度も身を乗り出して救出に入ろうとするが、その度に坂田は「下がれ!」と叫ぶ。しかし坂田がいくら隙を突いて反撃してもレフェリーの中村カントクはカウントを取ろうともしない。
 坂田がボロボロにされていく中、観客からも「山口、ハッスルしろよ!」という声が飛ぶ。そして坂田が4人がかりのパワーボムで叩きつけられると、ついに意を決した山口代表がリングに入って来てLOCOに張り手をお見舞い! ビクともしないLOCOやほかの外国人選手にも懸命に張り手やチョップを見舞っていく山口代表だが、逆に自分の腕を痛めてしまう始末。するとBustle軍は山口代表を捕まえて、これが本当のチョップだとばかりに強烈な逆水平チョップを叩き込む! 何発もチョップをもらった山口代表は胸板を真っ赤にさせて悶絶し、場外でノックアウト!
 またも坂田1人が集中攻撃を受けていると、突如若鷹Z"信介(旧名:山笠Z"信介)が坂田に加勢するためにリングに入って来るが、すぐに返り討ちにされてしまう。だが、この隙にスーパーキックの連打で反撃を試みた坂田は、中村カントクにもスーパーキックを叩き込み、何とかレフェリーだけは笹崎レフェリーに戻すことに成功。しかし坂田の健闘もここまで。大「坂田」コールを浴びたものの、最後はメガロドンの罰ッスルボムで叩き付けられて力尽きた。

100430_Hustle-3.jpg 大の字に倒れた坂田に大谷が「坂田! お前、ハッスルを1人で守るって言ったんだろ? このままで終わるわけないよな! 確かにボロボロにされたかもしれないけど、だから何だ! 本当に強い男っていうのは、何度でも立ち上がる男のことを言うんだ! 坂田、一生懸命頑張れ! 俺はこんなこと言える立場じゃないけど、坂田! 頑張れ!」と檄を飛ばすと、坂田も力を振り絞って「俺はまだ死んでねぇぞ! 俺は死んでねぇってことはハッスルは終わってねぇんだよ! いいか、ワケあっていなくなったヤツら。そいつらのことを何も言う気はねぇ。言う権利もねぇ! こんな状況の俺や山口にも、大谷や越中さん、それに新しい仲間がいる。何より、今日会場に来てくれたお客さんがいる限り、俺は1人になったって、俺はどんな壁も越えてみせる。俺は一生ハッスルし続ける!」と絶叫。最後は「俺は絶対にハッスルを潰さん!」と叫んでからのハッスルポーズで大会を締めくくった。
 バックステージに戻ってきた坂田は涙で声を詰まらせながら、「リアルハッスルっていうのがどうことなのか、ハッキリ言ってそんなもん掴みきれないですよ! だけど1人でもいい、仲間がいれば絶対に今後もハッスルし続ける! ......絶対に負けない! いろいろハッスルや、山口や、俺に対してイメージや先入観だってあると思う。だけどいい意味で全部俺がぶっ壊してやる! 俺は......俺は本気だっ! ほかのプロレス団体だって頑張ればいい。だけど俺は絶対にトップに行ってやる」と、どん底から頂点まで登っていくと志は高い。
 大会名にもなった"審判"について、ファンからどういう審判が下されたか聞かれた坂田は「関係者、ファンの皆さん、仲間、みんなからの命綱一本ぶら下げられた感じ」と表現。大会中、新生『ハッスル』第2回大会が5・30後楽園ホールで決定したことが発表されたが、「バカな山口が俺は『仮押さえでいい』って言っているのに、『押さえちゃいました』とかふざけたことヌカしやがるから、もう引くに引きないんだよ、俺も」と言って思わず苦笑い。
 そんな話をしていると、右腕を三角巾で吊った山口代表が登場! 山口代表は「(リングに)上がる以上は覚悟を決めてやったんですけど、いまはまったく歯が立たず......。どこが折れているか分からないですけど、折れてるっていうふうに言われて。いまはこれが本当に僕の現状だと思いますし、(これからは)表の部分は亘に任せて、僕は裏の部分で今までご迷惑をおかけした人や、ご心配をおかけした人に全身全霊をかけてキチンと恩返しをしていきたいなと思っています」と、この日を最後にもうリングに上がることはないと宣言。
 坂田も「山口がリングに上がるとか、そういうことは絶対に俺がさせないです! 死なせないですよ、本当に! いくら追い詰めても......」と山口代表を"守る"ことを力強く約束。これを聞いた山口代表は「もう今日、本当に腕折りましたけど、絶対生きます! 生き延びます!」と力強く言ってみせた。以前の『ハッスル』とは比べものにならないほど規模は小さくなり、さらにハッスル再興を目指す2人は見るからにボロボロとなったが、それでも2人は「もうファンを裏切ることはしない」と一歩一歩復興を目指していくと本気で誓った。


▼第1試合
○ナットーマン・ザ・グレート
11分54秒 ラムジャム→体固め
●ロボットマン

▼第2試合 ℃軍初登場vs.旧モンスター軍選抜
アイアム℃/アーモン℃/○ジャイアン℃
10分43秒 ジャーマンCプレックスホールド
ザ・ピラニアン・モンスター/●長州か/猛毒コブラ男爵

▼第3試合 日本魂vs.ハワイアンエキスプレス
大谷晋二郎/○越中詩郎
9分44秒 ダイビングヒップアタック→体固め
LOCO/●MOCO

▼第4試合 ハンディキャップさらし者マッチ「いい日旅立ち」
山口日昇/●坂田"ハッスル"亘
20分13秒 罰ッスルボム→体固め
○ジョー・メガロドン/ブラック・ジョーカー/LOCO/MOCO

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