天龍がプロデュースする天龍PROJECTが始動! ヒザを痛めながらも成長した嵐とぶつかり合った天龍は「エイエイオー!」

100419_Tenryu-1.jpg天龍プロジェクト
天龍PROJECT
日時:4月19日(月) 開始:19:00
会場:新宿FACE
観衆:550人(超満員札止め)

 19日、新宿FACEで行われた『天龍PROJECT』旗揚げ戦。天龍PROJECTとは主戦場にしていた『ハッスル』が活動休止になったことで、その去就が注目されていた"ミスタープロレス"天龍源一郎が新たに始めた天龍プロデュースによる自主興行。
 旗揚げ戦にはノアを退団した百田光雄、メビウスの折原昌夫、ドラディションの嵐ほか、DDTやDRAGON GATE、バトラーツ、女子プロレスからも多数の選手が駆け付けた。

 第1試合の前にレボリューションTシャツ姿で登場した天龍は「1990年に全日本プロレスを退団して、SWS、WAR、ハッスルといろいろなところでプロレスをやらせてもらったことを、とっても幸せで腹一杯の思いでいます。私の師匠であるジャイアント馬場さんが言っていた明るく、楽しく、激しいプロレスを、この天龍源一郎のリングでやっていきたいと思います」と挨拶した。
 そしてその天龍に憧れてプロレス入りしたという高木三四郎とタッグを組んだ天龍は、メインで嵐&ディック東郷と対戦。ロック調にアレンジされた『サンダーストーム』に乗り、黒のロングガウンを羽織って登場した天龍には大量の黄色い紙テープが投げ込まれた。憧れの人とのタッグで張り切る高木に刺激されるように、天龍も相変わらずいかにも効きそうな逆水平チョップを惜しみなく出していく。
 しかし対戦相手の東郷も引退する時期が決まったこともあり、天龍相手にチョップやラリアットで吹っ飛ばされながらも真正面からぶつかっていき、さらに天龍と久しぶりの対戦となった嵐もその体重を活かしてブルドーザーのようにぶつかっていく。そして東郷にスパイダージャーマンを決めた直後の天龍に、嵐がコーナースプラッシュを見舞った際に天龍は左ヒザを負傷!
 これでまともに走ることも出来なくなってしまった天龍に、コーナーから高木が必死に「天龍さん!」と檄を飛ばす。すると天龍は嵐のチョップを受け止めるたあと、ハルクアップならぬ"天龍アップ"と言えばいいのか、気合い満点の表情で逆水平チョップ、グーパンチ、さらにノータッチヘッドバットをお返し。さらに東郷には握り拳を作ってから全体重を浴びせるようなラリアット、延髄蹴り、53歳と立て続けにお見舞い。堪らず嵐がカットに入っていくが、高木が嵐をコーナーに押し込むと、天龍はヒザが痛んで踏ん張りが効かないのか、抑え込まずに投げ捨てパワーボムで東郷をマットに叩きつけてから、そのままカバーして3カウント。
 苦しい試合となったが、試合後天龍は嵐に向かって「今日は勝ったけど、全然満足してねぇよ! これで満足したらお客さんがブーたれるから今度またやってやるからな。俺もコンディション整えるけど、お前もコンディション整えてこい! 今日のお前、ちょっといいよ」と言葉をかける。全日本時代、額に蹴った天龍の靴紐のあとがつくほど痛めつけられた嵐だが、成長のあとは見せることが出来たようだ。
 最後は「エイエイオー!」を観客と共に唱和して旗揚げ戦を締めた天龍は、インタビュースペースで「今はもうホッとしたのが第一。このPROJECTにあがってくれる相手の選手のほうが、元気だという事を思い知らされましたね。今回は何も雑念がないですね。今日の試合の途中でヒザ抜いた時、ここで負けたほうが楽かなと思ったこともありましたよ。でもね、過去に旗揚げの時に負けてきた自分がいるので、ちょっと今日は踏ん張りましたよ。だから前のように背負っているものはない! 出るとこあるんだったらどこでも行きますよ。言葉としたら悪いですけど、"クソ食らえ!"ってやつです」と言って安堵の表情を見せた。

100419_Tenryu-2.jpg メイン終了後、次回の6・9『Next Revolution』新宿FACE大会から、WAR認定6人タッグ王座を復活させることを発表されたが、旗揚げ戦でひと足早く復活したのが、WAR認定インターナショナルジュニア、通称IJ王座。2006年7月のWARファイナル興行で望月成晃が眠っていたIJ王座の防衛戦を行った際、ブラック・ペンタゴンに敗れてしまい、その後同王座を奪還した際に封印したのだが、天龍PROJECT始動に伴って同王座も復活!
 新王者を決めるためにDRAGON GATEから望月、横須賀享、谷嵜なおきの3選手が3WAYマッチを行うことになったのだが、この日会場に訪れたファンは当然IJ王座に唯一縁がある望月にこそこのベルトを巻いてほしいというような声が飛ぶ。望月も試合中、「俺が獲らなきゃ誰が獲るんだ!」と叫んだが、そうはさぜないと横須賀と谷嵜は途中協力しながら望月の左足を集中攻撃!
 さらに首4の字と足4の字を同時にかけられかなり追い詰められた望月だったが、20分が経過し、横須賀が雪崩式の友情で谷嵜を叩きつけていったが、谷嵜もカサノヴァを返すと、そこに望月がフロントキックで入ってきて、エプロンに出た横須賀には三角蹴り。さらに谷嵜をドラゴンスープレックスで投げると、ハーフダウンの谷嵜にFKからのランニング・ソバットを叩き込み、最後はダメ押しのツイスターで望月が勝利。
 新王者となった望月の腰にタイトル実行委員会委員長の百田がIJのベルトを巻くと、次々にレスラーらしき男たちがリングに上がってくる。望月に詰め寄っていく謎の男たちに向かって望月は「お前ら4人、俺は誰も知らないから、名前と何をやりたいか言え!」と言うと、それぞれ元K-DOJOで現在はフリーのHIROKI、メビウスのブオ・モチェロ、リアルジャパンのタイガー・シャークとブラック・シャドーだと名乗り、4人ともIJ王座への挑戦を表明。そこで百田実行委委員長が次回大会で、この4選手による挑戦者決定戦を行うことを発表した。

100419_Tenryu-3.jpg その百田光雄はかつて"6時半の男"と呼ばれたときのように、オープニングマッチに出場。セコンドにプロレスラー志望である"力道山三世"の百田力さんを帯同させた百田は、天龍の愛弟子である折原昌夫と対戦。水着姿の美女(=SODの女優さん)を帯同した折原はいつも通り、ラフ殺法を織り交ぜた攻撃で百田を痛めつけていく。
 かなり押され気味だった百田だが、折原のスパイダージャーマンを踏ん張って転落させると、近付いてきた折原をコルバタで投げ飛ばしてからのバックドロップで逆転勝ち。試合後、折原は百田に握手を求めると深々と頭を下げた。
 マイクを持った百田は「10カ月のブランクはやっぱりかなり苦しかったけど、どうにか頑張れました。引退する日まで精一杯炎を燃やしたいと思います」と、引退までのカウントダウンで完全燃焼することを宣言。父の言葉を横で息子の力さんも噛みしめるように聞いていた。
 また、休憩明けにはグレート・カブキも登場し、ヌンチャクパフォーマンスを披露。息が上がりながらも「ちょうど20年前になりますけど、天龍選手とやり始めた頃のことを思い出します。何かすごく嬉しくて、自分もまたやれるんじゃないかなって思いますけど、たぶん無理でしょう(笑)」と挨拶した。さらにオープニングでは北原光輝が天龍に花束を贈呈した。


▼シングルマッチ15分1本勝負
○百田光雄(フリー)
9分15秒 バックドロップ→体固め
●折原昌夫(メビウス)

▼シングルマッチ20分1本勝負
○ベアー福田(フリー)
8分54秒 プルプルベアー→片エビ固め
●CHANGO(シークレットベース)

▼ミックスドタッグマッチ30分1本勝負
井上京子(NEO)/○澤宗紀(バトラーツ)
14分33秒 お卍固め
豊田真奈美(フリー)/●矢野啓太(バトラーツ)

▼WAR認定インタージュニアヘビー級タイトルマッチ60分1本勝負
○望月成晃(DRAGON GATE)
22分13秒 ツイスター→片エビ固め
●谷嵜なおき(DRAGON GATE)
もう1人は横須賀享(DRAGON GATE)
※望月が新王者となる

▼タッグマッチ時間無制限1本勝負
○天龍源一郎/高木三四郎(DDT)
20分3秒 パワーボム→片エビ固め
嵐(ドラディション)/●ディック東郷(DDT)

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