チャンカー2連覇を達成した鈴木がGURENTAIの活動休止を発表! 新しい道では船木とのタッグ結成も?

100411_AllJapan-1.jpg全日本プロレス
2010チャンピオン・カーニバル
日時:4月11日(日) 開始:18:00
会場:JCBホール
観衆:2800人(満員)

 11日、JCBホールで行われた全日本プロレス『2010チャンピオン・カーニバル』最終戦。今年は武藤敬司不在の中、開催された全日本プロレス"春の祭典"チャンピオン・カーニバル(以下チャンカー)だが、優勝決定戦は何と準決勝で河野真幸をクロスヒールホールドとアンクルホールドの複合技で下した船木誠勝(Bブロック1位)と、同じく準決勝で左ヒザを散々痛めつけられながらもゴッチ式パイルドライバーで諏訪魔に下した鈴木みのる(Aブロック1位)という因縁の組み合わせとなった。
 船木が全日本で本格的にプロレス復帰して以来、昨年の9・26横浜文体、そして先日3・21両国大会での金網戦に続き、三度の一騎打ちとなった両者。徐々に"変化"は見られるものの、両者が因縁の相手であることには変わりはない。その証拠に船木は表情ひとつ変えず、淡々と鈴木の負傷箇所である左ヒザを蹴り続けた。その度に悶絶した鈴木だが、終始歯を食いしばりながら耐え、ヒザ十字を極められても「まだだよ! 折ってみろよ! 来いよ!」と挑発してみせる。
 そして、何とか船木の足攻めを耐え抜いた鈴木は師匠・藤原喜明譲りの一本足頭突きからノータッチヘッドバットを叩き込むと、強引にゴッチ式パイルで叩きつけ、さらにスリーパーから久しぶりに逆落としを解禁! そのままスタンディングでスリーパーを決め続けると、ついに船木がタップアウトした。三度目の対決にして、ついに船木を倒した鈴木。その瞬間、ジャイアント馬場、スタン・ハンセンに次いで史上3人目となるチャンカー連破を達成した。

100411_AllJapan-2.jpg そして事件は試合後に起こった! 鈴木は両国大会で船木がしたように倒れた船木を上から見下ろす。その拳は硬く握られ、いまにも殴りかかりそうだったが、鈴木は何と船木を引き起こし抱き合ったのだ。さらに船木の腕をあげて健闘を称えると、船木も同じ行動に出る。まさしく歴史的な和解の瞬間だったが、事件はこれだけで終わらない。
 2年連続でチャンカーを制した鈴木は「いまここが最強の場所だ! ついでにちょっと発表がある」と言い、セコンドについていた太陽ケアとNOSAWA論外をリングに上げる。そして「俺たちプロレス界の中心に行こうって、世界の中心に行こうって約束したけど、いまのままじゃ俺たち行けない。いまのまんまじゃ......。俺たちが志したところはもっと高いところだ。絶対に行けない! よく話し合った結果だ。それぞれがそれぞれの道を行こう! 今日限りでGURENTAIは活動休止にします」と突然の発表!
 当然観客からは「えー!」という驚きの声があがるが、鈴木は「力つけて......なぁ。あとMAZADAと高山(善廣)と力をつけて、いつの日かまた一緒にやろう。ありがとう...」と涙で声を詰まらせながら言うと、泣きながら3人で抱き合った。観客もその姿を見て、万感の思いで拍手を贈ると、最後に鈴木は観客ちともに「俺たちがGURENTAIだー!」と叫んで拳を突き上げる決めポーズを唱和。

100411_AllJapan-3.jpg GURENTAIにひとまず別れを告げ、リングに1人残った鈴木は「というわけで俺の新しい道、第1弾! 三冠ヘビー級に挑戦します! 相撲から来たブタ野郎が、プロレス舐めんじゃねぇぞ! いいか! 2010チャンピオン・カーニバル優勝者は、この俺、鈴木みのるだ!」と、まず最初のターゲットにチャンカー開幕戦で鈴木を破った浜亮太の持つ三冠ヘビー級王座獲りを宣言した。
 そんな鈴木をインタビュースペースで待っていたケアと論外だが、論外は「自分とMAZADAはやっぱり"鈴木みのるの子分"って見られがちなんで、そこは鈴木みのる離れじゃないですけど、きちんと自立したい。カズ・ハヤシに『論外!』と言われて早5、6年経って、まぁちょっと次は自分が行こうかなと」と、全日本ジュニア生き残りを賭けて満を持して世界ジュニア獲りを狙うことを宣言。ケアも「GURENTAIではすごくエンジョイできた」と一時期のスランプからはすっかり脱出出来たことを感謝した。
 そして「またリングで会うと思うので」と言って論外とケアが部屋を出て行くと、入れ替わるように優勝トロフィーが運び込まれ、鈴木は1人で乾杯。そして船木については「結構やるなって。俺がアイツのことを嫌いなのは変わらない。アイツのこと憎いのも変わらない。過去恨んでるのも変わらない。でも俺の新しい道の中で新しい関係でも作ってみようかなと思ってさ。今のアイツとちゃんと正面から向かい合って、新しい関係をできればいいかな。どんな関係になるかはわかんねぇ。それはやってみないとわかんねぇけど、新しい時代がもうすぐそこまで来てるよ」と、タッグ結成を含めて新たな関係が作れる予感がしているとのこと。
 さらに鈴木が言う"新しい時代"の中には船木だけではなく、「俺と同年代、同キャリアの奴らいるだろ? 日本のプロレス界にいっぱいいるだろ。お前ら立ち上がれや! お前らの上にはよ、歴史上強い奴らがいたんだろ? 猪木もいて馬場もいて、ジャンボ鶴田もいて天龍もいて、三銃士もいて四天王もいて......あっ、四天王は俺と同キャリアか(笑)。まぁいるだろ、その辺の奴ら。立ち上がれよ! プロレス界やっと俺の時代になったんだぞ。俺達の時代になったんだぞ!」と恐らく永田裕志や中西学、秋山準といった、かつてのライバルたちも含まれているようで、彼らに対してもエールを送った。
 その上で「武藤がいなくても大丈夫だよ。だって全日本プロレスで一番つえーの俺だもん。諏訪魔が『全日本を支えるのは僕で~す』とか言ってたけど、お前はそのちっちゃいカスでも支えてろ。俺が日本のプロレス界支えてんだ! 俺そういうふうに胸張って言えると思う。だから君達の時代は、悪いが俺が現役でいる限り一生来ない!」と、日本プロレス界のエースであることを堂々宣言。

100411_AllJapan-4.jpg 論外がターゲットに定めたカズ・ハヤシが持つ世界ジュニアヘビー級のベルトだが、この日カズはBUSHIを相手に10度目の防衛戦を行った。三角跳び式のトルニージョや鉄柵に飛び乗ってのブファドーラ、雪崩式リバースフランケンなど、高度なルチャテクニックを駆使してカズを追い込んでいったBUSHI。
 しかし、この日のカズは気迫満点で左右のワンツーエルボーから強引にパワープラントの体勢に。しかし、これを逆打ちで切り返したBUSHIはレボルシオンからのファイアーバード・スプラッシュ。だが、これもカズはカウント2で返す。BUSHIもパワープラントを徹底的に防ぎ、リバースパワースラムのような急角度バックドロップで叩きつけてから、スウェーニョを決める。
 だが、トラースキックを相打ちに持ち込んだカズはやや体勢が崩れながらもリバースのファイナルカットを出していくと、ドラゴンスープレックスから垂直落下式リバースDDT、そして最後は必殺のパワープラントをついに決めて勝利。辛くも10度目の防衛に成功したカズだが、試合後リング上には近藤修司、KAI、大和ヒロシ、論外が次々に登場。次のジュニアタッグリーグに向けてカズは近藤とのTEAM246で出陣すると宣言したが、近藤は大和との新タッグを表明! これを受けて大和のパートナーだったKAIも大和と決別! さらに共にパートナーにフラれたカズとKAIを稔&ヘイトが襲撃という展開に。
 試合後、カズは「全日本ジュニアは一周したんで。いろいろなところからこのベルトを狙っている連中っていうのはいるんでね。その連中を相手しなくてはいけないのかなと、そういう風な時期に来てるのかなと思います」と"外"に目を向けつつ、3・21両国大会で対戦したKAIに関して「自分と同じ方向を向いてる。目指すものが同じということを試合の中で通じ合えた」と語り、タッグ結成を示唆した。


▼タッグマッチ30分1本勝負
近藤修司/○大和ヒロシ
9分30秒 原爆固め
KAI/●中之上靖文

▼『2010チャンピオン・カーニバル』準決勝戦 時間無制限1本勝負
○船木誠勝(Bブロック1位)
13分12秒 クロスヒールホールド
●河野真幸(Aブロック2位)

▼『2010チャンピオン・カーニバル』準決勝戦 時間無制限1本勝負
○鈴木みのる(Aブロック1位)
16分46秒 ゴッチ式パイルドライバー→片エビ固め
●諏訪魔(Bブロック2位)

▼6人タッグマッチ30分1本勝負
浜亮太/真田聖也/●スペル・クレイジー
13分04秒 TARUドリラー→片エビ固め
○TARU/レネ・デュプリ/稔

▼タッグマッチ30分1本試合
○小島聡/KIYOSHI
13分38秒 ラリアット→片エビ固め
太陽ケア/●NOSAWA論外

▼世界ジュニア・ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[第28代王者]○カズ・ハヤシ
18分36秒 パワープラント→片エビ固め
[挑戦者]●BUSHI
※第28代王者カズ・ハヤシが10度目の防衛に成功

▼『2010チャンピオン・カーニバル』優勝決定戦 時間無制限1本勝負
○鈴木みのる
13分37秒 裸絞め
●船木誠勝
※鈴木が2年連続2度目の優勝

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