決勝で壮絶なド突き合いを制した自演乙が日本トーナメント初優勝!号泣しながら魔裟斗に「MAXは潰させない!」と約束

100327_K1Max-1.jpgK-1 WORLD MAX
K−1 WORLD MAX 2010
〜−70kg Japan Tournament〜

日時:3月27日(土) 開始:17:00
会場:さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナ
観衆:6216人(満員)

 27日、さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナで行われた『K−1 WORLD MAX 2010〜−70kg Japan Tournament〜』。MAXの象徴だった魔裟斗引退後、初の大会となるため、この大会から"ポスト魔裟斗"となるニュースターの誕生が期待される。
 その期待に応えるかのように、日本代表決定トーナメント決勝に進出したきたのは、シルバーウルフで出稽古を積んだ"コスプレファイター"の長島☆自演乙☆雄一郎と、かつてシュートボクセ・ジャパンで稽古を積んだ若干21歳"和製ヴァンダレイ"中島弘貴の2人。大会前にこの2人の決勝戦を予想した者がどれだけいるだろうか? しかも自演乙は負傷欠場となった小比類巻太信に代わって本戦出場となった名城裕司と、城戸康裕を僅差の判定で破った龍二を連続秒殺KO。対する中島も技術で勝るTATSUJIと、優勝候補大本命だった日菜太をその豪腕パンチでKOしてきた。両者ともに大きなダメージがないまま決勝へ。
 予告通り3パターン用意した『東方Project』のコスプレを入場時に披露することが出来た自演乙だが、この日はダンスも最小限の上に笑顔もほとんどなく、実に気合いの入った表情だった。1Rから抜群の当て勘でポイントをリードした自演乙だったが、2Rには中島が放った右フックをテンプルにもらってしまいダウン!
 これまではどちらかと言うと、「打たれ弱い」イメージのあった自演乙だが、シルバーウルフでの出稽古が効果を発揮したのか、MAXを守るという気持ちが強かったのか、この日はダウンしたあともとにかく引くことなく豪腕・中島と真っ向から殴り合いを展開。徐々に盛り返していった自演乙は、3Rになりフラフラになりながらもパンチを打ってきた中島に、自身もフラフラになりながらも渾身のカウンター右フックを叩き込んだ! これで中島はついに力尽きてダウン! レフェリーはKOを宣告し、自演乙がまさかの優勝!

100327_K1Max-2.jpg コスプレをしたファンも総立ちになってサイリウムを振って自演乙を祝福する中、「魔裟斗さん、ボクはポスト魔裟斗になれないですけど、ボクはボクなりのやり方でK-1を背負えたらいいし、背負うし、絶対K-1MAX、ボクがチャンピオンになって絶対に潰させないんで。だからMAXは絶対に潰れませんっ!」と叫ぶと号泣した。
 インタビュースペースにDEEPの佐伯繁代表と共に現れた自演乙は、もう笑顔がこぼれて仕方がないという感じで「これ夢じゃないですか? そんな気持ちです」と夢見心地。目標にしていた3回コスプレ披露してアニメ布教を達成したわけだが、あくまでこれはスタートラインであって、目指すは"世界"だと言ってみせた。そこに一緒に入場したコスプレダンサーズが登場し、自演乙を取り囲んで祝福すると、さらに至福の表情になった自演乙。そして腰のベルトを見ながら「K-1のベルトっすよ! 歴代の王者、魔裟斗、小比類巻、佐藤、城戸、その隣にボクが一緒に並ぶんですよ? ありえへんでしょ(笑)。超ヤバイっすね!」と自分でも信じられない様子。
 そこに報道陣に紛れて「その中(=コスプレダンサーズ)に彼女とかいないんですか?」「本当は男と女、どっちが好きなんですか?」とトンデモナイ質問を浴びせる人物が......。何とその人物は魔裟斗さん! 尊敬する魔裟斗さんに登場に、さすがの自演乙も思わずオタオタ。しかし魔裟斗さんも自分のジムで稽古を積んだ自演乙の優勝が、とても嬉しそうだった。

100327_K1Max-3.jpg 大会終了後、谷川貞治イベント・プロデューサーはベストバウトに決勝の自演乙vs.中島に加え、1回戦の日菜太vs.山本優弥と準決勝の中島vs.日菜太も挙げた。とくに事実上の決勝戦と言われた日菜太vs.優弥の一戦は、相手の腕を破壊する日菜太のミドルキックを食らっても食らっても優弥が前に出続け、予想を上回る熱戦となった。
 優弥が休むことなく前に出て攻撃をし続けたことで、ひたすらミドルキックを打ち続けた日菜太も3Rには疲れが見え始める。優弥も日菜太の蹴りをかわし、ニヤリと笑うとパンチで反撃。日菜太の顔面をいいパンチが捕らえる場面もあったのだが、日菜太もミドルやストレートで前に出てくる優弥に必死に対抗。
 1回戦からとんでもない消耗戦となった末、判定で日菜太が勝利。昨年の世界トーナメント3位の優弥を倒したことで、大本命の日菜太がこのまま一気に行くかと思われたが、準決勝では1回戦の疲れとダメージがあったのか、ミドルキックを打っても中島が前に出てくるのを止めることが出来ず、コーナーに追い込まれたところに、魔裟斗さんも絶賛する中島の右フックがテンプルにクリーンヒット! これで前のめりにダウンした日菜太がまさかのKO負け!
 世界トーナメントには佐藤嘉洋と、日本トーナメントを制した自演乙の出場げ決定したが、谷川EPは「あの2人は将来のK-1を支えてくれるような逸材じゃないかなと思う。世界にいっても通用すると思う」と絶賛した中島と日菜太の出場も検討したいとのこと。なお、今大会で組まれたライト級(63kg級)に関しては、(ミドル級の)日本トーナメントの試合を上回るようなインパクトを残せなかったが、5月2日に予定されているJCBホール大会から本格的にスタートさせると語った。


▼オープニングファイト(1) K−1ルール 3分3R
○松倉信太郎(日本/バンゲリングベイ・スピリット)
2R 1'48" KO(パンチ連打)
●YUUKI(日本/新空手・鷹虎ジム)

▼オープニングファイト(2) 大渡博之引退試合 K−1ルール 3分3R
○大渡博之(日本/正道会館)
2R 1'15" TKO(タオル投入)
●内村洋次郎(日本/パンクラス/イングラム)

▼オープニングファイト(3) 日本代表決定トーナメント・リザーブファイト K−1ルー
ル 3分3R延長1R
○小宮由紀博(日本/スクランブル渋谷)
3R 1'43" ドクターストップ
●久保園ルイス(ブラジル/チーム ルイス)

▼第1試合 日本代表決定トーナメント1回戦(1) K−1ルール 3分3R延長1R
○龍二(日本/リアルディール/第2代RISE70キロ級王者)
3R終了 判定2−1
●城戸康裕(日本/谷山ジム/K−1MAX2008日本代表決定トーナメント優勝)

▼第2試合 日本代表決定トーナメント1回戦(2)  K−1ルール 3分3R延長1R
○長島☆自演乙☆雄一郎(日本/魁塾/K−1MAX2009ベスト16)
1R 0'39" KO(左フック)
●名城裕司(日本/K NETWORK 国士会舘)

▼第3試合 日本代表決定トーナメント1回戦(3)  K−1ルール 3分3R延長1R
○中島弘貴(日本/バンゲリングベイ・スピリット/Krush70キロ級トーナメント2009
優勝)
2R 0'43" KO(パンチ連打)
●TATSUJI(日本/アイアンアックス/RISEミドル級トーナメント2005優勝)

▼第4試合 日本代表決定トーナメント1回戦(4)  K−1ルール 3分3R延長1R
○日菜太(日本/湘南格闘クラブ/初代RISE70キロ級王者)
3R終了 判定3−0
●山本優弥(日本/青春塾/K−1MAX2009世界3位)

▼第5試合 スーパーファイト K−1ルール 3分3R延長1R 63キロ契約
●渡辺一久(日本/フリー)
3R終了 判定3−0
○DJ.taiki(日本/Team Nakano)

▼第6試合 日本代表決定トーナメント準決勝(1) K−1ルール 3分3R延長1R
●龍二
1R 1'44" KO(パンチ連打)
○長島☆自演乙☆雄一郎

▼第7試合 日本代表決定トーナメント準決勝(2) K−1ルール 3分3R延長1R
○中島弘貴
1R 0'58" KO(右フック)
●日菜太

▼第8試合 スーパーファイト K−1ルール 3分3R延長1R 63キロ契約
○小宮山 工介(日本/北斗会館)
2R 1'49" TKO(右ハイキック→タオル投入)
●村浜 TAKE HERO(日本/大阪ファイティングファクトリー)

▼第9試合 スーパーファイト K−1ルール 3分3R延長1R
○佐藤嘉洋(日本/名古屋JKファクトリー)
2R 3'11" KO(右ひざ)
●ダニロ・ザノリニ(ブラジル/志村道場/ブラジリアン・タイ)

▼第10試合 日本代表決定トーナメント決勝戦 K−1ルール 3分3R延長2R
○長島☆自演乙☆雄一郎
3R 1'58" KO(右フック)
●中島弘貴

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