SMASHプロレス旗揚げ戦で盟友トミー・ドリーマーと再会したTAJIRIが号泣!メインではKUSHIDAが大原にリベンジ

100326_Smash1-1.jpgSMASH
スマッシュプロレス部門旗揚げ戦 『SMASH.1』
日時:3月26日(金) 開始:19:00
会場:新宿FACE
観衆:600人(超満員札止め)

 26日、新宿FACEで行われたSMASHプロレス部門の旗揚げ戦『SMASH.1』。『ハッスル』で活躍したTAJIRIや朱里、小路晃、大原はじめが、ハッスル最高顧問だったクォンタムジャンプジャパン株式会社の酒井正和社長と協力して新たに立ち上げた団体だが、トミー・ドリーマーの参戦もあって"日本版ECW"を期待したファンが飛び付き、チケットは即完売となった! そして超満員となった新宿FACEで、大事な旗揚げ戦のメインを務めたのは、エースのTAJIRIではなくKUSHIDAと大原はじめというこれからのプロレス界を背負って立つ若い選手だった。
 当初はタッグを組むはずだった両者だが、『ハッスル』時代の因縁がある上に「SMASHをステップにWWEを目指す」と語るKUSHIDAと、SMASHに所属して盛り上げていくつもりの大原では考え方がまるで違う。そこでSMASHサイドは両者のタッグ結成を諦め、シングルマッチを行うと発表。1年前の敗者追放マッチで敗れて以降、カナダに武者修行に出ているKUSHIDAは金髪に赤いメッシュを入れたニュースタイルで登場。身体も大きくなり、メインイベンターらしい雰囲気を醸し出す。
 大原はラフ攻撃を織り交ぜながらKUSHIDAを痛めつけていくが、KUSHIDAも身体が大きくなってもキレが増した飛び技で対抗。エプロンからコーナーを飛び越えてのトペコンや飛距離のあるクロスボディを放っていく。だが、大原はDoItNowから変形のリバースゴリーで追い込むと、必殺のムイビエンを狙う。必死で決められるのを防いだKUSHIDAは、気合いの雄叫びをあげながら殴り合うと、師匠譲りのバズソーキックからドラゴンスープレックスで投げ、最後はミッドナイトエキスプレス(スターダストプレス)を投下して3カウントを奪った。
 試合後、勝ったKUSHIDAは大原を見下ろしながら握手を求めていったが、大原の返事はエルボー。やはりこの2人に和解はない。さらに小路晃に勝利したレザーフェイスがチェーンソーを手に突如乱入し、KUSHIDAを襲撃! そこにTAJIRIとトミー・ドリーマーが駆け付け、TAJIRIのグリーンミスト→トミーのシンガポールケイン攻撃でKUSHIDAを救出! するとトミーが「日本に帰ってこられて嬉しい。ECWも、友であるTAJIRIも、マイライフだ!」と言い、これを聞いたTAJIRIは思わず号泣! だが、KUSHIDAは「帰ってきたけど、僕はすぐに世界に旅立ちますよ。いいですか?」と1人クールを決め込んだ。
 それでもトミーは「プレゼントがあるんだ」と言ってジャージの下に来ていたスマッシュTシャツをアピール。要はTAJIRIが必要とするのなら今後もSMASHに参戦するという意思表示で、TAJIRIは大会終了後に「トミーはこのリングにおいて超次元的な守護神」と表現。「ボク自身が泣けたから、よかったんじゃないかな。やっと日本で(自分の)感情をさらけ出せるリングが出来た。やっぱり自分で作らなければいけなかったんだなぁ」と語ったTAJIRIは、旗揚げ戦を終えて確かな手応えを掴んだ様子だった。

100326_Smash1-2.jpg そのTAJIRIはまずWORLD TRYOUT 2010で選出されたMentalloと対戦。身体がゴツくてパワーのあるMentalloだが、意外と飛び技も出来て早くも人気者に。しかし後頭部へのバズソーキックで危なげなく勝利したTAJIRIは、WORLD TRYOUTを受けずに勝手に押し掛けてきたというリン・バイロンという中国人女子選手を紹介。TAJIRI曰くもの凄い逸材ということで、次回大会でのデビューがその場で決定した。
 TAJIRIはさらにECW時代の盟友であるトミー・ドリーマーとダブルヘッダーで対戦。WWEを退団したトミーに「協力してほしいことがあるんだけど、立ち上げたばかりだからこれだけのギャラしかないんだ」というメールを送ったというTAJIRIだが、トミーは「友のためなら行くよ」と二つ返事したという。
 そしてトミーが登場した瞬間、超満員の観客からは「ECW」コールが起こり、新宿FACEがECWアリーナに変身! 本部席には故ビクター・キニョネスの遺影が見守る中、いざ試合開始のゴングが鳴ると早々に場外戦に。裏から大量のウェポンを入れたアルミ製ゴミ箱を持ち出したトミーは、「これぞ本場のハードコアマッチだ!」とばかりに次々とウェポンを駆使してTAJIRIを痛めつける。何とカウンター席からトミーがTAJIRIを壁に叩き付け、会場の壁がぼっこり凹んでしまう場面も!
 圧巻だったのはTAJIRIが持ち込んだテーブルをトミーが使おうとした際、すでに脚の部分が壊れていたため、テーブルの上にTAJIRIを寝かせると、いまにも倒れそうになったとき。トミーはリングサイドの観客にテーブルを抑えるように指示すると、コーナーからダイブしてテーブルクラッシュ! まさしくECWワールドが展開される。アルミ製ゴミ箱の上へのドリーマードライバーでカウント3寸前まで追い込まれたTAJIRIは、続いて割れたテーブルの上にDDTで叩き付けられて撃沈した。
 元ECWの2人による本物のハードコアマッチで観客を熱狂させたが、何と次回4・23『SMASH.2』にはユージンと元ECWヘビー級王者の田中将斗の参戦が決定! 試合後「ECWを思い出した」と語ったトミーは、TAJIRIとタッグを組んで田中との対戦を希望した。

100326_Smash1-3.jpg KG(空手ガール)として『ハッスル』で活躍した後、シュートボクシングにも出場した朱里は、センダイガールズプロレスの里村明衣子と対決。白と赤のくノ一風コスチュームで登場した朱里は、ニーリフトやカカト落とし、飛び付き腕十字など果敢に里村に向かっていったが、ほとんどの技を真正面から受け止めてみせた里村は、体重が乗ったフットスタンプで朱里を悶絶させる。
 朱里がローキックを出していっても、里村はローキックを返して相打ちにしていき、さらに「来い!」と挑発して朱里の蹴りを受け止めると、ボディへの強烈なソバットを返す。突破口が開けずガムシャラに掌底を連打していった朱里に対し、強烈な張り手を見舞った里村は鬼の形相でスリーパー。朱里は必死にロープに手を伸ばしたが、鬼のような里村は引きずってロープを遠ざけていき、ついにレフェリーが試合そストップ。ファイティングオペラではない、純粋な"女子プロレス"初戦で玉砕した朱里は「ホント、今のままじゃダメだなと実感しました。(プロレスは)すごい甘くはないというか、やっぱり女子の選手とやってみてさらにそう思いましたね」と反省の弁。


▼ワールドトライアウト・マッチ
○TAJIRI
8分42秒 バズソーキック→体固め
●Mentallo(ワールドトライアウト選出選手)

▼シングルマッチ
●朱里
11分6秒 スリーパーホールド→レフェリーストップ
○里村明衣子(センダイガールズプロレスリング)

▼シングルマッチ
●小路 晃
6分23秒 ダイビングフィストドロップ→体固め
○レザーフェイス(フリー)

▼ハードコアマッチ
●TAJIRI
14分38秒 DDT→片エビ固め
○トミー・ドリーマー(フリー)

▼メーンイベント
●大原はじめ
16分27秒 ミッドナイトエキスプレス→体固め
○KUSHIDA(フリー)

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