YAMATOが因縁のCIMAに完全勝利!次は菅原とのDG王座挑戦者決定戦へ
DRAGON GATE
2010 PRIMAL GATE
日時:1月20日(水) 開始:18:30
会場:後楽園ホール
観衆:2350人(超満員札止め)
20日、後楽園ホールで行われたDRAGON GATE『2010 PRIMAL GATE』。3月の両国大会に向けて世代闘争も激化しているドラゲーマットだが、この日のメインはこれまで長きに渡って因縁......というよりは、顔を合わせる度にお互いから「アイツのことが大嫌い」というオーラを発しながらいがみ合ってきたCIMAとYAMATOが、ついに一騎打ちでぶつかることに。CIMAと言えば闘龍門JAPAN〜ドラゲーまで絶対的なエースとして君臨してきた存在だが、YAMATOは闘龍門を知らず、総合格闘技のバックボーンを持ってドラゲーでデビューし、他団体にも積極的に参戦しながら育ってきた次世代のエース候補。
因縁を抜きにしても、ドラゲー版世代闘争の頂上対決と言ってもいい一戦だけに、ファンの期待値も高く、立ち上がりは満員の観客が静まり返るほど緊張感のある探り合いからスタート。そしてYAMATOは序盤からCIMAが痛めている左ヒザを狙っていく。YAMATOのヒザ攻めに何度も悶絶したCIMAだが、自らを鼓舞するように「もっと来いや!」「潰せ、コラー!」と叫びながら立ち上がる。
すると矢のようなトペを発射してから、そのままYAMATOを南側客席の中腹まで連れ出して、何と通路で垂直落下式ブレーンバスター! 朦朧としながらもカウント19でリングに戻ったYAMATOに対し、背中のテーピングを引き剥がしたCIMAはその痛めている背中にエルボーを連打。攻めていても左ヒザが痛むCIMAに対し、YAMATOも当たりの強い攻撃で反撃。だが、CIMAは倒れても倒れても「負けるかー!」と叫びながら拳を握り、気合いの入った表情で立ち上がる。
YAMATOの必殺技であるギャラリア2連発を食らってもカウント2で返す意地を見せたCIMAだが、YAMATOは執拗なるスリーパー。しかも胴絞め式に移行すると、ついにCIMAは身動きが取れなくなり無念のタップアウト! いつもの目まぐるしくスピーディー、かつ立体的な技が目立つドラゲーの試合とは違い、お互いフラフラになるまで「アイツだけには負けたくない!」という気持ちをぶつけ合った"ドラゲーらしからぬ"試合だったが、早くも2010年のベストバウト候補に入るような名勝負だった。
試合後、いつものように「間違いなくお前はギブアップした。ザマアミロだ」と言い放ったYAMATOに対し、CIMAはムキになって言い返すことなく「お前の目を見て、お前の名前を呼ぶのはリング上では初めてかも分からんな。今日は俺の負けや。確かにお前の言う通り、俺は最後このリングを叩いてギブアップした。お前の完勝や! 思い起こせばよ、お前のこと何で嫌いになったかも忘れたわ」と潔く完敗を認めた。
だが、負けを認めた上でCIMAは「でも俺は......俺たちはお前のこと、認めるわけにはいかんのや。お前はこの1年、2年でこのリング上をもの凄い勢いで駆け抜けてきたな。だからって、俺たちがすぐに認めるわけにはいかんのや! ナンボお前らが勢いがあるからって、お前らを認めたらこのドラゴンゲートに未来はないやないか!」と主張した。しかし"CIMAに勝った男"YAMATOは、次なるステージに向かうため、現在のドラゲーのトップであるドリームゲート王者である土井成樹を呼び込む。
そこにYAMATOよりも先にCIMAに勝ってドラゲーのトップに立った土井が登場。当然YAMATOは「名乗り上げた奴を何人倒そうが、俺を倒さなければ最強王者なんてチャンチャラおかしんだよ!」とドリームゲート王座への挑戦を表明したが、そこに割って入ってきたのがリアル・ハザードの菅原拓也。
この日、セミで鷹木信悟を含めた3人で3WAYマッチで土井と対戦した菅原は、セコンドの介入、ボックス攻撃、パウダー攻撃とやりたい放題の上、十三不塔で土井に勝利。これで土井に2連勝となった菅原はその場で土井のドリームゲート王座に挑戦させろと要求。土井も2連敗しているだけにその場で菅原の挑戦を受諾していた。
そこで土井は「YAMATO、あんまり調子に乗るなよ。CIMAに勝ったくらいで挑戦出来ると思うなよ。丁度いいやないか、YAMATOと菅原で挑戦者決定戦やったらいいじゃないですか!」と王者権限で挑戦者決定戦を要求。納得いかない菅原だったが、八木本部長がその場でYAMATOvs.菅原の挑戦者決定戦決定を発表し、「これがドラゴンゲートのやり方なんだよ」と言われたことで渋々承諾。しかし菅原は「普通にシングルやったんじゃ面白くなぇよな。俺にはこんなに仲間がいるんだよ。反則裁定なしのノーDQだよ!」とYAMATOに対してノーDQマッチを要求。
するとYAMATOは「ノーDQマッチ? なに甘いこと言ってんだよ。どうせ乱入、反則繰り返すんだろ? だったらこんなロープいらねぇんじゃないか。ノーロープマッチでやろうじゃねぇか!」と逆要求! その結果、2・10後楽園ホール大会でYAMATOvs.菅原のノーDQ&ノーロープマッチによるドリームゲート王座次期挑戦者決定戦を行い、勝者が3・22両国国技館大会で土井の持つドリームゲート王座に挑戦することを正式決定した。
インタビュースペースでYAMATOは改めて「俺は彼(=CIMA)に今日、完全勝利を収めました。ただ自分でも分かっているし、認める・認めないは別として、俺らこれからドラゴンゲートでレスラーを続けていく以上、CIMAっていう存在はとてつもなく高い壁で、とてつもなく厚い壁だから。CIMAに勝ったことで、これから茨の道じゃないけど、いま以上の結果と内容を求められると思います。ただ、さっきも言った通り、認める・認めないは別の話だから。俺はアイツのすべてが気にくわないし、それはよくプロレス界にあるけど、肌を合わせてみたら心が通じ合ったとかね、そんなことはないから! これからも気にくわねぇんだったら、いつでも俺の前に立ちはだかってみろよ。俺はその代わり、その高い壁、厚い壁を越えてみせる」とCIMAという存在について語った。
確かにドラゴンゲートという団体にとってCIMAは象徴的存在。知名度や実績なども考えると、YAMATOが完全にCIMAを超えたというのはまだちょっと早いかもしれない。だが、そのCIMAに勝った、さらにジュニア界のレジェンドであるライガーや金本にも勝っているYAMATOへの期待感は当然ハネ上がる。すると、そんなYAMATOが気にくわないもう1人の人物、CIMAの盟友ドン・フジイが乱入! 「CIMAが負けたかもしらねぇけどな、お前のことは絶対に認めない!」と言いながらゴザやバケツなどを投げつけて、インタビュースペースで大乱闘を展開した両者。YAMATOは「ノーピープルマッチでやってやるよ!」と言い放つ。
何とか収まりがついてフジイが引き揚げていくと、YAMATOは改めて「数えれば鷹木信悟、CIMA、金本浩二、土井成樹、獣神サンダー・ライガー、望月成晃、ドン・フジイ......シングル、タッグで俺はこれだけの歴代チャンピオンや挑戦者を倒してんだよ! 誰しも思っていたよ、何でYAMATOは挑戦しないのって。俺は名乗り上げたからには、もう一歩も引かないから」と実績でも土井に引けを取らないことをアピールし、菅原に対しても「ノーロープ、向こうは反則やるかもしれないよ。でもそれは俺だって一緒なんだからな! 俺の引き出しいくらでもあるから」と元リアル・ハザードのリーダーだっただけに、決してベビーフェイスではなくヒールの一面もあることを示唆。
すると、そこにまたしてもフジイが乱入し大乱闘に! 乱闘が収まったあと、気を取り直してコメントしようとしたYAMATOだったが、「なんだっけ? そう、反則! 反則! もう何言おうとしたか忘れちまったよ! クッソー! 反則だろうが何だろうが、俺はいつでも受けて立つぞ! 何人でも、いつでもかかってこんかい、オラー!」と散々フジイに邪魔され、半ばヤケクソ気味に吐き捨てて控室へと入っていった。
▼6人タッグマッチ20分1本勝負
アンソニー・W・森/谷嵜なおき/●シーサーBOY
12分20秒 韻波句徒→片エビ固め
神田裕之/新井健一郎/○Kzy
▼タッグマッチ20分1本勝負
戸澤陽/●超神龍
8分45秒 龍☆星→片エビ固め
KAGETORA/○忍(666)
▼タッグマッチ30分1本勝負
○吉野正人/B×Bハルク
15分44秒 ソル・ナシエンテ
ドラゴン・キッド/●Gamma
▼ベテラン軍 VS 第2世代軍対抗戦30分1本勝負
望月成晃/ドン・フジイ/○スペル・シーサー
14分11秒 ヨシタニック
堀口元気/横須賀享/●K-ness.
▼3WAYマッチ60分勝ち残り戦
<1人目>
○土井成樹
9分12秒 横十字固め
●鷹木信悟
<2人目>
○菅原拓也
13分28秒 十三不塔→エビ固め
●土井成樹
▼特別試合 60分1本勝負
○YAMATO
26分30秒 胴絞めスリーパー
●CIMA
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