新日本×ノアの対抗戦は2勝2敗!中邑はこだわりのヒザでこだわりの相手を沈める!
新日本プロレス
レッスルキングダムIV in 東京ドーム
日時:1月4月(月) 開始:17:00
会場:東京ドーム
観衆:41500人
4日、東京ドームで行われた新日本プロレス『レッスルキングダムIV in 東京ドーム』。毎年恒例、新日本の大一番新春の東京ドーム大会だが、今年はノアとの対抗戦を中心に、TNAやCMLLの選手やリビング・レジェンドのレスラーも出場。その中でメインを務めたのが、フリーの大物・高山善廣が中邑真輔の持つIWGPヘビー級王座に挑戦した一戦。6年前のドーム大会で激突した際、中邑は高山にボコボコにされながらも最後の最後に関節技で勝利。その後はお互いに交わることがなかったが、中邑は昨年「過去と闘ってなにが悪い! 昔を越えようとして何が悪い! 未来は俺が創る!」と発言。すると高山が「強くなったチャンピオンの中邑真輔と闘いたい」と反応し、両者の対決が実現することになった。
久しぶりに新日本のリングに立った高山だが、相変わらずニーリフトを中心としてエグい攻撃を繰り出していく。さらにエプロンにいた中邑をドラゴンスープレックスでリング内にぶっこ抜いていったあとに、必殺のエベレストジャーマン! だが、投げられながらも中邑は腕を取って再び腕十字へ。これを顔面踏みつけで逃れた高山は、チャンスと見てタックルに来た中邑に対し、アレクセイ・イグナショフばりにカウンターのヒザ蹴りで迎撃!
それでも起き上がった中邑は後頭部へのボマイェを返してからダウン。そして最後の力を振り絞ってスリーパーに捕らえるが、高山は背後のコーナーに叩き付けて脱出。すると中邑は最近"奥の手"にしているナックルパンチ! これに対し高山は「お前がそう来るなら」とばかりに、かつて藤田和之やドン・フライとド突き合ったときのようなパンチの嵐。だが、ハイキックからの逆回し蹴りで高山にヒザをつかせた中邑は必殺のボマイェを連打。
だが、高山は腕でブロック。すると中邑は間髪入れず左のボマイェを発射! そしてダメ押しに渾身のボマイェを叩き込み、高山から完璧な3カウントを奪ってみせた。試合後、すぐに中西学がリングに上がって、中邑に詰め寄って王座挑戦を表明するが、中邑は無愛想に手で払いのける。そこに高山から歩み寄っていき、握手をして中邑の健闘を称えると両者は抱き合った。マイクを向けられた中邑は「自分が少しでも成長した、強くなったと思いたいですね」と言うと、最後に「過去はいまに、いまは未来に続く! いまを生きるしか未来は作れない! 俺は今日を生きている!」と新しいメッセージをファンに向けて送った。
試合後、インタビュースペースに晴れやかな表情で現れた高山は、6年前の中邑と比べて「力強かったね。闘う前にも言ったけど、前は何かクルクルってやるのが得意なボクちゃんだったけど、身体ごとぶつかってきて、最後はもうヒザ食らってね。ハイキックもすごいのもらったし、素直に強くなった。強くなったって言ったら失礼だね。俺が負けたんだし、チャンピオンだし、つえーよ中邑」と素直に中邑の強さを認めた。
さらに中邑にとって高山との対戦が大事な一戦だと言うことを公言していたが、高山の口から「戦前から彼はリスペクトしてくれてたからね。その気持ちはすごくありがたかったしね。今だから言うけど、俺が倒れてから結構、要所要所で彼が近くにいるわけよ。それで復活して初めて当たって、俺が言うのもあれだけど、ここまできたかと。スゲーチャンピオンになったなって、素直にね(思う)。今日は叩きのめしてくれてありがとう、と。また俺がカムバックすればいいや。またやるよって。ここに侵略しに来るから。また呼んでくれるかな、新日本」と、高山にとっても中邑は"思い入れのある選手"であることが明かされた。
一方の中邑はいつも以上に気迫がこもったボマイェを放っていたことについて、「ヒザ、単純な技ですよ。単純な技ですけど、それでいつも単純な技で死にそうな目に遭ってきましたからね。一発一発、容赦なく入れさせてもらいました。自分の声に呼応してくれた高山選手に礼を尽くすのには、唯一それしか方法がなかったんでね」と熱い思いを語ったのだが、高山戦後に対戦要求してきた中西が「レスラーは40代が一番脂がのっている、だから挑戦する」と言っていたことを伝え聞くと、「知らないですね、自分は。40までに11年ある! 俺には今しかないです! 明日生きることなんか出来ないでしょう。いま、この瞬間生きなきゃ明日なんてやって来ない。知らないね、40がどうとか。それだけあの人、生きてきたの? 俺はそうは見えないですね。たまたま今日でしょ。おせーよ!」と冷たく言い捨てた。
新日本×ノアの対抗戦はまず09年G1クライマックス覇者の真壁刀義が、再三乱入して真壁を襲撃してきたモハメド・ヨネをまったく寄せ付けず、トップコーナーからのキングコング・ニードロップで勝利。
昨年末の第5回『SUPER J-CUP』で優勝した丸藤正道が、タイガーマスクの持つIWGPジュニア王座に挑戦した一戦は、両者の持ち味が出たジュニアらしい好勝負となったが、タイガーがミレニアム・スープレックスからデストロイ・スープレックスを狙ったところで、辛くも脱出した丸藤が不知火・改! さらに奥の手であるタイガー・フロウジョンでタイガーを叩き付けて勝利。IWGPジュニア王座を奪取した丸藤は、タイガー戦は対抗戦という意識がなかったが、これを機に変わってくるだろうと言うと、防衛戦をノアマットではやるつもりはなく、新日本サイドが新日本のリングに呼ばなければ防衛戦をやらないと注文をつけた。
棚橋弘至vs.潮崎豪の一戦は一番新日本×ノアの色合いが濃く出た一戦となった。潮崎は師匠・小橋建太譲りのチョップと、故三沢光晴を意識したと思われるエルボーを武器にガンガン攻めていくが、棚橋は潮崎の左ヒザ攻撃を軸にして、三沢さんのような左右のエルボーからタイガードライバーの体勢(結局ダブルアーム・スープレックスだったが)を見せるなど、潮崎だけでなく観客をも驚かせながらうまく試合を組み立てていく。最後まで相手に必殺技を出させないまま、棚橋はドラゴンスープレックス→スリングブレイド→抱え込み式ファルコンアロー→旋回式ハイフライフロー→ハイフライフローと必殺フルコースで潮崎を仕留め、一枚上手なところを見せた。
大将戦となった杉浦貴の持つGHCヘビー級王座に後藤洋央紀が挑戦した一戦は、過去2度敗れている後藤が奈落式ネックブリーカーや完璧な形で昇天・改まで決めたものの、昨年の新日本参戦を機に力強さがグッと増した杉浦は沈まない。ターンバックル・ジャーマン、ジャーマン、ドラゴンと次々に後藤をブン投げていき、最後はオリンピック予選スラムで投げていった杉浦がアンクルホールドでギブアップを奪い、GHC王座防衛に成功すると共に対抗戦は2勝2敗に終わった。
▼New Japan Pro-Wrestring 2010 Beginning 6人タッグマッチ 30分1本勝負
S・S・マシン/○井上亘/平澤光秀
4分59秒 トライアングルランサー
獣神サンダー・ライガー/金本浩二/●岡田かずちか
▼IWGP Jr.タッグ選手権 〜Amistad combativa〜 60分1本勝負
[王 者]○田口隆祐/プリンス・デビィット
9分07秒 ブラックホールバケーション→片エビ固め
[挑戦者]ウルティモ・ゲレーロ(CMLL)/●アベルノ(CMLL)
※第24代王者組が4度目の防衛に成功
▼IWGPタッグ選手権試合 3WAYハードコアマッチルール 〜Victim and Greed!!!〜 60分1本勝負
○裕次郎/内藤哲也
13分28秒 リミット・レス・エクスプロージョン→片エビ固め
ジャイアント・バーナード/●カール・アンダーソン
※もう1組はブラザー・レイ(TNA)/ブラザー・ディーボン(TNA)
▼レッスルキングダムIV スペシャルタッグマッチ Blood Stream Blue 30分1本勝負
●永田裕志/曙(フリー)
9分37秒 バズソー・キック→片エビ固め
田中将斗(ZERO1)/○TAJIRI(SMASH)
▼レッスルキングダムIV スペシャル8人タッグマッチ The legend never rots 30分1本勝負
テリー・ファンク(フリー)/長州力(リキプロ)/蝶野正洋/○中西学
8分52秒 アルゼンチンバックブリーカー
アブドーラ・ザ・ブッチャー(フリー)/矢野通/●飯塚高史/石井智宏(リキプロ)
▼レッスルキングダムIV スペシャルシングルマッチ NJPW vs NOAH Battle Effusions -Wilderness- 60分1本勝負
○真壁刀義
5分39秒 トップロープからのキングコングニードロップ→体固め
●モハメド ヨネ(NOAH)
▼IWGPジュニアヘビー級選手権試合 〜Highest sky〜 60分1本勝負
[王 者]●タイガーマスク
14分14秒 タイガーフロウジョン→エビ固め
[挑戦者]○丸藤正道(NOAH)
※第58代王者が初防衛に失敗。丸藤が第59代王者へ
▼レッスルキングダムIV スペシャルシングルマッチ NJPW vs NOAH Battle Effusions -Radiance- 60分1本勝負
○棚橋弘至
19分04秒 ハイフライフロー→片エビ固め
●潮崎豪(NOAH)
▼GHCヘビー級選手権試合 NJPW vs NOAH Battle Effusions -Blast- 60分1本勝負
[王 者]○杉浦貴(NOAH)
20分54秒 足首固め
[挑戦者]●後藤洋央紀
※王者が初防衛に成功
▼IWGPヘビー級選手権試合 The newest , The strongest 60分1本勝負
[王 者]○中邑真輔
15分51秒 ボマイェ→片エビ固め
[挑戦者]●高山善廣(高山堂)
※第53代王者が4度目の防衛に成功
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