「プロレスラーを30年以上やってきてよかった」小島聡が宮原健斗との新旧全日本エース対決を制してチャンピオン・カーニバル優勝の可能性を残す

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 25日、東京都・後楽園ホールにて、全日本プロレス『#ajpwチャンピオンカーニバル2023』が開催され、小島聡が宮原健斗との全日本プロレス新旧エース対決を制した。

 チャンピオン・カーニバル(以下:CC)は、全日本プロレスで春の風物詩として行われるシングル最強の選手を決めるリーグ戦。

 新日本では“第三世代”と呼ばれ戦いの最前線からは遠ざかっていた小島であったが、昨年に“史上最大のX”としてNOAHに参戦し、GHCヘビー級王座およびGHCタッグ王座を戴冠したことで史上3人目のシングル&タッグ双方でのメジャー完全制覇を達成する偉業を成した。
 他団体で結果を出した小島は、今年3月の全日本大田区大会にも“CC出場選手X”として参戦。「全日本プロレスファンの皆様、お久しぶりです。私が巷で“史上最大のX”と呼ばれていた小島聡です。全日本プロレスにとっては史上最大かはわかりませんが、とりあえずX繋がりということでやってきました」と自虐気味に挨拶し、「2010年以来13年ぶり、そして2003年に優勝して以来、20年ぶりの優勝をこの手にしたいと思います」と宣言。

 優勝すれば天龍源一郎が持つ史上最年長優勝記録更新を果たすこととなり、現三冠ヘビー級王者の永田裕志とのグランドスラム達成者同士での王座戦が行われることになるだけに期待がかかっていたが、小島は開幕2連敗。その後も思うように勝ち星を重ねることが出来ずに2勝3敗と負け越しており、この日負ければ最終戦を待たずに脱落が決まる崖っぷちに立たされていた。

 そして、現在の全日本プロレスのアイコン的存在である宮原健斗は、全日本を捨てて去っていった小島に対して思うところがあるようで、小島のCC参戦が発表された段階から突っかかり、事前の記者会見では「新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリングNOAHで思い出作りをしている最中だと思うので、いい思い出を作って帰ってくれたら」などと挑発。ついにキレた小島とあわや乱闘となる一触即発の空気を帯びていた。

 この日は、CC公式戦で全日本新旧エースの初対決が実現。
 歓声は宮原コールと小島コールの真っ二つに分かれる中でゴングが鳴ると、互いの技術の源流をたどるかのようなじっくりとしたレスリングが展開されていき、小島がマシンガンチョップから「いっちゃうぞバカヤロー!」と叫ぼうとしたところで宮原がビッグブートで黙らせたため場内からはブーイング。
 宮原は小島の右腕への攻撃を集中させてラリアット封じの布石を打つが、小島は敢えて痛む右腕での攻撃にこだわる意地を見せ、マシンガンチョップから「いっちゃうぞバカヤロー!」とダイビング・エルボードロップ。
 小島がラリアットを狙うと宮原がブラックアウトで的確に迎撃していき、小島にラリアットを見舞うがこれは悪手。対抗意識を燃やした小島のラリアット連打を受けることとなる。宮原は雪崩式コジコジカッターをパワーボムで切り返す機転を見せつつシャットダウン・スープレックスを狙うが、これを振り払った小島が咄嗟の左腕ラリアットでなぎ倒し、最後は右の豪腕でラリアットを叩き込んで試合を決めた。

 マイクを取った小島は、「私がこの大会の最後に何かを言っていいのかわかりませんが、一言だけ言わせてください。健斗、本当にどうもありがとう。俺はお前みたいなプロレスラーと出会うことが出来て、本当にプロレスラーを30年以上やってきてよかったよ。足元の悪い中、こんなに沢山の方々に起こしいただいて本当にありがとうございました。最後は元気よく……せーのっ!いっちゃうぞバカヤロー!」と堂々の締め。

 バックステージでは、「青柳優馬、宮原健斗との2連戦で思った通りのダメージを受けて、本当に今立っているのがやっとです。でも、この充実感はプロレスをやっている人間にしか分からないし、やっている人間ならきっと分かってくれると思う。ファンの人もそう、プロレスラーもそう。色んな人に色んな元気を勝手に俺は与えていきたいと思ってる。年齢だったり、病気だったり、故障だったり、たくさんの葛藤との闘いがある中で、今こうやって元気よく生きて闘っている姿を見てもらうことで、俺はプロレスラーでいる意味を持たせてもらってると思ってるから」と語り、最後まで優勝を目指すべく闘志を燃やした。

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