3年に及ぶ怨みつらみの大騒動に終止符!不透明決着だからこそ生まれたジュリアと雪妃真矢の未来

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4日、代々木第二体育館にてスターダム『TRIANGLE DERBY I~優勝決定戦~』が開催。セミファイナルではジュリアの持つワールド・オブ・スターダム王座(赤いベルト)に雪妃真矢が挑戦した。

 2017年にアイスリボンでデビューしたジュリアは、テキーラ沙弥とのタッグチーム“バーニングロウ”で雪妃真矢&世羅りさの“アジュール・レボリューション”を倒しタッグ王座を戴冠すると団体の中心人物に。紫雷美央から技の伝授もされアイスリボンの次期エースとして活躍していたが、当時団体の中心人物であり先輩だった雪妃真矢とは険悪な関係だったという。
 そんな中でテキーラ沙弥が2019年10月の後楽園ホールで引退することになり、『テキーラ沙弥&ジュリアvs松屋うの&トトロさつき』のカードが組まれていたが同大会は台風の影響で中止に。すると突然翌日にジュリアがアイスリボン退団をSNSで発表し、翌々日のスターダム後楽園ホール大会に現れるとアイスリボン側は「契約が残っている」と反発し女子プロレス界全体を巻き込む大騒動へと発展する。
 ジュリアが参戦するはずだった他団体を含む対戦カードは沙弥が引退を延期し穴埋めをする事が発表され、ジュリアを姉のように慕っていた鈴季すずは沙弥の技であるテキーラショットとグラン・マエストロ・デ・テキーラを受け継ぎ憎しみが連鎖。雪妃がアイスリボンを守る立場となったが歯車が狂い始め、2021年末に現プロミネンスの5人(世羅りさ、柊くるみ、宮城もち、藤田あかね、鈴季すず)とテクラ、雪妃真矢の7名がアイスリボンから大量離脱する事態となった。

スターダム側も反発した葉月の離脱などがあったが、ジュリアは中野たむや木村花との抗争でスターダムの中心人物から女子プロレス界のエースとして成長すると『女子プロレス大賞』を受賞。アイスリボン時代から縁がある朱里・テクラとも共に戦い、プロミネンスがスターダムに侵攻してくると鈴季すずと因縁の対決を続け、今年2月4日についに赤いベルトを賭けて戦うことに。この試合をテキーラ沙弥が観戦に訪れ、3年続いた因縁は涙の和解を告げた。

 するとジュリアは次期赤いベルトの挑戦者として雪妃を指名し「私は一つ一つの過去とこれまで向き合ってきて、しっかり前を見なきゃと思って、それでもあんたの顔は一番見たくなかった。なんでかって?思い出したくもない過去がたくさんある。でもこうやって目の前に現れたって事は、あなたから逃げる気も一ミリもないし、過去と向き合う私はこれがその最後。大っ嫌いだったよ最初から。スターダムから出ていってもらいます」と宣言。
 沙弥を側で支え、団体を守ってきた雪妃は「あたしは過去がどうのこうのとか、このスターダムのリングで言うつもりはないんすよ」とはじめは突っぱねたが、「人を傷つけて、悲しませて、そこに重ねたキャリアと栄光?それで掴んだ成功?ベルト?それを引っ提げて来られたら、見下されたら、たまったもんじゃないんですよ」と対戦を受け入れて遺恨清算に臨んだ。

 試合前の記念撮影でジュリアが雪妃に殴りかかり、場外で乱闘を繰り広げる荒れた状況で試合が開始。お互い髪を掴んで殴り合い、マウントでエルボーを打ち込み感情を打撃でぶつけ合う。ジュリアが持ち込んだ机に机上パイルドライバーで突き刺せば、雪妃も机の上にジュリアを乗せると中心ではなく足の上部部分への机上タイガードライバーで叩きつけ会場から悲鳴があがる。
場外で走り込んできた雪妃をジュリアがカウンターのノーザンライトボムで叩きつけリングに戻ろうとするが、これを雪妃が阻止して両者リングアウトとなった。


 この結果に雪妃は「すみません。熱くなりすぎて不透明な終わりになってしまって。本当に、悔しい思いを外に出せずに何年も経った人がたくさんいて、今回こういう試合をすることになって、そういう人たちの気持ちを背負って勝ちたいと思っていたんですけど、勝てなかったことが本当に申し訳ないです。ジュリア選手に関しては、過去にもちろん色々あって恨んでたというか本当に憎かった時期があったけど、彼女が今の地位を築くまでに並ならぬ努力があって今の彼女があるなんていうことはそんなのは闘う前から当然わかっていて、『これからも嫌い同士の両想いでいようよ』という感じですかね私としては。私のキャッチコピーは“クリスタルスノー”から“スターダムを追放された女”とキャッチコピーを変えさせていただいて、結局日本の女子プロレスを盛り上げたいと思っている志はきっと同じなんでしょうから、同じ業界で続けていたら、きっとまた会ってしまうでしょう。アリベデルチ、その日まで!またな!」と感極まりながらコメント。
 ジュリアは「悔しいよ?雪妃真矢はやっぱり強かったよ。これもなんかの縁というか運命なのか分からないけど、もういっちょやってやるよ」と宣言した。
 
 試合の結果だけ見れば不透明決着だが、未来に続く形で過去を清算した2人。ジュリアを中心とした“かつてアイスリボンで因縁がある選手”は終わりを告げ、いち女子レスラーとして活躍する2人の試合を応援できる日を期待したい。

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