【試合詳細】12・25 DEEP☆KICKテクスピア大阪大会 【65kg王座】木村ケルベロス颯太vs竹内皇貴 【63kg王座】KENTAvs足利也真登 【57.5kg王座】宮崎就斗vsKING龍蔵

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『DEEP☆KICK 64』
日程:2022年12月25日(日)
開始:12:00
会場:泉大津・テクスピア大阪

▼NEXT☆LEVEL提供試合 OP第1試合 -50kg契約/1分2R
△下川敦士(02GYM)
判定1-1
△森井心和(more kickboxing studio)

▼NEXT☆LEVEL提供試合 OP第2試合 -40kg契約/1分30秒2R
○伊藤乃衣(真門伊藤道場)
判定3-0
●中當湖雛(楠誠会館)

▼NEXT☆LEVEL提供試合 OP第3試合 -65kg契約/1分2R
●久保倖人(NJKF健心塾)
判定0-3
○仲村詠太(Reversal gym osaka)

▼NEXT☆LEVEL提供試合 OP第4試合 -66kg契約/1分30秒2R
●伊藤陽二(真門伊藤道場)
判定0-3
○田原繁(02GYM)

▼第1試合 DEEP☆KICK-53kg契約/3分3R
○駿希(BKジム)
2R 36秒 TKO(レフェリーストップ)
●虎太朗(キックボクシングジム3K)

▼第2試合 DEEP☆KICK-65kg契約/3分3R
●竹市一樹(MA二刃会)
1R 1分46秒 TKO(レフェリーストップ)
○石田迅(LEGENDGYM)

▼第3試合 DEEP☆KICK-63kg契約/3分3R
○大石健作(TEPPEN GYM)
判定3-0
●奥山雅仁(OISHI GYM)

▼第4試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約/3分3R
●麻太郎(NJKF健心塾)
判定0-3
○濱田祐生(山口道場)

▼第5試合 DEEP☆KICK-53kg挑戦者決定トーナメント準決勝/3分3R 延長1R
○上村雄音(BKジム)
判定3-0
●山川敏弘(Maynish KICKBOXING)
※上村雄音が-53kg挑戦者決定トーナメント決勝に進出

▼第6試合 DEEP☆KICK-53kg挑戦者決定トーナメント準決勝/3分3R 延長1R
●KAZUNORI(T-KIX GYM)
2R 52秒 TKO(レフェリーストップ)
○KING剛(ROYAL KINGS)
※KING剛が-53kg挑戦者決定トーナメント決勝に進出

▼第7試合 DEEP☆KICK-51kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R
○KING TSUBASA(ROYAL KINGS)
1R 2分20秒 TKO(レフェリーストップ)
●JIN CHOKE-DEE(楠誠会館)
※KING TSUBASAが-51kg王座決定トーナメント決勝に進出

▼第8試合 DEEP☆KICK-51kg王座決定トーナメント準決勝/3分3R 延長1R
●タネ♡ヨシキ(直心会)
2R 58秒 TKO(レフェリーストップ)
○一樹(Reborn kickboxing gym)
※一樹が-51kg王座決定トーナメント決勝に進出

▼第9試合 スペシャルエキシビジョン -LEGEND MATCH-/2分2R
-階勇弥(Determination)
エキシビジョンのため判定は無し
-fire仭士(more kickboxing studio)

▼セミファイナル DEEP☆KICK-55kg挑戦者決定トーナメント決勝/3分3R 延長1R
○鷹介(魁塾)
判定3-0
●力哉(BKジム)
※鷹介が-55kg次期挑戦者に決定

▼トリプルメインイベント1 DEEP☆KICK-57.5kgタイトルマッチ/3分3R
【王者】○宮崎就斗(TARGET)
1R 2分53秒 TKO(レフェリーストップ)
【挑戦者】●KING龍蔵(ROYAL KINGS)
※第2代王者が2度目の防衛に成功

▼トリプルメインイベント2 DEEP☆KICK-63kgタイトルマッチ/3分3R
【王者】○KENTA (HAYATO GYM)
判定3-0
【挑戦者】●足利也真登(FightClubRush)
※第4代王者が初防衛に成功

▼トリプルメインイベント3 DEEP☆KICK-65kgタイトルマッチ/3分3R
【王者】○木村ケルベロス颯太(NJKF心将塾)
2R 1分40秒 TKO(レフェリーストップ)
【挑戦者】●竹内皇貴(チームドラゴン)
※第3代王者が初防衛に成功

65kg王者・木村ケルベロス颯太が勝利しRISEに宣戦布告!63kg王者・KENTAは判定勝利で防衛!57.5kg王者・宮崎就斗は1RKO勝利で防衛!

OP第1試合


ゴングと同時に飛び出し賑々しく殴り合う。両雄譲らず退かず時間いっぱいぶつかり合い判定互角のドロー。

OP第2試合


至近距離の攻防で互いに熱くなるあまり組んではレフリーが割って入ってブレイクするシーンが目出つ。
終始攻めの姿勢崩さず前に出続けた伊藤が判定を握った。

OP第3試合


手数でも一撃の威力でも久保に勝って仲村が文句なしの判定勝ちを収めた。久保はなんとか持ちこたえたが2R終了後「しんどい!」と自虐的に叫んで苦笑い。

OP第4試合


兵庫県伊丹市の真門伊藤道場主宰御年45歳の伊藤陽二が、オープニングファイトのトリを務めた。序盤田原に圧され続けた伊藤が1Rなんとか持ちこたえゴングに救われる。2Rでコーナーに追い込まれロープを背にしながら奮起、反撃にでるが田原振り切って判定勝ち。スタミナ限界までパンチを繰り出し続け、田原の勝利を直立不動で聞き届けた伊藤は崩れ落ちるように田原に抱きついて勝利を讃え、田原もまた伊藤と抱き合い健闘を労った。

オープニング

本戦開始前に、レフリー陣と、リングドクター及びリングガールの紹介が行われた。

第1試合


虎太郎は岡山県出身、DEEP☆KICK初参戦。リングインの表情に緊張の色はなく1R早々果敢に前に出て左ストレートで駿希を打ち抜くが駿希も右フック、更に飛び膝を虎太郎のレバーめがけて放ち倍返し。ひるまず虎太郎前に出続けるがパンチを貰った顔面が赤く腫れてくる。
2Rも虎太郎は恐れず前蹴りから距離を詰めようとするが駿希がボディに一撃、態勢を崩した虎太郎に左ストレートで虎太郎が尻もち、立ち上がれずレフリーストップ。駿希のTKO勝利。
打たれても退かず前に出続けた虎太郎はアイアンハートな選手という印象。

第2試合


セコンドと円陣を組んでやる気満々入場してきたのは竹市だったが、石田は呑まれず前に出て圧をかけながらコーナーへ追い込んでダウンを獲り、立ち上がった石田にロープ背負わせ再度青コーナーへ押し込んで右ストレートでKO勝ちを飾った。

第3試合


ランカー同士の闘い。「大石先生頑張れ!」ジムの生徒さんとおぼしき子どもたちの大声援を背に受ける大石は気持ちで前に出て奥山のパンチをよく見てかわしながら左ボディ、右ストレート、ハイキックと的確にヒット。奥山も前蹴りからハイを狙うが大石が距離をコントロール、連続技に繋ぐことが出来ない。奥山も攻勢に。大石が奥山の懐に飛び込んで左腹に一撃を許しながらも大石のレバーを膝でえぐる。さらにフックからのストレートを狙うが距離を詰め切れず不発。ボディにパンチをもらいながら奥山も大石に膝を打ち込む攻防。
判定3-0打ち勝って大石の判定勝ち。

第4試合


麻太郎がリーチを活かして前蹴り、ハイキックを濱田に畳みかける。濱田もカーフで応戦。肘でミドルを切って右ストレート。
跳んできた麻太郎を左ストレートでガード。2R打ちあうがパンチは濱田が的確に当てる。麻太郎ひるまず右ハイ。互いに距離を詰め切れずじりじりとした攻防が続く。3R濱田が麻太郎のガードを無理やり破る右ストレート。麻太郎の右ハイは肘でガード。打ち合いになりロープを背負わされた麻太郎に濱田の左フック、右ストレートが炸裂。ぐらつきながら倒れずリング中央に戻って今度は麻太郎が濱田の腹に膝。そこから時間いっぱい打ち合い。
パンチの手数が勝り的確に当てていた濱田が判定を握った。

第5試合


DEEP☆KICK-53kg挑戦権を懸けたトーナメント準決勝。
上村はバックボーン空手、プロ3戦3勝負け知らずの23歳怖いもの知らず。
対する山川は関西を中心としたさまざまな団体で武者修行を重ねてきた。
両雄ともにDEEP☆KICKトーナメント初エントリーということで注目の一戦は、上村が序盤から試合のペースを握る巧妙なボクシングで前に出続け1R から山川をコーナーに追い込む。2Rも山川がロープを背にするシーンが目立つ。手数も勝っていた上村が3R山川の反撃を振り切って判定勝ちを収め、トーナメント決勝に駒を進めた。

第6試合


KING剛が凄まじい圧でKAZUNORIを追い込む。1R左ボディフック、コーナーへ押し込んで三日月蹴りからパンチラッシュ、すんでのところをゴングに救われたKAZUNOりだったが2RKING剛の火を吹くパンチ連打から重い左ストレートに沈む。
DEEP☆KICKトップランカー同士の対決、-53kg挑戦者決定トーナメント準決勝はKING剛がKAZUNORIに圧勝、決勝に進出した。

第7試合


DEEP☆KICKトップランカーで2児の父であるKING TSUBASAと昨年10月プロデビューしたばかりの現役高校生JINの闘いはKING TSUBASAが背負っているものの重みが込められたかの鉄壁のガードと拳で若造を寄せつけず、8月の塚本望夢戦で判定負けを喫して以来の復帰戦をTKO勝ちで飾り、-51kg王座決定トーナメント決勝進出を決めた。

第8試合


ちょっとした大番狂わせが起こった。過去にタネと2度闘って勝ち星のなかった一樹がタネを2RTKOで仕留めリベンジと同時に-51kg王座決定トーナメント決勝進出を果たした。
1Rはいつも通り変幻自在なタネのペースに翻弄されペースを掴みきれないかの一樹だったが、2Rで奮起の猛攻、パンチの打ち合いも上等と調子づくがじりじりニアロープ、タネが右ストレート、左フック、肘と叩きこんでいきダメ押しの右をテンプルに突き刺すと、一樹の体が一瞬ぐらりとするが、堪えて倒れない。組んでもつれあうのをレフリーがブレイク。リング中央で両者退かずに打ち合い。タネが飛び膝2発。受け切って沈まず応戦の一樹。気が急いたか距離を詰め一樹をニアロープに追い込んだタネのボディを一樹が狙い撃ち。タネが腹を抑えて崩れ落ちレフリーが試合を止めた。
負けたタネは苦笑いというよりも一樹の成長を認めるかの如きおおらかな笑顔見せ潔くリングを降りた。

第9試合


階と仭士は現在は現役を退き、後進の育成と指導に尽力している。
階は2004年プロデビュー、44戦23勝20敗1分の戦績で現役時代はDEEP☆KICK‐60㎏王者、第8代NJKFライト級王者、2冠達成の実力者。2017年にNJKF拳の会の岡山県のヒーロー、世界の国崇と引退エキシビジョンマッチを行った。入場時のスパイダーダンスも人気だった。
仭士は2006年5月プロデビュー、32戦20勝12敗を誇ったハードパンチャーで、2016年にHoost Cup KINGS OSAKAで、現ROYAL KINGSKING代表のKING皇治と殴り合って引退。
青コーナーから仭士が入場。眼差しのギラギラ感は現役当時と変わらない。
続いて赤コーナーにスパイダーマンマスクのいでたちで階が現れ、クリスマスのサプライズ復活でスパイダーダンスを披露しながらリングインすると、レフリーが思わず「(スパイダーダンス)めっちゃ久しぶりに見たわ」と感慨深げにつぶやく。
軽い手合わせになるかと思いきや階を挑発する仭士に、階も次第に熱くなる。
2R仭士の拳と階のパンチがうなりを上げ、闘いがヒートアップ。だが勝敗がないこともあってかふたりの表情はひたすら明るく、観客を前にした久しぶりの打ち合いをレジェンド両雄心から楽しんでいた。

第10試合


鷹介は試合前「次の決勝、タイトルマッチで相手をぶったおして王者になる。」と、力哉そっちのけでタイトル奪取に闘志を燃やすコメントを述べていた。
だが力哉は過去に鷹介に負けており、「5年越しの試合でリベンジを果たし盛り上がる試合にしたい。」と宣言。
前に出て打ち合いを展開するインファイター同士の闘いは、1Rから至近距離での攻防。力哉のカーフに鷹介が蹴り倒すような勢いで前蹴りを見舞う。そこからパンチラッシュで圧をかけ力哉がロープを背負わされながら後退、青コーナーに押し込められダウン。力哉も反撃を狙うが再度ニュートラルに追い込まれ打ち下ろすような右を浴びよろけるが堪え、回りながら反撃。膝、ハイキックを鷹介に叩きこむがワンツーはガードに阻まれる。力哉が鷹介をロープ際に追い込むがゴング。
2R鷹介が力哉にカーフ、ロー蹴りで力哉の動きを封じロープを背負わせパンチラッシュ。
力哉も攻める手休めずパンチを打ち込むが鷹介よく見てガード硬く当たらず。距離を巧みにコントロールする鷹介を攻めあぐねる力哉。
3Rあとがない力哉が猛攻。だが鷹介のガードを崩せず、コーナーに押し込められ左ストレート、右フック。
パンチでガードを崩せないと見た力哉が鷹介の腹に膝。飛んで2発目。そこから両雄退かず凄まじい打ち合いを展開するが、鷹介の圧が勝って力哉再びロープを背負う。が、態勢を逆転させて、鷹介の顎に飛び膝を繰り出す驚異のスタミナ。だが、再度力哉が飛んできたところをかすりながら右で迎撃。その後も力哉は膝で勝負懸けるが決定打にはならず、最後は派手に打ちあって拍手に包まれながら試合終了。
鷹介が力哉の追撃を退け、判定勝ち。力哉も最後まで食らいついたがリベンジ成らず。いま一歩、鷹介に及ばなかった。
鷹介試合後マイク「対戦してくださいました力哉選手、ありがとうございました。
今回気持ちよくKOしてタイトルマッチ行きたかったんですけど、力哉選手、めちゃくちゃうまくなって強くなってて全然ダメな試合になってしまいました。
でも次のタイトルマッチ、しっかり倒してチャンプになるように頑張りたいのでよろしくお願いします。」

第11試合


トリプルメインイベント1試合目は王者宮崎が、18歳現役高校生の挑戦者KING龍蔵を軽く1RTKOでひねって貫禄の圧勝。
KING龍蔵は麻太郎の負傷欠場によりリザーバーとして出場も、激闘を制しプロデビューわずか2年でタイトルマッチに駆け上がったが、44戦25勝19敗2分8KOの実力派大ベテランにとっては赤子同然だったか。
コーナーに追い込んでハイキックでダウンを奪い、そのあと今度は対角線上のニュートラルへ押し込み振り被るような左フックでTKO。

第12試合


トリプルメインイベント、唯一判定にもつれこんだ-63kgタイトルマッチは、王者KENTAが判定をものにして初防衛に成功した。
KENTAの主戦場はRISE。対する足利は関西でならしてきた、勝っても負けてもド派手なファイトで魅了するアグレッシヴなファイター。見た目からして水と油のようなふたりは、ファイトスタイルも真逆に映った。
1R試合開始そうそうから捨て身とも思われる勢いで前に出て突っ込んでくる足利をクールに受け止めペースを渡さないKENTA。
後ろ回し蹴りを繰り出すが当たらない。鋭いカーフを叩きこんでフルスイングでパンチを叩きこむがKENTA冷静にかわす。がむしゃらに前に出て来て、パンチを振るってくる足利にKENTAはじりじり後退も肘で応戦、ローキックで逆に圧を掛けるが、足利の右ストレートが顔面をかする。再び右をギリギリでかわしてローを見舞うが足利もKENTAの左腿にカーフを叩く。強引に距離を詰めボディへ一撃、追撃して連打を狙うがKENTAにかわされる。巻き込まれるように打ち合いに転じると、足利の右ストレートがKENTAの顔面にクリーンヒット。ペースは足利が握ったかに見えたが惜しむらくは足利はパンチのほとんどが当たっていない。
2Rもカーフからパンチを仕掛ける足利だが連携技には至らない。
対するKENTAはそろそろ足利の動きを読んだか、切っ先鋭い三日月を足利のボディに叩き込む。さらにカーフ連打。KENTAはその後も三日月、ミドルと打ち込むが足利は前に出続けるが、KENTAがパンチで攻勢に。足利にロープを背負わせ右フックでダウンを奪う。立ち上がった足利が組んでロープ際でもみあうところをレフリーがブレイク。退かずに前に出て来る足利にKENTAがリング中央で三日月を突き刺す。それでも退かない足利の脇腹に膝。もつれて組んだところでゴング。
3R激しく打ちあうふたり。組んでもいあいブレーク。足利が大振りのパンチ、ハイキックと荒業で勝負するがKENTAかわす。
KENTAが足利の腹にレバーをえぐる鋭い膝をめりこませ、そのままコーナーへ押し込んでパンチラッシュから再度膝。それでも倒れない足利を再度ニュートラルコーナーへ詰めて膝。ワンツー、また膝。それでも倒れない足利。足利も本能的に腕を振り回す。どれだけ打たれても決して倒れないゾンビのような足利に、遂にはKENTAが呆れて苦笑い。
足利の荒業を手数と三日月蹴りで封じたKENTAが判定をものにして、王座初防衛に成功した。

第13試合


9月『DEEP☆KICK 63』で65kg王座の挑戦権を懸けたトーナメント決勝を制した竹内皇貴のマイクに、リングサイドから試合を見ていた王者の木村がリングインしてマイクを掴んで「マヂでしょうもない試合」と一刀両断に切り捨てたところから両者が激しく睨みあい一触即発乱闘寸前。以後木村と竹内の舌戦はSNS上でヒートアップ。試合前日の計量後も殺伐としたののしり合いを展開し、血を見る限界ギリギリ状態のなかクリスマスを迎え遂に決着をつけるときが来た。
先にリングインした挑戦者の竹内が、エミネムのナンバーでいつも通り悠然と登場してくる木村を微動だにせずじっと見据える。
木村と竹内が各コーナーで睨みあう凄みに寒気を覚える中試合開始。
1R静かに地獄の窯の蓋が開く。カーフ、前蹴りで距離を図りながらじわりじわりと接近する両者。木村のセコンドが「焦るな。まだ早い」と声をかける。血気にはやり距離をいち早く詰めようと前に出る木村を押しとどめる。
静寂を破って竹内が木村に一蹴仕掛けると、木村も呼応するように竹内のボディに一撃。

竹内のカーフを膝でカットすると、左ストレートを迷いなく見舞うが、ガードされるとすかさず素早く右を叩きこむと、竹内よけきれず顔面にヒット。木村のパンチを繰り出すスピードが驚くほど速くかつ変幻自在にスイッチするので、どこから何が飛んでくるのか相手はわからない。しかも思った以上に或いは以外にも、木村は沈着冷静に展開を組み立てて動いていた。静かに退かず圧を掛けて来る不気味さに竹内が戸惑うように後退を余儀なくされる。その合間にも、木村は右ストレート、インローと的確に打ち込み、竹内のスタミナをじわじわと削っていく一方で、リーチと巧みな戦略で距離を確保し竹内の膝を完全に封殺していった。驚愕するのは、木村はごく自然に軸足をチェンジ、右、左とストレートを瞬時に切り替える。竹内はガードが追いつかない。木村の懐へ入ろうとすると、ミドルかカーフで圧し戻される。一見地味だが、実は恐ろしいほどの手練手管で木村は竹内を翻弄していた。
2R木村が左フックを竹内のテンプルに決めダウンを奪い、そこから一気の勝負で猛攻仕掛ける。竹内のカーフキックにも退かず木村を崩そうと前に出たのが命取り、待ってましたとばかり木村の右が腹を貫き2度目のダウンは、立ち上がること叶わず大の字で果てた。
木村が2R1分40秒で竹内を轟沈、王座の初防衛に成功した。  
木村はマイクで、以前も呼びかけたがなしのつぶてのYA-MANに届けとばかりRISEに噛みついた。さらに「RISE65㎏でタイトルマッチやりたいから呼んでください。いや、呼べ。俺が一番強いから」。
いまの木村は、確かに以前とは違い丸腰ではなくDEEP☆KICKの黄金のベルトが似合うチャンプのオーラを漂わせるまでに成長した。もはや無視するわけにはいかないところまで、地獄の番犬が攻め込んできた。

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