【全文掲載】那須川天心が未来ある若者たちへ『誰かに止められたら辞めるんじゃなくて、自信持って『俺はコレがやりたい!』って言えるようになってほしい』

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 12月31日、さいたまスーパーアリーナにて『Yogibo presents RIZIN.33』が開催。第13試合では那須川天心がが五味隆典を相手にRIZIN卒業マッチを行った。
 3分2Rのエキシビジョンで行われたこの試合は、体重が15kg差があるにも関わらずお互い時間いっぱい殴り合いを見せて会場をわかせた。

 試合後マイクを持った天心は以下のようにコメント。
天心「こんばんはみなさん、那須川天心です!えーまず初めに、こういったタイミングで僕との試合を受けてくださった五味さん、ほんとにありがとうございます感謝しか無いです」
五味「無茶言うな俺に」
天心「ほんとすいません。いやー、ほんとなんだろう?体格差はあったんですけど体格差というよりかは、それよりも重い気持ちがこもっていたと言うか、もうPRIDEが拳に宿ってて、ひじょうに楽しいというか、ちょっと悲しくもあり、なんだろう、色んな気持ちが混じった試合でした。本当にありがとうございました。そうですね、あのえっと、この試合で僕はRIZINに出ることは、RIZIN卒業ということになるんですけど、ほんとなんだろうな、もうあの(泣きながら)ずっと、僕RIZIN大好きで、もうほんとに、MMAから、ほんとRIZINが大好きです。ほんとにみなさん、こんな僕ですけど迎えてくださってほんとにありがとうございました。何者でもない僕にチャンスを与えてくれたRIZINの舞台だったり榊原さん、そして僕をRIZINに快く送り出してくれた会長、父親、そしてチームの皆さん、ほんとにありがとうございます。僕は、これでRIZINを卒業となるんですけど、今後はまだ2試合残ってます。4月のRIZEの試合、そして6月の武尊選手との試合、ほんとにここが大勝負なんで、絶対にRIZIN代表としてしっかり勝ってキックボクシングを卒業したいと思います。そして、今テレビを見てる子どもたち、僕はほんとに何者でもなかったんですけど、こうやって、いろんな舞台に挑戦して、ほんとに色んな人に止められたりしたんですけど、常識を変えるやつはほんとに非常識なやつしかいないと思うんで、何でも挑戦して、限界なんて、人が決めた限界なんて、人しか超えられないと思うんで、そこはしっかり心に持って、学校や大人たちが教えてくれないことを俺が体で体現したいと思うんで、皆さん、これからもなにかチャレンジしたいと思ったら、信念を持って前に前に進んでいってください。今日は皆さん本当にありがとうございました。またよろしくお願いします」


 涙を流す天心のもとに武尊が現れる。

武尊「えー、こんにちは。会場にお集まりのRIZINファンの皆様、格闘技ファンの皆様、テレビの前のRIZINをご覧の皆様、こんにちは、K-1の武尊です。来年の6月に、那須川天心選手と試合を決定することができました。この試合は、榊原さんも言ってくれたんですけど、K-1でもRIZINでもなく、RISEでもなく、中立な新しいリングを作るという、格闘技界にとって格闘技が一つになる切っ掛けになる試合だと思うんで、格闘技界、日本格闘技界最高のカードを来年6月は、日本格闘技界最高の試合にして勝つんでよろしくお願いします、そして那須川天心選手、沢山期待してくれてたファン待たせてしまったと思うんで、6月は最高の果し合いにしましょう。ありがとうございました」
天心「そうですね、あの、しんみりモードからグッと、モードの切り替えがすごい大変なんですけど、泣かないよ!そうですねあの、ほんと皆さんが待った試合、僕も非常にワクワクしてまして、4月で元々キックを引退するはずだったんですけど、まあこれやらなきゃ終われないよねってみんな思いますよね?まああの、元々は階級一緒で、僕から対戦表明した感じなんで、僕から初めた物語なんで僕がしっかり終わらせようと思います。応援よろしくお願いします」


そして大会終了後、卒業セレモニーが行われ榊原CEOより卒業証書の授与。涙を流す天心を選手たちが胴上げをしてRIZINから送り出した。
天心「(泣きながら)えー、みなさん、5年間ありがとうございました。僕の、今思い返すとめちゃめちゃ楽しかったですね。RIZINMMAでデビューして、最初はMMAに挑戦して、最初榊原さんにMMAやれって言われた時になんでだろうって気持ちになったんですけどMMAやってやっとRIZINに認めてもらえたと思いますし、ほんとに沢山29日31日と試合して、無謀だったかも知れないですけどメイウェザーと戦ったりとかここにいる沢山のRIZINファイターたちに感謝したいと思います。ほんとにありがとうございます。俺は何をすればいいですか?僕はほんとに、榊原さんがさっき言ってくれたように、一生RIZINファイターであり続けると心の中に決めているので、4月6月としっかり勝って、RIZIN最強というところを見せたいと思います」

 バックステージでは以下のように天心は語った。

――試合を終えたお気持ちは
「エキシビションという形で最後を終えたんですけど、これでRIZINは卒業って感じなんですけど、色んな感情があった試合でした」

――最後のRIZIN、花道をどのような気持ちで歩きましたか
「なんも考えないようにしようと思ってたんですけど、5年間、か……。その思いだったり、気持ちだったりが出てきたと言うか、非常に感極まりそうになりました」

――RIZINでの5年間はどういうものだったか
「色んなことに挑戦させてくれる舞台でしたし、本来僕はキックボクサーなんで、RIZIN、MMAがメインの団体なんですけど、キックで試合をさせてくれたりとか。もちろん最初はMMAをやりましたけど、そこからキックをやらせてくれたりとか、メイウェザー選手とまさかボクシングをやるとは思わなかったし、堀口さんとキックの試合をやったりとか、ホント面白いことをさせてくれる舞台でした」

――五味選手との試合はどうでしたか
「ホント、五味さんとやれてよかったと思いましたね。試合っていう感情ではなかったですけど、パンチももらってみたいなと思ったし、お客さんにもしっかり見せたいなっていうのもあったし。普段だったらしっかり駆け引きしてっていうのがあったんですけど、なんかそういうの関係なく、『ちょっと思い切り殴ってみようかな』とか、そういう気持ちでスッキリ出来たかなと思います」

――今後の展望について
「4月、6月と大きな試合が最後2つ決まっているんで、それをしっかりと乗り越えると言うか、勝って、みんながホント期待してる試合なんで、そこをしっかり終えたいなと思います」

――五味選手のプレッシャー、圧力はどのようなものでしたか
「いや、メッチャありましたよ!ホント、ハンマーで殴られてるような感覚でしたけど、最初は避けようと思ったっすけど、最後はハンマーに当たりに行きましたね。当たりに行ったというか、駆け引きとかよりは自分の思いを拳で伝えたって感じですね」

――お互いに拳で思いを伝え合えたと思う?
「僕はそう思ってますね。なんか、顔面に思い切りガンッともらったとかは無かったんですけど、肩にパンチもらって、肩いてーなって……」

――それは何Rのパンチですか?
「1か2Rですね。……1か2しかやってねーか(笑)1か2のどっちかっす(笑)」

――試合後には武尊選手もリングインしてエールの交換を行いました
「感情が行ったり来たりと言うか、気持ちの作りというか、ちょっと色々わかんなかったっすけど、今はなんすかね、皆さんもやっぱり、『ホントにホントにやるんだよね?』って感じだと思うんですけど、ホントにやりますから(笑)そこをしっかりと。まだみんな決まった実感があんま無いと思うんで、日にちが経つにつれて色々煽りとかあると思いますし、実感湧いてくると思うんで、しっかりと最後、キックの集大成をやってやろうじゃないかって感じっすね」

――4月、6月に向けてどんな調整をしていきたいか
「今回の試合は全く、大晦日の試合は全く対策とかは考えて無かったっすけど、ここからしっかり6月まで仕上げて。キック最後ですから。あと半年しかないですから。皆さん、僕のキックの引退は伸びましたけどコレなら誰も文句言えないと思うんで、しっかり仕上げますよ。キックボクサーとして!」

――RIZINの最後、超満員の熱気の会場で試合をした感想は
「歓声がちょっとダメですね。なんか……あんな、ワーってやられちゃうと……。やめてほしーっすよねぇ。やめてほしーっていうと違いますけど、ホント感極まると言うか……。もうホントね、泣きたくないんですよね。ホントRIZINが大好きというか、お客さんもRIZINを楽しみに来てますし、1つの興行として、エンターテインメントとして、非常に良い思い出がありました」

――そのRIZINでは榊原ゲンドウから色々な無茶振りがあって、批判を受けたこともあると思うが、RIZINのマッチメイクについてどう思うか
「当初はもう、ホントに榊原さんが鬼に見えたと言うか、『なんでこの人こんなこと言ってくんだろ』って。嫌いでしたね(笑)当初はね?(笑)でも、毎回本気で言ってくるんで、軽くな感じじゃないんで、本当に『俺はこういうのをやります』って思いが伝わってくると言うか。だからこそ、それに応えたいなっていうか。やっぱ、あの人がいなければRIZINはこういうふうに大きくなってないと思いますし、あの人にこういうふうに提案されたからやるって決めましたし、それを一緒に作り上げてきたものと、うちのチームのみんなにはホント感謝してますし。ホント、ね。終わりよければ全てよしというか、いい思い出はたくさんありました。あと、メイウェザーとやるなんて、発想ないですよね。いや、すごいなあと思って。で、今回の6月も、『引退伸ばせないか?』って……誰も言わないでしょって(笑)ホントそういうところも、格闘技が大好きなんだなっていうのが伝わってきたんで、それにしっかりと応えようというか、それ以上のことをしてやろうと。毎回ワクワクをくれる、そんな人でしたね」

――五味選手の入場時に音楽を聞いている姿が印象的でした
「もう僕はずっと大好きな選手だったんで、まさか闘うっていうか、僕をめがけて入場してくるって思わなかったし、あの入場が聞けただけで僕はもう、ホントに良かったなってのがありましたね。お客さんも、試合もそうですけど、やっぱ僕も五味さんの入場が見れただけで、こう……『おっしゃあ!』って思ってもらえると言うか、そういうのは僕の中でも有りましたね」

――試合前には「PRIDEを体感できるのは嬉しい」と言っていましたが、実際にPRIDEを体感してみていかがでしたか
「なにがなんでもというか、意地が見えましたよね。パンチも正直、多分相当イヤだったと思うんですけど、それでも前に出てきたというか、それでも前に出てきてタックルしてでもみたいな、そういった気持ちを感じられたんで。今の格闘家にはないものをたくさん持ってるなっていうのを改めて実感というか体験できたので、この1戦は自分の記憶にすごく残るというか、ホントやってよかったなって今思いますね」

――拳と拳で会話が出来たという言葉がありましたが、五味さんから何を言われたと感じ、天心選手から何を伝えたと思っていますか
「僕は伝えると言うか、ガムシャラにというか、駆け引き無くというか、グーで行ったんですけど、五味さんもグーを出してくれたんで。さっきも言ったっすけど、今の格闘家には無い気持ちをいただけたと思います。活を入れていただいたというか。そう思います」

――天心選手の姿を見て格闘家を目指すキッズも多いと思いますが、未来の若者たちにメッセージをお願いします
「ホントになんでもいいんで、チャレンジをすると言うか、信念を持って動くことが大事かなと思いますね。言い方悪いっすけど、口だけで言ってる人も結構いるんですけど、信念が大事かなと思うんで、ブレたら負けると思いますし、どういう形であれ『自分はこうやる』って目標を持って。色んな人、否定すると思うんですよ。僕も否定されたし。中学校でも『僕は格闘家になって飯食っていきます』って先生に相談したりしても、『気持ちはわかるけど、就職して、そこからでもいいんじゃない?』とかって。もちろん学校の先生はそう言うんですけど、それに負けたらダメだなっていう。誰かに止められたら辞めるんじゃなくて、自分がやりたいと思ったことを自信持って『俺はコレがやりたい!』っていうふうに言えるようになってほしいなって思いますね。そうすればやっぱ、同じエネルギーを持った人もついてくると思いますし、そういう人が寄ってくると思うんで。ホント、なにかに挑戦してる姿っていつまでもカッコいいと思いますし、キラキラしてるって思うんで、その気持ちだけはどんだけ歳をとっても僕は忘れたくないですね」

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