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　12日、東京都・大田区総合体育館にてスターダム『シンフォギアXD presents　TOKYO DREAM CINDERELLA 2021 Special Edition～CINDERELLA TOURNAMENT 2021（準決勝～決勝）～』が開催され、林下詩美がワールド・オブ・スターダム王座の5度目の防衛に成功した。

　詩美はバラエティ番組などに数多く出演する“ビッグダディ” 林下清志さんの三女であり、2018年にスターダムでデビュー。その直後から数多くの王座を戴冠していく新人離れした破竹の快進撃を見せた。そして昨年11月の仙台大会では、デビュー3年目にして岩谷麻優を撃破し最上位のシングル王座であるワールド・オブ・スターダム王座（赤いベルト）を戴冠すると、今年1月5日には団体の顔として新日本プロレスの東京ドーム大会に出場し提供試合を行った。
　エディオンアリーナ大阪第1競技場、日本武道館、横浜武道館とスターダムのビッグマッチでの防衛戦を重ねてさらに成長し、押しも押されもせぬ絶対王者となっている詩美の前に立ちはだかったのは、赤いベルトに並々ならぬ思い入れを持つ朱里。

　朱里はTAJIRIの愛弟子としてハッスルでデビューし、その後シュートボクサーとしても闘いつつSMASH、WNCで活躍。その後は総合格闘技に専念し、PANCRASEでストロー級クイーン・オブ・パンクラスを戴冠。さらには2017年にはUFCと契約して日本人女子として初めて勝利を挙げるという偉業を成し、2019年から日本の女子プロレスに復帰。昨年1月からスターダムにレギュラー参戦し、その人柄と実力からあっという間にスターダムになくてはならない存在となっていった。
　他団体からの参戦が続いていた朱里だったが、昨年10月の横浜武道館大会で岩谷麻優が持っていた赤いベルトに挑んで敗れた後に「やっぱり、赤いベルトを取るにはそれなりの覚悟が必要で、私はスターダムの内部に入って、そのベルトを一から狙っていく」という決意を固め、同年11月付でスターダムへ入団。そして今年4月に因縁の地である横浜武道館大会で赤いベルトを防衛した詩美へ名乗りを上げた。

　試合は互いの実力と歩んできた道を確かめ合うかのよなじっくりとしたグラウンドレスリングに始まるが、朱里が腕十字固めを軸とした腕攻め、詩美が蹴りの威力を封じるための足攻めと両者方針を定めると少しずつ試合が動き始める。
　朱里はかつてSWA王座戦線でしのぎを削ったライバルであるビー・プレストリーが得意としたチーキー・ナンドス・キック、場外でのフランケンシュタイナーなどいつもは開けない引き出しを開けていき、詩美も奈落式エアレイド・クラッシュやリングの縁に朱里の後頭部を打ち付ける場外ジャーマンなどダイナミックな攻撃を連発。詩美はトーチャーラック・ボムを狙うが朱里はダイヤル固めで切り返してハイキック。両者エルボーで打ち合う中で30分フルタイムドローを告げるゴングが鳴った。

　しかし、両者この結末に納得行かず延長線を要求し急遽30分1本勝負の再試合が決定。
　ゴングとともに両者顔面をビンタでバチバチと打ち合っていき、朱里は朱雀や白虎など必殺の四神技を、詩美は奥の手の旋回式BTボムを解禁するなど壮絶な死闘が展開され、詩美がラリアット連打を見せれば朱里も垂直落下式の流炎（変形エメラルドフロウジョン）を見せバズソーキックをクリーンヒットさせるも、力尽きてフォールに行けずダウン。レフェリーが両者試合続行不可能と判断し、両者ノックアウトの裁定で試合は終わった。

　そして、満身創痍の詩美が「朱里、防衛はしたけど勝てなかった。このままじゃまだまだ私も世界の詩美なんて……」と語りだしたところへ大江戸隊の首魁・刀羅ナツコが登場。
　この日、大江戸隊はSTARSとのイリミネーションマッチを制してスターライト・キッドを新メンバーの“舎弟”として強奪しており、この衝撃的な展開に『大江戸隊』がTwitterのトレンド入りしたということで上機嫌なナツコは「チョーシ乗っちゃうよねぇ～？（笑）そんなあたしからキミに挑戦状。どう？もちろん受けてくれるよね？」と挑戦表明。
　詩美は息も絶え絶えながら「そんなに調子いいならこのベルト挑戦させてやってもいいけど、私はSTARSとは違う。テメーに好きなようにはさせねーから」とナツコを睨みつけ、折れぬ闘志を見せつけた。