ビー・プレストリーが“ビッグダディ三女”林下詩美に敗れ英国への帰国&スターダム離脱を表明!「アリガトー、スターダム!アリガトー、ジャパン!マタネ!」

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 4日、神奈川県・横浜武道館にてスターダム『U-REALM Presents YOKOHAMA DREAM CINDERELLA 2021 in Spring』が開催され、林下詩美がビー・プレストリーを破って赤いベルトの4度目の防衛に成功。その直後にビーがこの試合がスターダムラストマッチであったと明かした。

 詩美はバラエティ番組などに数多く出演する“ビッグダディ” 林下清志さんの三女であり、2018年にスターダムでデビュー。その直後から破竹の快進撃を続けて数多くの王座を戴冠する。そして昨年11月の仙台大会では、デビュー3年目にして岩谷麻優を撃破し最上位のシングル王座であるワールド・オブ・スターダム王座(赤いベルト)を戴冠すると、今年1月5日には団体の顔として新日本プロレスの東京ドーム大会に出場し提供試合を行った。
 さらに先月3日の日本武道館大会では赤いベルト戦を行い、自身のパートナーでもある上谷沙弥を撃破してV3を達成。そんな詩美の前にビー・プレストリーが立ちはだかり王座挑戦を表明。先月7日の後楽園ホール大会ではビーが詩美から直接勝利を奪っている。

 ビー・プレストリーは2019年に花月から赤いベルトを奪い、5度の防衛で長期政権を築いたこともある“トップ・ガイジン”。大江戸隊に加入してヒールターンしてからは、元いたユニットであるQueens Questのリーダーである渡辺桃をカタコトの日本語で「イチバンショッパイ!」と桃が全く関係ない状況でも唐突に罵倒するといった持ちネタがプチブレイク。実力とユーモアも兼ね備えた強者としてスターダムに君臨してきた。
 一方で、新日本プロレスのウィル・オスプレイとの交際が知られ、“UNITED EMPIRE”のメンバーとして新日本マットに登場していることから知名度が高まっていたが、先月21日の新日本プロレス仙台大会ではNEW JAPAN CUP優勝を果たしたオスプレイが突如ビーをオスカッターでKOし、UNITED EMPIREから追放するという事件が発生していた。

 ファンの間ではビーへの心配の声、そしてオスプレイの女性蔑視的態度に批判的な声も上がっていたが、調印式に出席したビーは「私が攻撃されたことに対して性差別的なコメントも見たけれど、女性だからってそんなことは私には関係ない。私も彼もレスラーなの。レスリングムーブの中で起こったことなのだから、私は性差別についても気にしないし、なにも関係ない」と語り、自身への心配やオスプレイへの批判の声を一蹴。
 詩美がビーがベルトを粗末に扱ったことや自身の試合に乱入されたことへの恨み節を述べ、「そういえば私の試合に乱入した日、オスプレイとなんかあったみたいね」と鼻で笑いながら挑発すると、ビーは「あなたは私の状況がわかっているの?新日本でやられたことはあなたに関係ないんだから黙ってなさい!私を怒らせる気?あんたはこの試合で私に負けて何者でもなくなるんだからね!」と激怒。両者はさらに因縁を深めていた。


 試合が始まると、じっくりとしたオーソドックスな立ち上がりとなるも、高い身体能力を持つビーがありとあらゆる体勢からVトリガーを小気味よく叩き込んで優勢を取り、場外へのダイビングフットスタンプなど序盤から猛攻。さらに「イチバンショッパイ!」と罵倒し続けてきた渡辺桃が得意とするBドライバーを見せる。
 中盤からプラン・ビー(レッグロック・スープレックスホールド)やクイーンズ・ランディング(ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス・ホールド)などフィニッシュによく用いられる大技を繰り出すビーに対し、詩美は受けに受けまくる我慢の試合を展開。最上位技を出し尽くし2度目、3度目の同技を狙うビーに対し、詩美は正面からのラリアット連打からトーチャーラックボム、ハイジャックボムと畳み掛け3カウントを奪った。

 試合後、ビーは憑き物が落ちたような明るい笑顔を浮かべ、桃をリングに呼び出す。警戒の表情を浮かべる桃に対し、ビーは「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ。多分、私は怒っていたから酷いこと言っちゃった。でも、モモは、イチバントモダーチ。モモ、愛してる。詩美、愛してる。そして、スターダムのみんなも愛してる。スターダム、アリガトー!今日、この試合が私のスターダムでのラストマッチ。アリガトー、スターダム!アリガトー、ジャパン!マタネ!シー・ユー・ネクストタイム!」と、桃への謝罪と感謝を述べるとともに、この試合がスターダムラストマッチであったことを明かした。
 会場から大きなどよめきが起きる中、ビーの涙声のマイクを聞いた詩美と桃はビーを許して和解。かつてQueens Questの仲間として闘っていた3人に戻り、笑顔で抱き合った。

 試合後、詩美は「今日は敵としてだったけど、ビーは同じQueens Questとして一緒にリングで闘ってきたし、ビーの強さも隣で、今日だってすごく感じました。これからももっともっと、一緒に高め合える選手だと思ってたのに、今日が急に最後なんて……」とコメントを一時中断するほどの涙を流す。
 そして「ビーは『今日で最後のスターダム』って言ったけど、『またね』って言ってたから、もう一度、リングで会えると思っています。信じています。そのときまで私がこのベルトを守り続けるので。また私とこのベルトかけて試合をしてください!そのときまで信じて、待ってます」と前を向いた。

 そしてビーは、デビュー前から見てきた詩美について「彼女を初めて見たときから彼女が成長していく姿をずっと隣で見てきた。そして、私の思った以上に彼女は成長した。今日、私よりも彼女が強いレスラーであることを彼女は証明した。彼女はチャンピオンに相応しい選手、他の誰よりも」と柔和に笑いながら詩美を称える。
 そして、スターダムを離れる理由については「この世界では、今様々なことが起こっている。イギリスにいる私の家族も、私の力を必要としている。今がそのタイミングだったということ。私は家族と過ごしたい」と語るに留め、大江戸隊からの脱退も明かした。

 今大会と同日同時刻から行われていた新日本プロレス両国国技館大会では、オスプレイが飯伏幸太を破ってIWGP世界ヘビー級王座を奪取。ビーを断って鬼気迫る戦いを見せ、大きな結果を出したオスプレイだが、このことがオスプレイの決意を固くしたことは想像に難くない。
 ビーの口からは「スターダムを離れる」「英国に帰る」という旨の言葉は出たものの、「引退」という言葉は出ていない。またどこかでビーの姿をリングで見ることの出来る日が来ることを願いたい。

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