カズ・ハヤシが活動休止を前に中嶋勝彦からWRESTLE-1の至宝を奪還!「プロレスってやっぱりいいな。最高の競技だ」

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 15日、東京都・大田区総合体育館にてWRESTLE-1『WRESTLE WARS 2020』が開催され、カズ・ハヤシが中嶋勝彦に勝利してWRESTLE-1の至宝を奪還した。

 WRESTLE-1(以下、W-1)は2013年に武藤敬司が全日本プロレスから大勢の選手・スタッフを率いて旗揚げした団体であり、TNAなど海外の団体との提携や、プロレスラー養成学校である“プロレス総合学院”の創設など話題を振りまき、一時は隆盛を極めた。
 しかし、2016年頃から中核選手たちが次々と退団していき、武藤のヒザのダメージの蓄積から出場回数が激減するなどの要因もあり集客に苦戦。そして先月29日には4月1日の後楽園ホール大会をもって無期限の活動休止に入ることが発表。所属全選手は3月31日を以て退団することとなっており、今大会がW-1最後のビッグマッチとなっていた。

 メインイベントでは、カズ・ハヤシが中嶋勝彦の持つW-1王座に挑戦。
 中嶋は1月に同王座を獲得してからベルトを足蹴にしたりW-1ファンに過度な挑発を行ったりと傍若無人な態度を取り、先月の後楽園ホールでは“W-1の強さの象徴”とされる芦野祥太郎に圧倒的な力量差を見せつけて初防衛。中嶋はベルトを渡されるとこれを放り捨てるが、これに激怒したカズが中嶋にトラースキックを叩き込み、挑戦を表明していた。
 しかしこの後にカズは左足大腿二頭筋断裂の怪我を負い欠場。中嶋は「その状態で俺と向き合うのかと。まあ、僕もナメられたもんだなと素直に思います。その状態で僕に勝ってこのベルトを取り返すつもりでいるんですか?」と余裕の態度でこの日を迎えていた。

 両者の前回の対戦は、2006年に行われた全日本プロレスでのジュニア・ヘビー級リーグ戦優勝決定戦。奇しくも大田区総合体育館での試合であり、このときはカズが勝利。
 この日の中嶋は時勢に鑑みてかサージカルマスクを装着して入場し、試合が始まっても外すことを拒否。怒りに震えるカズは中嶋のマスクを引っ剥がすが、中嶋はカズの負傷箇所である左足に各種キックを集中させ、カズは力なく倒れ込んでしまう。
 しかし、カズの名を呼んで応援していたファンが誰からともなく「WRESTLE-1!」というコールを贈り始めるとカズは力を取り戻して反撃へ。中嶋の強烈なキックにも怯まずファイナルカットやリバース・ゴリー・スペシャル・ボムで攻め込んでいき、中嶋のヴァーティカル・スパイクにも耐えて最後は奥の手のパワープラントで突き刺して試合を決めた。

 W-1の至宝を取り戻したカズは「ご声援、本当に力になりました。ありがとう。本当にありがとうございます。本当に本当に本当にW-1、応援してくれてありがとうございます」と観衆に深々と頭を下げ、セコンドに付いていた所属の若手選手たちをリングに上げ、「W-1は4月1日までみんなみんなみんな全力で走り続けていくんで、皆さんついてきてください!今日はありがとうございました!」と大会を締めた。

 バックステージに戻った中嶋は「中嶋勝彦のいるこのW-1はどうだった?刺激的だっただろ?相変わらずカズ・ハヤシっていう男はオトコの中の色男だな。いつまで経っても。とりあえず今日で俺の仕事は終わりだ。W-1よ、ファンも選手もスタッフもたくさん会話できてうれしかったぞ。楽しかったぞ。そういう意味ではしょっぱい団体だったけど、収穫あったな。ありがとう。もう帰る」と不敵に笑って去っていく。

 そしてカズは「僕の今できる精一杯を全て出しきった。中嶋勝彦はよくわかんねえ。ヒールだか、ベビーだか、どうでもいいよ。俺とあいつの闘いにはそういうものはいらない。お互いにあるものを全て引っ張り出す。こんな俺の状態でも中嶋勝彦が相手だったから、ここまで真剣に一生懸命になれた。中嶋は悪いことをやっているだけじゃない。彼の中に本当の闘いがあるから。いろいろ無礼なことはしてくれたけど、一レスラーとしては中嶋選手に感謝します」と素直に中嶋を認める。
 そして観衆からのW-1コールについて聞かれると、「お客さんの声援って本当に励みになるんだなって思いました。やっぱりパワーは沸いてくるし、これはライブだからですね。本当にこうやって、生でこういう声援を聞けるっていうのは、プロレスラー冥利に尽きるというか、プロレスやって28年か29年になるんですけど、プロレスってやっぱりいいなって。最高の競技だと思っています」と目を細めた。

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