タイガー服部が40年以上に渡るプロレス生活に幕も海外イベント業務の“延長戦”を発表!「もう74歳だけど未だに旅をしている」

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 19日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『タイガー服部レフェリー引退記念大会』が行われた。

 タイガー服部は、かつて明治大学レスリング部に所属し世界選手権で優勝するなどの経歴を持つが、ヒロ・マツダさんの道場に出入りし始めたことでプロレス界にも参入。悪役マネージャーを務めた後にレフリーとしてのキャリアがスタートした。
 日本・海外問わず数多の団体でのレフリング経験を持つが、国内では盟友・長州力と行動をともにし、プロレス界の酸いも甘いも噛み分けた存在となり、2004年から新日本プロレスへ復帰。
 新日本プロレスでは外国人選手を招聘するなどの海外コーディネーターとしての手腕も発揮し、レフリーとしてだけではなく根幹にも関わる業務に携わっていた服部だが、74歳という年齢から「体が動かなくなって選手の邪魔になるようになった」と感じたということで昨年にレフリー引退を表明。40年以上プロレス界に関わり、この世界の生き証人となった服部の引退試合には満員の観衆が詰めかけた。

 この日服部はセミファイナルとメインイベントの計2試合を裁き、セミファイナルは“本体vsBULLET CLUB”の対抗戦が実施。BULLET CLUBが敗れると、裁定に不満を顕にした邪道&外道が服部に襲いかかるものの、服部は2人の攻撃をかわして急所蹴りで撃退してリングの秩序を守り抜く。
 メインイベントでは、“CHAOSvsL.I.J”の対抗戦が行われ、L.I.Jが勝利すると内藤哲也が右拳を突き上げて合わせる集合ポーズに服部を加えようとし、服部はためらいながらも胸を2回叩いて拳を突き上げ、身長の問題で苦戦しつつも拳を合わせて見せた。

 その後、服部はリングを降りずにそのまま引退セレモニーが開催。
 まずは新日本プロレスの所属選手たちが入場し、CHAOS、本体、審判部の面々が花束や記念品を贈呈。CHAOSの面々との対面ではオカダが仰向けに寝転がり、服部へフォールを要求。体固めに入る服部を見たオスプレイが笑顔で3カウントを叩く粋な計らいを見せた。


 そして、スペシャルゲストとしてザ・グレート・カブキ、馳浩、武藤敬司が登場し、大歓声の中で花束を贈呈。最後に入場したのは盟友・長州力。「ミスタートランプ!正男!長い間お疲れさまでした!(笑)」とおどけて語りかけるが、その目には涙が浮かんでいた。

 さらに会場スクリーンには天龍源一郎、アントニオ猪木からのビデオメッセージが映し出された。
 天龍は自身の服部との出会いのエピソードを振り返り、さらに服部が全日本プロレスから新日本プロレスへ戻る際のエピソードで「『服部さん、馬場さんが残ってレフリーをやらないかって言ってますよ』って言ったら、『俺は光雄を裏切れないよ』って言って全日本に残ることを断ってそのまま新日本に行ったことをまだ覚えてますか?(笑)」と笑いかけた。
 そして猪木はレフリー、外国人ブッカーとしての働きを労い「寂しい思いするけど、引退は決して終わりではなく、明日への踏み出しということでね。『人は歩みを止めて、そして挑戦を諦めたときに年老いていく』というね、まあまあ、これから高齢化社会に入って、ますます逆にそういう人たちにメッセージを送れるようなことをやってもらいたいと思います」とメッセージを贈り、最後は「1!2!3!ダーッ!」でコメントを締めた。

 最後にタイガー服部は「今日はコロナという不気味なものに負けないでこれだけの人が来られて本当に感謝しています。自分はこのユニークなスポーツに出会えて、一生プロレスというものを愛していたけど、自分の人生のような感じがしますこれだけ最後まで本当にいい年してやってこれたのは本当に皆様のおかげと、本当に感謝しています。ここにおられる方、新日本プロレスの会社にいるスタッフの皆様、メディア、TV、その他リングクルー、そして私の仲間のレスラーには本当に、本当にありがとうございました!こういう思い出は一生忘れないように、よく頭の中に刻んで生きていきたいと思います」と挨拶し、引退の10カウントゴングの後に全員で胴上げし、記念撮影を行った。

 バックステージに戻ったタイガー服部は、「俺ここ(インタビュースペース)来たこと無いから分かんない(笑)」と引退後に初体験の出来事に触れて笑顔。
 そして服部は最後に3カウントを叩いたときの感想として「やりきった感があったというか『あぁ、これで最後だな』と。燃え尽きました」と語り、今年1年は新日本と契約を交わして海外イベントに携わって奔走することを明かす。
 そこからアメリカ、北朝鮮、ロシアなどの世界中を飛び回ったことを振り返り、「もう74歳だけど未だに旅をしているなっていう感じがあります」と語る。

 そして、「レフリーの哲学はやっぱり、選手を邪魔しないように、機敏にカウントを取って、で、無駄な場所に居ないことだと思うんですよね。隙間に入り込むような感じでね、動けるならそれが一番いいと思います。ただ、レフリーは一生懸命やらないと選手にも響いてきて、邪魔するようになると良い技が見れなくなっちゃったり、お客さんの角度で邪魔になるようなこともあるから。それはうちのレフリーはみんな上手いですよ。海野も、健太もみんな上手い。浅見も。ただもうそこまで行かなくなっちゃったから。『もう、時間だな』と思って」としみじみ語った。

 そして最後は第二の人生で旅行やDIYといった趣味に時間を費やすという構想を語り、「やりたいことはいっぱいありますね」と笑顔で去っていった。

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