【試合詳細】2・11 全日本プロレス後楽園ホール大会 【三冠ヘビー級】宮原健斗vs青柳優馬 【世界タッグ】諏訪魔&石川修司vs入江茂弘&ルーカス・スティール 【世界ジュニア】横須賀ススムvsフランシスコ・アキラ 【アジアタッグ】ジェイク・リー&岩本煌史vs大森隆男&ブラックめんそーれ 秋山準&中西学&西村修&吉江豊vsヨシタツ&崔領二&TAJIRI&田村男児

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『2020 EXCITE SERIES【開幕戦】』
日程:2020年2月11日(火・祝)
開始:11:30
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:1,687人(超満員札止め)

▼6人タッグマッチ 20分1本勝負
○岡田佑介/佐藤光留(パンクラスMISSION)/JRクラトス
8分37秒 サドンデス→体固め
●大森北斗/佐藤嗣崇(フリー)/ライジングHAYATO(愛媛)

▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
[PURPLE HAZE]○ゼウス/イザナギ/UTAMARO(フリー)
5分19秒 ジャックハマー→体固め
吉田綾斗(2AW)/阿部史典(BASARA)/●花見達也(2AW)

▼アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組/陣-JIN-】ジェイク・リー/○岩本煌史
9分56秒 孤高の芸術→片エビ固め
【挑戦者組/ワイルドめんそーれ】大森隆男/●ブラックめんそーれ
※王者組が4度目の防衛に成功

▼中西学 全日本プロレスファイナル スペシャル8人タッグマッチ 30分1本勝負
秋山準/○中西学(新日本)/西村修(フリー)/吉江豊(フリー)
10分29秒 アルゼンチン式背骨折り
ヨシタツ/崔領二(ランズエンド)/TAJIRI(フリー)/●田村男児

▼世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者】○横須賀ススム(DRAGON GATE)
11分32秒 横須賀カッター→体固め
【挑戦者】●フランシスコ・アキラ(ICW)
※王者が初防衛に成功

▼世界タッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組/Evolution/暴走大巨人】○諏訪魔/石川修司
11分28秒 バックドロップ→体固め
【挑戦者組/PURPLE HAZE】入江茂弘(フリー)/●ルーカス・スティール
※王者組が初防衛に成功

▼三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者/NEXTREME】○宮原健斗
24分9秒 シャットダウン・スープレックス・ホールド
【挑戦者/NEXTREME】●青柳優馬
※王者が10度目の防衛に成功。

宮原が川田利明に並ぶ三冠ヘビー級V10を達成し諏訪魔が挑戦表明!暴走大巨人が世界タッグ、ジェイク&岩本がアジアタッグ、ススムが世界ジュニア防衛!中西学が最後の全日本参戦!

第1試合


 入場時からクラトスが荒ぶって突っ込んでいくも光留と岡田がなだめ、光留と北斗でゴング。
 光留はいきなりのハイキックを放っていくが北斗はしっかりガードし、その後のグラウンドでの首の取り合い、リストの取り合いからショルダータックルで光留をなぎ倒すが、光留もミドルキック連打でやり返し、クラトスにタッチ。
 クラトスはその巨体で北斗を威圧するが、北斗は怯まず正面からエルボー連打。これを余裕の表情で受け止めたクラトスはネックハンギングボムで叩きつけると北斗は自軍コーナーまで転がっていき佐藤にタッチ。
 佐藤はショルダータックルでぶつかっていき、クラトスが倒れずと見るとエルボー合戦を挑む。クラトスがこれを張り手で制して串刺しラリアットも、佐藤は追走して串刺しラリアットでお返し。しかしクラトスも追走して串刺しジャンピングエルボーを放ち、パワースラムで叩きつけ、倒れ込んだ佐藤をぶっこ抜きブレーンバスターで投げきる圧倒的なパワーを見せる。クラトスはロープに振ってラリアットを狙うが、これをかわした佐藤が逆にラリアットでなぎ倒しHAYATOにタッチ。

 HAYATOはコーナーに飛び乗ってミサイルキック。さらにブレーンバスターを宣言するがクラトスが耐えてHAYATOを自軍コーナーに押し込んで岡田にタッチ。
 岡田が出てくるとHAYATOはエルボー連打からロープに飛ぶが、岡田がカウンターのドロップキックを突き刺して光留にタッチ。
 光留はミドルキック連打でHAYATOをコーナーまで追い込んでいき、「投げるぞオイッ!」から水車落としを狙うが、HAYATOは回転エビ固めで切り返す。さらにロープに飛んで行くが光留は追走エルボー、HAYATOも光留に追走してドロップキックで一矢報いて北斗にタッチ。
 北斗は光留をロープに振ってドロップキックを放つが、光留がロープに捕まってこれをスカし、自爆した北斗へPK。岡田にタッチ。
 岡田とのエルボー合戦をランニングエルボーで制した北斗はジャーマン・スープレックスを狙うが、岡田が耐えるとハンマーパンチを振り下ろしてからロープに飛ぶ。岡田は追走してキチンシンクを叩き込み、ダブルチョップ、ブレーンバスター、ダイビングヘッドバッド、サドンデスと続けて3カウントを奪った。

<試合後コメント>
岡田佑介&佐藤嗣崇&JRクラトス
佐藤「おい!もしかして(JRを)ジュニアだと思ったんじゃないか?危ないことさせるなよ。」
岡田「よっしゃー!快勝快勝。ちょっとねぇ、いろいろ黙ってたけど俺は生え抜きとして動きを起こすからな。」
JR「日本での第一戦の印象?・・・アイ・ラブ・イット!」

第2試合


 神の軍団・PURPLE HAZEの面々が後から入場してリングに上がった途端に奇襲し、場外乱闘となる中でゴング。

 阿部が集中砲火を受け、イザナギがTシャツで阿部の首を絞め上げ、ゼウスに代わると阿部を場外に放り出し、場外でイザナギとUTAMAROが阿部を袋叩きに。さらにゼウスがリフトアップスラムで叩きつけUTAMAROにタッチ。UTAMAROはミドルキックを放っていくが、阿部がキャッチしてドラゴンスクリューで一矢報いて吉田にタッチ。
 吉田はランニングエルボーでUTAMAROを倒してからコーナーに控えるゼウスにビッグブート。これに怒ったイザナギがUTAMAROに加勢して2人で攻撃を試みるも、吉田はイザナギにはショルダータックル、UTAMAROにはドロップキックを見舞って脱出し、さらにコーナーに控えるゼウスにもう一発ビッグブート。

 ここに阿部と花見も加わってUTAMAROにトレイン攻撃を見舞い、阿部が回転浄土宗、吉田がスクラップバスター、花見が吉田を踏み台にしてのムーンサルト・プレスと連撃。ここにゼウスが入ってくると吉田が突っ込んでいってエルボー連打も、ゼウスがラリアットでなぎ倒してUTAMAROからタッチを受け、花見をワンハンドで軽々と持ち上げて行進してからジャックハマーで叩きつけて3カウントを奪うという余裕ある勝利を見せつけた。

<試合後コメント>
吉田綾斗&阿部史典&花見達也
――陣としては後楽園初登場となりました。これからはパープル・ヘイズとのユニット闘争という部分も出るかと思いますが?
吉田「そうですね。正直野村さんが欠場となって、代わりに来た花見もやれることはやったと思うんで。新しくできたパープル・ヘイズ?ゼウスさんがすごい活き活きしてるのがわかるから、そのゼウスさんを俺たちで決めれると思っているから。もしバンバンやり合うということになっても、今日みたいにそんなに簡単に負けるつもりはないんで。」

――吉田選手はあえて怒らせようとしたんじゃないかとも思えましたが?
吉田「あー。多少意識はしたんですけどね。一発で返されたんで自分ももうちょっと考えていきます。」
阿部「対等にやり合っていくユニットとして、特にやりようがないなとは思わなかったので、これからもやっていけたらなと思っています。負けていないでしょう!顔の偏差値見てよ!大丈夫よ。今日はね、ピンチヒッター花見達也ですよね。」
花見「本当に野村さんのピンチヒッターで来たのに、本当に何もできなくて。悔しくて。でも本当に悔しいんで今日の悔しさを忘れずに、またあの人たちの前に立ちたいと思っています。ありがとうございました!」

第3試合


 岩本とめんそーれでゴングが鳴ると、めんそーれがハブの手で「シャーッ!」と威嚇したり、フランケンシュタイナーで岩本を場外に放り出してから場外飛びのフェイントを見せての「1!2!3!シャーッ!」とポーズを決めるなどいつも通りの挑発を行い、岩本も先読みして付き合わずにさっさとリングに上がろうとするなどのこなれた対応を取る。
 しかし、岩本がリングに上がろうとした瞬間に大森がエプロンを駆けてエルボーを叩き込んで場外に落とすと、めんそーれはジェイクの攻撃をかわした勢いでそのままトペ・スイシーダで追撃。リング内ではジェイクに串刺しタックルを狙った大森が攻撃をスカされて鉄柱へダイレクトにぶつかってしまう。
 全員入り乱れての場外戦となり、岩本がめんそーれを場外で背負投、エプロンに足をかけてのマジックスクリューなど圧倒すると、リングに戻してジェイクとともにダブルのショルダータックル。
 ジェイクに代わるとジェイクがチンロックで痛めつけ、岩本にタッチ。
 岩本はエルボー、めんそーれは逆水平チョップで打ち合っていき、これをニーリフトで制した岩本がキャメルクラッチに捕らえ、ここにジェイクが入ってきてめんそーれの胸へローキックを速射。
 そのままジェイクに代わると、ジェイクがレッグラリアートからサイドスープレックス、さらにバックドロップで勝負を決めに行くが、めんそーれは背面に着地してカニバサミで倒し、「馬鹿にしてんだろ!」と叫びながらのスライディングキック。大森にタッチ。
 大森はジェイクの突撃をビッグブートでカウンターし、ニールキックをアゴにクリーンヒットさせると飛びつきスイングネックブリーカー。エルボーで粘るジェイクをかち上げエルボーで怯ませるとアックスボンバーを宣言も、ジェイクはこれをキャッチしてジャンピングDDT。岩本にタッチ。
 岩本は串刺しエルボーからラリアットを狙うが、大森がビッグブートでカウンターしてフルネルソンボムで叩きつけるとめんそーれにタッチ。
 めんそーれと大森は岩本にトレイン攻撃から大森がアックスギロチンドライバー、めんそーれがスネーク・スパイクと猛攻も、ジェイクが飛び込んできてフロントハイキックでカット。ジェイクのキチンシンクから岩本のラリアット、大外刈、ブレーンバスター、ジャーマン・スープレックスホールドが決まるも、めんそーれはキックアウト。ならばと岩本はドラゴン・スープレックスを狙っていくが、めんそーれはカサドーラで切り返して岩本の起き上がりにトラースキック。さらに岩本の孤高の芸術を耐えてスクールボーイで抑え込むがこれはジェイクがギリギリでカット。ジェイクは飛び込んできた大森を投げっぱなしジャーマンで放り捨てるが、大森は即座に起き上がってアックスボンバー。勝負は岩本とめんそーれに託される。

 めんそーれはトグロ巻きを狙うが岩本はスクールボーイで切り返し、岩本がバックドロップを狙うとめんそーれもヘッドシザースホイップで切り返す。さらにめんそーれはトラースキックで追撃してからロープに飛ぶが、岩本がカウンターの孤高の芸術を決めるとこれで3カウント。

<試合後コメント>
ジェイク・リー&岩本煌史
岩本「さんざん、約1カ月くらいバカにし続けてきたけれど、なんだありゃぁ。メチャクチャしぶといな。マジで危なかった、本当に。本当にこのアジアに対する並々ならぬ思いっていうのを、ブラックめんそ~れからメチャクチャ感じたし、ちょっとでも弱気になったら本当に一瞬で飲み込まれるところだった。本当にメチャクチャ価値のある防衛だよ。」
ジェイク「それを支え続けた大森さん。アックス・ボンバー、まぁだクラクラしてる。」
岩本「アシストが絶妙だった。まぁでもウチのパートナーもアシスト絶妙だったからね。助けられた。」
ジェイク「いやいやいや、とんでもない。これでV4。そろそろ俺たちが今まで言ってきた海外の選手、アジアの選手。これをちょっと具現化していこうかなと思っています。」
岩本「今日は同じヘビーとジュニアという組み合わせ。しかも最後はジュニア同士。俺とブラックめんそ~れ。所属だけですごい戦い、お客さんが楽しんでくれる戦い、できるんですよ。所属の層が薄いとか、そんな声を聞くけれど、だったら見に来い。すごいぞ、ブラックめんそ~れ。マジで。気を抜いたらやられるし、今日は真面目だったとか。いつも命かけて戦ってるんだよ。まず見に来い。俺らの本気を見に来い。それだけですね。・・・またV5に向けて。」

第4試合


 今月22日に引退を控える中西学の最後の全日本プロレスでの試合。
 試合前にはパートナーの秋山、西村、吉江から花束が贈呈され、記念撮影が行われる。

 中西とTAJIRIでゴングが鳴るが、TAJIRIはなにもしないままヨシタツにタッチ。
 中西とヨシタツはロックアップからリストの取り合い、ショルダータックルと渡り合い、中西が打ち勝つと両者タッチ。
 崔と吉江の対面となり、崔がミドルキック連打からブレーンバスターを狙うが吉江はこれを耐えて振り払いショルダータックル。両者タッチ。
 秋山と男児の対面となるとロックアップで男児が押し込んで離れ際にエルボー。秋山は男児を無言で睨みつけるが男児は構わずエルボー連打。すると秋山は男児を場外に放り出して場外マットの上でボディスラム。ここでレフリーの和田京平が「(リング内に)マットがあるだろ!」と叱責するが、これを「(場外には)マットがある(からダメージが少ない)だろ!」と解釈した秋山はわざわざ場外マットの無い床で男児に場外ボディスラム。
 秋山は男児をリングに戻すと西村にタッチし、西村はヨーロピアンエルボー連打からスリーパーホールド。男児の動きが弱ると吉江にタッチし、2人でダブルのショルダータックル。
 吉江はボディスラムからエルボードロップ。中西にタッチ。
 中西は男児を逆水平チョップでなぎ倒し、さらにコーナーで逆水平チョップを連打も、男児はコーナーに上ってダイビングショルダー。ヨシタツにタッチ。
 ヨシタツ、崔、TAJIRIは3人で中西を袋叩きにしていくが、中西は野人ハンマーで3人を次々になぎ倒していき、秋山らを呼び込んで4人でトレイン攻撃から中西がダイビングブレーンチョップ。さらに中西が野人ダンスからの野人ラリアットをヨシタツに叩き込むが、男児がカットし猛烈にタッチを要求。
 男児に代わると、男児はエルボー連打から俵返しを狙っていくが、中西が耐えてボディスラム。さらにニードロップを落としていくが、男児はこれを回避して中西をボディスラムで叩きつけ、中西リスペクトの野人ダンス。男児がラリアットを狙うが、中西は喉輪でこれを受け止めるとショートレンジラリアットでなぎ倒し、男児をアルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げる。
 これをTAJIRIが毒霧を口内に分泌しながらカットに来るが、中西は男児を振り回してTAJIRIにぶつけて撃退するとTAJIRIは天に向けてグリーンミスト。救援が絶たれた男児はそのまま無念のギブアップ。

中西「全日本プロレスのお客様!こんにちは!新日本プロレスの中西学です!温かい応援、ありがとうございました!同じこの後楽園ホールで、19日から22日まで4日間新日本の試合させていただきます。……ごめんな!秋山!宣伝させてもろうて(笑)完全燃焼しますので、今日の試合に負けなくらい燃えます!ぜひ皆さん応援してください!それと、全日本プロレス、めっちゃ熱いです!これで最後になるのがホンマ惜しいんですけど、せやけど、この戦い、これからも応援していきましょう!ありがとうございました!」

<試合後コメント>

中西学&秋山準&西村修&吉江豊
――こういった特別試合が組まれると引退もさらに実感されるんじゃないかと思いますが?
中西「そうですね。全日本最後の試合って銘打たれていて、「あぁホンマ全日本にはお世話になったからな」って思いつつ。それとこの形で、この4人で組めたというのもすごい意味のあることだし。秋山選手とこうやって組むのは二回目なんですけどね。機会は少なかったけれど、それだけレアだったので面白い戦いができたと思います。もうこのふたり(西村、吉江)とは嫌っていうほど組んでますけど(笑)。面白いものも出せるし、出「さなくてもいろんなものが見えてくると思うし。今日はホンマ楽しい戦いでした。ありがとうございました。」
秋山「中西先輩が言ったようにあんまり組んだ事はないけれど、ずっと大学からの姿を思い起こして。でもさびしいですね。」
西村「三人でも組んでいたし、ふたりでも蝶野、天山組に挑戦したりもしました。大阪でですが昨日のことのように。60分フルタイムも覚えていますし、本当に体も落ちていないし、まだまだいけるんじゃないかと思いますけど。残念で仕方ありません。」
吉江「そうですね、わたしはGエッグス、ビッグ・マウンテンズとチームで組ませていただきましたし。俺の中でザ・レスラーは中西さんでしたんで。残念ですがこれからもわたしはまだまだやっていきますんで頑張っていきたいと思っています。」

――全日本プロレスは新日本プロレスとはまた違う空気の会場だったと思うのですが?
中西「なんて言ったらいいんですかね。新日本育ちで新日本は好きですけど、せやけどなんとも言えない雰囲気がありますね、全日本には。その雰囲気はすごいですね。やさしさばかりじゃなくて厳しさもあって。その中で精いっぱいやったやつに対してはすごい声援が来るし。それはなんとも言えないですね。ええ感じの。新日本も見習った方がいいかもしれないですね、ハイ。・・・ヤバイ(苦笑)?」
秋山「大丈夫です大丈夫です(笑)。」
中西「さっき(リング上で)宣伝しちゃったからさ。上げとかないと(笑)。でも新日本の方向性はもちろんあるんで、全日本の方向性とはやっぱり若干違うんで。まぁそういうことで。」

第5試合


 ゴングと同時にアキラがドロップキックでススムを場外に叩き出し、トペ・スイシーダで追撃するという波乱の立ち上がりとなり、アキラはススムをリング内に戻してスライディングキック、さらに串刺し攻撃を放つがススムは「捕まえた!」とアキラを担ぎ上げ、足横須賀。
 ススムは足に照準を定め、ヒザへのエルボードロップからニーロック、さらにアキラの足をロープにくくりつけてのスライディングキック、さらに足4の字固めを狙うがこれは決まり切る前にアキラがブレイク。
 アキラはエルボーで反撃していくが、ススムが強烈なエルボースマッシュを決めてから足横須賀、さらに足4の字固め。アキラは苦戦しつつもブレイク。
 ススムはさらに足横須賀を狙うが、アキラはこれを着地してドロップキック。ススムはこれをかわして自爆させ、ジャンボの勝ち!を狙うが、アキラが飛びついてカサドーラからのフットスタンプ。さらに「イクゾ!コウラクエン!」と叫んでからスリング・ブレイドを狙うが、ススムは飛び退いてこれを回避すると、再びジャンボの勝ち!を放つが、アキラはスクールボーイ、ラ・マヒストラル、さらにそのまま足を離さず逆片エビ固めへと移行。

 これをブレイクしたススムが場外に逃れるとノータッチトペ・コンヒーロで追撃し、リングに戻してライトニングスパイラルを狙っていくが、これを振り払ったススムがハーフネルソンスープレックスからアキラをコーナーに振って後頭部へジャンボの勝ち!。さらに雪崩式のジャンボの勝ち!を狙うが、アキラがロープを利用してのサマーソルトキックを放ってススムをエプロンに落とすと、エプロン上でのスリング・ブレイドを敢行。

 さらにススムをリングに戻し、背中へのムーンサルト・プレスを投下してからメテオラ。続けてススムをコーナーに上げて雪崩式の攻撃を狙うが、ススムがこれを耐えて逆に雪崩式デスバレーボム。アキラはエルボーなどのコンビネーション打撃で粘りを見せるが、ススムがジャンボの勝ち!からジャンボの勝ち!固め。アキラがこれをキックアウトすると、ススムは横須賀タワーを狙うが、アキラはこれをウラカンラナで切り返し、ススムに返されるとロープに飛ぶが、ススムはカウンターのジャンボの勝ち!を叩き込み、最後は横須賀カッターで試合を決めた。

ススム「危なかった……危なかった……。ありがとうございました!まず、とりあえず、アキラ選手、良かったですね!アキラほんと二十歳とかでよく頑張ったと思います。僕倍以上ですからね!(笑)オヤジ狩りに遭うような感じだったんですけど(笑)国境を超えたオヤジ狩りってね(笑)そして!とりあえずね、前回トーナメントを僕制しまして、その直後にね、ああやってトーナメントに参加してないアキラ選手が挑戦表明してね、僕は挑戦を受けたんですけど、まあ今日はアキラ選手に勝ったんで、そして僕はDRAGON GATEの人間なんで、このあとこの団体に誰も挑戦者がいないようでしたら、DRAGON GATEに戻ってタイトルマッチやってもいいと思うんですけど皆さんどうですか?!」

 ここに岡田佑介が会場に駆け込んできてリングイン。

岡田「いつまでもなぁ、この全日本プロレスのリングでしゃしゃっとんちゃうぞオラァ。その!世界ジュニアのベルトは、遠かろうが、近かろうが、外の人間に取られている以上、全日本プロレスの俺がお前から取り返したらぁ!俺に次、挑戦させろ!」
ススム「……彼はこういうキャラクターなんですか?Tシャツに『いてこます』『突撃』って書いてありますね。まさにこれが突撃かオイ!なんだよ!あぁ?なんでじゃあ前回出てこねえんだよ!お前アレだろ?青木さんと同じチームだったんだろ?シンプルに悔しいだろ!俺が巻いてたら!」
岡田「……お前、その名前出したら分かっとるんか?もう1回言っておくわ。いや、言うの忘れたわ。いてこますからな!」
(岡田がリングを降りて去っていく)
ススム「おい!俺はまだ挑戦を受けるとは言ってないぞ!……でも!いいよ!こんなね、気持ちいいやついるんだ、全日本プロレスの若手にも。俺は、逃げも隠れもしない。お前の挑戦、受けてやりますよ!引き続き、お楽しみくださいっ(笑)」
 
<試合後コメント>

横須賀ススム
「いやあ、まあとりあえずね、試合後にいろいろありましたけど、アキラ、フランシスコ・アキラ。この間のトーナメントが終わったあとに彼はね、トーナメントに出てなかったんで、純粋に彼を選んだんですけど。うん、本当にただシンプルにいなかったという理由だけでこの間は選ばせていただいたんですけど、でも選んだ甲斐があったと。うん。僕は全日本で獲ったあとに言った、『このベルトを下げることはしない。上げてみせます』と、今日は彼がそれに相応しい試合を、うん。見せてくれたんじゃないかと思って。本当に危なかったです。最後の最後まで気が抜けなくて。でも、その辺はやっぱ僕は長くやってる分ね、最後、彼はちょっと油断があったんじゃないかと。そこはやっぱ詰め込むことができたんで。最後は危なかった。紙一重だったと思います。その中でね、試合後ですね、岡田選手が出てきて。俺もあえて自分から言いましたけど、彼が何も言ってなかったんで、うん。彼は青木さんの直の後輩だと思うんで。俺が青木さんのあとにこうやって新しいジュニアのチャンピオンになって、あの場にあいつはいなかったですからね、彼は。でも、彼なりに逆に思うところがあったのかもしれないですけど。でも、今回時間を置いてね、こうやって彼が来てくれたんで。うん。このままだったら、俺ホントDRAGON GATE行って勝手にやっちゃおうかなと思ったんですけど。とりあえず彼との防衛戦が決まったんで。まあ、僕個人で言えば、DRAGON GATEでも3月に最高峰のドリームゲートに挑戦が決まってますけど、僕ん中では基本的にDRAGON GATEと全日本プロレスはまったく別だと思ってますんで。こっちでは僕はチャンピオンです。でも、DRAGON GATEでは僕はチャレンジャーです。別に安易に二冠王とか、そういうのを目指してるわけじゃないんで。僕はこっちではチャンピオンとして、チャンピオンの仕事をするだけなんで。これからもだから、言った通りに、僕はこのベルトを高めるために頑張っていきます。ありがとうございました」

フランシスコ・アキラ
「オー、マイ、ゴッド!ススムサン、あなたはビーストだ。アメージングだ。アリガトウゴザイマス。ススムサン、ネクストタイム。今日はあなたが最高でした。アリガトウゴザイマシタ。」

岡田佑介
――気持ちのすべてをぶつけたかたちになりました
「・・・単純に、あの世界ジュニアのベルトを前に持っていたのが青木さんというところで、俺はほんまはその名前、出したくない。なんでかっつったら俺は青木さんに認められてきたわけじゃないから。俺は決して、青木さんの傍にいても青木さんに認められたレスラーじゃなかった。そのまま青木さんも遠くに行っちゃった。でも、あの人が青木さんの名前を出すなら俺だって同じEvolutionとして立ち向かうしかない。そしてあのベルトは全日本プロレスが管理している世界ジュニアのベルト。俺が見てきた全日本プロレスの偉大な人たちがずーっと誇りに思って戦い続けてきたあのベルト。
俺は全日本プロレスに誇りと意地を持っている。それを他の団体。ドラゴンゲート。どんな団体か知らない。見てきてもいない。だけど素晴らしい団体と言われてるかも知れん。でも俺が一番すごいと思ってる団体はこの全日本プロレス。だから俺はこの全日本プロレスを選んだ。そのベルトをよその選手に獲られている以上、俺は俺の意地、全日本プロレスの意地。あの横須賀ススムにぶつけたいと思います。あとひとこと。いてこますだけ、以上です。」

第6試合


 戦前から暴走大巨人の空中分解を予言しており、石川の内通をほのめかすなどしてゆさぶりをかけていたイザナギが入江&ルーカスとともに入場してマイクを取る。

イザナギ「諏訪魔、石川、ついにこの日が来たな。お前らいったいどっちが裏切ってくれるんだあ~?俺たちは別にどっちだっていいんだぜぇ?!なぜなら!俺たちは神だからだ!」

 ここで入江とルーカスが奇襲し、石川と諏訪魔の誤爆を狙い仲間割れを誘発しようとするが2人は寸前で踏みとどまり、南側客席までなだれ込む場外戦へ。石川が入江を痛めつけてリングに放り込むと、入江は即座にトペ・スイシーダで石川に反撃。入江は石川をリングに上げてコーナーでエルボーを放ち、コーナーチャージするが、石川が追走して串刺しラリアットからダイビングフットスタンプ。さらにファイヤーサンダーを狙うが、入江が着地するとニーリフトからブレーンバスターを狙う。これを入江はブレーンバスターで投げ返し、ロープにもたれかかる石川にキャノンボール。エプロンに上半身を出す形で仰向けになる石川へルーカスがコーナートップからダイビングギロチンドロップを投下し、さらに入江が石川をリングに戻してスワンダイブ式のヒップドロップ。さらに入江はビーストボンバーを狙うが、石川がラリアットで迎撃しドラゴン・スープレックス。入江は即座に飛び起きてビーストボンバーを叩き込むと両者タッチ。
 諏訪魔はルーカスのビッグブートをかわしてロープに飛ぶとフライングショルダー。さらに串刺しラリアットからスロイダー、「投げるぞオイッ!」からのラストライドを狙っていくが、ルーカスはショルダースルーで切り返して諏訪魔をコーナーへやり投げ。さらにショルダータックルでぶつかっていくが、諏訪魔はこれをキャッチしてDDTで突き刺すと石川が加勢に入り、石川のニーリフトからのサンドイッチラリアットを狙うが、ルーカスが回避したため諏訪魔と石川が衝突する形に。諏訪魔は不満の表情を顕にして石川を小突き、仲間割れを予感させる。
 ここに入江がタックルで突っ込んできて石川を吹き飛ばすと、ルーカスが諏訪魔を再度バスターで叩きつけ、入江とルーカスが合体ボディプレス。ルーカルはエルボードロップからエルボー連打も、諏訪魔がダブルチョップからのショートレンジラリアット。フォールに入るが、セコンドのイザナギが場外から李日韓レフリーの足を引いてカウントを妨害。

 無法地帯となったリングにイザナギが乱入して諏訪魔にパウダー攻撃、UTAMAROが石川にイス攻撃、4人で諏訪魔にトレイン攻撃など好き放題攻撃し、入江がビーストスプラッシュを投下するが石川が諏訪魔に覆いかぶさり、諏訪魔を身を挺して守る献身的なアシスト。

 これで石川に裏切りの気持ちが無いことを確信した諏訪魔は発奮して入江とルーカスをラリアットでなぎ倒し、イザナギとUTAMAROもダブルラリアットで撃退。さらに石川とともにルーカスへ境川、諏訪魔がスロイダー、石川がランニングニーと畳み掛け、諏訪魔がラリアットを狙うもルーカスは組み付いてコンプリートショット。さらにラリアットを叩き込むが諏訪魔は倒れずに耐え、ショートレンジラリアットでルーカスをなぎ倒すと、怒涛のバックドロップ3連発で3カウントを奪った。

 試合後、石川が笑顔で握手を求めると、諏訪魔も安堵した様子で笑いながらその手をしっかりと握り返した。

<試合後コメント>

暴走大巨人
諏訪魔「最初に言っておくことは……石川選手、疑って悪かった!ちょっと向こうのやり方に動揺して、俺ちょっと疑っちまったというのが今回の損失だと思う。申し訳ない!」
石川「やっぱり諏訪魔さんとはタッグパートナーでもあるけど、ライバルだと思ってて、やっぱり向こうのね、『こっち来い』というのに1回利用されて、もしかしたらこっちのほうが対角線に立ちやすいのかなという、思った部分もあったんですけど、やっぱり暴走大巨人としてこの形で終わらすわけにはいかないんで。やっぱり正々堂々とした形でね、諏訪魔さんの前に立つ時はちゃんと理由も目的もちゃんと明確になった状態で立ちたいなと。こんな中途半端な形じゃ申し訳ないんでね、ハイ」
諏訪魔「今言った通りですよ。わかった。正々堂々とやれるように俺も頑張るわ。ありがとうございます」
石川「ありがとうございました!」

PURPLE HAZE
イザナギ「裏切らねぇじゃねぇかよ、アイツら。ふざけんじゃねぇよ!俺たちこれで終わりじゃねぇからよ。かならず全日本プロレスを制圧する。なぜなら俺たちは神だからだ!」
ルーカス「マイクがあるこの場ではそれにふさわしいことは何も言えない。」

第7試合


 宮原にとって川田利明に並ぶV10のかかった試合であり、自身のデビュー12周年記念日でもあるこの試合。その牙城に挑む青柳は青と金をあしらったニューコスチュームにライダースジャケット風のガウンを身にまとって入場。

 ロックアップから青柳が押し込み、宮原の頬をなでながら離れるといった挑発的なブレイクをすると宮原がフロントハイキックも、青柳は宮原をエプロンに出してビッグブートで蹴落とし、場外で鉄柱などを使って宮原の腕を集中攻撃してエンドゲームへの布石を打つ。しかし青柳がエプロンからにニードロップを狙って飛び込んだところを宮原がニーリフトでカウンターし、ヘッドバッドの連打で猛攻。
 青柳をリングに上げるとコーナーに振って串刺しブラックアウトを狙うが、青柳はこれをかわしてコーナーに飛び乗ると、宮原の腕を取ったまま飛び降りてヒジへのニードロップ。さらに突っ込んでいくが、宮原がカニバサミで倒してロープにもたれかからせるとエプロンから低空ドロップキック。さらに串刺しブラックアウトも、青柳はニヤつきながら宮原の眼前でアゴへのパンチのジェスチャーで挑発。宮原がロープに振ると青柳はフライングフォアアームからダイビングクロスボディ、続けてエンドゲームを狙うが宮原は急いでロープに足を伸ばしてブレイク。

 青柳はロープを使ったアームブリーカーから場外マットを引き剥がして硬い床への奈落式ブレーンバスターを狙うが、宮原はエプロンで踏みとどまってパイルドライバー。リングに戻ってコーナーにもたれかかる青柳の後頭部にブラックアウトからジャーマン・スープレックで叩きつけるが、青柳も即座にジャーマン・スープレックスで反撃。立ち上がった宮原の顔面にトラースキックを突き刺し、宮原との激しいエルボー合戦を制してジャーマン・スープレックス3連発。そしてロックスター・バスターを狙っていくが、宮原がブレーンバスターで切り返し、後頭部へのブラックアウト。

 宮原は滞空ジャーマン・スープレックスホールドからシャットダウン・スープレックスを狙っていくが、青柳はこれを振り払ってレッグロールクラッチ。宮原のキックアウトに合わせてエンドゲームで捕らえる。宮原がこれをブレイクするとロックスター・バスターの体勢に入るも、宮原が振り払ってブラックアウト。膝立ちになった青柳に正調ブラックアウト。

 さらにシャットダウン・スープレックスを狙い、青柳がこれを振り払うとブラックアウトで飛んでいくが、青柳はこれをキャッチして振り払うとローリングエルボーから北原光騎さん直伝のスピンキック。

 青柳はロックスター・バスターで叩きつけるもカウントは2。もう一発狙うが宮原は背面に着地し、青柳が振り向きざまに放ったスピンキックも回避してブラックアウト。そして解禁を宣言していたブレイクハートを久々に繰り出し、最後はこだわりのシャットダウン・スープレックスホールドで3カウントを奪い、歴代最多防衛タイのV10を達成した。


宮原「おい、青柳優馬!お前に1つ言いたいことがある。お前は、今日を以てNEXTREME、追放だ!このタイトルマッチが決まって、お前はすげぇいい顔してたじゃねえかこの野郎!俺が見たことない顔をいくつも見てきた!青柳はもう、宮原健斗の近くにいる必要はねえ!……追放じゃねえな、卒業だ!次からは対角線に立って、この全日本プロレスを俺らの時代で盛り上げようじゃねえか」

 宮原が青柳に握手を求めるも、青柳は手に持っていた氷嚢を宮原に投げつけて無言でリングを後に。

宮原「もしかしたら俺が卒業という前に辞める気だったかもな!それはさておき、V10を果たした!この歴史を動かした男に、ベルトを巻いていただこうか」

 奥田リングアナがベルトを巻こうとするが、前回の後楽園ホール大会で宮原の防衛後にベルトを巻こうとした青柳が背後からジャーマン・スープレックスで叩きつけて挑戦を表明した経緯から、奥田リングアナにジャーマンコールが沸き起こる。

宮原「紛れもなく歴史を動かした男、宮原健斗が後楽園に帰ってきたぜ!V10!この全日本プロレスの歴史上、ナンバーワンだ!紛れもなく全日本プロレスの最も最高のチャンピオンはこの俺だ!今のシンボルは!宮原健斗で決まりだ!もうこの2020年も宮原健斗が独走させていただく!もし俺がシンボルだということに異論のあるレスラーがいるならば、出てきてほしいな。2020年のシンボル、宮原健斗にストップを掛けるやつはいるのか?!」

 ここで諏訪魔が会場に現れ、エプロンに上がると場内は大歓声に包まれる。

諏訪魔「おい、宮原。その三冠防衛記録、これ以上更新させるわけには行かない。俺がその記録をストップしてやる。俺に挑戦させろ。おい、宮原、どっちが全日本プロレスの象徴か、そして全日本プロレスとはなんなのか、それが分かる戦いをしたい。答えを聞かせてくれ」
宮原「おい、諏訪魔。出てきたところ悪いけどな、今のシンボルはな、日本全国の皆さんにお聞きしてもな、間違いなく俺だろう!おい!俺が受けるか受けないかは今日ご来場のお客様に聞く!間違いなく今のシンボルは宮原健斗だ!お前は全日本プロレスを守ってきた男かも知れない。ただ!今は俺だ!俺が受けるか受けないかは今日ご来場のお客様の声次第だ!宮原健斗vs諏訪魔の!全日本プロレスの新旧の戦いを見たいのか見たくないのかどっちなんだ?!(場内が大歓声で応える)そして!宮原健斗と諏訪魔!どちらを求めるんだ?!(両者の名を叫ぶ声が二分する)……おもしれぇじゃねえか。勝負だ!」

 諏訪魔が宮原とにらみ合い、そのまま立ち去るが、一人の観客が諏訪魔の去った後も諏訪魔コールを叫び続ける。

宮原「おいしつこいよお前!(笑)もう過ぎ去っただろ?!おい!メインイベントを締めた俺を差し置いてなんだその諏訪魔コールは!(健斗コールが起きる)……ありがとう(笑)NEXTREMEの青柳優馬!卒業した!ということは!NEXTREME……俺しかいない!もはやユニットと名乗っていいのか?!NEXTREMEに入りたいというやつはいないのか?!入りたいというやつがいたら出てこい!(場内から「いない!」コールが沸き起こり、本当に誰も出てこない)……普通誰か出てくるだろうが?!プロレスの流れ的に!!オイ!もはや人望がないどころからこの全日本プロレスの嫌われ者かもしれないな?!まあ、シンボル、エースというのは嫌われ者、すなわち、孤独を生きる男なんだ!だから俺はこのベルトを巻いている!そしてみんなも御存知の通り、俺はこのリング上で輝く!今日、この最高の男・宮原健斗はプロレスラーになって12年が経ちます。12年前の今日!ここ!後楽園ホールでデビューしました!12年間、紆余曲折ありながらここにたどり着いた!12年前の少年は、12年後にチャンピオンとしてこのリングに立っているとは思っていなかった。何があるかわからない。それがプロレスだ。……訂正しよう!12年後にこうなることは分かっていました!13年目の俺に!日本中のプロレスファンは何を期待する!この宮原健斗に何を期待する?!何を期待する?!声を聴かせてくれ!みんなの声を聞かせてくれ!……まあそれぞれ言いたいことはあるんでしょうけど。13年目もこの第62代、歴史を動かした男、この宮原健斗がこの全日本プロレスの中心にいることは間違い!諏訪魔ァ~!勝負だ!……以上です。(宮原が立ち去ろうとするのを健斗コールで呼び戻す)最後に!後楽園ホールの皆さんに聞きたい!全日本プロレス、最高ですか~ッ?!(「最高!」の声)……12年間で一番聞こえるゥ~!全日本プロレス、最高ですかぁ~?!OK!ラスト!全日本プロレス最高ですか~ッ?!全日本プロレス、最高ッ!」

<試合後コメント>

宮原健斗
「よっしゃあ!よっしゃあ!どうでしょうか?歴史を動かした男の試合後の姿はどうでしょうか?あぁ~、苦しかったなぁ~。いやぁ、V10。全日本プロレスの歴史というものを、この当日を迎えるにあたって、まざまざと感じさせられた。いやぁ、全日本プロレスの歴史は俺が思っていた以上に凄かった。ただ、この何十年間と全日本プロレスは宮原健斗のような輝かしいエースがいなかった。これは事実だ。ただ、俺が現れた。V10が破られるのもしょうがない。俺しかいないだろ?なあ?青柳優馬、素晴らしいレスラーになったじゃねぇか。NEXTREAMにいないほうがいいよ。卒業だぁ。……次、現れたな。思わぬ男が現れたなぁ。諏訪魔、お前は全日本プロレスを守った男だということは認めよう。俺もその姿、見ていたよ。ただなあ、それは昔のことだ。見ている人も変わってるんだよ。その当時見てた人もいるかもしれない。ただなあ、いつまでもなあ、守りに入っているという話題が今の全日本プロレスには邪魔なんだ。“守った男”という称号が邪魔なんだ。この日本全国が、このプロレス界で期待されている男・宮原健斗がチャンピオンじゃないと描けない全日本プロレスの絵があるんだよ。おそらく日本プロレス界のファンの皆様はお気付きでしょう。諏訪魔、勇気があるのは認めよう。今の宮原健斗に挑むというのは勇気がいる。ただな!簡単にはいかねえぞ。……簡単にはいかねえぞぉ。まあ、今日一番大事なことは、Vッ10ッ!を果たしたということだ。マスコミの皆さんもね、この歴史が動いた光景を見たでしょ?紛れもなく全日本プロレスのシンボルは俺だ。これに異議がある奴は、諏訪魔、お前か?そのシンボルということに異議があるならば、正々堂々と勝負してやろうじゃねえか!よしっ!」

青柳優馬
「何が卒業だよ、チクショウ!ナメやがって。ナメんなよ、何が卒業だ。いさぎよく、イイコちゃんぶらないであのまま追放って言ってくれよ。なんだよ、卒業って。アイドルグループのメンバーが卒業するんじゃねぇんだぞ。そういう世界じゃないんだよ、あの野郎。あぁチクショウ!今日はもういいよ。今日は負けましたよ!次は宮原健斗、覚悟しておけよ。」

諏訪魔
――ああいう問いかけがされたら諏訪魔選手が出てくることをお客さんも期待していたのではないでしょうか?
「うん。そう思っていただけたならありがたい。まぁ三冠の防衛記録をこれ以上塗り替えさせるわけにはいかないんだよね。歴史ある全日本プロレスというのはあいつもわかってるんだろうけど、まだだろう!って。川田さんの持っている防衛記録を、それを今あいつが塗り替えていいのか?俺はまだ違うんじゃないかと思うしね。全日本プロレスとはなんなのか?それをまたわかる戦いにしたいと思っています。宮原、あいつはもう頑張っているよ。頑張っているのはわかるんだよ。ただここは全日本プロレスであり、全日本らしさっていうのがなんなのか、俺も考えるしね。あいつだって考えているだろうし。あいつは魅力という部分が強いのかも知れない。俺は強さをもっと追究したいし、強さと魅了する力だな。そういうものの対決になるのかなと思っているんでね。勝ちますよ。そして5冠、夢の5冠を達成したい。そう思っています。やりたいことがあるんで。」

――チャンピオン・カーニバルも近いですし
諏訪魔「そうだね。チャンピオン・カーニバルの前にやりたいね。早く全日本プロレス、PWF本部には決定していただきたいなと思います。」

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