岩本煌史が名古屋の盟友・阿部史典を撃破し世界ジュニアトーナメント準決勝進出!「阿部のためにも俺は負けねえ」

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 21日、東京都・後楽園ホールにて行われた全日本プロレス『2019 世界最強タッグ決定リーグ戦』で世界ジュニアヘビー級王座決定トーナメントが開幕。一回戦で岩本煌史が阿部史典を撃破し準決勝に駒を進めた。

 岩本は2012年に愛知県・名古屋市のスポルティーバエンターテイメントでデビューし、柔道をバックボーンとしたゴツゴツとしたファイトスタイルが人気を呼んで全日本プロレスを始めとした東京の団体でも引っ張りだこの人気選手に。2017年に全日本所属となってからは2度の世界ジュニアヘビー級王座、アジアタッグ王座の戴冠、Jr. BATTLE OF GLORY優勝などの華々しい結果を残し全日本ジュニアの中心選手として団体を牽引している。
 一方、阿部史典は格闘探偵団バトラーツに憧れてプロレスラーを志し、敬愛する澤宗紀の勧めで2014年にスポルティーバに入団。その後は全日本プロレスなどのメジャー団体からマットプロレスまで場所を選ばず幅広く出場し、その試合数は年間約200試合にも上る。2018年にプロレスリングBASARA所属となってからは日高郁人とNWAインターナショナルライトタッグ王座を獲得するなど着実に結果も残している。

 今回のトーナメントで名古屋の先輩・後輩にあたる2人の対戦が決まると、岩本は「阿部は俺の直の後輩だけど、もう下に見ることはない。対等。ほんとに楽しみ。俺らはお客さんが10人くらいしかいない、選手・スタッフよりもお客さんの方が少ない中でシングルマッチやってたんですよ。その時から俺らの熱は1000人いる後楽園でのシングルマッチに負けていないですよ。やってることは変わんないから」と全日本での阿部とのシングル戦への想いを語り、阿部も「岩本さんの必殺技は”孤高の芸術”ですけど、その練習台は俺ですから!それだけは忘れないでください!今なら岩本さんに勝てる自信しかないということだけをお伝えしたいと思います!」と笑顔で返すなど両者は清々しく正々堂々の戦いを誓っていた。

 試合が始まると両者は互いの歩んできた道を確かめ合うようなじっくりしたグラウンド戦を展開するも、阿部が腕攻め、岩本が首攻めと互いの必殺技の効果を高める一点集中攻撃を見せていく。
 阿部が岩本をエプロンに誘い伊良部パンチを放つものの、これをかわした岩本がエプロンでの大外刈りを敢行。大ダメージを受ける阿部だったが、脇固めドロップキックやフランケンシュタイナーなどの飛び道具を使って岩本に食らいつくと、澤宗紀直伝のお卍固めへ。さらに岩本の孤高の芸術をビクトル投げで切り返す研究の成果を見せ、回転浄土宗を放っていくが、岩本は阿部のハイキックを読んで下から潜り込んでハリケーンドライバー。さらに孤高の芸術を立て続けに2発叩き込んで試合を決めた。
 試合後、2人は何度も笑顔で握手を交わし、2人で向かい合って深々とお辞儀をしてから退場していった。

 バックステージに戻った岩本は、「名古屋で産声を上げた無名レスラー2人が、全日本プロレスの後楽園ホールのリングでシングルマッチが出来て、俺は幸せです。正直ね、世界ジュニアトーナメント、阿部を前にすると阿部しか見れなくなっちゃったね。ただ、メチャクチャ楽しかった!久々のボコボコにね、殴り合って、投げ合って。リング上ではね、お互い『楽しかったっすね』っていう言葉しかホント交わして無くて。ただ俺も『またやろう』って言ったし、まあ実際、今日戦うに当たって組んだりもしたし、どっちも違和感なかった。組むにしても、戦うにしても、必ずいい効果が生まれると思うんで、俺は阿部史典を水面下で調査しようと思います。次ね、世界ジュニア準決勝!年明けでしょ?ゆっくりと、ゆっくりと準決勝に誰が進出するか、しっかりと見届けて、しっかりと研究する。阿部のためにも俺は負けねえ」と阿部との今後を見据え、世界ジュニア戴冠への思いを語った。

 一方の阿部は、「何回も言ってますけど本当に名古屋で10人20人(の観客の前)でやってて、うんともすんとも言わない時もあったし。それが聖地、全日本プロレスで巡り巡ってやれたなんて。これは本当にひとつの目的地だったし、うれしい!だからと言ってまだ満足はしていないです」と岩本との戦いを振り返る。
 そして、決まり手となった岩本の孤高の芸術について聞かれると「孤高の芸術はメチャクチャ痛かった!その前のSTO、大外刈り?あれもヤバかったんですけど。しかも2連続で来たでしょう?あれはヤバかったですね。きつかった。でも俺が実験台にしていた頃よりも、上手になりましたよ。コウジは(笑)。孤高の芸術は強烈になりましたよ。俺、三年前にはキックアウトしていたんだから。もうキックアウトできないくらい成長しました。コウジはね(笑) やっぱり岩本さんはチャンピオンの風格というか、間(ま)の使い方が全日本でした。全然違いました。これは戦ってる人にしかわからないと思いますけど、間がメジャーの人だな、みたいな(笑)」と陽気に阿部節を炸裂させ、笑顔で去っていった。

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