30周年を迎えた井上貴子が若手選手に“闘う女”の魂を伝え「女子プロレスの歴史に名を残して」とエール!

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 2日、東京都・東京ドームシティホールにて、井上貴子デビュー30周年記念イベント『己を磨く!女は輝く!』が開催された。

 井上貴子は、1988年に全日本女子プロレスで同期の井上京子を相手にデビューし、WWWA世界タッグ王座やWWWAオールパシフィック王座を獲得した名手でありながら、その美貌と歌声を生かした“アイドルレスラー”としても飛躍。歌手デビューや数々の写真集を発売するなど、リングの内外で活躍を続けてきた。

 貴子は30周年イベントについて「色んな人がたくさん来て楽しんで行ってくれたら」と語り、この日は全5試合の試合に加え、全女時代を想起させるリング上でのライブなどが行われた。

 貴子は早速第一試合に登場し、「30年間一度も勝てなかった相手」としてアジャ・コングを呼び込みシングルマッチで激突。
 貴子が今やトレードマークとなったスタンガンをバチバチと鳴らしながら振りかざすと、アジャも一斗缶で貴子の脳天をぶん殴る。さらにアジャは「30週年だから30発!」とコーナーチョップを放っていくが、貴子もアジャの攻撃を切り返してデスティニー・ハンマーを投下するなど応戦。続けて美拳を叩き込み、京子のアシストを受けスタンガン攻撃を狙うが、これをかわしたアジャが裏拳をクリーンヒットさせ勝利。
 アジャからの初勝利がお預けとなった貴子だったが、アジャの祝福の言葉と再戦要求を受け、満面の笑みでアジャと握手を交わした。

 夏樹☆たいよう、サソリ、中西百重、高橋奈七永、笹崎勝己レフェリー、伊藤薫、タカアンドトシ、中村由真、豊田真奈美、長与千種からの祝福のビデオメッセージが贈られると、貴子はリング上でライブを実施。
 自身のデビュー曲である『奇跡の扉』や『からっぽなトキも夢中にさせて』をソロで歌い上げ、現在も“W井上”としてタッグを組む盟友・井上京子とのユニット“PASSION ROUGE”を復活させデュオで『ONE WAY DREAM』を、さらにアンコールに応えソロで『JEWEL』を歌い上げ、最近親交を深めたというWinkの相田翔子さんとデュオで『六本木心中』を熱唱した。

 メインイベントでは、井上貴子&井上京子&神取忍&堀田祐美子vs中森華子&雪妃真矢&チェリー&安納サオリの8人タッグマッチが行われた。
 貴子が「自分の好きなものだけを集めて組んだ」と語るこのカードは、貴子が“井上貴子のかけら”を見出した選手たちに闘いを通して自身の魂を伝えるためのものとなった。
 若手を中心とする4人は、ゴング前の奇襲から連携攻撃を畳み掛けベテラン軍からの金星を狙うが、京子のダブルラリアット、神取のダブルアンクルホールド、堀田の掌底などの前に倒れていく。
 雪妃と中森は多彩な蹴り技で、チェリーはチェリートーンボムなどの空中殺法で、安納はしなやかな身体を生かしたスープレックスなどでベテラン軍に食らいついていくが、京子が4人をクロスチョップで次々なぎ倒し、チェリーへ貴子のディスティニーハンマーと京子のパワーボムの合体技を見舞い、最後は貴子がチェリーにディスティニーハンマーを投下し3カウントを奪った。

 記念試合を勝利で飾った貴子は、リング上「ほぼ30年間女子プロレスラーを続けてきて、色んなご縁がありました。30年間、ここにこうして立っていられるのも、皆さんとのご縁に恵まれたからだとほんとに心からそう思っています。ありがとうございます。最近は悪いこともしてないのに、『デビュー30周年井上貴子(48)』とか出てしまうんで、あまり見栄は張りません(笑)これからはちょっと戦い方を考えながら、もうちょっと現役を続けていこうかなと思います」と挨拶し、観衆は大歓声で貴子を祝福した。

 バックステージに戻った貴子は、対戦相手の4人について「すごくエンターテイメント性の高い見た目なので。でも実力がまだまだだなってところは多々ありましたけど、一発一発が軽いだけで決して悪くはない素質を持っているし、自分をアピールするというのがよくできていると思うので、今後“井上貴子のかけら”を引き継ぎながら自分らしさを出して、女子プロレス界の歴史に残るレスラーになってもらいたいなと思っています」と語りエールを送った。

 さらに、今後の活動について聞かれると、「基本的には“闘う女”でありたいとは思いますけど、色んな戦い方があるので。ちょっとプロレスを続けていくという意味では、厳しいなあっていうのは結構考えているので、今の試合数をもっともっと減らして……とか、『ここ!』っていうときだけ、みたいな戦い方が出来たら、息が長く出来るのかな。やっぱりプロレスが大好きで、プロレスラーになりたいと思った13歳とか14歳とかの、あのモチベーションをまだ超えてないんですよ、プロレス入ってから。あれを超えたらもう辞めてもいいかなというのはありますけど、あのときは『なれなかったら死んじゃお』って思うくらいプロレスラーしか考えてなかったから、あのテンションを超えたいですね」と語り、スタイルを変えつつ今後も“闘う女”としての生き方を貫く決意を語った。

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