エース海人、不可思をヒジ一撃で切り裂く!「いつまでも日本のトップクラスじゃカッコ悪い。世界に向かっていきたい」

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 4月1日、東京・後楽園ホールで開催されたシュートボクシング(SB)。注目はメインイベントで実現したSBの新エース、弱冠二十歳の海人(かいと。TEAM F.O.D)と、現RISE王者でKNOCKOUT(ノックアウト)スーパーライト級トーナメントに参戦中の不可思(クロスポイント吉祥寺/REBELS)の、看板を背負ったエース対決だ。

 「激闘派」として知られる不可思が鋭いジャブと右ローで攻めれば、海人は重い蹴りとパンチ、そして得意のヒジ打ちで対抗。不可思のしつこい右ロー攻めに、海人は構えを左にスイッチし、鋭い左ストレートをヒット。緊迫感のある攻防が続く中、オープンスコアにより3ラウンド終了時点で海人がリードしていることがアナウンスされた。ポイントを挽回すべく、不可思が圧力を強めたが、その分、距離が近くなり、海人はここを逃さなかった。的確なパンチを当てて不可思の体力を削っていくと、4ラウンド終了間際、距離が詰まった瞬間に右ヒジをヒット。不可思は額から大量の出血をし、ドクターは傷口を見るやいなや首を振り、レフェリーは海人のTKO勝利を告げた。

 マイクを持った海人は「日本のトップは海人じゃなくて『シュートボクサーの海人』と覚えてください。これから世界を獲りにいくんで、みんなで一緒に世界を獲りにいきましょう!」と会場のSBファンに呼びかけ、客席からは「海人、ありがとう!」という声援が飛んだ。
 バックステージで海人は「対戦相手が不可思さんと聞いた時は一番テンションが上がって『ぜひやらせてください!』と言いました。リスクも大きくて、負けたら『あんなもんか』と言われるし、プレッシャーに押しつぶされそうにもなりました。でも練習中に試合のことが頭をよぎって、それで頑張れたり。自分の力になりました」と明かした。

 不可思が得意の右ローでペースを掴みかけた時、海人は左にスイッチして流れを引き戻したが「右ローが効いてたわけじゃなくて、サウスポーも練習しているので途中で出しました。不可思さんはパンチ力もあって、やってて面白かった。強い選手と試合してるとテンションが上がって(笑)5ラウンドまでやりたかったです。今回はパンチで倒したくて、ヒジは切るより倒しにいくヒジを。アゴを狙って打ってました。(フィニッシュは)流れでヒジが出て、当たって切れた感じです」。
 今後は「いつまでも日本のトップクラスとやってるのもカッコ悪いと思うんで、世界に進んでいきたいです」と海人。昨年から鈴木博昭、宮越慶二郎、健太、今年2月にはタップロン・ハーデスワーアウトをKOし、さらに不可思をも撃破。国内敵なしの状態で、今後は「ヒジありSBルール」で海人と試合をする日本人ファイターを探すのは難しいかもしれない。その意味で「このカードなら絶対に盛り上がると思った」とオファーを受けて、アウェーに乗り込んで「エース対決」を実現させた不可思の気持ちも大いに称えられるべき。

 快進撃を続ける新エースに、シーザー武志会長は「アイツのヒジにはカミソリでも入ってるんじゃないの(笑)。今は65㎏が一番面白いね」とコメント。
 さらに、今年11月に開催予定のS-cupについて「KNOCKOUTで一番勝ってる選手を呼びたいね。(プロデューサーの)小野寺君とも話してみたい」とし、これまで「WORLD TOURNAMENT」と銘打ってきたS-cupを「アジア」に特化させる構想を進めていることも明かした。「アジアは立ち技なんだよ。中国、韓国と話をしているし、今日もイランの方が会場に来ていた。インドネシアやインドからも選手を集めたいね」と話した。

 二十歳の新エース海人の次なるターゲットと共に、11月のS-cupにどんなメンバーが集まるのかにも注目していきたい。

(スポーツライター茂田浩司)

主要試合結果
『SHOOT BOXING 2018 act.2』

▼第8試合 64.0㎏契約 エキスパートクラスルール 3分5R延長無制限R ※ヒジあり
○海人 @0k8a2i1to(TEAM F.O.D/SB日本スーパーライト級王者)
TKO 4R2分45秒
●不可思 @FUKASHI19 (クロスポイント吉祥寺/RISEライト級王者)

▼第7試合 62.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R 延長無制限R 
○村田聖明 @kiyoakisb (シーザージム/SB日本スーパーフェザー級王者)
KO 1R終了時
●梁傲軒 (=ジョエイ・レウン/香港)

▼第6試合 SB日本女子ミニマム級(48.0kg)
●MIO @mio_sbo (シーザージム/SB日本女子ミニマム級王者)
判定3-0 (三者とも29-28)
○イム・ソヒ(韓国/Jungmumun Gym/韓国コンテンダー女子フライ級王者)

▼第5試合 70.5kg契約 3分3R延長無制限R
◯北斗拳太郎(ボスジムジャパン/SB日本スーパーウェルター級王者)
判定2-0(30-29×2,29-29)
●向柏榮(香港/SB香港・Bomber Gym/Energy Fight×SHOOT BOXING2017 70kg級王者)

▼第4試合 SB日本Sウェルター級70.0kg
○宍戸大樹 @sisido_SB(シーザージム/元SB東洋太平洋ウェルター級王者)
判定3-0 (30-29.30-28.30-28)
●馮本汝(=ベルナルド・ファング/香港/Bernard Fung MMA)

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