【試合結果】2・3 ガッツワールド新木場大会 【GWC認定シングル】ガッツ石島vs兼平大介 【GWC認定タッグ】TORU&阿部史典vs黒田哲広&大谷譲二 ミスター雁之助vs新井健一郎

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『ガッツワールドvol.115 新木場武骨終焉』
日時:2018年2月3日(土)
開始:19:00
会場:東京・新木場1stRING
観衆:263人(超満員)

▼「ガッツワールド2018闘会始」30分1本勝負
●室田渓人
6分35秒 カバージョ
○アミーゴ鈴木(フリー)

▼「猛牛 vs. インディー界の職人」 30分1本勝負
○バッファロー(魔界)
10分28秒 バックドロップ→片エビ固め
●山田太郎(666)

▼「TECHNICAL WAR」 30分1本勝負
●翔太
11分45秒 フライトラップ
○CHANGO(フリー)
 
▼「超党派タッグ vs. IWA熱波軍」 45分1本勝負
折原昌夫(メビウス)/マスクドミステリー
12分5秒 チョークスラム→体固め
松田慶三(フリー)/YUJI KITO(ASUKA PROJECT)

▼「スペシャルシングルマッチ」 60分1本勝負
○ミスター雁之助
14分47秒 雁之助クラッチ
●新井健一郎(DRAGON GATE)

▼「GWC認定タッグ選手権試合」 60分1本勝負
【王者組】○TORU(道頓堀)/阿部史典(BASARA)
22分2秒 垂直落下式ブレーンバスター→片エビ固め
【挑戦者組】黒田哲広(フリー)/●大谷譲二
※第15代王者組が2度目の防衛に成功

▼「GWC認定シングル選手権試合」 60分1本勝負
【王者】○ガッツ石島
12分42秒 フェイスバスター→片エビ固め
【挑戦者】●兼平大介(HEAT-UP)
※第13代王者が2度目の防衛に成功

ガッツワールド最後の新木場大会で雁之助とアラケンが初シングルで名勝負!ガッツが兼平を圧倒し王座防衛!覚醒した大谷譲二がタッグ王座戦に臨むも惜敗!

オープニング


 昨年12月に引退し、二代目相談役に就任したダイスケが登壇。選手生活を終えて体つきが変わってきて「お腹が出始めたのではないか」という不安を口にして観衆の笑いを誘う。
また、続けて雁之助が登壇し、3月の鬼神道FINALの告知と鬼神道の思い出について語っているうちに興行開始時刻を過ぎてしまい、責任者・ガッツ石島により前説が強制終了。即座に第1試合が開始された。

第1試合


 ガッツワールドの解散が発表された12月大会でデビューした室田と、百戦錬磨のアミーゴ鈴木の対決。デビュー戦の二時間前に団体の解散を聞かされたという不幸な境遇を背負う室田がどこまで食らいつけるかというところに注目が集まる。
 握手は無しでゴング。ロックアップから腕取り足取りと堅実な序盤戦を展開。続けて手4つからアミーゴがヘッドロック、ショルダータックル。室田はドロップキックを狙うが、これを読んでいたアミーゴがかわし、そのまま顔面を執拗に攻めていく。続けてボディスラムからカバージョ(キャメルクラッチ)。室田はどうにかロープへ。
 ふらつく室田に追撃を狙うアミーゴだったが、室田はカウンターのドロップキックで反撃。続けて逆エビ固め。これを逃れたアミーゴは、追撃を狙う室田をカニバサミでグラウンドに引き倒し、またアミーゴは顔面を攻め始めるが、室田はスモールパッケージで丸め込みを狙う。しかし、不意を突かれて激高したアミーゴは、室田をブレーンバスターで叩きつけ、続けてカバージョ(キャメルクラッチ)でガッチリと捕らえると、室田は無念のギブアップ。
 

第2試合


 ドレイク森松が肺炎により欠場。急遽山田太郎が代打出場することに。このアクシデントの結果、バッファローと山田太郎の初シングルマッチが実現した。
 バッファローの入場中、観客にアピールするバッファローに山田がドラゴンロケットで奇襲。そのまま場外になだれ込み、山田が場外のバッファローにトペ・コンヒーロを狙うが、バッファローはイスで迎撃。さらに場外でイスで何度も殴打。一気にバッファロー有利の展開に。
 リングに戻ったバッファローは山田の顔面を踏みつけ、串刺しラリアット、ブレーンバスターとたたみかけフォールもカウントは2。山田もすがりついて打撃を見舞っていくが、シリアスモードのバッファローはヘッドバッドで黙らせる。続けてバッファローは串刺しの猛牛ラリアットを狙うが、山田はコーナートップに飛び乗って回避。しかしバッファローは山田に対空砲火。山田は場外に落下してしまう。尚もバッファローのターン。場外でコンクリートの床にブレーンバスター。
 リングに戻ったバッファローは断崖式のギロチンドロップ、バックドロップと攻め立てていくが、二発目のバックドロップをリバースして押さえ込んだ山田が反撃の狼煙を上げる。立ち上がってラリアットを狙うバッファローをかわしてランニングエルボー、さらにダブルアームサルト。さらにコーナートップに上がる。これに追いすがるバッファローだったが、山田がヘッドバッドを連発してバッファローを倒すとミサイルキック。場外に逃れたバッファローに山田がトペ・コンヒーロで追撃。再び場外戦へ。
 イスを持って再びリングに上ってきた二人は、欠場したドレイク森松が得意とするイスを引っ張り合うムーブで指を挟む攻撃に。山田はこの隙を突いて丸め込みを連発していくが、バッファローは全て2で返していく。しびれを切らしてラリアットでの決着を狙う山田だったが、バッファローのカウンターラリアットがクリーンヒット。立て続けにバッファローが放ったバックドロップで山田も肩を上げられず、そのままカウント3。 両者の初対決はバッファローが制した。

第3試合


 翔太とCHANGOという曲者同士のシングルマッチ。両者ともに堅実なレスリングテクニックを持つ上にインサイドワークにも長けており、一味違った試合展開になることが予想されていた。
 ゴングが鳴ると、CHANGOがゴロゴロと転げ回り、翔太が間合いを伺う形に。
 ロックアップで組み合った二人はヘッドロックからグラウンドへ。小刻みなフォールとクリーンブレイクを繰り返す緊迫した空気に。
 ツータックルか合戦から翔太がヒップトスからエルボードロップを狙うが、これを回避したCHANGOがセントーン。しかし翔太もこれを回避し、そのまま場外へ逃れる。
 CHANGOが追っていくと、翔太はリングの下に隠れる。CHANGOもリング下に入ると、そこで戦いが続けられているらしく「痛い痛い!」「オラァ!」などの声だけが響く。
 先にリングに戻ったCHANGOは翔太が出てくるのを待ち受ける。ここでCHANGOの背後からこっそりリングに戻った翔太はスクールボーイを狙う。しかしCHANGOもこれを読んでおり、スクールボーイを潰してフォールへ。続けて顔面をロープにこすりつけ、セントーン。
 続けてCHANGOはグラウンドで変形首4の字で絞り上げ、ロープに逃れようと身体を起こした翔太を丸め込んでいく。なんとかロープに逃れた翔太にCHANGOが逆水平を連発。翔太もナックルで応戦。これに怒ったCHANGOは顔面かきむしり。さらに逆水平からロープに走るが、翔太が組み付いてコルバタで放り捨てる。組み付く翔太だったが、CHANGOはスリーアミーゴス式の連続スモールパッケージなど独創的かつ多種多様な丸め込みで翔太の攻め口を全てかわしていく。続けてギロチンドロップで黙らせると、CHANGOはコーナートップへ。しかし翔太はゴロゴロと対角コーナーに転がっていき、これを逃れる。しびれを切らして降りてきたCHANGOに翔太がスクールボーイ。ここから飛びついてのスクールボーイやジャパニーズレッグロールといった丸め込みの応酬から、翔太がスモールパッケージと見せかけたデュランダルでこれを制するとブレーンバスター。

 ここからコーナートップに登る翔太だったが、今度はCHANGOが翔太の足元へとゴロゴロと転がっていく。翔太が仕方なく降りようとしたその瞬間、翔太の足の間に身体を差し込みフライトラップでカウント3。あっという間の鮮やかな決着に翔太は納得行かない様子でCHANGOに食って掛かるが、CHANGOは悠々と退場して行った。
 

第4試合


 昨年5月の後楽園ホールまでGWC王座を保持し、正規軍として戦っていたミステリーが過去に共に戦っていた折原昌夫と昨年11月に超党派タッグを結成。これを前タッグ王者の熱波軍が迎え撃つ形となった。
 両軍が入場し、熱波軍が観客に熱波を浴びせていると、折原&ミステリー組が奇襲して試合開始。
 リング上は松田と折原。熱波軍の二人は折原を捕まえてダブルのエルボー。起き上がった折原は松田と正面から打撃戦を展開。松田は折原のムーブをマネて「ファッキュー!」と挑発すると折原が怒って殴打。そのままミステリーへと繋げる。
 ショルダータックルを打ち合う松田とミステリーだったが、松田が「新木場最後のプロミス!」と小指を立てる。これに応じてロープに走るミステリーだったが、松田が追走してバックエルボー。新木場での最後のプロミスを裏切っていく。
 KITOに代わり、ミステリーがブレーンバスターで上げたところを松田が救出しようとするも、逆に裏目に出てKITOにダメージ。ここからフォールに入るミステリーをカットしようと松田がエルボードロップを放つが、これをミステリーが回避したためKITOに誤爆。
 KITOが劣勢のまま折原に逆エビ固めを賭けられると、再び松田が救出に向かう。しかしミステリーが迎撃して折原とミステリーが並んで二人に逆エビ固め。ここでも松田はKITOのロープブレイクを助けようとして邪魔してしまうという徹底ぶりを見せつける。
 続けて折原とミステリーの集中攻撃を受けるKITOだったが、カウンター式のダブルラリアットで二人をなぎ倒して松田にタッチ。松田が一流プロレスラーの連続ブレーンバスター。調子づいてコーナートップ上がる松田は、KITOに折原を押さえつけておくように命令。ミサイルキックを投下する松田だったが、案の定KITOに誤爆。
 代わるミステリーが松田を雪崩式ブレーンバスターで叩きつけると、ミステリーはチョークスラムを狙う。松田はミステリーの腕をキャッチすると、組み付いて慶三ボトム。KITOに繋ぐ。
 KITOとミステリーのマッチアップ。松田が入ってきてファイヤーマンで担ぎ上げ、KITOがネックブリーカーで合わせる連携技。さらにKITOがバックドロップで叩きつけるが、これは折原がカット。
 KITOはロープチャージして攻撃を狙うが、待ち受けるミステリーがパワースラム。そしてコーナートップに上がってダイビングエルボードロップ。フォールもカウントは2。
 さらにミステリーが満を持してチョークスラムを狙うが、これを救出しようとした松田がKITOにラリアットを誤爆。ミステリーはこのチャンスを逃すこと無くKITOをチョークスラムで叩きつけ、そのままカウント3を奪った。
 連携が尽く裏目に出た松田が試合後にKITOを助け起こそうとするが、KITOは顔も見ずに松田を突き飛ばして荒々しく退場していった。

第5試合


 新井健一郎と雁之助は、27年前の2月3日にFMW2期生の入門テストを共に受けたという間柄。その他、同じ日にはハヤブサ、中川浩二(GOEMON)、芸人の鉄拳が入門テストを受験していたという。
 アラケンはこのときには入門を逃しているが、もし入団していたら雁之助と同期だったということで、この試合は“幻の同期対決”と銘打たれた。

 アラケンが握手を求め、雁之助がそれに応じるクリーンなやり取りからゴングが鳴ると、手4つで組み合い正面から力比べ。互角のままロープブレイクし、今度はロックアップからヘッドロックへ。アラケンががぶり寄り、体格で勝る雁之助に対抗していく。しかし雁之助が振りほどいてショルダータックルで制すると、アラケンのセコンドに付いていたバッファローが乱入して雁之助を羽交い締めにするが、アラケンは「今日はそういう日じゃないんだ!」とバッファローに解放を指示。

 正面から向き合った二人は、丸め込みの応酬からクリーンブレイク。手4つからの素早い攻防から雁之助が丸め込み、そのままグラウンドへ。アラケンは股裂きからレッグロックに捕らえるが、雁之助がローリングで体勢を入れ替えヒールホールドへ。アラケンは素早くロープへ。
 再び対面した二人はロックアップから再び腕取り合戦へ。アラケンはアームホイップで投げていくが、雁之助はその手を離すことなく受け身と同時にアラケンの腕を極める。前転して逃れようとするアラケンの腕をさらに腕へのインディアンデスロックのような形に捉えていく。アラケンにも意地がある。雁之助の足を取り、それを外そうとした雁之助の腕を取り腕十字を狙う。雁之助も上体を起こして腕を獲り返し、チキンウイングへ。アラケンは無念の表情でロープへ。
 雁之助はボディスラムからバックドロップ。しかしアラケンもフォールに来た雁之助に下から組み付いてヘッドシザース。洗濯バサミのような形に。雁之助が逃げようとするもガッチリ極めて逃がさない。
 アラケンは雁之助を起こしてナックルからロープへ走るが、雁之助が雄叫びとともにカウンターのラリアット。カウントは2。さらに雁之助は肩固めでしっかりと体重をかけていく。アラケンは雁之助の首を取り、執拗なフロントネックロック雁之助が落ちかけるとアラケンは渾身の力を込め、咆哮とともに必殺のツームストン・パイルドライバー。これを返されると即座にスリーパーホールド。雁之助が立ち上がって背負投で振りほどこうとするも、アラケンは一緒にローリングしてグラウンドでスリーパー地獄へ引きずり込む。
 雁之助がこれをロープに逃れると、グラウンドの体勢のままアラケンは雁之助の腕を極め、雁之助の肩にヒジを乗せてガッチリと体重をかけつつ手首も捻り上げる。どうにか立ち上がる雁之助だったが、アラケンはショルダーアームブリーカーを連発。しかし、雁之助は何発目かで腕を振り上げたアラケンのバックを素早く獲ると、電光石火の雁之助クラッチ。そのまま試合を決めた。
 両者の卓越した技術とプロレスに懸ける想いがぶつかり合う名勝負となった。

試合後、アラケンはマイクを取る。

アラケン「あのレスラーよりも、あの著名なレスラーよりも、俺は今心の底から言えるぜ。お客さん!愛してますよ!!そして雁之助さん。雁之助さんのことも、メチャクチャ愛してますよ。思えば、ホントに僕がDRAGON GATEからあぶれて宙ぶらりんになって、これからどうしていいのかわからないときに、一番最初に声をかけてくれたのは雁之助さんですよ。『鬼神道ってブランドやってるから出てくれないか』と。僕は本当に当時、たった二ヶ月でケツまくって辞めた練習生をこうも気にかけてくれた雁之助さんに対して、東京インディーの空気もよくわからなかったけども、鬼神道でコツコツやってたらSTYLE-Eとかガッツワールドとかよそから呼ばれるようになって、何回目かのオファーのときにこう言ってくださったんですよ。『こうやって鬼神道でコツコツやってれば絶対誰かが見てくれるから、お前とりあえず頑張れよと。ホントにあの一言がなければ、僕はこんな素晴らしいお客さん、こんな素晴らしい新木場の会場大好きですよ。あの言葉がなければ僕は東京インディーの住人にはなれませんでした。ホント弥武さんも言ってましたけど、91年の2月3日、日曜日でしたよ調べたら。あのとき男女合わせて50人位受験生がいっぱい居た中で、僕は未だにハッキリと覚えてる。雁之助さんと、江崎さん……ハヤブサさんが二人仲良く談笑されてて、雁之助さんはもうハッキリ言って当時からふてぶてしかったですよ。この人なんかもう……プロレス団体でデビューして5,6年経って子供三人くらいいますみたいな佇まいで、その隣には江崎英治さんですよ。革のジャンパー羽織って、蛍光イエローのゴールドジムのスパッツ履いて足が長くてハンサムで。その二人を見て『この二人は受かるわ』って思って、実際そうなって、僕はあのときケツまくって逃げて、僕は90年代のインディープロレスの空気を知らずに、闘龍門でデビューしてそれはそれで自分自身で頑張ったかもしれないですけど、90年代のインディープロレス体感したかったなってどっかで思ってたから、こうやって新木場で頑張れる自分がいるんです。全てお膳立てしてくれたのは雁之助さんです。実はあんまり一緒に飲んだことがなくて、新木場の2つある控え室はいつも別で。別に仲悪いわけじゃないけれど(笑)でもホント雁之助さんの背中、考え方を見て、僕はこれからも……インディーで試合していいですか?(観客は大歓声でこれを支持)僕もこれから東京インディーで試合していくには誰かしらの後ろ盾が必要ですから(笑)ゴマだけはたっぷり擦らせてもらいましたよ!(笑)」

 最後は照れ隠しに憎まれ口を叩くアラケンに対し、雁之助もマイクで返答。

雁之助「アラケン、とりあえず話が長いのと、メチャクチャ記憶力いいなお前(笑)……2月3日って何年前だ?」
アラケン「27年前です」
雁之助「27年前……の今日ね。川越のFMWの道場で、俺は一緒にテスト受けたの悪いんだけど覚えてないけど、俺とハヤブサが結局50人の中で受かって、君は落ちて、半年後のテストで受かって、僕の下の練習生としてアラケンが入ってくれたんだけど、二ヶ月後ですよ、二ヶ月後。たった二ヶ月後ですよ。この男なんて言ったと思います?『僕はUWFインターに行くので辞めます』って言ったんですよ(笑)すごいでしょ?ハッキリ言ってから辞めたんですよ(笑)それで、気付いたら闘龍門に入ってたんです(笑)ある意味お前はスゴイ男だよ。でも今までホントに試合も片手で数えるくらいしかしたこと無いし、シングルも今日初めて。俺が居なくなる前に、27年経って初めて出来て、ホント良かったと思うよ。でも、あのときお前が受かってれば俺とハヤブサと同期だったじゃん。敬語使わなくてよかったじゃん。もうちょっと頑張ってほしかったなぁ!(笑)いや、でも、最後に、メチャクチャ首痛いけど、お前とシングルでやれてよかった。本当にありがとう!」

<試合後コメント>

ミスター雁之助&新井健一郎
雁之助「いやぁ、キツかったよ」
アラケン「僕もです」
雁之助「お前いいかげんにしろよ俺はもうすぐ辞めるんだよお前。でも、ホント最後やれてよかったよ」
アラケン「僕もです!」
雁之助「ずっと機会がなかったからさ、試合すること自体もなかったし。でも、ちょっとの噛み合わせで俺とお前同期だからな?同期っていうか……同期だよ(アラケンの頭をペチペチ叩きながら)」
アラケン「これでなんか、GOEMONさんはたまーに試合されてますけど……」
雁之助「お前、中川浩二と同期だもんね」
アラケン「あの時テスト受けた人間でバリバリやってるの僕だけになっちゃいましたね」
雁之助「俺も居なくなるしなぁ。あっ、バリバリやってるのいるじゃん!吉本の鉄拳が(笑)あれ同期だもんな?」
アラケン「僕なりに解釈してミスター雁之助スタイル、どこの団体行ったってそうですよ。ホント最後リングで言ったとおりですよ。雁之助さんが救ってくれなきゃSTYLE-E無差別級のベルトもなかったですし、1000人の前でメインに立てることもなかったですし」
雁之助「そんなことないよ。お前に力がなかったらどこの団体も呼ばないわけだから。お前の力だよ。俺が呼んだのはたまたまだ。でもホント新井健一郎っていう選手はインディーにこうやっていろんな団体に出てくれたことで貢献してるし、ホントにありがとう。鬼神道もずっと出てくれて俺も助けてもらっててね」
アラケン「多分僕が連続出場記録持ってますよ」
雁之助「多分一番出てるよ」
アラケン「四年くらい出ずっぱりじゃないですかね」
雁之助「もう出過ぎてみんなとやっちゃって、カード組めなくて『お前一回休め』みたいになったことあった(笑)でもホントありがとう!俺は田舎に帰るけど頑張って!」
アラケン「江崎さんの墓参りも行かないとなと思ってるんで、一回熊本行きます」
雁之助「俺は熊本に帰るから、出てきたときに連絡しろよ」

第6試合


 最初のマッチアップはTORUと黒田でゴング。
 二人はロックアップから腕を取り合うが、キャリアで勝る黒田がグラウンドに引き倒し、ハンマーロックや脇固めなどでTORUの腕を攻め立てる。TORUもヘッドシザースで切り返し、クリーンブレイク。
 両者タッチ。阿部と、阿部にライバル意識を燃やす大谷のマッチアップ。手4つで組み合った二人だが、阿部が飛行機投げでグラウンドに倒していくが、大谷も即座にヘッドシザースで対抗し、クリーンブレイク。再び腕取り合戦にはいるが、雁之助直伝のテクニックでこれを優位に進めていく。阿部は大谷をロープに振るが、その先にはTORUが。阿部が大谷を通るにぶつけた形の誤爆になり、早速仲違い。その隙に黒田は阿部を捕縛し、コーナーポストに阿倍の足を叩きつけていく。
 そのまま大谷が黒田にタッチし、黒田と阿部のマッチアップ。黒田は足攻めを継続し、阿倍野足をロープにくくりつけ、ヒジでグリグリとえぐっていく。続けて黒田は足4の字。阿部もひっくり返して逆に黒田の足を極めていくが、黒田も再びリバース。阿部がロープに逃れると再び大谷にタッチ。
 大谷は阿部をコーナーにくくりつけ、強烈な縦チョップ。黒田と大谷が交互に縦チョップを見舞うが、ここに激怒したTORUが救出に来て大谷を蹴散らしていく。阿部はTORUに任せ、TORUは大谷を場外に引きずり込んでイスで殴打していく。
 TORUがリングに大谷を戻すと阿部が連続フォールに。大谷がこれを全て返していくと、改めてTORUにタッチ。
 TORUは大谷にサッカーボールキックを連発し、フットスタンプ。さらに顔面を踏みつけながら歩いて往復し、ダメージとともに屈辱を与えていく。続けてTORUはボディスラム。大谷にまたがって上から張り手を見舞い大谷を挑発していく。大谷はブレーンバスターで一矢報いると黒田にタッチ。
 代わる黒田はアベトオルを二人まとめてDDT。さらに二人が起きるとダブルラリアットで蹴散らしていく。そして黒田はTORUをコーナーに振ると串刺しラリアット。コーナーに上る黒田をTORUが追っていくが、黒田は哲ちゃんカッター。そして正面からラリアットを狙うが、これをTORUが回避。TORUは延髄で一矢報いて阿部にタッチ。黒田も大谷に代わる。
 阿部と大谷のマッチアップ。阿部が腕を獲ってグラウンドに引き倒し、脇固めで絞り上げ、大谷がロープに手を伸ばすと阿部は腹固めに移行。それでも大谷はどうにかロープへ。
 TORUにタッチ。TORUは大谷を挑発し、正面から打撃を打ち合っていく。TORUはエルボー、大谷は張り手で意地の張り合いに。これに打ち勝った大谷はブレーンバスターで叩きつけると黒田にタッチ。黒田はTORUにコブラツイストも、阿部のアシストからタッチに成功。
 リング上は阿部と大谷。大谷はネックブリーカーからミサイルキックを放っていくが、ここでTORUと黒田もリングに入り入り乱れ。TORUが黒田をファイナル・カットで蹴散らしていくが、大谷が阿部をフロントネックロックで捕らえるとTORUを踏み台にスイングDDT。突撃してくるTORUを逆にランニングエルボーで叩き伏せると、阿部に初解禁となるジャーマンスープレックス。

 フォールに行く大谷の足を取った阿部がヒザ十字で捕らえると、続けて右足をニーロック、左足をアンクルホールドで捕らえる複合関節でギブアップを迫る。大谷は上半身で這っていきロープへ。
 代わるTORUは大谷を担ぎ上げるが、着地した大谷がTORUを黒田の方へプッシュ。大谷の意図を汲んだ黒田はラリアットを放ち大谷をアシスト。続けて大谷はフィッシャーマン・スープレックスホールドもカウントは2。そして、解説席に座るダイスケに目線をやると、ダイスケから継承したスライディングDを放つ。フォールに入るも阿部がカット。ロープチャージしてさらにアシストを狙う阿部を大谷がRKOで叩きつけると、TORUに腕決めノーザンを狙って組み付くが、これを耐えきったTORUがバックドロップ、シャイニング・ウィザード。これもカウント2。
 TORUは倒れたままの大谷に「お前がガッツワールドちゃうんか?!」と活を入れると、大谷もこれに呼応して立ち上がり、張り手の打ち合い。打ち勝ったTORUが垂直落下のブレーンバスターを狙うが、大谷がスモールパッケージで切り返す。これを返されると大谷が追撃を狙って走るが、TORUは大谷にカウンターでヒップトス式のニーリフトを顔面に叩き込む。そのまま大谷の腕を離すことなくバズソーキック、さらに大谷を担ぎ上げ、横に落としながら後頭部にヒザを入れる形でフジヤマドラゴン。最後はTORUが垂直落下ブレーンバスターでマットに突き刺し、カウント3。

<試合後コメント>

阿部史典&TORU
TORU「今回大谷譲二&黒田哲広組ということで。みんな思ったと思うんですよ。ガッツが後三大会しか無いから譲二が獲るんじゃないかっていう空気、多少なりとも僕らは感じてましたけど……『ナメんじゃねぇよ!』ってね」
阿部「ほほ~っ!(笑)」(強気の発言をするTORUをニヤつきながら見つめる)
TORU「俺と阿部くん、よそで身体張ってすげぇ試合して来てるんで。だから俺と阿部くんはガッツワードでこの地位にあるのであって。大谷譲二、お前は所詮井の中の蛙!外を知らないんだ。その差が出たんじゃないかなと」
阿部「おぉぅ!(笑)」(強気の発言をするTORUをニヤつきながら見つめる)
TORU「大谷くんが勝って、それでガッツのファンはハッピーかもしれないけど、リングの上では闘いなんで、これがすべての結果だと思ってます。ただ、お前のチョップは異常に痛かった」
阿部「今日はホントにTORUさんがすごかったです。ホントTORUさんがすごかったです」
TORU「インフルじゃないけど」
阿部「そう。インフルだと思ってたんだよね、今日来た時」
TORU「熱がね」
阿部「一緒に入場したくなかったですもん正直。花道で待ってるときにあんま近くに居たくくなかったんで、あんま呼吸しないでほしかったですね。それが今日のハイライトです。ハイライトっていうか、試合は譲二の気合がすごかったですね。前のガッツワールドでダイスケさんから引き継いだものというか、それの気合はすごかったですね」
TORU「そう!チョップもいいし、スライディングD、すげぇ効いた」
阿部「思わずカット行っちゃった」
TORU「まあ、ベルトね。あと二大会で防衛戦組まれるかわからないですけど、僕らが最後のタッグチャンピオンとして終えて……」
阿部「(ベルトを)家の額縁に飾りましょう」
TORU「ああいいねぇ!いつか子供が出来たときに『お父さんこのベルトのチャンピオンやで』って(笑)」
阿部「そうそうそう。家で額縁に釘打って、こう……(笑)」
TORU「鹿の顔の横に……」
阿部「猟銃とかも置いてある感じの。僕らが最後のチャンピオン!隣見たら三つ並んでたりしてね、武藤敬司みたいに。TORUさんが」

――大谷選手が今日の試合で今までにない気迫を見せていたと思いますが、それについて改めてご感想を
TORU「僕は彼が今までどんな試合してたかあまり知らないですけど、みなさんがそれを見てそういう風に見えたなら良かったんじゃないでしょうか」
阿部「王者の貫禄、王者の貫禄ですよ」(強気の発言をするTORUをニヤつきながら見つめる)
TORU「まあ、俺らが引き出してやったってことですよ」
阿部「ほぉ~っ(笑)」(強気の発言をするTORUをニヤつきながら見つめる)
TORU「以上ッ!」


大谷譲二
――タッグ王座戦、惜しくも破れてしまいました。試合を終えられた感想はいかがですか
「初めて試合後に手がしびれてるんです。ホントにキツい試合でしたね」

――今日の大谷選手からは今までにない気迫や多彩な技が見られましたが、ダイスケ選手の引退試合で勝利してからなにか心境の変化などがあったりしたのでしょうか
「やっぱり、ダイスケさんの次って言ったらおこがましいですけど、ダイスケさんが居なくなった分盛り上げないとなという使命感みたいなものを持って臨んだし、入場して感じたし……負けちゃ意味ないですけど」

――スライディングDを放つ場面もありましたが、ダイスケ選手の魂を継承したという意思表示と考えてよろしいのでしょうか
「継承したかどうかは分かんないですけど……『したい』ってとこで。ダイスケロスを少しでも軽減できたら良かったなってところですね」

――ガッツワールドの大会も残り二回ですが、この二回でどのように爪痕を残していきたいですか
「やっぱり、ガッツワールドには未来があったと思ってもらいたいですね」

第7試合


 厳かな雰囲気からゴング。二人は正面からロックアップで組み合い、ショルダータックルで互いのパワーを確かめ合っていく。これを兼平が制すると、ガッツは雄叫びを上げながらコーナーに頭を打ち付け咆哮。何かが乗り移ったまま兼平をヘッドバッドで倒すと、「立てコラ!」と叫び、ジャンピングアームブリーカーを放つというターザンムーブ。
 兼平もすぐ起き上がって正面から張り手を撃ち合うが、腕を取ったガッツが再びアームブリーカーを狙う。しかし兼平は腕一本でこれを耐えきり、ガッツの足を取ってそのまま足へのDDTへ繋げて主導権を取り戻す。
 兼平はガッツの足に狙いを定め、足にストンピングからリバースのインディアンデスロックで何度も倒れ込んで行く。兼平はそのままグラウンドでのドラゴンスクリュー、さらに水車落としの形で横へヒザから落とすニークラッシャーと、ガッツの右足に狙いを定めて一点集中攻撃。
 そして兼平はガッツにバックドロップを狙うが、これを堪えられるとガッツの腹部にニーリフトを連発。続けてランニング式でニーリフトを放とうとするが、ガッツはカウンターのニールニックで迎撃。
 ガッツは兼平をコーナーに振ると串刺しラリアットからアームブリーカー。続けて兼平をロープに振ってパワースラムで叩きつける。フェイスバスターを狙うガッツだったが、兼平がショルダースルーで切り返すと、キチンシンク。ガッツもラリアットを狙うが、兼平が得意とするヒップトスからの腕十字へ。しかしそれはフェイク。腕をロックしに行ったガッツの足を取りヒザ十字へ。ガッツが暴れるとさらにアキレス腱固めに移行。ガッツは呻きながらロープへ。
 兼平はニーリフトを連発し、ガッツは正面から受け止めていくが、何発目かをかわしてバックを取り、ジャーマンスープレックス。さらにラリアットでなぎ倒し、ゴーストバスターで脳天からマットに突き刺す。フィニッシュ宣言からロープに走るガッツだったが、待ち受ける兼平がパワースラム。続いてバックドロップを二連発。
 ハーフダウンのガッツに兼平が満を持してのランニングニーを狙うが、これをキャッチしたガッツが立ち上がりスクールボーイ。起き上がった二人は兼平がチョップ、ガッツがナックルで打ち合っていくが、ロープに走った兼平をガッツがカウンターのラリアットで迎撃。続いてフェイスバスターで叩きつけ、そのままカウント3。

 自団体の王座挑戦が決まっている兼平を、ガッツがデーモンボムを温存しながら12分で葬るというキャリアの差を見せつけるかのような試合となった。

試合後、体を絞ったことにより腰にベルトが巻けるようになったガッツがマイクを取る。

ガッツ「おい兼平!ヒザは痛いし、ヒザ蹴りが耳に入ってキーンとしてるよ。多分鼓膜破れてるよこれ。いやぁ~……しんどい……。お前キャリア何年だ」
兼平「三年半です」
ガッツ「三年半でお前そんな強いのか。俺は前回対戦したとき骨のあるやつだと思ったけど、俺の見立ては間違いなかったぞ。素晴らしかったよ!今日はありがろう!そこで、お前に一つ提案がある。お前は、近々HEAT-UPのベルトに挑戦するらしいな。もし獲った暁には、俺がそのベルトを獲りに行ってやる!まあ俺も、4月15日以降は暇になるからな!!(笑)仕事下さい!!よろしくお願いします!(笑)」

 二人は固く握手を交わし、兼平はそれ以上語ることなくリングを後にした。
続けてガッツが締めの挨拶へ。

ガッツ「今日新木場に起こしの皆さん!今日はね、都内で色々大会がある中、ガッツワールドにこれだけの人が集まってくれたということを心から誇りに思っています!ありがとうございます!今日最後の新木場大会ということなんでね、色々とセンチメンタルになる部分もありますが、でもね、まだ大阪・新宿とありますんで、今日はみんなで明るく笑って終わりたいと思います!」

 ガッツが締めのために選手をリングに呼び込むが、既に22時近くとなっており裏で撤収準備を進める選手たちがなかなか集まらない。ガッツが「みんな解散するからってこうやって一人づつ抜けていくのかなぁ」と冗談めかしてぼやきながら売店近くで控えていた一般人の滝田さん(ダイスケ)までリング内に呼び込もうとしている内に選手たちが集結。

ガッツ「皆さん!今日はガッツワールド最後の新木場大会にお越しいただきありがとうございました!4月1日の大阪、4月15日の新宿FACEと二大会あります。僕らは熱く無骨な試合をしていきますんで、皆さん最後までご声援のほどよろしくお願いします!」

 最後は恒例の「3!2!1!ガッツル!ガッツル!」で興行を締めた。

<試合後コメント>

ガッツ石島
「兼平大介、敵ながらあっぱれですよ。久々ですね、こんなに追い込まれたのは。今も耳、聞こえてないし。ホント素晴らしかった。ホントしんどかった。まあでも、最後は絶対負けられないんで。4月15日の解散興行でこのベルト封印するのは俺なんで。流出するのは絶対ありえないんで。とりあえず今日は勝ててよかったですね」

――兼平選手を相手に防衛に成功したわけですが、最後の防衛戦の相手は考えていますか?
「とりあえず所属選手だったら誰でもいいかなって。名乗りを上げて欲しいですね。『俺が最後にベルト封印する』って言う人間がいれば。やる気のある人間に挑戦して欲しいです」

――4月の最後のガッツワールド大会に向けて、責任者としての想いは
「最後に超満員にして、ガッツワールド最後に寂しいけど、最後に全力の最高のガッツワールドを見せて、ガッツワールドの幕を閉じたいと思います」


兼平大介
――GWC王座戦に惜しくも破れてしまいましたが、今のお気持ちは
「今回(ガッツワールドへの参戦は)二回目なんで、あんまりガッツワールドのことを言う資格はないのかもしれないですけど、二回目でメインでガッツさんとタイトルマッチで来て光栄だと思います。でも、負けたまま終わるのは性に合わないんで、さっきガッツさんも言ってましたけど、僕がベルト獲ったらガッツさんを一番最初に指名させていただきたいと思います」

――HEAT-UPのユニバーサル王座挑戦を前に、他団体で王座戦に敗れてしまったことについての想いは
「勝負は時の運なんで、負けるのが怖いから挑戦しないというのは違うと思うんで、そこは勝負なんで、普通に勝った負けたは必ずあるものなんで仕方ないなと。これを引きずらないでHEAT-UPの方はしっかり体調整えて獲りたいと思います」

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