【会見】“大鵬三世”納谷幸男のデビュー戦に新間会長が激怒!ストロングスタイルの昭和プロレスに“原点回帰”する興行を新間寿がプロデュース!

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 10月3日、都内某所にてリアルジャパンプロレスの新間寿会長、佐山サトル総監、榛葉賀津也コミッショナーによる記者会見が行われた。
 先日のリアルジャパンプロレスで行われた“大鵬三世”納谷幸男のデビュー戦について新間会長は激怒していると憤慨を露わにした。その気持ちに応え、佐山サトルが新間会長の意志を汲んだ、ストロングスタイルの昭和プロレスに“原点回帰”する興行を実施することを宣言。これはリアルジャパンプロレスとしての興行ではなく、あくまで「新間寿プロデュース興行」だとも言う。
 興行中に佐山サトル総監が観客に「プロレスとはこういうものだ」と説明をする時間を設ける、今までのリアルジャパンプロレスにあったしがらみを一切排除して出場選手の一新を行うなど、異色のものとなる今回の大会を挙行するにあたっての目的や覚悟を各々が語った。

新間「私も昭和48年、中央大学の柔道部時代からプロレスというものを自分の身で感じ、目で見て育った時代でありました。先程のリアルジャパンの試合、大鵬の孫の納谷幸男のデビュー戦。皆さん、デビュー戦というのは人生で一度だけです。そのデビュー戦を私も心待ちにして合宿も金沢の日蓮宗の本山の妙成寺というところでタイガー佐山が付き添い、スーパー・タイガー、納谷幸男とともにトレーニングを積んでまいりました。
 私の82歳の人生の中で思い出すのは、してしまったことの後悔というのは何年経つと忘れるということです。しかし一番心に残るのは、しようと思ってもできなかったこと。なぜできなかったのかという後悔を私は一生持ち続ける試合だった。あの日私はそう思いました。私は平井に言いました。『こんな試合しやがって!こんな試合を組みやがって!』と。私はある新聞社の記者に夜の11時半過ぎですけども、電話をかけて『私は今日限りプロレス人生を終わりにする』とそういう風に私は話をし、彼のインターネットのページか何かに取り上げてもらおうかなと。そういう思いを込めて私は話をしました。しかしそれは何も載っておりませんでした。私はそのときに感じました。プロレスというのは、そうかと。私がプロレス人生を辞めると言っても取り上げてくれるような会社は一社もないんだと。
 それより私のこれからの人生を悔いのない人生にしたいと。それから私は佐山総監と何回も話をしました。佐山サトル曰く、『新間さん、簡単なことですよ。原点回帰だ』と。それを聞いて私は本当に喜びました。原点回帰。そうだ、これだ。そして私は12月7日、原点回帰のプロレス大会を私のプロデュースによって行うことに決定させてもらいました。今日はその原点回帰とは何か、人生一度しか無いデビュー戦をああいうような形で終わらせてしまった納谷幸男にもう一度、もう一度デビュー戦を私は組みたい。そう思いました。タイガー佐山に相談しました。榛葉先生に相談しました。『新間さん、原点回帰なら私も相談に乗る』と私に答えてくれました。今まで平井丈雅のしがらみによって、色んな形で色んな人達がリアルジャパンに登場してきました。そういうしがらみを一掃しようと。12月7日は、新間寿プロデュースです。試合を何試合やるか分かりません。試合をやるのは、納谷幸男のデビュー第二戦、スーパー・タイガーの防衛戦。この二試合だけ決めてあります。しかし他の試合は何も決めておりません。その他何があるかはこれから私が決めさせていただきます。榛葉先生にこの間からお願いをしました。『先生、原点回帰です。私達が見て、力道山が日本に持ってきて、アントニオ猪木、ジャイアント馬場が育てたプロレス、そしてタイガーマスクが世に広めた、世界に広めたこのプロレスというこの競技を原点に戻るように、原点回帰しようじゃないか』と。鍛えに鍛えた肉体が6m40cmの中で真剣に闘うことがプロレスであります。私は三ヶ月前、控室にレスラー以外立ち入り厳禁を訴えてきました。まず、控室の一般人の排除であります。小池都知事じゃありませんけども、排除すべき人間は多々おります。しかしそういうことをここで一人ひとりの名前を挙げて言うことは差し控えたいが、私は力道山、アントニオ猪木、そしてタイガーマスクが辿ったプロレスというものを今一度取り戻すために、12月7日原点回帰のプロレス大会を挙行したと思っております。榛葉先生にも了解を得ました。本当にそうだと。原点に戻ろうと!
 佐山ちゃんにも言いました。タイガーマスクの最初の試合、私は本当にアンタに申し訳ない。目がつり上がってマトモに見えないようなマスクしか用意できなかった。三日間私がつきっきりでダイナマイト(・キッド)が何者か、顔を合わせたかもしれないけど、どういう試合をするかはそっちに任せるからということで第一戦を迎え、必死になってリングサイドでタイガーマスクの試合を見ました。そしてあの場所が私の定番の場所になりました。私自身が勝ち取った場所でした。しかし、あの場所に私が肘をついて見ること、アントニオ猪木は非常に嫌がりました。猪木&坂口のタッグマッチで、タッチをするときにコーナーを回るときに私の頭を蹴飛ばして、『新間!いい加減にしろ!』と言いながら、リングの中に入っていきました。6m40cmというのは、レスラーたちが真剣に戦う場所であります。事務方が、一部のマスコミが知ったかぶりを以て、今日の試合はどうだこうだと言うようなことを批判されるようなことはもう私はうんざりだ。やろうと思ったことを出来なかった、その後悔を二度と引きずりたくない。
 私は12月7日、平井に言って、佐山さんに言って、原点回帰のプロレスを私に引き出してくれ。コミッショナーと、佐山サトルと、新間寿。三人で原点回帰のプロレスをやります。それがどういう形になるかは、また次の記者会見の席で詳しくお話できるかと思いますが、今日はとりあえず、原点回帰。昭和の新日本プロレスの道場のような、あの練習のようなそういう原点まで返してしまう試合を私は望んでおります。どこの放送・放映を出来ないプロレスをしてしまった、現在の新日本プロレス。腹立たしい限りであります。2m1cmの、50年に出るか出ないかの逸材を、ああいうような形で終わらせるような試合というのは、私自身途中で私が榛葉先生と一緒にリングに上がるべきだ。『この試合を中止します!一試合後に再戦させます!リングサイドから全員立ち退け!』とやるべきだった!そういう後悔の念が、原点回帰のプロレス大会であります。もう二度とああいう試合を私達の原点回帰のプロレス大会にはさせてはいけない、するべきではない。そういう気持ちを持ったレスラーを佐山サトルが選び、私も推薦し、コミッショナーも認めるような。そして皆様方に提供できるような12月7日には私は胸を張って原点回帰のプロレス大会にご招待できるかと思います。
 今日は一方的ではございますが、そういう気持ちの記者会見でございます。何はともあれ、この間の納谷幸男の試合を見た人達、三人に一人か、十人に一人は『ああ面白かった』と言うかもしれない。しかし私にとっては、デビュー戦というのは、人生にとっても私が柔道をやって一番嬉しかった初段を獲ったときです。そういう節目というのは人生の中に必ずあります。82にもなって今更何をという人もいるかもしれない。しかし、82にもなってこれだけ自分自身を燃え立たせるものは、プロレスであります。私の人生はプロレスによって今まで歩み、そして気力を奮い立たせ、前立腺のガンも患いましたけども、それを振り飛ばして、数値がゼロになるほどの身体を作り上げてくれたのが、プロレスのトレーニングであります。そういうことを、私は今日は佐山サトルさんと一緒に原点回帰のプロレス大会を挙行できるということを喜びを持ってコミッショナー立ち会いのもとにみなさんにお伝えしたくお集まりいただきました」

 続いて、佐山サトル総監が挨拶。

佐山「ご来場いただきまして誠にありがとうございます。次回、12月7日からのリアルジャパンプロレスは変わります。わざわざ皆さんに起こしいただいて集まっていただいたのには訳がありまして、改革が行われます。次回は原点回帰。リアルジャパンプロレス原点回帰!『新間、怒る!』これが題名であります。怒るというのは、私がストロングスタイルストロングスタイルと言いながらも、ストロングスタイルじゃない試合もいっぱいあるじゃないかと。それでお客さんも湧いたりします。その湧き方と、我々が昭和の時代に起こった新日本プロレスで起こった湧き方とはまるで違うんですね。そういうことも説明していきたいと思います。これを説明するためのスタートであります。
 新間さんが怒ったということは、これは私に対してビッグチャンスであります。納谷幸男の試合に対しても怒ったということですが、私からしてみればプロレス界全体に対して怒っています。私がリング上で試合を終わった後とか、試合を行っている最中とかにはリング上に行きません。見る気がしないからです。プライドがなくなっているからです。プライドがあるプロレスというものはどういうものかというと、例えば、ケーフェイもなんもなし。フィニッシュが何回も行われる、こっち1,2跳ね返す。こっち1,2跳ね返す。それで魅せる、受けがスゴイんで魅せるという言葉もあります。
 ストロングスタイルは違います。一発で決める技を持っている。これがストロングスタイルの、我々が練習を培った選手たちがリング上で行う姿であります。それには実力というものがないと出来ません。ナチュラルで試合を展開していかなければなりません。我々が常日頃から言っていることですけど、リアルジャパンのレスリングのリングは違うじゃないですかと。違うんです。選手はいないんです。もちろん、そういったことが出来る選手も中にはいます。その選手たちを集めて、もう一回、そしてお客さんにも説明しながら、リアルジャパンプロレスというか、昭和の新日本プロレス、ストロングスタイルというものをお客さんの目の見方からもレスラーからもこれだけ違うのかということを説明するために、一からやり直すための原点回帰が次回の試合ということになります。これをお伝えして、今までの試合とはまるで違います。説明をしながら入っていったり、お客さんに慣れてもらったりとかして行う試合です。
 ですから、今回新間さんが怒ってくれたということは、僕にとってビッグチャンスになります。これを皆さんにお伝えして、次回の『リアルジャパンプロレス~新間、怒る!~』は、試合というよりも、革命を起こすための解説……試合とは違うものを見せていきます。今回皆さんに集まっていただいたのは、その重要性を発表したいからです。『原点回帰~新間、怒る!~』これによって、我々はプロレス界に何かを残していきます。それをお伝えしたく、ここに記者会見を行わせていただきました」

 続いて、リアルジャパンプロレスのコミッショナー、民進党の榛葉賀津也参議院議員が挨拶。

榛葉「お忙しいところお運び頂いてありがとうございます。私も、新間会長からコミッショナーの重席をお預かりして、年月が経ちますが、新間会長がこれだけ怒った姿を見るのは初めてであります。リアルジャパンプロレスの中にも相当な緊張感、激震が走りました。佐山サトル総監が仰ったように、『原点回帰~新間、怒る!~』。もう一度ですね、この緊張感と真剣味に溢れた佐山サトル、初代タイガーマスクが活躍したあのリングの緊張感、あのイズムを取り戻したい。新間会長の言葉を借りれば、力道山先生が撒いた種を、猪木先生、馬場先生がお育てになり、そしてタイガーマスクという花が咲いて、花が咲いたあとは実がなり、また種になる。もう一度、ストロングタイルの種を撒いて、リアルジャパンプロレスのリングからこの種を大切に育てていけるように、コミッショナーとして努力をさせて頂きたいと思います。
 そして、私は子供の頃からの無類のプロレスファンでございまして。まさか、静岡の田舎の少年が、スーパースターの佐山先生と共にこうした挨拶ができる立場になるとは思いませんでしたから。子供の頃から見ていたのは、新日本プロレスの第1試合、第2試合、第3試合くらいまで。入場のテーマソングもガウンも何もないです。パンツ一枚で若手のレスラーが、ジョージ高野がまだ新人で、ガリガリに痩せたジョージ高野が10分1本勝負。本当に真剣勝負でした。しかしその前座と言われる、音楽もガウンもない最初の選手が良い試合をするとですね、それがセミファイナルやファイナルまで緊張感が続くというのを一プロレス小僧が体験したことでございます。コミッショナーとして、プロレスに対する原点を自分自身が取り戻して、緊張感のあるリアルジャパン、そしてリアルジャパンが日本のプロレスそのものをもう一度原点に戻していく。そのためにコミッショナーとしても出来る限りのことをさせて頂きたいと思っています。新間先生の怒りに応えられるように我々も肝に銘じて頑張っていきたいと思います」

 佐山、榛葉両氏の言葉を聞いた新間会長は再び語りだす。

新間「ホントに理解してくれている人は理解してくれてると思うけども、私が一番心配しているのは、今までリアルジャパンは色んなしがらみが平井丈雅のところに来ていて……蜘蛛の糸、繋がるようなものを私は全部ぶった切りたい。今までリアルジャパンに出ていたから、とかそういうのは12月7日には全部ゼロにしたい。お釈迦様ですら地獄に落ちるのは一本の蜘蛛の糸だけだったじゃないですか。蜘蛛の糸もカンダタのワガママによって切れてしまう。私は納谷幸男がやったデビュー戦が、私の心につながっている、お釈迦様が地獄に垂らした一本の蜘蛛の糸だと思っている。それによって多くの人が一緒になって天国へ来てホントに昔の新日本プロレスを咲かせる蓮の花のような形になってたどり着いてくれればいいなという想いでリアルジャパンを応援し、切符も色んな人に頼んで懇意してきた。
 6m40cm、控室の中、私は自分で努めて入らないようにしているのに、ある時期になったら女の人が控室のベンチに座っていた。『お前どこの者だ!』と私はすぐに出しましたよ。そういうような乱れきったこの控室を、これはなんとかしなきゃいけないと。最後にブチキレたのは、納谷幸男のデビュー戦でした。デビュー戦の佐山サトルの相手は、北沢幹之……藤浪さんもそうだった。で、ジャイアント馬場さんは田中米太郎という人だった。猪木さんも大木金太郎さんだった。それぞれのデビュー戦っていうのは、みんな思い出に残る試合をやっていた。あの納谷幸男を、レスラーたちが一緒になって育てようとか、『この選手は自分たちで盛り立てて我々で育てよう』という気が全くない! そういうリングだったら、こっちからぶち壊してやったほうが良いじゃん。前の小泉総理みたいに。自民党をぶっ潰します!今、榛葉先生のところも大変な状況になっている。しがらみだ。だから、しがらみも蜘蛛の糸も全部切ってしまって、もうタイガーマスクがと私が望み、榛葉先生が認めてくれた原点回帰を私たちは今一度皆さんとともにやっていきたい。それを判断してくれるのは、プロレス界と、我々がこれから皆さんにお店するリングをファンの皆様に伝えてくれるマスコミの人達も心を一つにしてお願いしたい。
 プロレスというものは、今世の中のどれだけの人に知られているか。プロレスはどういう状況になっているか。昔、私とアントニオ猪木、坂口征二が九州場所で大相撲と一緒になったことがありました。中洲の道を猪木&坂口が歩いている。向こう側には大相撲の大関たちが一緒になって歩いておりました。ファンはどっちに行くのか。『あっ!猪木だ!坂口だ!』とプロレスの方に来てくれた。それくらいプロレスっていうのは大相撲を超えた存在だった。今はもう、テレビのテの字にも出て来ない。取り上げられるのは、タイガーマスクの仮面の中の葛藤とかを取り上げてくれたりするけども、昨日なんかNHKで女子プロの13歳の女の子を取り上げて、この子のトレーニング風景とかをやっとったのを見て私は見損ないましたけど、そういう取り上げ方じゃなくて、本当のプロレスというものを、6m40cmの中で、まだまだこういうことが出来るレスラーたちがいるんだということを私はお見せしたい。そして蜘蛛の糸みたいにファンとの間を繋いでくれるマスコミの人達にも12月7日を見ていただいて、『なるほど、佐山&新間が言っていた原点回帰というのはこれか。これなら納得できるわ』という試合を私どもはお見せしたいと思っております。ぜひ皆様のご協力をお願いします」

――この興行というのはこれまでのリアルジャパンが完全にチェンジするものなのでしょうか?
佐山「チェンジします。これはまるで違います。先程は言葉が足らなかったですけど、昭和のプロレスを伝導するような、解説をして、従来の試合内容、興行内容とはまるで違うものをお見せしたいというのが新間さんプロデュースの大会です」

――これまでのようなリアルジャパンの興行はもう行わない?
佐山「もう行わないことはないということはないと思うんですけど、次回はまるで違います。選手たちは変えるかもしれないんで、そういう面では違うかもしれない。この試合は変わります。それから、将来に向けても変わっていきます。いわゆる、選手を厳選していくということですね。なんとかストロングスタイルに戻したいんです我々は。お客さんの方にも変わって頂けるように説明をしていくという」
新間「それから、場内の物販があるでしょ。あれも全部取るようにしますから。まず、そこから始めます」
平井「今、ロビーの方にリアルジャパンプロレスの選手を含めた色んな売店が出ているんですけど……」
新間「リアルジャパン、タイガーマスク、スーパー・タイガーのもののみ場内の売り場を使って、あとのものに関しては私は一切禁止いたします」

――新間会長にお聞きしたいのですが、納谷幸男選手のデビュー戦のどこに不満を感じたのですか?
新間「アンタ見たのか?デビュー戦であんな試合を見せられて納得した?デビュー戦は人生に一回のことでしょ?50年に一度、私は100年に一度の逸材と思ってる。タイガーマスクが出たときは私はそれほど思わなかったけども、私は今考えてみたらタイガーマスクっていうのは何百万年に一人の素質を持っていた人。日体大から私があとで聞いてわかった。こういう人のデビュー戦に携わったということは私には誇りであり喜びですよ。未だに私は『タイガーマスクを作った男』としてどこに行ってもそういう紹介をされる。納谷幸男っていうのは、大鵬の三世である。そういう血筋を引いた人が、プロレス界にデビューするということだったら、レスラー同士でも一緒に励まして、なんとか彼のデビュー戦を飾ってやろうという気持ちにならないのかと私は思う。それを、なんですか。いきなり訳の分かんない黒覆面の連中が来て、納谷幸男が落っこちる度に場外でボコボコやってるという。それを私はコミッショナーとリングに上って私は止めようと思った。こんな試合を私はデビュー戦としてやらせたくないと思った。私はリアルジャパンの会長という名誉職を持ってますからね。私は榛葉先生とリングに上って止めて、もう一試合後に再度納谷幸男と矢口の試合を行います、リングサイドを排除しますと言って、私はやらせるべきだった。だから私はあの試合をデビュー戦だとは思いませんよ。あれはなんとか軍団だか訳の分かんないのが自分たちが売るための仕組みでもってリングサイドに陣取ってちょっかいを出したのかなと。だから悪いけど、次の試合は一切使いません。これからも使うことは無い。一切リングに上ってもらいたくないと思ってる」

――佐山さん試合中に解説という言葉がありましたが、具体的にはどういうものになるのでしょうか
佐山「例えば……書いてもらわない方がいいのかもわからないですけど、今のプロレスは学芸会になってると思うんですね。行ったり来たりとか、1,2の応酬とか、いかにもという技を受けたりとか、そういうものを全部排除してストロングスタイルにしていきたいということで、『プロレスとはこういうものですよ』という風な説明をする時間を設けていきたい。やっぱりね、お客さんは湧きますよ。クルクルっと回ってピョーンと行くプロレスは。それは10年に一回くらいはあるかもしれないですけど、毎回あるわけではないじゃないですか。行ったり来たりの技も、そんなもん、素人でもできるわけですよ。受け身は別としてですね。そういうものよりしっかりとしたサッサッサと入ってバッバッバーっと決まるアントニオ猪木のジャーマンスープレックスだとか、技で魅せていくということを見直してもらいたいと思います。そういう解説をする時間を設けてもらって、今みたいな説明をしていきたいと思います。ある意味では危険なんですよ。ケーフェイをバラす形になると思うんで。そういうのは覚悟でお客さんに分かってもらえるような。佐山女子会というものがある。全国で一万人くらいいるのかな。ハッキリ言って彼女たちの方が見る目は厳しいです。そういうスタイルを全部汲み取ってくれる。そういう目を持った人達を増やしていきたいなと思っております」

――かつての昭和の新日本プロレスの姿に回帰することも佐山選手としては辞さないということでしょうか
佐山「辞さないということですね。そして、これだけは言っていますが、タイガーマスクとしてドンドン暴れている一番全盛期のころも一番怖かったのは猪木さんの目であり、新間さんの目であったこと。いつもビクビクしながら試合をやってました。やっちゃいけないことがいっぱいあるわけですね。ストロングスタイルではあってはならないことが。練習もそうでしたね。真剣勝負だと言うつもりはないです。でも、真剣味は大事にして試合をやっている。そのレスラーのプライドだけは保たないといけないと思います」

――今回のデビュー戦は認めないという話がありましたが、前回のデビュー戦は取り消すということでしょうか?
新間「いやいや。デビュー戦はデビュー戦ですから、今回はデビュー第二戦ということで。残念でしたよね私どもは。私は途中で止めるべきだと思ってた。私はあの試合を見てすぐに帰りましたよ」
佐山「試合の展開思い出してもらいたいんですけど、幸男が蹴った、ヘッドバッド行った、いろんな技術を出し始めた。『おっ、すごい本格的になり始めたじゃないか』というときにリング外に落とされて……で、最後パウダーかなんか吹き付けられた。で、バッと抑えて避けて逆転の一打を放った。実力を図る部分ではこんなギャップがあるものはなかった。ちゃんとした奴の実力を出すためには、それはいらなかったですね。ストロングスタイルとそうでないものが混じり合ってしまった。でも、それをやるしかないという現状があるんです。それを新間さんが今回ブチ怒りまくって、『それを無くそうじゃないか!』とやってくれたので、僕もすごくホッとしています。平井も影で喜んでいると思います。コミッショナーもそれは当然であるという風に納得されています。ここに集まっていただいたのは、何回も言いますけども改革をやりますよということをお伝えしたいからです。その切っ掛けが『新間、怒る!』です。僕はやろうと思っていたけど、選手とか色んな兼ね合いやしがらみがあって出来なかったということをお伝えしたい。それを今回新間さんがバチンと断ち切ってくれたんで。次回出場できない中にもたくさんいい選手はいるんですよ。でも、説明とか改革をするんで、そういう時間をくださいということですね」

――具体的に、納谷幸男選手の次の対戦相手に考えている選手は
新間「ホントに今はいないですね。それで、リングアナウンサーもね、他の人も関係者はもっと考えろってんですよ。私が言いたいのは。納谷幸男を紹介するのに、身長196cmでした。次、放送で選手紹介するのに2m。
 昔の力道山の時代に61分3本勝負ってのがあったんですよ。僕は力道山道場行ってトレーニングやってたんで、『61分ってなんですか』って聞いたら、分からないって。それで、『1時間以上だよ』って。60分3本勝負より、61分3本勝負っていう方が一時間以上闘うんだって。だから1分を付けるんだって。それだったら納谷幸男を紹介するのに2mじゃなくて2m1cmってなんで言わないんだって私は思うわけ。そんなことくらい、なんで頭働かないのかって。196cmしかなかったって、パンフレットに2m1cmって書けばいい。馬場さんが2m7cmあったのか、猪木さんがホントに191cmあったのか?という話になるけど、聞こえは良いじゃない。それは186cmしかない人でも191cmって言うのがプロレス的に良いなと私は思う。そういうのが、モハメド・アリと猪木の試合のルールでものすごく揉めた。何でかと言うと、簡単なことですよ。プロレスは5カウント以内だったら何をやっても良いわけじゃないか。ボクサー、アリ側はそうじゃないじゃないか。これだけハンディキャップあってどうやってルール決めるんだって。これですよ。そこのところを乗り越えるのが61分3本勝負であったり、196cmしかない人でも2m1cmって言ったほうがファンには聞こえがいいだろうって。プロレス的な考え方が私の考え方だから。平井にこれからは2m1cmにしておけと。大丈夫。それくらいのことはファンに対するアピールだろうと。それがプロレスだってんだ。それを勘違いしてプロレスだったら何をやってもいいってわけじゃないんだ。
 でもホントにね、自分はタイガーマスク以来(リングサイドに陣取って)こうやって見るね。席を作ったってことが喜びだよね。あんなとこ絶対入れなかったもんね。選手以外あそこに入ったら大変だったんだ。控室だって私だって入れてもらえなかった。時間になると『新間出て行け』って。でも、それが楽しかった。なんでも見せればいいってもんじゃないってんだ。男だったら分かるでしょ?ってんだ」 
佐山「……今日から初代タイガーマスクは181cmにしといてください(笑)」

――納谷選手の得意技というのは何でしょうか
佐山「まだ隠してますよ。この間は出さなかったんで。まだ言うことは出来ないです。すごい高いところから、こうやってね。ヒントですけど。まだ隠してます。出す機会が無かったということですね」

――佐山選手が試合に出場するという可能性は?
佐山「今回は無いですね」
新間「でも、私からするとね、タイガーマスクって、とても身体能力持ってた人。まあ今心臓手術して、体調面がね。平井とも時々話しているんですけど、佐山ちゃんのエキシビジョンマッチというのも見てみたいと私は思う。2分でも3分でもいいからリング上で彼が若い選手の手を取り足を取りしながら、『こういうものはこうである』と解説しながらお客さんに技の説明をしてもいいじゃないかと。そういう形で持って、タイガーマスクが自分が会得した技でこういうのがありますよということを、今回の12月7日じゃなくてもそういう機会を持ってくれたら一番いいと思うね」
佐山「すごく良いと思います。流石です」
新間「自分が見てみたいんだ」
佐山「そのときに息を乱さないようにちゃんとトレーニングしておきます」
新間「相手は平井でも結構です。なんかね、裏の話を書くのが専門家みたいな考えをしているマスコミの人はちょっと考えてもらいたい。裏の話を俺はああいうの知ってるぞ、こういうの知ってるぞっていうのを、6m40cmのことをお前ら何を知ってるんだってんだ。体験させてくれっていうんで、あんまり言うからマスコミ集めてバトルロイヤルさせたことあったじゃない。賞金10万円で。あんまり書くようだったら皆出てきてくれっつって、後ろのリングでマスコミバトルロイヤル15人出場、優勝賞金15万ってことで。またやってもらってもいいよ。自分で痛さを感じてみろって。新日本プロレスの旅行とか行くと、マスコミの連中が行くと腕相撲。腰に紐をつけて両者引き合う。それから綱引きね。そういうことを体力づくりをマスコミ参加でもって、いろんなことを新日本プロレスのときは同行してもらったマスコミの人とね。選手はレフリーになってそういうのをやったんだ。ゴングの竹内なんか、なんか変な覆面かなんか被って出てきて、フォークかなんかここに入れててチラチラ見せたと思ったらマスコミの連中に見つかっちゃって皆で竹内に乗っかって1,2,3で10秒も経たずにほっぽりだされたもんね。今度はマスコミ集めてバトルロイヤルやってもいいんじゃない?リングでやっても良いんじゃない? 実験……原点回帰のプロレス大会で榛葉先生にレフリーになってもらってさ、日刊スポーツの方どうぞって。一人ずつ相手を平井が選んで……納谷でもいいじゃない。2m1cm、135kgの。『俺と戦ってみろ!』って」 
佐山「デビュー第3戦は、マスコミvs納谷幸男!これ面白いな。お前ら出るか?参加料一万円出せよ。納谷をちょっとでもたじろがせたら5万円とかね。やっぱお金かかると皆一生懸命になってやるじゃない。先生の出番、なにか考えましょうよ。コミッショナーと平井と、四天王と一緒になってやりましょうよ」

――先程からお話を伺っていると真剣に正々堂々戦おうということだと思うのですが、それは今お寺を中心にされている「いじめ撲滅」というものと精神的に根本からつながっているのでしょうか
新間「一昨日、インドのブッダガヤというお釈迦様が悟りを開いた聖地からの住職、京都の一流の本山を呼んだの。私とタイガーが金沢の日蓮宗の本山、妙成寺という、幸男がトレーニングをやったところ。すごい古い五重塔が立っている。そこにご招待して、私達インドと日本とでイジメ撲滅で話をしましたけど、インドでも非常にプロレスが盛んになってきている。ダラ・シンという力道山とも戦っていた人をすごく尊敬している。タイガー・ジェット・シンもカナダで学校に名前を名前をつけてもらっている。それで、石川県とタイガー・ジェット・シンのミルトン市と、姉妹都市の提携をして、相互交換留学生をやろうと。イジメ撲滅で宗教家も賛同して、今タイガーマスクが提唱しているイジメ撲滅運動をこれから世界的に展開していこうと。
 それでこのプロレス大会に子どもたちを招待してお呼びしようと思っています。イジメだって会社の中にもいくらでもあるじゃないですか。あんたたちの会社でも何人かイジメにあって、退職もそのイジメを引き摺っている会社のOBなんか私はよく知っていますよ。プロレスのように実力があって、実力通りのことが出来ない人たちってのは随分いましたからね。スターになる顔じゃないとかそういうことを影で言われたり。新日本プロレスの道場だってイジメの巣窟だったよ。言い出したらキリ無いよ。『まさかあの人が』って人がイジメの先頭に立ってやってたよ。だからリングの中の善人がリングを降りてもベビーフェイスじゃないってことだ。映画の中で善人面してる奴がスクリーンから出たらとんでもない悪人だったとか、そんな話はいくらでもあるじゃないか。私が82年生きて、プロレスのリングの中は本当に真剣に戦う人たちの集まりだった。新日本プロレスというのはそういう団体だった。タイガーマスクがやって来たことは、真剣に戦うプロレスをやってきたこと。榛葉先生はそこに子供の頃に夢を抱いて、タイガーマスクのコミッショナーをやるとは子供の頃に自分自身が予見できていたら、自分の人生変わっていたとよく言われますけど、本当にそのとおりだと思います。真剣に戦うプロレス、それをタイガーマスク、私、そして榛葉コミッショナーは目指しております。話が横にそれちゃちゃったようで申し訳ない」

初代タイガーマスク佐山サトル認定
『原点回帰』プロレス大会
日時:2017年12月7日(木)
開始:18:30
会場:東京・後楽園ホール

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