パンクラス12.6有明大会 大山峻護ラストマッチ、3階級制覇を目指して近藤がウェルター級K.O.P挑戦

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PANCRASE 263

日時:2014年12月6日(土)
開場:15:00 開始:15:30
会場:東京・ディファ有明
観衆:2014人(超満員札止め)

【パンクラスゲート】
▼第1試合 フェザー級 3分2R
△小畑公史(U-SPIRIT JAPAN町田)
2R終了 時間切れにより引き分け
△柳井康作(リバーサルジム東京スタンドアウト)

【本戦】
▼第1試合 バンタム級 3分3R
○CORO(和術慧舟會TLIVE)
3R 1分53秒 チョークスリーパー
●佐々木郁矢(T-Presure)

▼第2試合 スーパーフライ級 3分3R
●廣瀬 勲(ストライプル)
3R終了 判定1-2
○井島裕彰(GUTSMAN)

▼第3試合 フライ級 3分3R
○小塚誠司(FREEDOM@OZ)
2R 0分54秒 TKO(グラウンドのパンチによりレフェリーストップ)
●須田 悠(キングダムエルガイツ)

▼第4試合 フェザー級 3分3R
●原田惟紘(パラエストラ北九州)
3R終了 判定0-3
○牛久絢太郎(和術慧舟會TLIVE)

▼第5試合 ライト級 3分3R
○児山佳宏(パラエストラ松戸)
3R終了 判定3-0
●太田駿平(ドン・キホーテ)

▼第6試合 スーパーフライ級 5分3R
○古賀靖隆(Lotus世田谷)
3R終了 判定3-0
●北郷祐介(和術慧舟會 横浜道場)

▼来年のメディアに関する発表

▼パンクラス ラウンドガール卒業式

▼第7試合 ウエルター級 5分3R
○村山暁洋(GUTSMAN)
3R 0分27秒 TKO(グラウンドのパンチでレフェリーストップ)
●鈴木槙吾(ALLIANCE)

▼第8試合 AVA & BADBOY presents ワールドスラムトーナメント ライト級準決勝戦
○アキラ(久我山ラスカルジム)
2R 0分34秒の時点 判定2-1
●奥野“轟天”泰舗(CAVE)
※アクシデントにより、この時点での判定

▼第9試合 ウェルター級 5分3R  ウェルター級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ
○レッツ豪太(総合格闘技道場コブラ会)
3R終了 判定3-0
●近藤有己(パンクラスism)
※レッツが初防衛に成功

▼第10試合 無差別級 3分3R  大山峻護ラストマッチ
○桜木裕司(掣圏会館)
2R 1分03秒 TKO(セコンドのタオル投入)
●大山峻護(フリー)

▼第11試合 スーパーフライ級 3分3R
●小野隆史(GRABAKA)
1R 1分12秒 アームバー
○田中智也(CURA)

▼第12試合 スーパーフライ級 3分3R
○宮城友一(フィット&キックボクシングDrop!!)
3R終了 判定3-0
●鮎田直人(CAVE)

▼第13試合 バンタム級 3分3R
○工藤修久(禅道会 小金井道場)
2R 0分09秒 TKO(グラウンドのパンチによりレフェリーストップ)
●統好(CRAZY ARMAMENT)

▼第14試合 バンタム級 3分3R
○阪中カツヒロ(Lotus世田谷)
3R終了 判定3-0
●亮AKB(リバーサルジム川口REDIPS)

▼第15試合 フェザー級 3分3R
○蓮實 光(パラエストラ栃木)
3R終了 判定3-0
●飯嶋貴幸(NATURAL 9)

▼第16試合 フェザー級 3分3R
○杉山和史(ターニングポイントMMA/ハイブリッドファイター)
3R終了 判定3-0
●三苫“キングコング”亮人(パラエストラ八王子)

来年のメディアに関する発表

パンクラス地上波放送第6試合終了後、パンクラス・酒井正和代表がケージに入り、2015年春より,テレビ東京においてパンクラスの番組を放送することを発表した。
かつてパンクラスは、同じテレビ東京で『格闘X(エックス)パンクラス』という週1回の30分番組を持っていた。パンクラスが地上波で放送されるのは12年ぶりとなる。
酒井代表は「世界では総合格闘技がスポーツとして認知されているが、最近の日本ではなかなかテレビ放送ができなかった。この2年間活動し、テレビ東京さんで何とかできることになり、嬉しく思っている。総合格闘技が究極のスポーツだということ、そしてそれに真剣に挑んでいる選手たちの姿を一般の視聴者にも届けたい」と語った。
放送の対象となるのは、2015年2月1日、3月15日、4月26日、5月31日、7月5日、8月9日、10月4日、11月1日、12月13日の各大会。番組形式は90分のスペシャル番組で、2015年中に4回放送する。以前のバラエティ系の内用ではなく、試合中継を中心にナレーションや実況を入れ、多くの選手たちを取り上げる予定だ。番組のタイトル、放送時間は未定。

ラウンドガール卒業式

ラウンドガール卒業式2013年からパンクラスのラウンドガールを務めた高橋千咲姫、石黒エレナ、森杏奈の3名が、今大会をもって卒業することとなった。3人は笑顔でケージイン、慰労の花束を受け取った。しかし、コメントする段になると、2年間の思いが溢れたのか、うっすらと涙を浮かべながら語った。
森「2年ラウンドガールを務めさせていただきました。本当にありがとうございました」
石黒「2年間の間に、パンクラスはリングからケージになって、進化しています。来年はもっと人気のスポーツになっていると思います。これからも、是非見てください」
高橋「私は2012年から3年間やらせていただきました。もともと格闘技が大好きで、パンクラスを目の当たりにして、選手のみなさんが命をかけて闘う姿や、ファンの皆さんが選手を信じて応援する姿にいろいろなことを教わりました。たくさん格闘技団体がありますが、私はパンクラスがナンバーワンだと思っています。来年からテレビ放送が始まるのに出られなくて寂しいですけど(笑)、これからは一ファンとして応援します。今までどうもありがとうございました」
なお、2015年度のラウンドガールは、今月中旬にオーディションがおこなわれる予定。

第7試合

2014-12-6パンクラス有明_第7試合今年8月、レッツ豪太との王座決定戦に敗れ、戴冠を逃した村山。鈴木は、過去にタイトルマッチを経験している。両者ともチアゴ・ジャンボと闘っており、村山は判定勝ち(今年3月)、鈴木は秒殺KO負け(昨年11月)している。恐らく勝った方が次期挑戦者になると目された試合。果たしてどちらがタイトルマッチへの切符をつかむのか。

1R、村山はジャブを当てていく。村山がテイクダウンすると鈴木はすぐに立つが、ゴング。ジャッジは三者とも村山。

2R、鈴木はパンチで前に出る。村山がバックを取ると鈴木は反転して上になるが、細かいパンチは打つものの攻めきれない印象。村山の立ち際にパンチを放つもこれは不発となる。しかし手数を出し、ジャッジは二者が鈴木を支持。
最終ラウンド。打ち合いから、村山のパンチが鈴木の顔面にヒット! 鈴木はダウン。村山はすかさずパウンドにいくが、レフェリーが止めた。

村山は全体に隙なく、慎重かつ丁寧に闘った。いっときも気を抜くことなくチャンスを待ち、勝ちをつかんだ試合だった。このあと、セミファイナルでタイトルマッチがおこなわれるが、村山がレッツ豪太、近藤有己のどちらと闘うことになるのか楽しみだ。
鈴木は勝つときも負けるときも豪快な印象だ。パンクラスで16戦しているが、そのうち判定決着は4試合のみ。勝っても負けても魅力的な選手であり、タイトルを狙える位置にあることは変わりない。今後の巻き返しに期待したい。

第8試合

2014-12-6パンクラス有明_第8試合昨年9月に開幕したものの、外国人選手の事情などで途中でストップしていた状態のワールドスラムが再開された。アキラ、奥野ともに初戦にはエントリーしていないが、これまでの実績から抜擢された。決勝では北岡悟が待っている。一体どちらが北岡と闘うのか。

1R、奥野はいきなり左ジャブ。じりじりと前に進んでいく。一方のアキラはローキック。時折、体を左右に振ってフェイントをかけながら様子を見る。両者が一気に寄って打ち合うと、奥野がグラつくが、すぐに体勢を立て直す。アキラの左ハイキックを受けて奥野が笑ったように見えた。アキラの闘いに手応えを感じているのか。アキラは次第に手数を増やし、大きくパンチを振って奥野に襲いかかる。奥野はタックルを仕掛けるが、アキラが上に。奥野がすぐ立つと、アキラは離れ際に鋭いパンチを浴びせる。さらに強いパンチを打ち込んだところでゴング。

2R、アキラは積極的に強いパンチを打っていく。奥野がパンチを返し、アキラが打ったが、アキラの指が奥野の目に入り、試合中断。奥野のドクターチェックが行なわれる。奥野は「大丈夫、見えます」と言っているが、ドクターによれば傷が角膜まで到達している模様。その横で審判団が反則か否かを協議している間、奥野は続行をアピールするようにシャドーを始めるが…。

協議の結果「この事態はアキラがサミングという反則行為を犯したわけではなく、アクシデントによるもの」と判断、ルールにより2ラウンド0分34秒までの試合内容で結果を判定することとなった。トーナメントなのでマスト判定。ジャッジ2-1でアキラが北岡戦への切符をつかんだ。奥野は初参戦のパンクラスで無念の途中終了となった。

第9試合

2014-12-6パンクラス有明_第9試合王者・レッツ25歳、挑戦者・近藤39歳、なんと14歳差のタイトルマッチ。近藤が勝てば、前人未踏の3階級制覇を成し遂げることになる。若き王者が牙城を守るのか、“レジェンド”近藤が新たな伝説をつくるのか。

1R、近藤はローキックで様子をうかがう。レッツはプレッシャーをかけながらジャブを繰り出す。シュッ、シュッと息を吐きながらリズミカルにローキックを繰り返す近藤だが、レッツは次第にリズムを飲み込み、ローのあとに合わせてパンチを打つ。終盤、近藤が一気に出てパンチを打つが、倒すには至らない。ジャッジは二者レッツ、一者が近藤を支持。

2R、ジャブを繰り返していたレッツがタックルを仕掛けると、近藤は倒れるもすぐに立つ。続いてレッツは投げるが、近藤は倒れない。レッツがバックを取ると、近藤は正対。レッツが網へ押し込む。ヒザを打ち合うがブレイク。レッツは近藤の蹴り終わりに合わせてジャブ。双方、決定打なく終了。ジャッジは三者レッツ。近藤は1Rを落とした時点で追い上げるべきではなかったか。もうKOするしかない。

3R、近藤は右ハイキック、左ミドル。ローキックを出しながらチャンスを狙うが、王者は既に逃げ切りを狙っている。近藤は攻めの中でフックも出そうになるが、タイミングが合わない。近藤のミドルキックの蹴り足を取るレッツ。ここで、近藤のローキックがローブローとなり、試合中断。レッツが回復すると再開。レッツがタックルからテイクダウン。近藤は下からヒジ。立つが、残り10秒。ゴング。レッツが初防衛を果たした。

近藤は何も出さないうちに時間だけが過ぎていった印象。レッツをつかまえることができず、付け入る隙がなかったか。近藤の典型的な勝ちパターンは8月に石川英司戦のような早期決着だ。スタミナに問題ないとはいえ、戦略的にもっと早く勝負をかけるべきだったかも知れない。しかし、控え室での近藤はケガもなく、「まだまだ頑張ります」と語っていた。ismにパンクラスのベルトを取り戻すためにも、次の挑戦に期待したい。
レッツコメント「今日はありがとうございました。近藤選手、試合をしてくれてありがとうございました。そして、仲間や応援してくれた人、本当にありがとうございました。前回、次の試合では王者にふさわしい試合をしますと言ったけど、まだ足りないと思います。でも、さっき、近藤選手が王者にふさわしい器と言ってくれたので、これからは自分に自信を持ちたいと思います。パンクラスのベルト、まだまだ一所懸命守っていきます」

レッツ豪太

第10試合

2014-12-6パンクラス有明_第10試合1PRIDE、K-1、HERO’S、DREAM、ROAD FCを渡り歩き、40代になっても闘い続けると発言していた大山。しかし、肉体的限界を感じ、引退を決めた。柔道をベースに武道の心をもって闘ってきた大山が最後の相手に指名したのは、やはり武道の心を標榜する桜木裕司だった。強さや技術、勝ち負けだけではない何かを伝えたいと語った大山。激しい打ち合いは必至だ。

1R、大山は回りながらパンチ。桜木もパンチをどんどん打ち込む。桜木がバックキックからパンチを打ち込むとフラつく大山。しかし、なおも真っ向から立ち向かう。打ち合うと大山がダウン、こめかみあたりから出血してドクターチェックを受ける。再開。桜木のパンチで再び大山はグラつく。ゴング。

2R、大山は大きく深呼吸して桜木を睨みつける。さらに打ち合いを仕掛けるが、桜木のパンチがヒットしてダウン! 桜木がかぶさりマウントパンチ。レフェリーが止めるより前に大山のセコンド陣がタオルを投入した。大山は、最後の試合で文字通り完全燃焼。桜木が見事な介錯を果たした。

2014-12-6パンクラス有明_第10試合2

大山峻護引退セレモニー

大山峻護引退セレモニー続いて大山の引退セレモニーがおこなわれ、酒井代表が記念の盾、大山の妻・純子さんが花束を贈り、功績を讃えた。そして10カウントゴングが会場に響いた。

大山マイク「桜木選手、ありがとうございました。最後に君と闘えてよかった。そして、このように素晴らしい場を設けてくださった酒井代表、ありがとうございました。そして坂本運営部長、たくさんお世話になりました。それから、仲間たち、ずっと応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
そして、妻・純子の存在が大きかったです。純子がいなければ、ここまでやって来られなかったと思います。13年間、本当にありがとうございました。こんなに負けて、ケガしてばかりで、期待を裏切ってきた選手はいないのに、ここまで支えてくださって本当にありがとうございました。もがき続けてきましたが、幸せな格闘技人生でした。次の人生も全てを力に変えて生きて行きます。本当にありがとうございました」

<試合後コメント>
大山峻護
「すごく幸せな格闘技人生だったなあと思います。今日、勝って、応援してくれた人たちに恩返ししたいという気持ちと半々ですね。
今日は真っ向から勝負するつもりでした。引退試合を受けてくれた桜木選手と心の勝負をしたかったからです。テイクダウンして、つけて…という試合だけはしたくありませんでした。僕は彼とこういう勝負をしたかったので、悔いはありません。真っ向から打ち合って、桜木選手の魂が伝わってきました。ののしり合いではなく、お互いにリスペクトし合っている者同士が真っ向から勝負する、こういう試合をしたかったんです。桜木選手は、心から人として尊敬できる人です。そういう人と最後に闘えて幸せです。試合前も、終わった今も、闘えてよかったと思っています。
今までで一番いい思い出と、悪い思い出ですか。両方とも今日ですね。勝負の仕方は前から決めていたことなので悔いはないですけど、勝って、応援してくれた人に最後の恩返しをしたかった。なので、良いも悪いも両方とも今日です。
もがいてきた格闘技人生でしたが、間違っていなかったと思います。多くの人に支えられてきた格闘技人生でした。
後輩たちに伝えたいのは心の部分です。強くなると同時に、心も磨かれたファイターになってほしいです。たくさんの人から慕われるファイターになってほしい。伝えられたかはわかりませんけど。伝えようとした気持ちだけはわかってもらえたのではないかと思います。
次の人生は、ある大学から声をかけていただいていて、柔道部の監督として柔道界に恩返しをしていきたいと思っています。プロを引退してから1年はできないので少し先になりますが、心も体も磨いた選手を育てていけたらと思っています」

【写真・文/佐佐木 澪】

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